Photo:タリン空港近くのウレミステ駅の夜明け
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今日はエストニアの首都タリン空港近くのウレミステ駅から列車に乗って一路、隣国のラトビアを目指す。
でも朝8時を過ぎてるのにまだ辺りは真っ暗…
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ウレミステ駅8:23発のValga駅行き区間急行列車で出発!
エストニアの鉄道は民営化されており、しかも数年前に来た時とは事業者も変わっているようでELRONという会社が列車を運行しており、最新型のスイス製高性能気動車が使われている。
IT先進国のエストニアらしく、停車駅情報のモニタ表示やICカード乗車券の読取機も備え付けられているのはさすが。
…2013年に来た時はまだ旧ソ連製のディーゼルカーが使われていたのに、変化が早いなぁ。
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スイスのシュタッドラー社製の車両は、今やヨーロッパではいたるところで見かける標準型。
車体中央のデッキ付近が超低床となっており、車端部はハイデッカー構造となっている階段型の車内。
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ソ連基準の広軌のせいで車体幅が広いらしく2等席の普通車は自由席で横3列シート×2。大柄な北欧系の人にはさすがにちょっと窮屈そう?
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僕は今回は事前にネット予約で1等席を予約しておいたので、横2列シートでゆったりと旅を楽しめる。
1等席には事前の座席指定や、座席備え付けの電源と1等区画専用の高速Wi-Fiが使える特典もあるので便利(もっとも車内Wi-Fiは1等区画以外でも無料Wi-Fiが使えるが)。
ただし、以前はあったスナックサービスは車内販売ごと無くなっていた。
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9時を過ぎた頃、ようやく夜が明けてきた…
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10時過ぎに、エストニア第二の都市タルトゥに到着。ここで大部分の乗客が下車し、列車は各駅停車となってValgaへと向かう。
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タルトゥは2013年に来たことがあるので懐かしい。(→2013初夏・北欧バルト海紀行 #007:Science Centre AHHAA -タルトゥ科学館「AHHAA」)
この通りを進んだ先の市街地に、日本の大平技研が開発納入したスーパープラネタリウムMEGASTARを用いた世界で唯一の全球式プラネタリウムを備えたタルトゥ科学館「AHHAA」があるのだ…
でも今日はタルトゥでは降りずにこのまま先を目指す。
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タルトゥから先は、森の中と時々現れる小さな村を縫うように進んでいく。
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11:27、定刻にValga駅に到着。
ここはエストニアとラトビアの国境の駅で、両国間を鉄道で移動する場合は直通の国際列車は運行されておらず、必ずここで乗り換えとなる。
さて、乗り換えるラトビアの列車の発車時刻は…なんと5時間後!駅にはまだラトビアの列車の姿も見えない始末。
平日ならもっとスムーズに乗り継げるのだが(それでも数時間待ちだが)、今日は年末年始の休日ダイヤなので列車の時刻が繰り下がってこんな事になっている訳だ。
まぁ、それを承知で自分で乗り継ぎ行程を組んだのだから文句は言えないが…
現在、バルト三国間の移動は安くて便利な高速バスが主流となっており、鉄道での移動需要は殆ど無いのが実情らしい。
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がらんとしたValga駅の待合室。
天井が高くてまるで教会の大聖堂のようだ。
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駅舎の外観も教会に似ているValga駅。
美しい駅だが、5時間も待つのは退屈なので町を散策してみることにする。
Valgaはバルト三国独立の際に町の中に国境線が引かれてエストニアとラトビアとに別れてしまった町である。
もっとも、独立当初は実際に町の中の生活道路に国境検問所が置かれていたそうだが現在では全て廃止されており、特に国境を意識すること無く町を歩き周ることが出来る。
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駅近くに静態保存されている蒸気機関車を発見。
タルトゥからラトビアの首都リガまでの路線で使われていたらしい。
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水辺公園のような気持ちのいい場所にやって来た…
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「おっいいカモが来た!」とばかりに鴨さんが襲来!「エサくれ~」
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だがエサをくれないと分かるとあっという間に撤退。シビアでドライな奴らだ…
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でもこんなに気持ちのいい場所なのに、よく見ると川の水は生活排水で汚れて合成洗剤の泡まみれだったりするのはいかがなものか。
日本から環境浄化技術を提供出来ないかなぁ、代わりに最先端のIT技術を教えてもらうって事でさ。
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寒くて身体が冷えてきたので駅に戻ると、ようやくラトビアの列車が到着していた。
まぁ発車まではまだあと2時間ばかりあるが。
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Valga駅の駅舎内に小さなカフェがあったので、コーヒーで身体を温めて待つことにする。
このカフェ、どうやら持ち帰り専用のSUSHIバーを兼ねているらしくて、コーヒーを飲んでいるとひっきり無しに地元の人が予約しておいたスシを取りにやって来る。
今日は大晦日、夜は家族で寿司を囲んで楽しい年越しパーティーとは、日本と全く変わらないじゃないか…
そういえばもう随分、家族での年越しをしていないなぁ…日本の家族は今頃何をしているかな?などとバルト三国の小さな国境の町で暫し望郷の念に耽る。
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SUSHIバー兼カフェの店内には小さな日本食材コーナーも。
キッコーマンの醤油から海苔にわさびに巻き簾と、一通り揃っているのであとは米と魚さえあればバルト三国でも自宅でスシが作れそうだ。
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コーヒーを飲んでいるうちに日が暮れたValga駅。
そろそろラトビアの首都リガ行きの列車の発車時刻だ。
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午後4時半頃、タルトゥからのエストニアの列車が到着。この列車からの乗客の乗り継ぎを待ってリガ行き列車が発車する。
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16:38、Valga駅を発車したリガ行き列車の車内はガラ空き。
最新型のスイスのシュタッドラー社製高性能気動車が投入されていたエストニアの列車とは違って、ラトビアの列車はソ連占領時代にリガの鉄道車両工場で造られた無骨なソ連型車両が今でも使われている。
もっとも、車内はきれいに手入れされていて座席も新しいものに取り替えられているので乗り心地はそんなに悪くはない。エストニア同様に乗車券も事前にネット予約することが出来る。
かなり古い車体なのにしっかり車内Wi-Fiも使えるようになっているのは、さすがIT先進地域のバルト三国!これは日本の鉄道にも見習って欲しい、本当に…(JR九州の在来線特急列車や山陽九州新幹線なんて未だに車内Wi-Fiが無いんだよな…)。
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Valga駅を発車直後に全く目立たない国境線を越えた列車は真っ暗なラトビアの夜をひた走る。
「あ~、日本はもう日付が変わった…周りに誰も居ないけど、明けましておめでとうございます!」
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定刻通りの19:48、終着駅のリガ中央駅に到着!
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リガ中央駅は高い時計塔が印象的。かなり規模の大きなターミナル駅だ。
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駅前も大きな建物が建ち並んでいて、道路も通行量が多くて大都会という感じがする。
初めて来たけど、すごいなリガ…
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中央駅から10分ほど歩いて旧市街に入ったところにあるホテルにチェックイン。
フロントのお姉さんは片言の日本語で挨拶してくれるのでちょっと嬉しい。
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そして、さらに嬉しいことにこのホテルの部屋にはバスタブがある!やったー大晦日の夜にお風呂に入れる(笑)
でも、風呂に入る前にちょっと夜のお出かけ。
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向かった先は、既に大勢の人たちが集まっている旧市街のダウガヴァ川沿いの広場。
恐らくここで年越しのカウントダウン的なイベントが開催される筈…
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思った通り、日付が変わると川向うで一斉に花火が打ち上げられた!
このリガの年越し花火大会は毎年恒例で雨天でも決行される重要な行事らしい。
新年の午前零時ちょうどには始まらず、数分遅れて花火の打ち上げがスタートするのは年越しと同時にラトビア国歌が斉唱されてそれが終わるのを待っているからだとか。
…もっとも、僕がいる場所では喧騒にかき消されて国歌は全く聞こえてこなかったけれど。
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花火大会が終わると、皆一斉に帰路につく。とにかく寒いので、はやく風呂で温まって寝たい!
それでは皆さん、改めて明けましておめでとうございます!おやすみなさい。
→3日目(2018年1月1日)に続く