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2016ニューヨーク滞在記 2:マンハッタンのスペースシャトル

2016-05-29 | 旅行記:2016 ニューヨーク
スペースシャトル試験機「エンタープライズ」 イントレピッド海上航空宇宙博物館


1:NYモダンアート美術館散歩からの続き

摩天楼のNYマンハッタン、タイムズスクエアにも程近いハドソン川に面した86番岸壁には巨大な航空母艦が係留されている。
第2次世界大戦から朝鮮戦争・ベトナム戦争にまで長く戦役に就き、第2次大戦末期には日本海軍の戦艦「大和」を攻撃し撃沈したという戦歴を持つアメリカ海軍の空母「イントレピッド」の退役後の船体をそのまま使った“水上の博物館”、イントレピッド海上航空宇宙博物館である。



このイントレピッド海上航空宇宙博物館には数多くの歴史的な軍用航空機が艦上の滑走路甲板に並べて展示されているのだが、それだけにとどまらず宇宙に関する貴重な機体も展示されている。
それが、スペースシャトル「エンタープライズ」である。

…何故、航空母艦にスペースシャトルが?
と首を傾げたくなるところだが、実はイントレピッドは第2次大戦後にはNASAの初期の有人宇宙飛行計画であるジェミニ計画に参加しており、
地球に帰還した宇宙船ジェミニ3号と搭乗していた2名の宇宙飛行士をフロリダ沖の大西洋上で回収するというミッションを行っている。アメリカの宇宙開発史にも大いに関わりのある船なのである。
その縁で、前代未聞の空母でのスペースシャトルの実機展示が実現したのだろう。

これが、空母イントレピッドの甲板上に鎮座ましますスペースシャトル!
最初に造られて空を飛んだ試験機「エンタープライズ」だ!!


…大きすぎてファインダーに収まりきれない(笑)

この「エンタープライズ」、空母イントレピッドの航空甲板後部に設えられた展示用建屋の中に収められており、見学には通常のイントレピッドの入場券に加えて特別料金が必要。
狭い空母の甲板上の建屋に大きなシャトルの機体を無理矢理押し込めたような感じになっているので、圧迫感を感じるほど間近でスペースシャトルを見ることが出来るのだ。


スペースシャトルの鼻面を真っ正面から、しかもこんなに近くから見ることが出来る。
…それにしても、この位置から見るとなかなか愛嬌のある顔をしているな(笑)


滅多に見る機会の無さそうな脚周りもこの通り、じっくり細部を眺め放題!

さらに見る機会の無さそうなシャトルの尻尾も、真下から見上げてこの迫力!

…見ての通り、「エンタープライズ」には尻尾にロケットエンジンのノズルスカートが見当たらない。
実はこの「エンタープライズ」、スペースシャトルの開発過程で製作された試験機であり、主に地球帰還時の大気圏内での翼を用いたグライダー滑空性能の確認が任務である。
その為に宇宙空間への飛行は当初から考慮されておらず、当然ロケットエンジンも非搭載で、滑空試験前後にジャンボジェットの背中に載せて空輸する際の気流調整用のカバーで尾部を覆われた姿なのだ。

記念すべき最初のスペースシャトルであり、アメリカの大河SFドラマ「スタートレック」のファンの悲願により劇中の宇宙戦艦の名前を冠して華々しく登場するも、結局一度も宇宙に行くこと無く終わった「エンタープライズ」は今、NYのど真ん中で空母に載って静かに余生を送っている…


ちなみに、何故か「エンタープライズ」の尻尾の下にはロシアのソユーズ宇宙船の帰還カプセルも展示されていた。
ソユーズTMA-6と表記されているので、2005年に打上げられた国際宇宙ステーションISSへの往還ミッションらしい。


そして「エンタープライズ」の船体の下にはこんな宇宙船が…
スペースシャトル「エンタープライズ」の名前の由来となった、「スタートレック」に登場する宇宙戦艦U.S.S.エンタープライズ号に搭載された小型シャトルの実物大モックアップのようです(笑)
こういう洒落が利いてるのが、如何にもアメリカの博物館展示だなぁ

そして、こんなものまで…

映画007シリーズに登場したジェームズ・ボンドのスペースシャトル「ムーンレイカー」のプラモデル!!(笑)
…確か、映画の中ではジャンボジェットの背中に載って空輸中に突然ロケットエンジンを噴かしてハイジャックされるんだよなぁ。外部燃料タンクも無い状態で一体どうやってロケットエンジンを動かしてたんだろう、謎だ(笑)

…という訳で、狭い展示スペースに玉石混交に色々なものがつめ込まれた、まさにマンハッタンのカオスなおもちゃ箱のようなイントレピッド海上航空宇宙博物館のスペースシャトルでした。

3:アメリカ自然史博物館とヘイデン・プラネタリウムに続く

熊本地震以来久しぶりの…今日のSL人吉と「しんぺい4号」(平成28年5月21日)

2016-05-21 | 鉄道

今週末の夕方、いつものJR鹿児島本線の不知火跨線橋まで行ってみました。

ここで熊本行きのSL人吉を出迎えて撮るのも随分久しぶり…
熊本地震の発生以来ですから、もう1ヶ月以上もご無沙汰でした。

いつも通りの時間にやって来たSL人吉も、ファインダー越しの風景も、地震の前と何も変わっていないように見えますが、実際にはそこかしこの住宅の外壁には亀裂が入り、倒壊している家屋こそ見かけませんがかなり甚大な被害を被っている模様…
この辺りは震源域の益城に比較的近いので被害も大きかったようです。
いつも写真を撮らせてもらっている路地裏にある小さな神社の鳥居や石燈籠も崩落していて、心が痛みます…


今日も夕暮れ時の被災地を蒸気機関車8620が力強く駆け抜けます。
復興を牽引して、頑張って走ってくれハチロク…!!



SL人吉の小一時間後に後続して鹿児島本線を上って来る臨時のED76牽引のコンテナ貨物列車を待ちますが、今日は現れず。
もう運行期間が終わってしまったのかな?



今日の締めは「しんぺい4号」


松橋駅の駅舎の新築工事もだいぶ進展しているようですね。
震災の後に出来上がる、真新しい駅に期待です!

2016ニューヨーク滞在記 1:NYモダンアート美術館散歩

2016-05-21 | 旅行記:2016 ニューヨーク
The Museum of Modern Art ニューヨーク近代美術館(MoMA) 彫刻庭園


ニューヨークには多数の世界的な美術館が存在する。
その全てをじっくり観て周ったら、時間がいくらあっても足りないに違いない。

現地に長く留まるか、いっそ住めればそれが一番いいのだが、ホテル代も家賃も驚くほど高額なのがNY。
やむを得ず、ほんの数日間滞在するだけの旅行者は、夥しい数の綺羅星のような美術館群から好みの数館を選び出すという楽しくも悩ましい作業を、渡航前に強いられる事になる。

今回、僕が選んだのはNYでもモダンアートの定番中の定番とも言える2つの美術館。
…困ったときはやっぱり無難な選択をしてしまうものなのだ(笑)

先ずは、マンハッタンのアッパーイーストサイド、五番街の一角を占める通称“ミュージアム・マイル”に建つこちらの奇妙な建物。


ソロモン・R・グッゲンハイム美術館

NYでも特に美術館が集中して立ち並ぶミュージアム・マイルで一際異彩を放つ、渦巻状の建築が目を引く。
近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが手がけた、マンハッタンの巻き貝とも言われるこの建屋自体が既に一つの素晴らしい近代美術作品だ。





グッゲンハイム美術館の中に入ると先ずエレベーターで最上階に上がり、それから巻き貝の殻の内側に沿った螺旋の通路を下りながらじっくりと作品を鑑賞する…という流れになるのだが、何と2016年の5月時点でグッゲンハイム美術館はその螺旋部分が改修工事中であり、巻き貝の殻には入れない状態だった。
なんてことだ!

ただし、巻き貝の殻以外の部分では引き続き作品が公開中で、カンディンスキーやピカソの幾つかの素晴らしい作品には出会うことが出来たのがせめてもの救いか。
ちなみに当然のことながら入館料金も大幅にディスカウントされていた。

続いて、五番街の繁華な中心部を歩いて向かった先は…


ニューヨーク近代美術館

最早、説明不要か。MoMAの愛称で親しまれる、世界の近現代美術の集大成であり最高峰の美術館である。



日本人建築家の谷口吉生氏が手がけた機能的なMoMAの館内には、まさに「美術の教科書のページ」そのままの名画中の名画がずらりと…



比較的コンパクトな展示なのだが、その圧倒的な内容に打ちのめされたような気分になるのだ。
そして、気が付けば既に閉館時間。まさに時間を忘れ、気力と体力を搾り取られたような満足感のある疲労と余韻に浸る事になった。

やはり、数日間の滞在でNYの美術館の真髄に触れることは到底不可能だ。また近いうちに、出来れば何度でも、再びこの恐るべき美術館都市に来なければ…
NYで美術館を訪れた誰もが抱くであろう、ありふれた感想が心に残った。

2:マンハッタンのスペースシャトルに続く

ニューヨークに行ってきました

2016-05-15 | 旅行記:2016 ニューヨーク

お久しぶりです。暫くご無沙汰しておりました。

ゴールデンウィークには2016熊本地震以降も揺れ続ける地元を離れて、気晴らしに海外に行ってきました。
今回の旅先はアメリカ・ニューヨーク
世界一刺激的な摩天楼の街を歩きまわって、憧れの天才発明家の足跡を辿り、街中に溢れかえる美術館と博物館の群れにどっぷりと浸り、戦艦大和を沈めた空母の上で宇宙に行かなかったスペースシャトルに出会い、そしてオペラとミュージカルに明け暮れて、すっかりリフレッシュして熊本に戻って来ました!

今回もぼちぼちマイペースに旅行記を綴りますので、例によってどうぞ気長にお付き合い下さいませ。…次の旅が始まる夏休み前までには終わるかな?

それではまた!先ずは帰国のご挨拶まで、天燈茶房亭主mitsuto1976でした。