天燈茶房 TENDANCAFE

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「寂しい」で片付けてよいものか…寝台特急「出雲」廃止へのカウントダウン

2006-02-28 | 鉄道
このところ、たて続けに打ち上げられる国産ロケットに夢中になっていたが気がつけばもう2月も終り、今週から季節は春の3月である。
春は別れの季節…とは少々古臭い言い回しだが、もうすぐ寝台特急「出雲」号ともお別れだ。
「出雲」は東京と山陰の出雲市を結ぶブルートレイン。
かつては「山陰の女王」と呼ばれ(ていたらしいんですが、実際にそんな大仰な渾名で呼んでいたという人に会ったことがありません。真意の程を知る人が居られたらご教授下さい)、
20年程前までは寝台券の入手も困難な程の人気列車だったそうだ。
しかし新幹線や航空路の整備に伴い乗客は減り続け、とうとう3月18日のJRのダイヤ改正で廃止される事となった。

…しかし、実際は乗客の減少以上に「ブルートレインであること」が「出雲」に引導を渡すことになった側面もあるらしい。
「出雲」は機関車が寝台車を牽引する列車で、電車よりも足が遅い。そのため、東京付近の東海道線の通勤電車群に割り込んで走ると俊足の電車の足を引っ張る事になり、「出雲」の前後は通勤電車の本数を削って「道を空けてやる」必要が出てくる。
JRとしては、コンスタントに儲かる通勤電車を削ってまで、大して儲からない寝台特急を通すことはしたくないだろう。また、「出雲」のねぐらである品川の車両基地を移転して跡地を再開発用地に転用するプランも進行中と聞く。深夜勤務の乗務員の人件費やら、コストがかさんでうまみの少ない寝台特急をバッサリ切り捨てて通勤電車の利潤を追求する方が、私企業である鉄道会社の経営としては健全なのかもしれない。

それでもやはり、伝統ある寝台特急が消える事に寂しさを感じずに居られない人は多いと思う。
東京と山陰を結ぶ交通手段の主役の座から退いて久しく、ハッキリ言ってしまえばなくなっても困る人はそんなにいないだろうが、それでも寝台特急には「文化」がある。夜汽車の発車風景を見て、或る種の感慨を覚えない人はいないだろう。

寝台特急がその存在価値を否定されて消え行く。
それは、人々の心の中にある旅への憧憬やロマンさえも「効率化」や「経済性」の前に否定されようとしている21世紀の日本社会の在り方の一端を現しているように思えて不安になるのは私だけだろうか?

ネットが日本を目覚めさせる…「マンガ嫌韓流2」を読む

2006-02-26 | 本を読む
昨日帰宅したら、ネット書店から荷物が届いていた。
マンガ嫌韓流2
昨年夏、それまでタブーとされていた「韓流の裏側」「韓国の暗黒面」にスポットを当て、物議を醸した問題作の新作である。

今回も、絵柄の拙さには少々引いたがそれ以上に「勢いで読ませる!」感が小気味良かった。
前作もそうだが内容の総てに「ソース」が明示されており事実に裏づけされている分、かなり強引なストーリー展開でもついて行ける。
この手法、ネット掲示板の書き込みなどに説得力を持たせて相手に突っ込みどころを与えないためのテクニックそのものである。
非常に「ネット的(何か嫌な言い方だが)」な本だなということを、今回も感じた。


ともあれ書き方の手法も含めてこのシリーズは「2ちゃんねるハングル板」をはじめとするネット上の韓国議論の集大成と言えるんではなかろうか。
扱っている内容は大抵ネット上で「がいしゅつ」の事例ばかりで、日常的にネット掲示板を巡回している読者なら新鮮味を感じないだろう。
しかし、普段ネットに触れない層には衝撃的だろう。

どんなことでも意図的に「良い面」ばかりが強調されて「問題点」が隠匿されたりなかったことにされるのは健全ではない。
これまでは出てこなかった「問題点」を議論する場が、インターネットという新しいコミュニケーションの場で自由に発展していることは喜ばしいし、
そのことをまだ知らない人々が新しい世界を知るきっかけとして本書シリーズが果たす役割は大きいだろう。
そういった意味で、内容云々以前にこの意欲的なシリーズを大いに評価したい。
本書の巻末の言葉の通り、この本が正常な日韓友好の為に役立つことを期待します。

しかし、本シリーズの本当の主役は愛すべき在日韓国人・松本光一君なんだという事にやっと気がついた…
次作でも松本君の活躍に期待してます

謎の飛行物体現る!って、おいおい…

2006-02-24 | 宇宙
昨日、熊本や九州各県で「南の空に何かが飛んでいる!」とか「変な雲が見える!地震雲じゃないのか!?」という通報や問い合わせが相次いだらしい。
TKU NEWS Topic 南の空に謎の物体!?

未確認飛行物体の正体はもちろん、ミュー5-8ロケット

まあ、はっきりと「あれは鹿児島県のロケット基地から打ち上げられた赤外線衛星を乗せたロケットだ」と知っている僕でも、
実際にあかつきの空に飛翔していくそれを見たときは一瞬腰が抜けそうになるくらい驚いたほど迫力のある光景だったから、
何も知らない人がいきなり見たら「何だあれは!UFOだ、地震雲だあ~!!」とパニックになってもおかしくない。

しかし、ロケットの飛翔を見て驚いた人からの通報が相次いだという事はそれだけ大多数の人が
「今朝、ミュー5が打ち上がる」という事を知らないという事で、
実際テレビや新聞などのマスコミでの事前の扱いも小さかったというか殆ど無視しているような媒体もあったから、
余程、科学や宇宙開発に興味のある人以外は今回の打ち上げがあるを「知ること」自体が難しかったのではないか。

これって結構悲しいと言うか嘆かわしい状況だと思う。
昨年暮れ、探査機「はやぶさ」がイトカワヘの前人未到の着陸を試みていた時も感じたのだが、
何だか周囲の人達が無関心と言うか、そういう事を今やっているっていうこと自体を「知らない」のである。
今現在、日本人が自前の探査機で人類史上に残る偉業に挑戦しているというのに、
マスコミはそのことをベタ記事でしか扱わない。

日本でも、NASAに負けない凄い技術を駆使してSF顔負けのワクワクする宇宙探査をやっている、
という事を多くの日本人が大して気にもとめないでいるというのは、正直もったいない!
「こんな凄いことを、我々はやっているんだよ!こんな楽しいことを、今やっているんだよ!」
ということを多くの国民に積極的に伝える使命を、マスコミは充分に果たしているとはいえない状況じゃないんでしょうか。

せめて、日常生活で天気予報と同時に「本日のロケット打ち上げ情報」が出るくらいのレベルを期待するのは私がオタクだからなんでしょうか?

あかり、誕生

2006-02-22 | 宇宙
今朝、見事に打ちあがったミューV-8に乗っていた赤外線天文衛星は無事に地球周回軌道に乗りあかりと命名された
「赤外線衛星だから『こたつ』で決まりだ!」という我々の秘かな望みは絶たれた(w
ともあれ、宇宙に産み落とされた幼子「あかり」の幸運を祈りたい。

日本の科学衛星の愛称は宇宙科学研究本部内で募集して、最後は関係者が集まって話し合って決めるという伝統があるそうだ。
ちなみに今回、「あかり」より多くの票を集めたのが「あかつき」。
過去には、小惑星イトカワへの感動的で壮絶なミッションが記憶に新しい小惑星探査機「はやぶさ」
数々の困難にも負けず日本で初めて火星を目指すも、遂にその使命を断念した悲劇の探査機「のぞみ」
電波天文衛星「はるか」、ハレー彗星探査機艦隊の一員として国際貢献を果たした「すいせい」

もうお気づきの方も居られると思うが、何故か列車の愛称と同じものが多いのだ。
ちなみに列車の「はやぶさ」は筆者の地元熊本と東京を結ぶブルートレインで、
かつては西鹿児島(現在は鹿児島中央)駅から遠路遥遥1500キロを走破し東京を目指す日本一の長距離列車だった。
このことはJAXAのメルマガでも取り上げられ、
「ブルートレインと同じ名を持つ探査機が太陽系の彼方の小惑星を目指す旅路の果てにイトカワに到着」と紹介された。

さて、「あかつき」は残念ながら赤外線天文衛星の愛称には採用されなかったが、
夜明けを目指して夜を駆けるブルートレインにふさわしい素晴らしい名前だ。
先日の天燈茶房ブログの「なは」号実況で登場したので、覚えておられる方も多いことだろう。
いつの日か「あかつき」と名づけられた探査機が宇宙に旅立ち、「はやぶさ」や「すいせい」と共に天空を駆ける日が来ることを夢見たりするのも悪くない。
(写真は下関駅に停車中の「あかつき」)

M-Vロケット、あかつきの空へ

2006-02-22 | 宇宙
アストロFを乗せたミュー5ロケット、夜明けの空に旅立って行った。
煙に朝日が当たって輝き、切り離された1段目がゆっくりと落ちて行く様子もはっきり見える。「朝っぱらからこんな凄いもの見てどうしよう?」って感じ。
しかし、熊本から内之浦は近いんですね。こんなにハッキリ見えるとは思わなかった。
ネット中継によると衛星は無事に飛翔しているようだ。
後は、どんな愛称が付くかが楽しみ。本当に「こたつ」で決まりなんでしょうか?

お楽しみはこれからだ!

2006-02-21 | 宇宙
科学衛星アストロFの打ち上げは明朝に延期された
何でもM-Vロケットの衛星カバーには防音のため「コルク」が使われているそうで、雨で濡れると劣化してしまうらしい。
日本の技術の結晶であるロケットに、ワインボトルよろしくコルクの蓋がついてるなんて面白い。
さてこのM-Vロケット、世界最大の固体燃料ロケットであり、あのはやぶさを打ち上げた名機である。
つい先日たて続けに打ち上げに成功した液体燃料のH-2Aロケットとちがって、
花火と同じように本体に詰めた燃料を使い切るタイプなのでコストが安く、
液体燃料のノズルなんかも不要なので打ち上げの手間もかからないそうだ。
だから、今朝のように打ち上げ20分前の電撃キャンセルにも柔軟に対応できるのである。
これが液体燃料ロケットなら、充填した燃料を詰め替えたり色々大変で、少なくとも数日は打ち上げが延びたそうだ。

さて、明朝の打ち上げ予定は6時28分、今度こそネット中継で打ち上げを見守りたいのでそろそろ寝よう。
明日こそはうまく上がってくれますように!
それから、打ち上げがうまくいってアストロFが軌道に乗ったら発表されるであろう衛星の愛称も楽しみだ。
某メルマガや某巨大掲示板の科学ニュース板では「赤外線を使う衛星だから『こたつ』と命名されるらしい」と噂されているが、さて真意の程は…
あと7時間ほどで「こたつ」がそらに飛び立ちますw

ロケット上がらず

2006-02-21 | 宇宙
5時半に飛び起きて、打ち上げのネット中継に接続したら妙な歌(宇宙航空研究開発機構のテーマ曲らしい)を延々と聞かされた挙句、打ち上げ20分前に降雨のために打ち上げ延期決定。
まあ、天気には勝てない。

さて、お茶でも飲んで仕事に行くか。
学生時代ならこのまま酒かっくらって講義サボって寝るんだが。こんな時は本当に学生に戻りたい。。。

ASTRO-F/M-V-8、そらへ…

2006-02-20 | 宇宙
明日は早起きしてロケットの打ち上げを見る。
赤外線で宇宙を探る日本の望遠鏡衛星が打ち上げられるのだ。

最初のスペースシャトル「コロンビア」が地球に帰ってくる様子をNHKの衛星中継で見たときの事を思い出す。
夜明け前、母に叩き起こされた「早く起きなさい!コロンビアが帰って来たよ!」。
今から20年以上前、当時まだ小学校に上がっていない齢の息子を叩き起こす母も凄い。
その後母には「ニュートン」誌をあてがわれ、ボイジャー計画やハレー彗星探査など、えらくコアな宇宙開発事情も叩き込まれた。
理系の母よ、おかげで息子は立派なオタクになりましたよ…w

打ち上げ基地の内之浦はここからすぐ近くだ。
明日の朝は九州地方は晴れそうだから、ひょっとしたら夜明けの空に上昇していくミューロケットが見えるかもしれない。
インターネットの実況中継ではなくて、外に出て本物の空を見上げてみるかな。

それでは、明日に備えてもう寝よう。
うまく打ち上がりますように。



なは号実況御覧頂きありがとうございました

2006-02-20 | 実況
所用を終えて関西から帰ってきました。
さて、なは号の実況、どうにか問題なく終えることが出来ました。
おかげさまで実況期間中は閲覧数も跳ね上がり、多くの方に読んでいただけたようで感激しています。
ブログでの寝台特急の旅便りはいかがだったでしょうか?
御意見、御感想なぞ頂けたらうれしいです。気楽にコメント欄に書き込んでやってください。

寝台特急なは号+あかつき号より実況中!:日付が変わり、本州へ

2006-02-18 | 実況
小倉で団体さんの乗車があり、なは号のB寝台はほぼ満席になりました。でも、あかつき号のB寝台はまだ半分位空いています。鳥栖から京都まではなは号もあかつき号も一緒に同じ区間を走るのに、列車名が違うので予約に偏りが生じてしまうんですね。
下関駅で本州用の大型機関車に付け替えて、列車は一路深夜帯に突入していきます。すべての乗客が寝静まる時間にも、寝台特急は時速110キロで力走し続けます。
さて、下関駅では、先月の悲惨でバカバカしい事件で焼け落ちた駅舎の跡地にシートが巡らされているのがホームからも見えました。なは号やあかつき号の歴史を見守り続けてきた三角屋根の駅舎は、我々の思い出の中にしかもうありません。

寝台特急なは号+あかつき号から実況中!:夜汽車の旅の友

2006-02-17 | 実況
列車は「かしわめし」の駅弁で有名な折尾駅を通過して小倉を目指しています。現在、B寝台車の乗車率は約50%程。下段はほとんどふさがっています。この先、小倉と下関でもいくらか乗車があるでしょうから、割と盛況です。
さて、夜汽車の旅の醍醐味は何と言っても「いい酒」と「いい本」、そして「いい音楽」でしょう。今夜はギネスとカールスバーグをやっていますが、何しろ寝台車備え付けの栓抜きで開封したのでひと味違います(w
本は先日ネット書店で取り寄せた中から松浦晋也さんの科学ドキュメンタリー「恐るべき旅路」を持ってきました。音楽は中村由利子さんのピアノインスト集、儚げで夜汽車にぴったりの一枚です。

寝台特急なは号+あかつき号から実況中!:既に車内はおやすみモード…

2006-02-17 | 実況
寝台特急なは号+あかつき号は博多駅を発車しました。まだ宵の口ですが車内は既に消灯され放送案内も明朝まで休止、ほとんどの乗客がベッドにもぐりこんですっかり寝静まっています。なは号+あかつき号には食堂車もロビーもないので、いつまでも起きていても何もする事がないからでしょうが、静かに流れるしゃを見ながら物思いにふけるのも夜汽車の醍醐味の一つだと思います。