天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

2016-17 年越しウィーン紀行 その10:2つの関空特急 「ラピート」と「はるか」

2017-03-26 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:南海電鉄が誇る関空アクセス特急「ラピート」 難波駅にて


その9:KLMオランダ航空の機内食 Part 2からの続き

大阪の中心部からは離れた場所にある関西空港。
そんな関空と大阪とを直結するのが、南海電鉄とJR西日本が運行する2つの関空特急である。

どちらも関西の鉄道会社を国際的に代表するフラッグシップトレインであり、気合の入れ方も半端ではない。
個性派の列車が競い合って関空への海上連絡橋を今日も行き交っている。

今回の旅では、行きと帰りでそんな2つの関空特急を乗り比べてみた。

先ずは、南海電鉄が運行する特急「ラピート」
…もはや説明不要、とにかくこの超個性的な車両デザインを見よ!(上写真参照)


車内のインテリアデザインも素晴らしい。
特に、1等車(グリーン車)に該当する「スーパーシート」は僅かな追加料金で上質なサービスを利用する事が出来るのでお薦めだ。


関西空港駅でも異彩を放つ「ラピート」の雄姿。どこか懐かしさすら漂わせ、子供の頃に夢見たロボット「鉄人28号」を彷彿とさせる。
“レトロ・フューチャー”と“スチームパンク”をテーマにしているようで、まるでジュール・ヴェルヌの冒険小説に登場する超科学な乗り物「ノーチラス号」のようでもある。

空の旅に出る前から夢の旅に連れて行ってくれる、まさに夢の世界の超特急。それが「ラピート」だ。
関空への往路に乗る列車にふさわしい。


そして帰路は、一転して日本の落ち着きと雅を体現するデザインが特色のJR西日本の特急「はるか」


…長旅の疲れとジェットラグに草臥れた身体と心を、優しく出迎えてくれる日本的なデザイン。
決して派手ではないが、「ラピート」とは対極にある優れたデザインであることは間違いない。


「はるか」に乗れば乗り継ぎの手間も無く、あっという間に新幹線への乗り換え駅である新大阪駅や古都の玄関口の京都駅まで連れて行ってくれる。
疲れた旅人を優しく送り届ける、日本の特急列車「はるか」で旅を締めくくるのは悪くない。

…かくして、無事に新大阪駅に到着したところで今回の旅行記はこれにて完結。
今回も最後までおつきあい下さった皆様、お疲れ様でした!
次回の旅は…ちょっと時間が空いて2017年の夏休み、久々にバルカン半島・東欧と旧ユーゴの国を巡るつもりです。


それでは、また旅先でお会いしましょう!
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝

2016-17 年越しウィーン紀行 その9:KLMオランダ航空の機内食 Part 2

2017-03-26 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:アムステルダム・スキポール空港のKLMオランダ航空機


その8:KLMオランダ航空の機内食 Part 1からの続き



アムステルダムのスキポール空港はヨーロッパの一大ハブ空港として年々存在感を高め続けており、
乗り継ぎ利用の利便性を向上させると共に世界中からの乗客を惹き付けるべく、魅力を増すためのターミナルのリニューアル工事が続いている。


…そんな訳で、来る度にどこかしらで工事をしていて何かしらの新施設がオープンしているスキポール空港だが、
今回は何とアムステルダム科学博物館の分室がターミナルビル内に新規オープンしているのを発見した。
主に子供向けの展示に特化しているようだが、博物館のある空港ターミナルとは素晴らしい!できればプラネタリウムも欲しいぞ(笑)

…でも、スキポール空港名物だった国立美術館の空港分館は閉鎖されて工事中のまま。
スキポールでの乗り継ぎ待ち中に、ちょっとした美術鑑賞が出来るのが楽しみだったのに残念。

仕方がないので絵画の代わりに飛行機を鑑賞。


おっ、ジャンボジェットだ!

世界的に引退が進むジャンボジェット・ボーイングB747だが、KLMオランダ航空では今でも多数のB747-400が現役で活躍を続けている。
しかもここ数年でジャンボ機のリニューアル改良工事も進んでおり、どうやら当分はジャンボを使い続けるつもりらしい…

残念ながら成田と関空の日本路線からは撤退してしまったが、これからも世界中の空港でKLMの青いジャンボの姿を見ることが出来そうだ。


雨上がりの陽射しを浴びるKLMの青いジャンボジェット。
やっぱり格好いいね、ボーイングB747!


そして、これが僕が日本への帰り路に乗るスキポール空港発関空行きKLM867便のKLM機。
ジャンボジェットではないが、行きに機材トラブルで乗れなかった待望の最新鋭機ボーイングB787だ!
ああ、やっと念願の最新鋭機に乗れる!(笑)

そして、飛行機に乗ったらやっぱり楽しみなのが機内食!




アムステルダム発のKLM便では定評のある和食をチョイス。
KLM867便の和食メニューは炊き込みご飯とすき焼き…いや、肉じゃがにも見えるな?


そして関空到着前の朝食はオムレツ
ちょっとソースが濃厚過ぎたかな。

朝こそサッパリした和食を食べたいと思うのは、僕がもう若くないせいだろうか…

その10:2つの関空特急 「ラピート」と「はるか」に続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その8:KLMオランダ航空の機内食 Part 1

2017-03-26 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:関西空港で出発準備中のアムステルダム行きKLM868便 ボーイングB777…鼻が白い(笑)


その7:旅の終りはカールツァイス・プラネタリウムからの続き



今回の旅では、以前オーバーブッキングの振替輸送協力で貰った航空券購入割引クーポン券を有効活用すべく関西空港からKLMオランダ航空利用。
関空からアムステルダム・スキポール空港まではKLMの最新鋭機ボーイングB787が就航しており、787の快適な乗り心地を楽しみにしていたのだが…
なんと使用予定機材にトラブルが発生してしまい急遽、ボーイングB777に機種変更に。

ああ、なんてこったい…


でも、777も最近では機内の設備を787にも見劣りしない新しいものにリニューアルしており、
さらに787よりも機体が一回り大きいので座席に余裕が生じて隣が空席のゆったり機内に(笑)
おかげで当初予定の787よりもかえって快適だったかも…

さて、飛行機に乗ってしまえば楽しみなのは機内食!


今回のKLM868便の1回目の食事はチキンのトマトソース
マッシュポテトが存在感放ってます(笑)


アムステルダム到着前の2回目の食事はドリア
…朝食(実際は夜食に近い時間帯だが)にはちょっとキツめかも。

とか言いながら、しっかり夜食も食べているんである(笑)
KLM名物の裏メニュー、ギャレーでこっそり頼むと出てくるカップヌードル!



普段はカップ麺はあんまり食べないんだけど、
周囲が寝静まって真っ暗になった飛行機の機内でこっそり啜ると、なぜか美味しいんだよね、これが!

…だがしかし。
機材変更でアムステルダム到着が遅れた上に濃霧で乗り継ぎのウィーン行き便まで大幅遅延したせいで、
ウィーン到着はこれまでのワースト記録の遅れとなり、日付が変わった後の未明の到着となったのであった。

【今回の教訓】旅では何があるか分からない。食べられる時にはとにかくしっかり食べておくべし!

その9:KLMオランダ航空の機内食 Part 2に続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その7:旅の終りはカールツァイス・プラネタリウム

2017-03-26 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:プラーター遊園地の大観覧車の夜空に月と金星


その6:日帰りザルツブルグ散歩 モーツァルトとザッハートルテの街からの続き


旅の最後の日の夜、ホテル近くのプラーター遊園地へ…



ライトアップされた大観覧車の下にひっそりとそれはある。




夜の闇に浮かび上がる真っ赤に照らし出されたドーム屋根が特徴的なプラネタリウム・ウィーン




この施設の正式名称はツァイス プラネタリウムで、
言わずと知れたプラネタリウム投影機の世界的老舗カールツァイス社の社名を冠している。


という訳で、ドーム内に鎮座する投影機ご本尊ももちろんカールツァイス社製。
しかもカールツァイスの最上位機種UNIVERSARIUM IXである。

ドイツのプラネタリウム・ハンブルグや日本の名古屋市科学館のプラネタリウム「ブラザーアース」の投影機と同型の姉妹機で、世界最大を誇るドーム直径35mの「ブラザーアース」にも余裕で対応できる世界最強クラスの投影機だが、プラネタリウム・ウィーンのやや小ぶりなドームでは若干オーバースペック気味な印象も受けるのはご愛嬌(笑)

投影機の台座には、カールツァイス社製であることを証明する製造番号を刻んだプレートが埋め込まれている。



プラネタリウム・ウィーンのカールツァイスUNIVERSARIUM IXの製造番号はNo 557
名古屋の姉妹機の製造番号は何番だろうか。今度、名古屋に行った時に確認してみようと思う。





…プラネタリウム好き、というか投影機も好きな僕はこのUNIVERSARIUM IXを見ているだけで満足してしまいそうだが、圧倒的大出力をコンパクトなドームに濃密に映し出すプラネタリウム・ウィーンの星空も勿論圧倒的な美しさ。
旅の最後を飾る究極のウィーンの星空を堪能した。



プラネタリウム鑑賞後、外に出ると夜のプラーター遊園地の上には本物のウィーンの星空が…


…さようならウィーン。また来る日まで!
次に来るのは再来年の初夏頃かなぁ。またオペラのシーズン中に来ないとね。

その8:KLMオランダ航空の機内食 Part 1に続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その6:日帰りザルツブルグ散歩 モーツァルトとザッハートルテの街

2017-03-18 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:ザルツブルグのホテル「ザッハー」のザッハートルテ


その5:鉄道版LCC ウェストバーンに乗ってみるからの続き

ウィーン西駅から格安鉄道会社ウェストバーンの2階建て電車で2時間半足らず。
オーストリア中西部の都市ザルツブルグはザルツァッハ川の畔に広がる風光明媚な風土にあり、世界遺産に登録されている歴史ある美しい街並みで知られる。
年中、世界中からの観光客が集まり賑わうザルツブルグの街歩きは、ウィーンから日帰りで気軽に楽しむことが出来る。



さて、ザルツブルグといえばクラシック音楽好きにとってはまさに聖地!
かの天才、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生まれた街なのだ。という訳で、先ずはモーツァルトの実家へと向かう。


…駅から歩いてザルツァッハ川を渡り、旧市街に入ったところにあるこの建物がモーツァルトの生家…って、よく見たら1階にコンビニのSPARがテナントで入居してるけどいいのか?

今では定番観光ルートとなっており、建屋の内部もありきたりな観光客向け博物館になっているが、この家で僕を高校生の頃から魅了しクラシック音楽への好奇心の扉を開かせた偉大なる音楽家が産まれて暮らしていたのかと思うと、やはり感慨無量。コンビニの上の階の部屋だけど、来てよかった…
音楽好きなら、ともかく立ち寄るべき場所である。



そしてザルツブルグといえば、ホーエンザルツブルク城
ほぼ完全な形で残されている中世の山城で、街のどこからでも見えるまさにザルツブルグのシンボルだ。








ホーエンザルツブルク城からは、ザルツブルグの街並みが一望できる。


しかし、広大なホーエンザルツブルク城を一通り見学してしまう頃には、既に冬の短い陽は傾いて…


そろそろ山を降りて、街に帰ろうか…

そして戻って来たザルツブルグ旧市街地。
ここでザルツァッハ川に架かる橋を渡ったところに、本日ザルツブルグで最後のお楽しみが…!


老舗ホテル「ザッハー」の喫茶室にて。
…とは言え、ここはウィーンの国立歌劇場裏ではありません!ザルツブルグのザルツァッハ川の畔です!(笑)

実は、ホテル「ザッハー」にはウィーン国立歌劇場の裏手にある本店以外に、ザルツブルグ市内にも支店があるのだ。
この事は日本人観光客にはあまり知られていない(気がする…少なくとも僕は現地に来るまで知りませんでした(笑))。






という訳で、ザルツブルグ街歩きの締めはホテル「ザッハー」ザルツブルグ支店の喫茶室でザッハートルテとチョコレートアイスクリーム!
ザルツブルグ支店でも、ホテル「ザッハー」の元祖ザッハートルテの味はウィーンの本店と寸分違わず素晴らしい美味しさ。
それに、朝から晩まで一日中観光客で大混雑のウィーン本店と違って、ザルツブルグ支店は観光客より地元の常連客に愛されている静かな店といった雰囲気で、居心地はこちらの方がずっと良い。
勿論、丁寧で上品な接客は本店と同じだし、観光客の大行列に並んで延々待つことも無いし、ザルツブルグのザッハーいいね!


ザッハートルテで甘い幸せに浸った後は、駅に戻ってウィーン西駅行きのウェストバーンに乗れば、もう後は勝手にウィーンまで連れて帰ってくれる。
暖かな夜の列車内で揺られていると、ついウトウト…


目が覚めると、もうウィーン市内の西駅に到着。大都市ウィーンはまだ宵の口の時間だ。

快適で楽しくて、そして美味しい日帰りザルツブルグ散歩でした。
ウィーン滞在中、大都市の喧騒に疲れたら西駅からウェストバーンにふらりと乗ってザルツブルグに行ってみるのも、また良いもの。

貴方も今度のウィーン旅行では、試しにザルツブルグに一日使ってみては如何かな?

その7:旅の終りはカールツァイス・プラネタリウムに続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その5:鉄道版LCC ウェストバーンに乗ってみる

2017-03-18 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:ウィーン西駅に停車中のウェストバーンの列車


その4:ウィーンの大晦日と元旦からの続き

現在オーストリアの首都ウィーンを代表する駅は、数年前に完成して大々的に使用開始された近代的な巨大ターミナル・ウィーン中央駅…だが、ウィーン中央駅が開業するまで実質的に中央駅の役割を果たしていたのはウィーン西駅である。
以前はウィーンとオーストリア各地のみならずヨーロッパ各国の都市とを結ぶ国際列車がひっきりなしに発着し、華やかな雰囲気に包まれていたウィーン西駅も、現在はその役割をウィーン中央駅に譲ってローカルな近郊列車ばかりがやって来る地味な駅に…なってはいないのだ!

現在、ウィーン西駅は海外資本が運行する新しい鉄道会社ウェストバーン社の列車が使用するウィーンのもう一つのターミナル駅として、新たな役割を担っているのである。

ヨーロッパでは線路や設備インフラと列車の運行を切り離す鉄道経営の「上下分離方式」が進んでおり、さらに列車の運行は国際的に自由化される傾向にある。
その為、オーストリアの鉄道も国鉄に相当する連邦鉄道が管理する線路の上を民間の鉄道会社が運用する列車が走るスタイルでの列車運行が始まっている。
首都ウィーンと中西部の都市ザルツブルグを結んで走るウェストバーンの列車がそれである。
ウェストバーン社にはフランスの資本が入っているとのことで、列車のデザインも明るくお洒落、そして何より乗車価格が大変に安く設定されているのが最大の特徴。既存の連邦鉄道に勝負を挑むウェストバーンはチケット発券や予約システムにインターネットを活用して徹底した運行コストカットを図り、スマホを使って切符を買って気軽に乗れる便利さと低価格を実現している。そう、まさに“線路を走るLCC(格安航空会社)”のような存在だ。

ウェストバーンの列車は、ウィーン中央駅には乗り入れず全列車がウィーン西駅からの発着となっている。
恐らく、中央駅を使用すると「乗り入れ賃料」が高額になるのか、或いは新興のライバルに対する古参の連邦鉄道からの圧力や「大人の事情」か…?
ともあれ、現在ウィーン西駅はカラフルに塗装されたウェストバーンのザルツブルグ行き特急列車が毎時発着するカジュアルな駅として、装いも新たに賑わい続けているという訳なのだ。



そんなウィーン西駅から、早速ザルツブルグ行きのウェストバーンの列車に乗り込んでみよう。
ヨーロッパの鉄道に乗車する際には従来、必ず事前に乗車券を購入して手許に用意しておく必要があった。もし乗車券を持たずに乗車した場合は無賃乗車を企てたと見なされて高額のペナルティを課される事になるので、もし駅の窓口が混雑していたら泣く泣く列車を一本見送って行列に並ぶ事もあったのだが…ウェストバーンなら心配ご無用。乗車間際にその場でスマホでチケットを購入することも出来るし、車内で乗務員から直接購入することも出来る。もちろん、乗車後に車内での購入でもペナルティなどは一切無く正規の価格で購入出来る!

…これはある意味、ヨーロッパの鉄道の常識を覆すカルチャーショックだ。凄いぞウェストバーン!
ちなみにウィーン→ザルツブルグのチケット代金はエコノミークラスで片道26.5ユーロ。これは連邦鉄道の特急列車の2等車の半額程度という激安価格である。さらに早得や季節限定の激安価格が設定されることもあるらしい。恐るべしウェストバーン…





ウェストバーンの列車は全車2階建てダブルデッカーの電車で、ウィーン方の先頭車がプレミアムクラス車両になっている以外は全てエコノミークラスの自由席。
見晴らしの良い2階の座席に座ると実に快適で、無料Wi-Fiとスマホ用電源も使えて申し分無し!ザルツブルグまでの2時間半足らずの旅を気ままにのんびりと楽しむことが出来そうだ。
さすがフランス資本が入っているだけあって車内のインテリアデザインも気が利いている。また車内には簡単なカフェテリアもあり、サービスも充実しているが、これは少しでも収益を上げて安いチケット代金をカバーしようというLCC同様の経営努力だろう。





ウィーン西駅を発車したウェストバーンのザルツブルグ行き列車は、オーストリア連邦鉄道随一の主要幹線である西部本線を快調に飛ばして行く。
ダブルデッカー電車の最高速度は時速160キロ程で高速鉄道という程ではない速度だが、それでも日本のJR在来線の特急列車よりは速い。





車窓の風景から雪が消え、爽やかな牧草地帯を駆け抜けて行くともうすぐ終点のザルツブルグ。

ウィーンから快適な「格安特急列車」の旅だった。さぁ、ザルツブルグに着いたら、早速この美しい観光都市に繰り出そう!
…おっと、今日は日帰りなので帰りのウィーン行きのウェストバーンの発車時刻を確認するのだけは、忘れないようにしないとね(笑)

その6:日帰りザルツブルグ散歩 モーツァルトとザッハートルテの街に続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その4:ウィーンの大晦日と元旦

2017-02-05 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:ウィーン美術史博物館


その3:喫茶だけではない、お食事も…魅惑のカフェ巡りからの続き

ウィーンの大晦日。
街はホリデーシーズンの最後を飾る年越しイベントの準備で盛り上がるが、ここ美術史博物館ではいつもと変わらぬ時間が流れる。


地元の住人も観光客もはしゃぐ街の雑踏を離れて、ウィーンに来たらいつも観に来るブリューゲルやアルチンボルドの“ルドルフ2世コレクション”を眺めて静かなひと時を過ごす…
美術ファンのウィーン住人や観光客に大人気でいつも前に人だかりができているこれらの名作も、展示室のソファに腰掛けてじっくり待っていれば時々誰もいなくなり、大好きな絵を独り占めできる瞬間が結構あるのだ。


名画に没頭する贅沢な時間を過ごして、閉館時間になり外に出るともう日が沈んで真っ暗…
これからホテルに戻って、正装に着替えて今夜はオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を観に行こう



ケルントナー通り界隈に行ってみると、華やかに飾り付けられた目抜き通りには多くの人々が繰り出して賑やか。
僕も国立歌劇場からリング大通りを渡り、ウィーン分離派(セセッション館)の金色のタマネギ…いや、キャベツだったか?の先にあるアン・デア・ウィーン劇場を目指す。
お洒落して綺羅びやかな街を歩く、大晦日の楽しい夜…





オペラがはねたら、もう真夜中近く。
このままシュテファンプラッツで派手に騒いで年越しを…といきたいところだが、生憎最近のヨーロッパでは大晦日の夜は物騒だ。
昨年の大晦日の夜に隣国ドイツのケルンをはじめとする多数の都市で、アフリカや中東からの難民を含む者たちによって引き起こされた女性への集団暴行事件はまだ記憶に新しい。
今夜は、おとなしくホテルに帰って静かに過ごすことにする。

という訳でプラーター公園のライトアップされた大観覧車を横目にまっすぐホテルに戻り、シャワーを浴びたりしているともう日付が変わる時間。






オーストリアでもTVで日本の「紅白歌合戦」的な大晦日の歌番組をやっていて、日付が変わる頃にはカウントダウンもある。

…TV画面に2017年の表示が出た瞬間、ホテルの窓の外では花火や爆竹を打ち鳴らす凄まじい爆音が響いてきた。皆で花火を打ち上げて夜明け頃まで大騒ぎして新年を祝うのがヨーロッパの年越しの流儀だ。今頃、シュテファンプラッツやプラーター公園では花火の燃え殻が降り注ぐ中で乾杯をし合って大変な騒ぎだろう。今年は暴行事件などが起きていなければいいが…

当分止みそうにない窓の外の爆音と歓声を聴きながら、ベッドに入った。
おやすみなさい…明けましておめでとう!ああ、日本ではもう8時間前に新年になっているんだっけ。

翌朝は、再び正装して今度はウィーン・コンツェルトハウスのニューイヤーコンサートに繰り出す
コンサートの前に、聖ペーター教会に立ち寄って初詣で。


僕は旅先で新年を迎えたら、寺院でも神社でもモスクでも教会でも拘り無く祈りの場に出向いて必ず初詣でをするようにしています。
今年は、平穏無事な穏やかな年でありますように…!

その5:鉄道版LCC ウェストバーンに乗ってみるに続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その3:喫茶だけではない、お食事も…魅惑のカフェ巡り

2017-02-04 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:ウィーン国立歌劇場の裏手、老舗ホテル「ザッハー」の喫茶室にて


その2:音楽の都で劇場巡り、劇場カフェ巡りからの続き

音楽の都ウィーンは、個性的なカフェ文化の息づく街でもある。
ウィーン滞在の楽しみの一つが、そんなカフェをはしごして歩くこと!


という訳で、まずやって来たのがシュテファンプラッツと国立歌劇場とを結ぶ目抜き通りのケルントナー通りから一本横道に入ったところにある人気店「OBERLAA」
1階はケーキ店だが、階段を上がると2階が喫茶室になっている。観光客だらけのケルントナー通りの近くにありながら、喫茶室まで登ってくるのは地元客が多い隠れ家的な店…といったところ。
注文するのは、やっぱりウィーンらしく泡立てたクリームが載っているメランシェ、そう何故か日本では“ウインナーコーヒー”と呼ばれる濃くて甘いコーヒーだ。

でも、ウィーンのカフェの楽しみは飲み物だけではない。
絶品のケーキももちろん魅力的だが…


本格的な食事を提供している店が多いのもウィーンのカフェの面白いところ。
ウィーン料理と呼ばれるものは一通り揃っているが、ここはやっぱり定番中の定番ウィンナーシュニッツェルを頂きます。



「OBERLAA」を出たら、シュテファン大聖堂から聖ペーター教会へと続く小路を抜けたところにある、これまた地元客が多い人気店「Café Korb」へ。




昼下がりの時間帯はかなり混んでいて、日陰で寒い玄関先で随分待たされたので冷え切った身体に温かいメランシェが染み渡る…


そしてウィーンの定番ケーキ、ザッハートルテ!
ビターなダークチョコレートと甘酸っぱい杏、そしてさっぱりとした甘くないホイップクリームの絶妙の取り合わせに、ついさっきまで寒さでかじかんでいた顔も思わず緩む。
嗚呼、至福のひと時…(笑)



…でも、ザッハートルテといったらやっぱり本家本元、元祖のホテルザッハーだよね。


という訳で、翌日は朝からやって来ました、ウィーン国立歌劇場裏手にある名門老舗ホテル「ザッハー」の喫茶室。
…ホテルザッハーに来るのは数年ぶりだが、相変わらず老舗の超有名店であるにも関わらず観光客相手でも驕り高ぶったところがなく丁寧で上品な接客ぶりが健在なのは嬉しい限り。
こういうところが気に入ってるので、朝一番で並ばないと店内に入るのも一苦労でもやっぱり僕はウィーンで一番好きだな、ホテルザッハー。


ホテルザッハーのチョコレートアイスクリーム、この迫力を見よ!!
まさにスイーツの超弩級戦艦!!


テーブル狭しと並ぶ魅惑のデザート、パンケーキに夢見心地…
でも、ここまで来て肝心のザッハートルテはオーダーしていないという(笑)

実はこれには訳がある。
ホテルザッハーは、ウィーンの国立歌劇場裏手以外にもザルツブルクにも支店を構えているのだ。
…案外知られていないザルツブルクの、もう一つのホテルザッハーにまた後日行ってみようと思う。ザッハートルテはその時のお楽しみ…という訳。
(→その6:日帰りザルツブルグ散歩 モーツァルトとザッハートルテの街



ウィーン魅惑のカフェ巡り、締めは「Café Central」




ウィーンでも最古参のカフェの一つで、ペーター・アルテンベルクやアルトゥール・シュニッツラーといった世紀末ウィーンの文士文人が入り浸っていたことで知られるという所謂“文人カフェ”である。


そんなスノッブな文人カフェで頂くのは、甘いホットチョコレート…
グラスに添えられた小さな包みは砂糖かと思いきやミルクチョコレートだった。




そしてシュニッツェルとターフェルシュピッツ。


とどめは皇帝のパンケーキ、カイザーシュマーレン!
…さすがにこれは食べ切れず、お持ち帰りしてホテルで頂きました(笑)



…ウィーンの街中そこかしこに、綺羅星のようにある魅惑のカフェを巡る美味しいウィーン散歩。
夜のオペラやコンサートに備えて、味覚と知覚を刺激する禁断の散歩道、貴方もカロリーを気にせず彷徨い歩いてみては如何かな?
ただし、次の日からはダイエットに励まないとね!(笑)

その4:ウィーンの大晦日と元旦に続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その2:音楽の都で劇場巡り、劇場カフェ巡り

2017-02-04 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:ウィーン国立歌劇場


その1:真冬のウィーン散歩からの続き

音楽の都・ウィーンの象徴の一つである国立歌劇場
今回の旅では、ウィーンに到着した翌日の夜に早速、国立歌劇場へ。オペラではなくバレエ「ライモンダ」を鑑賞した。





この国立歌劇場のすぐ裏手にあるのが、劇場関係者の利用が多いことで有名な老舗の高級ホテル「ザッハー」。
そして「ザッハー」といえば、もちろんザッハートルテ!
…今夜の終演直後は「ザッハー」の喫茶室は大変な混雑なので行かないけれどね。お楽しみのザッハートルテは、また後日に日を改めて…



ウィーン市内には現在、主に3つのオペラ劇場がある。
その中でも最も格式高く、最高峰にして最高級ブランドである国立歌劇場でバレエを楽しんだ翌日の大晦日の夜、今度は最も時代を先取りしたモダンな劇場でオペラを楽しむ。
ウィーンで最も長い歴史を持ちながらも、最も斬新で革新的な演出を行うことで知られるアン・デア・ウィーン劇場




“ウィーンで最も古く、そして新しいオペラ劇場”を自認するアン・デア・ウィーン劇場。
ベートーヴェンの数々の交響曲やヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」が初演された劇場としても有名だが(「こうもり」の劇中、酔い潰されたファルケ博士が置き去りにされたという設定の市場は現在もアン・デア・ウィーン劇場の真向かいに実在している)、今夜の演目はモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」




アン・デア・ウィーン劇場の裏手にひっそりとある通用口。
これが現在も残された劇場建設当時からそのままになっている部分で、1801年にアン・デア・ウィーン劇場が落成した当時の様子を伝える貴重なものである。
モーツァルトの生涯最後のオペラ「魔笛」の台本を書き、自ら“鳥刺しパパゲーノ”役で出演したことで知られるアン・デア・ウィーン劇場の設立者エマヌエル・シカネーダーを記念して「パパゲーノ門」と呼ばれている。



アン・デア・ウィーン劇場には、エントランスホールの隣にカフェが併設されており、公演前後の時間帯でもそれ程混雑していないので腹ごしらえをするには便利。


ウィーン名物の泡立てクリームを載せた濃い目のコーヒー、日本では「ウィンナーコーヒー」と呼ばれるもの。
現地ではメランシェと呼ばれる。


いい加減シュニッツェルにも食傷気味だったのでステーキを頼むと、こんな感じのタルタルステーキに似た冷たい肉料理が出てきた。


こちらはシュニッツェルと並ぶウィーン名物のターフェルシュピッツ。お肉を細く刻んだ変わった盛り合わせ。

…アン・デア・ウィーン劇場の劇場カフェ、どうやら料理のアレンジに独特なこだわりがあるようだ。



そして迎えた2017年の新年。
ウィーンの正月元旦といえば、やっぱり何と言ってもウィーンフィルのニューイヤーコンサート!




…ということで、やって来ましたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地・楽友協会

間もなく午前11時からここ楽友協会の「黄金のホール」にて開催されるニューイヤーコンサートは日本も含めて世界各国に衛星生中継され、世界中の音楽ファンが楽しむ一大イベントであることは御存知の通り。
日本人の観客の姿も目立つ楽友協会では建屋の脇に大型アンテナを備えたTV中継車が何台も停まり、軌道上の放送衛星に向かってウィーンの新春の音楽イベントの熱気を伝える準備を整えている。

さて、僕も憧れの楽友協会「黄金のホール」へ…は残念ながら入れません!
ウィーンフィル公式サイトでのニューイヤーコンサートのチケット抽選申し込みは、クルーズトレイン「ななつ星」をも遥かに凌ぐ毎年数百倍とも言われる競争倍率の壁に阻まれてあえなく落選…
まぁ、「一般販売で手に入れば奇跡」と言われるようなウルトラ級のスーパープラチナチケットだから仕方がない…

だがしかし。
音楽の都ウィーンで開催されるニューイヤーコンサートは、なにもウィーンフィルのものだけではない。
実は楽友協会から数百メートルしか離れていない至近距離の斜向いにあるウィーン・コンツェルトハウスでも、全く同じ時間帯にニューイヤーコンサートが開催されている。


コンツェルトハウスの建物には、アカデミー劇場も入居している。


ウィーン・コンツェルトハウスでのニューイヤーコンサートもウィンナーワルツの定番曲と名曲の数々が演奏され、最後はアンコールの「ラデツキー行進曲」で観客一同が手拍子を叩いて大盛り上がりで締め括るというスタイルは楽友協会でのニューイヤーコンサートと全く同じ。
演奏レベルももちろんウィーンフィルに引けを取らない世界最高峰レベルなので大満足!

…ウィーンフィルのニューイヤーコンサートと違って、ウィーン・コンツェルトハウスでのニューイヤーコンサートはチケット入手も容易で、誰でも気軽に楽しむことが出来る。
ウィーンで元日を過ごすなら、このコンサートがお薦めだ。



そして音楽の都での劇場巡りの締めは、ウィーンの年末年始の定番中の定番!
気軽にカジュアルな気分で楽しめる大衆劇場フォルクスオーパでのオペレッタ「こうもり」だ。





…昨日の夜、この作品が生まれた場所にいて劇中で登場する場所を実際に見て歩いた訳だが、翌日にはその作品を改めて観ることが出来る。
この「街中が音楽の名作で虚実綯い交ぜになって埋もれている」感じこそ、音楽の都で過ごす醍醐味!




そして、喜劇「こうもり」で大笑いしてお腹が空いたら、フォルクスオーパ併設のホワイエのカフェで美味しいひと時。



音楽の都ウィーンの劇場巡り、そして意外と銘店揃いの劇場併設カフェ巡りはまさに音楽好きと美味しいもの好きの天国!
皆さんもこの次のウィーン滞在では、お腹をすかせて劇場巡りはいかが?

そして次回は、本格的にウィーンの老舗と有名店のカフェ巡りに繰り出します!
その3:喫茶だけではない、お食事も…魅惑のカフェ巡りに続く

2016-17 年越しウィーン紀行 その1:真冬のウィーン散歩

2017-01-29 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:ウィーン名所、プラーター遊園地の大観覧車


ウィーン滞在もこれで確か3回目か4回目。
昨年暮れに泊まって気に入ったプラーター界隈のホテルに再びチェックインして、「やれやれ、これで僕も一丁前にウィーンに定宿を持てた」等と自己満足しながら1年ぶりの真冬のウィーン散歩に繰り出す。


プラーターからドナウ川に向かって歩いていくと見えてくるランドマークが、このメキシコプラッツの大聖堂。
ガイドブックに載っている訳でもない、決して派手ではない地元の住人のための祈りの場だが、いつもきれいに手入れされている。
ウィーンの散歩道のお気に入りの場所の一つ。



メキシコプラッツはドナウ川のウォーターフロント。
ドナウの川岸は散歩道や公園に再開発されていて、散策が楽しい。






ドナウ川に架かるライヒス橋を渡ったらプラーターに戻り、大観覧車を眺めたら地下鉄U1号線に乗ってウィーン市街地の中心部、シュテファンプラッツへ!


いつも観光客でごった返すシュテファン大聖堂。
この大聖堂の前の広場がウィーンの公共交通と大通りの中心点のようになっているので、自然と人が集まる。





シュテファンプラッツと国立歌劇場(シュターツオーパ)とを結ぶ歩行者天国のケルントナー通りはウィーンでいちばん有名な目抜き通り。
観光客がそぞろ歩く大通りに沿って、世界中でお馴染みの超有名高級ブランドショップが軒を連ねる…


真冬のウィーン散歩の終点は、世紀末ウィーンの香り漂うアール・ヌーヴォー建築のカールスプラッツ駅。

再びU1に乗ってプラーターへ引き返して日が暮れたら、ホテルで正装に着替えて今夜もオペラを観に行こう。
これが、真冬のウィーン滞在の愉しみ…

その2:音楽の都で劇場巡り、劇場カフェ巡りに続く

明けましておめでとうございます。ウィーンに行ってきました!

2017-01-22 | 旅行記:2016-17 ウィーン
Photo:ウィーン市内を流れるドナウ川。メキシコプラッツ近くにて。


天燈茶房TENDANCAFE読者の皆様、明けましておめでとうございます。
今年も天燈茶房をよろしくお願いします。


…などと平成29(2017)年1月も3週間以上過ぎてから言う、相変わらずな天燈茶房亭主mitsuto1976でございます(笑)
年末年始をウィーンで過ごして帰国後、仕事は猛烈に忙しいわ日曜日にはロケットが打ち上がるわ(→観測ロケットSS-520 4号機による超小型衛星打上げ実験を見に行きました…が、しかし。でろくに休む時間もblog記事を書く時間も取れない有り様でして…
今日は実質、今年初めての丸一日のんびりできる休日だったりします。

さて、例によって年末年始のウィーンでの日々も旅行記にまとめたいと思います。
今回は国立歌劇場とアン・デア・ウィーン劇場とフォルクスオーパにニューイヤーコンサートまでを連日連夜はしごする音楽三昧バレエ三昧オペラとオペレッタ三昧なウィーン滞在となりました。
とは言え、この日々の忙しさからすると例年以上に気長に、気長~に書き進めることになるかと思いますので、まぁ焦らずのんびりお付き合いくだされば幸いかと(^_^;)

それでは、先ずは生存確認と新年のご挨拶まで。またそのうち参上致します。
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝