天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

「直方隕石」5年に一度の特別公開!須賀神社御神幸大祭を見てきました

2016-10-23 | 宇宙
福岡県直方市下境の須賀神社


福岡県直方市にある須賀神社には、なんと隕石が奉納されています。
しかも、ただの隕石ではありません。人類史上最古の「目撃記録が残りそれが科学的に鑑定・認証された隕石」なのです!

「…時は貞観三年四月七日(西暦861年5月19日)の夜、突如何かがこの地の上空に飛来。
そのまま須賀神社境内にあった柿の木の幹に当たって爆発。辺りが昼間のような明るさになり、大音響が鳴り響いた。
その跡地には地面を突き破って大穴が開き黒い石がめり込んでおり、後日掘り出した石は皆が恐れ誰も触れる者もいなかった程だが、桐箱に入れて須賀神社に納めた…」

というような伝承が直方市下境地区に残されており、実際に須賀神社にも黒い石が入れられた桐箱が奉納されていたのですが、
桐箱の素材の炭素年代測定法による鑑定等を経て1981年に国立科学博物館の村山定男先生によって「実際に貞観年間に地球に落下した隕石である」と認証されました。
※他に、江戸時代の寛延年間に落下したとする研究も存在します。

実に1155年前の平安時代にこの地に落下して以来、ずっと神社に納められ地域の人達に畏れられ大切に守られてきた“世界最古の記録を持つ稀有な隕石”、それが「直方隕石」です!
(ちなみに貞観年間には東日本大震災との対比で話題となった貞観地震をはじめ日本国内各地で火山が噴火したりしており、隕石落下とは直接関連はありませんが日本列島が天変地異の災害に見舞われ続けた時期だったようです。)

そんな「直方隕石」ですが、普段は須賀神社に納められており見ることができません。
ですが、5年に一度開催される須賀神社の御神幸大祭で特別に公開されます!
そして、今年(平成28年・2016年)がその貴重な5年に一度の隕石を実際に見るチャンスの年!

という訳で平成28年10月22日、Twitterの宇宙クラスタ仲間と誘い合って「直方隕石」を見てきました!!








須賀神社の境内には「直方隕石」の記念碑が建てられています。
このゴツゴツしたのが「直方隕石」のレプリカらしい…

そして、お神輿の山車に載って特別公開に登場した、これが本物の「直方隕石」です!!


…記念碑のレプリカより随分小さくて形状もつるっとしてますが、これが紛れもなく本物の世界最古の目撃記録を持つ「直方隕石」です。
それにしても、御神体ではないにせよ神社に大切に奉納されている宝物の筈なのに、アクリルのケースに入れて雨の降る中に持ち出してくるとはかなり扱いが大胆だなぁ(笑)

しかし、この後はもっと大胆だった…
何と、貴重な「直方隕石」は神輿に載せられたまま雨の中を担ぎ出され、そのまま直方市内を練り歩き始めたのです!
う~ん、大胆というか豪快というか…っていうか、ホントにこんなことしていいの!?(笑)
須賀神社の御神幸大祭、恐るべし!!





そぼ降る秋の雨の中、「直方隕石」を載せたお神輿と山車の巡行は進みます。
我々宇宙ファンも隕石に付き添って、巡行行列と並んで歩きます。



…それにしても、歩く歩く!
ちょっと神社の周辺の町内を一回りするだけかと思ったら、どうやら直方市内の下境地区を全てくまなく巡るらしい…
隕石と一緒に歩いている我々もだんだん疲れてきました。



一時間半ほど歩いたところで、公民館で休憩。




公民館の駐車場で休憩中の「直方隕石」。

小休止を終えて、隕石のお神輿巡行は再び出発。さて、いつまで歩き続けるのか…


※同行した宇宙クラスタ仲間が撮影・提供してくれた動画です


平成筑豊鉄道の線路も越えて「直方隕石」は進む。
…なかなか見られないですよ、踏切を渡る隕石なんて!っていうか、なんてシュールな光景なんだろう(笑)



午前9時半頃に須賀神社を出発してから歩き続けること3時間。
ようやく「直方隕石」の巡行行列は目的地である稲荷神社に到着。




雨の中を練り歩いた「直方隕石」は無事に稲荷神社の本堂に安置、というか搬入されました。
隕石は今夜はこの稲荷神社でお泊りになるそうです。
そして、明日はまた直方市内を練り歩いて須賀神社にお帰りになるとのこと…
明日も頑張って歩いてください!

我々宇宙ファンも無事に「直方隕石」の巡行と一緒に歩き終えて、ああ疲れたお腹も空いた。
何か食べよう、直方名物の食べ物って何かな!?


という訳で直方名物の地元B級グルメ、焼きスパ(焼きそば式に調理したスパゲティらしい)をいただきま~す!
ああ、3時間も歩いた後の焼きスパは超美味しい!

今日は本当に疲れたけど、なんだか凄く面白くて楽しかった。
だって、隕石と一緒に歩いたんだよ!こんな経験、生まれて初めて!!
それに、世界中に隕石は数あれど、千年以上前に落ちてきて以来ずっと地域の人々に大切に守られて、歴史を積み上げてきた隕石なんてきっと世界中でこの「直方隕石」だけ。
千年以上もみんなが隕石と共に生きてきたなんて、何だか感動してしまうじゃないか…世界で一番幸せな隕石かも知れないね。


…さて、次回の須賀神社御神幸大祭は5年後、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に帰って来る翌年の2021年です。
5年後にもまた歩くよ、世界最古の目撃記録を持つ「直方隕石」と一緒に!
宇宙が好きな皆さん、是非この次は皆んなで一緒に隕石と歩きましょう。2021年に直方で隕石と会おう、歩こう!!

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 12:LCC(格安航空会社)の国際線に乗ってみた

2016-10-17 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:LCC(格安航空会社)エアアジアのエアバスA320 ドンムアン空港にて


11:バンコク街歩き食べ歩きからの続き

今回のマレーシア・タイ旅行では、福岡―バンコクとバンコク―クアラルンプールの移動に初めてLCC(格安航空会社)の国際線を利用してみました。
今までも日本国内線ではLCCのピーチやジェットスター・ジャパンの関西空港発着便の近距離便を何度か使う機会があったけれど、LCCの国際線の利用にはやはりちょっと不安と抵抗感が…

でも、その名の通りチケット価格の破格の安さにつられて、思い切って乗ってみることに。
何しろ福岡からバンコクまでのチケット価格が福岡から東京までの国内線の価格とほとんど同額、バンコクからクアラルンプールまでに至ってはたった数千円で、熊本から博多までの新幹線のきっぷ代とほぼ同じ金額だ~!(笑)


バンコクのLCC用空港であるドンムアン国際空港とクアラルンプール国際空港のLCC専用ターミナルKLIA2とを結ぶエアアジアのエアバスA320。
エアアジアはマレーシアを中心にアジア各地で航空事業を展開している大手LCCグループで、日本市場からは一度撤退したものの近く再参入が予定されている。
バンコク―クアラルンプール線はエアアジアのみならず東南アジアのLCC各社が競合する区間で、激しい競争が繰り広げられている模様。


エアアジア機内。なぜかもうもうと立ち込めるエアコンの冷気が…
機内に入ると煙っているように見えたので一瞬びっくりした。熱帯の東南アジアでは強烈に効いたエアコンは交通機関のサービスの一環といった風潮があるが、それにしてもここまでガンガン効かせなくてもいいのでは?火災と勘違いして恐がる乗客もいたぞ実際。


夜のバンコクを離陸。格安航空会社と言えども機材は真新しいA320なので、フライト自体は快適そのもので安全面での不安は全く無い。

だが、LCCが安いのには訳がある。
機内でのサービスは基本的に全て有料。快適な思いをするには追加で料金を支払わなければならない。


機内食も当然、有料。
今回、搭乗が夜中になったので夜食にと思い機内食を購入してみた。搭乗チケットと同時にネット予約すると機内で直接買うよりいくらか安くなるらしい。


エアアジアのバンコク―クアラルンプール線の機内食は、東南アジア式の焼きそば「ミーゴレン」でした。
ちなみに価格はドリンク付きで日本のコンビニ弁当とほぼ同額といったところ。

クアラルンプール国際空港に着陸したエアアジア機は、LCC専用ターミナルKLIA2に到着する。
日本の成田空港や関西空港ではLCC専用ターミナルというと極端に簡素で立地も良くなく、非常に差別感を感じるが、クアラルンプール空港のKLIA2はLCC専用ターミナルと言えども設備が立派で免税品店が集まった巨大なショッピングモールもあり、フルサービスキャリアの発着するターミナルに引けを取らない豪華さ!
…もっともそれって、LCCの乗客でも思う存分買い物してマレーシアに外貨を落としていってね!ってことなんだろうけどね(笑)






クアラルンプール空港のKLIA2にはクアラルンプール市内中心部のKLセントラル駅まで直通の空港連絡鉄道エクスプレス・レール・リンクも乗り入れており、途中でフルサービスキャリアの発着するターミナルを経由してKLセントラル駅まで直接向かうことが出来るので便利で立地が良い!
特急列車のKLIAエクスプレスに乗れば空港ターミナル駅とKLセントラル駅の間はノンストップで所要時間はわずか30分、最高速度はマレーシア最速の時速160km!
…でもチケット代が高くて、クアラルンプール市内からタクシーで来るのとほとんど同額なので、地元の利用者にはあまり人気が無いとか。


福岡とバンコクを結ぶジェットスター・アジア航空は、バンコクの新しい国際空港であるスワンナプーム空港に発着するのが特徴。
LCC専用化しているドンムアン空港よりも豪華で快適なスワンナプーム空港の施設を利用できるLCCとして注目される存在ではあったが、搭乗率は順調に推移していたようだが利益率が悪化したとの理由で(チケットを安売りしすぎたのだろうか…)、残念ながら今年10月に福岡便を運休してしまった。

福岡空港にジェットスター・アジアのエアバスA320が帰ってきたら、また気軽にふらりと夏休みの東南アジア旅行に出てみたいね…
といったところで、今回の旅もこれにて終わり。
次回は…年末に音楽の都ウィーンでまたお会いしましょう。さて今のうちに歌劇場巡りに備えてスーツと外套を新調しとかないと…

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 11:バンコク街歩き食べ歩き

2016-10-17 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:夜のバンコク中華街


10:線路の上の市場 タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅からの続き

タイの首都バンコクの都市交通網として、地下鉄や郊外への高架鉄道であるメトロMRTと共にバンコク市民の重要な足となっているのがバンコク市街地を高架橋で走るスカイトレインBTSだ。







建ち並ぶ超高層ビル群の谷間を縫うように行き交うスカイトレインは、まさに近代都市バンコクの象徴。
郊外へと向かうパープルライン以外は基本的に地下鉄区間のみであるメトロと違って、大都会を高い視線から眺めながら移動できるスカイトレインは、乗車していても気持ちが良い。

そんな近代的なスカイトレインも、駅で降りて地上に向かうとそこにはバンコクの庶民の暮らしの象徴、様々な食べ物を扱う屋台がそこかしこに軒を連ねている。




タイ料理はタイカレーとトムヤムクンだけじゃない!
日本の洒落たタイ料理店ではまずお目にかかれないような、見たこともない不思議な料理の皿が屋台のテーブルに並び、格安な庶民の味でお腹がいっぱいになる。
これぞバンコク街歩きの醍醐味!

屋台で食事を済ませて、バンコク街歩きの一日を満喫したら、安くて上質な隠れ家的ゲストハウスが多く見つかるフワランポーン駅近くの通りへ…


今日の宿は、この広々とした清潔なベッドルームのあるゲストハウス。
まるで星がいくつも付いた高級ホテルのような豪華な部屋だが、こんな部屋に日本の格安ビジネスホテルよりも安い値段で泊まれてしまうのである。


…だが、あくまで“隠れ家的”な宿なので、部屋からの眺めはこんな感じ。
バンコクの下町の、路地裏の風景…


さらに旅の間に溜まった汚れた服を洗濯して、バルコニーに干したりするからこうなる(笑)
豪華なゲストハウスも、いつの間にか凄まじく生活感が漂う庶民的な雰囲気に…

洗濯物を干して身の回りのものを片付けたり掃除したりしていると日が暮れた。
宿を出て、夜の散歩に繰り出そう。
向かった先は…


闇空に極彩色のネオン看板が妖しく浮かび上がる、そうここはバンコクの中華街!
フワランポーン駅西側の安いゲストハウスが建ち並ぶ横丁から先のヤワラート通り沿いの一帯は、バンコク市内随一の中華街となっているのだ。
ここでは露天を覗き込んで歩くのもよし、無数に集まった食べ物の屋台を巡るのもよし。



高層ビルの谷間をスカイトレインが駆け抜ける近未来都市から、庶民の日々の暮らしを支える屋台グルメ、さらに東南アジアの土壌に複雑に絡みつき根を下ろした中華文化圏の怪しい夜までを駆け足で堪能した束の間のバンコク滞在だったが、そろそろ帰国する時が近づいた。
束の間すぎて名残惜しいが、このエネルギッシュな都市に別れを告げることにする。


日本への飛行機が就航しているスワンナプーム国際空港までは、バンコク市内から直通の空港連絡鉄道エアポートレイルリンクでダイレクトに直行できる。

…一昔前まではバンコク市内から空港までは交通がかなり不便で、特に夜間や早朝などはぼったくり覚悟でタクシーに乗るしか手段が無く、僕も何度もタクシーの雲助運転手と口喧嘩したものだが時代は変わった。
これからは時間も正確な空港連絡鉄道で安心して快適にスワンナプーム空港まで移動できる!…などと感慨にふけっていたが、そう甘くはなかった。
なぜかやたらと運行本数が少なく、しかも編成両数が少なすぎるので大勢の空港利用客が殺到して超満員で、乗客の積み残しまで出る始末のエアポートレイルリンクで、なんとか乗車するも窒息しそうなすし詰めの車内から見るバンコクの街灯りはほろ苦い、いや激辛タイ料理味と言うべきか…

という訳で今回もやっぱり空港への移動で散々な目にあったが、せめて最後に景気良くバンコクの旅を締め括りたいと思い、スワンナプーム空港に着いたら空港内の高級タイ料理店へ。


バンコクの街中の屋台とは比べ物にならない、お上品なフライドライス。
…これ一皿のお値段で、屋台だと5人前は食べられるぞ(笑)


締めはやっぱりタイカレー!
日本行きの飛行機に乗る前に空港のレストランで食べたタイカレーは、日本で食べるのと同じ味がした。

12:LCC(格安航空会社)の国際線に乗ってみたに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 10:線路の上の市場 タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅

2016-10-16 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:タイ国鉄マハーチャイ線の日本製気動車


9:バンコク・メトロMRTパープルラインに乗ってみたからの続き

タイの首都バンコクにはタイ国鉄のターミナル駅が3つあるが、その中で唯一他の路線との接続が無く孤立した路線の始発駅となっているのがマハーチャイ線・メークロン線ウォンウィエンヤイ駅である。





バンコク市街地の下町の横丁のような場所に、市場に隠れるように存在するウォンウィエンヤイ駅からタイ国鉄の日本製ディーゼル列車に乗って出発。




バンコクの街並みを抜けると、車窓には一面の緑が広がる。

ウォンウィエンヤイ駅を出てから50分程でマハーチャイ駅に到着。
ここまでの運賃はエアコン無し車両ならわずか10バーツ(約30円)。








マハーチャイ駅はマハーチャイ線の終点であり、駅構内にはマハーチャイ線の列車で使用される車両のメンテナンスを行う整備工場も併設されている。


マハーチャイ駅の構内の片隅にあった、鉄道車両の車輪を用いてつくられた不思議なオブジェ。マハーチャイ線のシンボルだろうか。

さて、マハーチャイ駅で線路は途切れているが、実はこの先にも線路は続いている。
マハーチャイの町を二分して流れるターチーン川の向こう岸に、メークロン線の起点となるバーンレーム駅があるのだ。





マハーチャイ駅周辺に広がる市場を抜けた川岸にターチーン川の渡し船の発着場があり、ここから小さな船に乗って川を渡る。
ターチーン川の川幅は結構広く、また河口部に近いために大型船も行き交うため、橋を架けられなかったらしい。






バーンレーム駅から再びタイ国鉄の日本製ディーゼル列車に乗車。改めて、メークロン線の終点メークロン駅を目指す。






メークロン線の車窓には、エビを養殖していると思われる池や、バンコク湾に程近い海沿いの地域という特色を活かした塩田が広がる。







順調に走っていたメークロン線のディーゼル列車だが、突然、駅でもない場所で停車…
一体何ごとか、まさか故障!?




建屋も無いが行き合い設備だけが設けられた信号所のような場所で停車したメークロン線のディーゼル列車は、逆向きに進み出して側線に最後尾の車両を押し込むと連結を切り離し、そのまま最後尾の車両を置いて再び何ごとも無かったかのように走り始めた…

どうやら、ここはメークロン線の「露天車両整備工場」らしくて、最後尾に連結していた回送車をここで切り離したらしい。
…つまり乗客の乗っている営業列車をそのまま使って、本線を運行中に構内入れ替えを行ったということのようだ。日本では考えられないやり方だが、なんともタイらしくて鉄道好きならずとも思わず笑ってしまいそうな長閑すぎる光景だ。
これぞまさしく“微笑みの国”の鉄道風景、といったところか。



バーンレーム駅からおよそ1時間。車窓の風景が一面の塩田から開けた街並みに変わると、終点のメークロン駅に到着する。
…そして、ここメークロン駅こそが世界的に有名な“市場の中を走る鉄道”の駅なのだ!











本当に「線路の上に市場が立っていて、列車が通る時だけ市場がよける」状態なので、車窓のすぐ真下のレールとの隙間には市場の商品が並べられたままの状態だ!
…列車が通る直前に一斉に屋台を片付けて日除けを畳む様子から、メークロン駅周辺の線路上市場は“傘たたみ市場”と呼ばれ親しまれているらしい。
果たして親しんでていいのかどうか、余りにもスリリングで危なっかしい市場通過に列車上の僕までヒヤヒヤしっ放しだが、今まで重大な事故が起きたという話も聞かないのでどうやら「何とかなっている」ようだ。






列車は無事に駅構内を通過して線路の上に市場が戻り、メークロン駅に到着した。
バーンレーム駅からここまでの運賃はエアコン無し車両で10バーツ(約30円)。








メークロン駅でも線路はマハーチャイ駅同様に川で途切れている。だが、この川の向こう岸にはもう線路は続いていない。
ここが正真正銘のマハーチャイ線・メークロン線の終着駅だ。


そして、メークロン線の線路を遮るかのように流れるこの川こそ路線名ともなっているメークロン川。
…大ヒットした戦争映画「戦場にかける橋」の舞台として有名なクワイ川の下流域に当たる。
映画ではこの川の上流部に泰緬鉄道の橋がかけられるが、メークロン線では今後もこの川に橋をかけて延伸する事は無いだろう。僕もそろそろ、旅を終えてバンコクに戻ることにする。


帰りの列車も、“傘たたみ市場”をかき分けるようにして出発!
何とか無事に市場をすり抜けて、一路バーンレーム駅、そしてバンコクを目指す。



バンコクのウォンウィエンヤイ駅から“傘たたみ市場”のメークロン駅まで、乗車時間は合計約2時間と途中のターチーン川の渡し船に小一時間。
きっぷ代はエアコン無しならたったの10バーツずつ。
タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅は、特にあても無くふらりとどこかに出かけたくなったときにうってつけの、日常を忘れる不思議な小旅行だ。
もしあなたがタイ王国を訪れて大都会バンコクの喧騒に少々疲れたなら、旅の一日を“傘たたみ市場”を見に行く列車に乗って過ごしてみるのも、きっと悪くない筈。


11:バンコク街歩き食べ歩きに続く

今日もマヤ34形高速軌道試験車(マヤ検)が鹿児島本線を走りました

2016-10-16 | 鉄道

昨日(平成28年10月15日)は八代花火大会臨時列車が行き交い、賑やかだった熊本駅以南の鹿児島本線。
(→八代花火大会臨時列車2016
一夜明けて今日も、ちょっと珍しい列車が走りました。
「ななつ星」カラーをまとったディーゼル機関車DE10が牽くマヤ34形高速軌道試験車(通称:マヤ検)です!

…って、実はマヤ検も3週間ほど前の夜にやって来たばっかりなんですけどね(笑)
(→八代駅と有佐駅にマヤ34形高速軌道試験車(マヤ検)がやって来た!











せっかくの花火大会の日なのに小雨がそぼ降り、生憎の天候だった昨日とはうって変わっての秋晴れの空の下を走り去った、真昼のマヤ検でした。

※撮影地:鹿児島本線有佐駅付近

おまけ画像


九州横断特急の区間廃止後、鹿児島本線の数少ない俊足列車となっている熊本―人吉間直通の快速列車。
何の変哲もないただのキハ47ですが…国鉄型ということもあってか、鉄道愛好家には地味に人気があるらしい(笑)

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 9:バンコク・メトロMRTパープルラインに乗ってみた

2016-10-16 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:バンコク・メトロMRTパープルラインの日本製電車


8:バンコク科学博物館(SCIENCE MUSEUM)からの続き

タイ王国の首都バンコク市内を縦横に結ぶ都市交通網として、高架鉄道のスカイトレインBTSと地下鉄のメトロMRTがある。
スカイトレインBTSとメトロMRTは現在、それぞれ既存路線の延伸と新路線の整備事業が進行中で、このうちメトロMRTはちょうど今年の夏(2016年8月6日)に新路線のパープルラインが正式に開業を果たした。

バンコク・メトロMRTパープルラインはバンコク市内とバンコク都市圏として急速に発展が進む北部のノンタブリー県とを結ぶ路線で、パープルラインの開業によりバンコク市街地と直結されるノンタブリー県の沿線はバンコク郊外の新興住宅地として更なる人口増加と発展が期待されている。

そして、パープルラインが注目されるもう一つのポイントは…
パープルラインで使用される車両をはじめとする鉄道運行システムのインフラ一式の製造建設から運行管理やメンテナンスまでを全て、日本のJR東日本をはじめ東芝や丸紅が参加して合弁で設立した共同事業体が担うという事である。さらにこれらは全て、日本による政府開発援助(ODA)の円借款で賄われる。

まさに“日本がタイに作った日本の鉄道”であるバンコク・メトロMRTパープルラインに、早速僕も乗ってきました!



…だがしかし。
バンコク・メトロMRTパープルラインに乗るのは、今はまだなかなか大変なのだ。
パープルラインのバンコク市街地側始発駅となるタオプーン(Tao Poon)駅は、既存のメトロMRTやスカイトレインBTSの路線とは一切接続していない「孤立駅」状態。
本来なら新路線パープルラインの開業に合わせて既存のバンコク・メトロMRTブルーラインも延伸開業して、タオプーン駅でパープルラインとブルーラインがめでたく接続される事になっていたのだが、そこは万事のんびりとしたお国柄のタイのこと。
大方の予想通り(笑)ブルーラインの延伸工事が大幅に遅延しており、やむを得ずパープルラインのみが先に開業する事態となったのである。
…まぁ、タイではよくあることなんだけど。ちなみにブルーラインの延伸工事は今年中には完了する予定だそうです。焦らず待とう!

という訳で、今のところはバンコク側からパープルラインに乗る為には、ブルーラインの終点バーンスー駅から無料のシャトルバスに乗ってタオプーン駅に向かうことになるが、このシャトルバスの案内表示は全て難解なタイ語のみ!
バーンスー駅前のどこからシャトルバスに乗ればいいのか、どのバスがタオプーン駅行きシャトルバスなのか、タイ語を読み書きできない外国人にはさっぱり解らない。

だが、そこは“微笑みの国”タイ。
駅前にいる人をつかまえて、片言英語と身振り手振りとスマホの画面入力文字を駆使した超絶コミュニケーションで、どうにかシャトルバスに乗ることができた。
わざわざおまわりさんを探して一緒にシャトルバス乗り場を探してくれたおねえさんと、僕がバスに乗るまで見送ってくれたおまわりさん、どうもありがとう!


パープルラインの駅コンコースには、この鉄道が日本のODAでつくられた事を示す看板が掲げられている。
タイ国旗と並んだ日の丸を見ると、タイの人たちの暮らしの役に立つものをつくることができたということが、日本人として何とも嬉しくて誇らしい気分になってくる…

そしてこれが、日本でつくられたバンコク・メトロMRTパープルラインの電車だ!



始発駅で折り返すパープルラインの電車。
前照灯が点灯して、出発準備完了!




車内はこの通り。
パープルラインの名の通り紫色のロングシートの座面が硬いプラスチック製なのが特徴だが、インテリアデザインは日本の「JR東日本の電車」そのものの雰囲気だ。


車端のデッキ部に貼り付けられたメーカーズプレートのステッカー。
J-TREC(総合車両製作所)が開発したステンレス製電車「sustina」のブランドロゴも描かれている。


乗降ドア上には外国人にも分かりやすい英文併記の路線案内表示モニタが設置されている。
…だが、このモニタは故障していて正常な電車の位置を表示していなかったぞ。タイのお客さんが困らないように早くメンテナンスを頼むぞ、我らが日本企業!


パープルラインの沿線風景は、まだ開発の進んでいないのどかな田園や農村風景の中を高架橋で突っ走っていくイメージである。
だが、やがてパープルラインの開業効果でこの風景もビルやマンション、ショッピングモールが立ち並ぶ都市近郊のものに変化していくことだろう。
そしてパープルラインの電車の乗り心地は、まさに日本のJR東日本の東京近郊の電車そのもの!ただ、座席はプラスチック製なのでちょっとお尻が痛くなるけどね(笑)


チャオプラヤ川を渡ると、バンコク都市圏を離れてノンタブリー県に入っていく。




タオプーン(Tao Poon)駅を出てから20km余りの距離を走って、終点のバンパイ運河(Khlong Bang Phai)駅に到着。
パープルラインの終点の周辺には整備工場を併設した巨大な車両基地と、今後バンコクと直結した新興住宅地として変貌を遂げそうな郊外の風景が広がっていた。






バンパイ運河駅に到着したパープルラインの電車は、一旦駅構内から引き揚げ線に出た後、島式ホームの反対側に再入線して折り返しのタオプーン駅行きとなる。

…かくして、まだ完全な態勢が整ったとは言えないものの何とか走り始めたバンコク・メトロMRTパープルライン。
開業直後で、しかも他路線と接続できていないということもあってか乗客数はそれ程多くなく、沿線の開発もまだまだこれからで静かな走り出しとなったイメージではあるが、今後タオプーン駅でのブルーラインとの接続が完了すれば利便性が飛躍的に向上するので、乗客数は大幅に伸びる事が期待できる。
さらに、バンコク・メトロは今後パープルラインのバンコク南部への延伸も計画しているとのことなので、これからバンコク都市圏のエネルギッシュな発展の牽引役となっていきそうなパープルラインの今後に大いに期待したい。

若い力を秘めたこれからの国タイの首都バンコクの経済発展とタイの人々の暮らしの更なる向上に役立つために、
頑張って走れ“日本がタイに作った日本の鉄道”バンコク・メトロMRTパープルライン!


10:線路の上の市場 タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅に続く

八代花火大会臨時列車2016

2016-10-15 | 鉄道

本日(平成28年10月15日)熊本県八代市で開催された『やつしろ全国花火競技大会』へと向かう大量の観光客輸送を担う臨時列車が、今年も多数運転されました。
という訳で、普段は鹿児島本線八代地区を走らない車輌が応援に駆けつける八代花火大会臨時列車を撮影してきました!

※撮影地:すべて鹿児島本線松橋駅付近

今年の八代花火大会臨時列車で注目されたのが、真っ白に塗装された車体が特徴の817系3000番台






南福岡車両区所属のV3003編成が応援に駆けつけたようで、午後2時頃から熊本―八代間のピストン往復普通列車運用に入っていました。


地元の熊本車両センター所属の無塗装車体の817系も通常ダイヤの普通列車として大活躍。編成を増結していつもの倍の4両編成になっています。


同じく地元・熊本車両センターの815系も増結編成4連でフル稼働中。




415系も輸送量の多さを活かして八代花火大会臨時列車に投入されました。


811系も登場。八代地区に入るのはほぼ年一回、八代花火大会臨時列車としての運用時のみ。

普通列車以外に、団体臨時列車扱いで特急もやって来ます。
鹿児島本線では現在、長洲駅以南の区間では特急列車が定期的に運行されていない為、滅多に見ることが出来ない特急型車両が八代花火大会臨時列車として走ります。





昨年は783系“ハイパーサルーン”と787系“つばめ型”がそれぞれ1編成ずつ投入されていましたが、今年の八代花火大会臨時列車特急は783系が2編成使用されており787系の姿を見ることは出来ませんでした。残念…




2本めのハイパーサルーンがやって来た頃からポツポツと小雨が降り始めて、やがてかなりの本降りになってしまいましたが、『やつしろ全国花火競技大会』は予定通り開催され多くの観光客で賑わったようです。
来年は、もっと良い天気で花火と珍しい列車たちを堪能できればいいですね。

それでは、また来年!
今年も八代花火大会臨時列車、お疲れ様でした!!

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 8:バンコク科学博物館(SCIENCE MUSEUM)

2016-10-02 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:バンコク科学博物館エントランスホール


7:バンコクのプラネタリウムからの続き

バンコクの科学教育センター(SCIENCE CENTER FOR EDUCATION)には、プラネタリウムだけではなく別棟で立派な科学博物館(SCIENCE MUSEUM)もある。




プラネタリウムと科学博物館の間の中庭に展示されていた、これはアポロの月着陸船の実物大模型のようだが…
再現度が微妙だ(笑)


科学博物館の館内展示。
ちょうど今、宇宙開発関連の展示コーナーをリニューアル中のようで、なかなか面白そうな展示が見えていたがまだ立入禁止で近付くことが出来なかった。残念…


こちらは、地元タイ王国の宇宙開発を取り上げた展示コーナー。
タイで初めての地球観測衛星「THAICHOTE」についての解説パネルにも、しっかり国王陛下の肖像写真が掲げられているのがいかにもタイらしい。


「THAICHOTE」の隣に、我らがJAXAの地球観測衛星「だいち(ALOS)」の模型も展示されているのを発見!

…さて、バンコクの科学博物館の展示は宇宙科学だけではない。
何ともタイらしい、かなりコワイ展示コーナーも館内に控えている。それが…
麻薬・ドラッグ問題を訴えかける「アンチ・ドラッグ」のコーナーだ。


いきなり、大麻についての詳細な情報が紹介される…

実際の麻薬・薬物そのものを展示しているコーナーも…




LSD
噂には聞いていたが、本当に切手に染み込ませて流通しているとは…


エクスタシー
スマイルマークのカラフルな錠剤が不気味だ…

これだけ“ヤク”を事細かに見せられた後には、こんな「体験コーナー」が待っている…


薬物によって身体感覚が侵されることで生じる運動障害を実際に体験できる恐怖のトンネル!
これ、実際にかなり恐いです。全くまともに歩けなくなり、足がもつれ、やがて精神的に平常心が失われていく感覚…


そして、とどめがこれ。
薬物依存症患者の精神的・行動的な状態と哀れな末路を実感できる「恐怖の顔出し看板」だ…

…“黄金の三角地帯”をかかえるタイをはじめとする東南アジア諸国は、麻薬汚染問題に対して厳しい取締まりをもって臨んでいる。
それでも、貧困等の事情によって薬物の蔓延を完全に防ぎきるのは難しい。そこで、敢えてこうやって薬物問題の現実を広く知らしめて問題の根を断とうという、国を挙げての強い意志を感じる展示だった。
ちなみにタイでは麻薬・覚せい剤の所持・密売は死刑である。

地球観測衛星から麻薬汚染問題まで、幅広いテーマを取り扱うバンコク科学博物館。
かなりカオスな感じではあるが、内容の濃い展示だった。

だがしかし、バンコクの科学教育センターはこれだけで終わらないのだ。


なんと、科学教育センターの敷地内には水族館もあるのだ。

さらに、科学教育センターの裏口から通りを挟んだ向かい側にはビルの8階までのフロアを占める自然科学博物館と、そしてなぜかその隣には温水プールやテニスコートとサッカー場を備えたスポーツセンターまで完備されている(笑)

…もはや科学教育の枠には収まりきれない程の充実し過ぎた設備を誇るバンコク科学教育センター(SCIENCE CENTER FOR EDUCATION)、タイ旅行でのちょっと個性的な思い出づくりの為に、あなたも一度訪れてみてはいかが?
でも、下手すると丸一日時間が潰れてしまうので要注意!それでは、良いバンコクの一日を…!

9:バンコク・メトロMRTパープルラインに乗ってみたに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 7:バンコクのプラネタリウム

2016-10-02 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:バンコク・プラネタリウムの投影機ツァイスIV型(カールツァイスMark IV)


6:再びクアラルンプール街歩き食べ歩きからの続き


タイ王国の首都バンコクの市街地のど真ん中、エカマイ・バスターミナルの隣にある科学教育センター(SCIENCE CENTER FOR EDUCATION)の敷地内にある
バンコク・プラネタリウム(BANGKOK PLANETARIUM)








プラネタリウム館内には、ドームを取り巻くように回廊式の宇宙科学館的な展示がある。


また、プラネタリウムそのものに関する展示もあった。


タイ語表記のパネル展示のみだがなかなか力が入っており、プラネタリウムの歴史について写真付きで詳しく紹介されている。
光学式プラネタリウム投影機を開発したカールツァイス社や、世界初のプラネタリウム設置館であるミュンヘンのドイツ博物館が取り上げられているようだ。

やがて投影開始時刻になり、ドーム内に入ると…


これがバンコク・プラネタリウムのご本尊!
名機カールツァイスの大型投影機が出迎えてくれた。

東ドイツのカールツァイス・イエナ製ではなく西ドイツのカールツァイス社が製造したツァイスIV型(カールツァイスMark IV)で、製造年は1964年。
日本の名古屋市科学館(旧館)や渋谷の五島プラネタリウムにかつて設置されていた投影機と同形式の兄弟機だ。


コンソールにはツァイスIV型を操作する旧式の制御卓も設置されている。


…だがしかし、バンコク・プラネタリウムは今年(2016年)1月に大規模リニューアルが行われており、その際にアメリカのエバンズ&サザーランド社製デジタル式投影機が導入され、全天周映像に対応した最新設備のプラネタリウムに生まれ変わっている。
ご本尊のツァイスIV型はそのままドーム内に設置されているが、実質的に投影機能は停止しているらしい。残念!!

という訳で、バンコク・プラネタリウムの投影は全てデジタル式投影機による全天周映像のみで、せっかくのカールツァイスの温かみのある星空を眺めることは出来なかったのだが、それでもタイの無邪気な子供たち(と大人たちも(笑))が迫力ある全天周映像に歓声を上げながらプラネタリウムを楽しんでいる様子は、プラネタリウム好きとしては何とも言えない嬉しい光景だった。


…本当に、子供も大人もみんな純粋にプラネタリウムを楽しんでいるという雰囲気が伝わってきた。
きっと、ドイツ博物館で最初のカールツァイス投影機が星空を映し出した時も、投影ドーム内はあんな歓声に包まれたんじゃないかな?
機材は最新鋭になっても、“星空を見て楽しむ”というプラネタリウムの大切な使命はきっといつまでも変わらないね…




プラネタリウムを楽しんだ後は、屋台のタイごはんで腹ごしらえ。
科学教育センターには敷地内にちょっとした屋台のフードコートがあり、簡単な食事をとることも出来る。


東南アジアの屋台の定番メニュー、チキンライスをいただきます!

…さて、腹がくちくなったら科学教育センター内の科学博物館(SCIENCE MUSEUM)を見学しに行こう!
この博物館もなかなか、タイらしいカオスな空間のようですぞ(笑)

8:バンコク科学博物館(SCIENCE MUSEUM)に続く