天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 7-8日目(2018年1月5-6日)

2018-03-10 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
6日目(2018年1月4日)からの続き

日本に帰る為に、先ずはタリンからフランクフルトへ。
ルフトハンザ便はタリン空港を早朝の午前6時半発なので、エストニア国立歌劇場で「くるみ割り人形」を観てからホテルに帰ってきて少しベッドに横になったと思ったら真夜中過ぎにはもう起き出してチェックアウト。


タリン空港に駐機中の、これはフランクフルト行きルフトハンザ機ではなくて多分ワルシャワ行きのLOTポーランド航空機。
…実は、次のゴールデンウィークには成田からLOTポーランド航空を乗り継いでドイツのベルリンに行く予定なんだよね、忙しいな。


タリン空港の搭乗ゲート前には、なぜかランニングマシンが。
う~む、ランニングマシンならいつも仕事が終わってから職場併設のジムで30分ほど走って慣れてるから、軽く汗を流してみようか…
いや、でも今日は完全に寝不足だし、これから日本までの長距離フライトが待ってるからやめておくか。


タリン発フランクフルト行きルフトハンザLH885便の機内食、いや機内スナックはクッキー1枚だけ!
でも、ホワイトチョコとクランベリーがぎっしりのずっしり系クッキーなので結構腹にたまった。


朝8時にはフランクフルト空港に到着。


乗り継ぐ東京羽田行きはルフトハンザではなくANA機材で運航するコードシェア便のNH204便、ボーイングB777(ちょうど柱の陰になってて機首が見えませんが)。

…行きは羽田発フランクフルト行きLH717便の遅れのせいでフランクフルト空港で驚愕の10分乗り継ぎという離れ業を演じる羽目になってしまったが、帰りはゆっくり3時間以上の乗り継ぎ時間がある。
「ああ~やっぱりこれくらい余裕のある乗り継ぎの方が絶対いいよなぁ!
…っていうか、もう生涯で二度と巨大ハブ空港で10分乗り継ぎなんて御免だ…いやマジで。


定刻通りにフランクフルトを飛び立ったNH204便は、つい数時間前までいたバルト三国の上空を飛び越えて一路、シベリアの先の日本へ…
うん!?チェリャビンスクって数年前に隕石が落下して大騒ぎになった場所じゃなかったっけ?


最初の機内食は懐かしい日本の味、三色そぼろ弁当。


デザートはアイスクリーム。
…アイスは日本のものより、フランクフルトで積み込んだヨーロッパ産の方が美味しい気がする。

さて、後は座席モニタで映画を観るなり、寝るなりしていれば10時間後には東京羽田に到着…
だが、旅の終わりに気が緩んだのか、昨日から風邪気味だったのが本格的に体調が悪くなり、悪寒がしてきた。
「なんてことだ、最後は風邪っ引きかい。全く、今回の旅はトラブルで始まってトラブルで終わるんだな、やっぱり厄年のせいか…?ああ、歳は取りたくないもんだなぁ

でも悪いことばかりではない。
CAさんに事情を話すと追加の毛布に風邪薬やポカリスエットを持ってきてくれて、あれこれと世話をしてくれて心配してもらえた。
「ああ、体調が悪い時は人の親切が身に沁みる…ありがとうございます、やっぱり日本のエアラインはいいなぁ」


羽田空港到着前の機内食は朝粥をチョイス。やっぱり風邪の時はお粥に限る…


という訳で、薬を飲んで毛布をかぶってぐっすり眠って目覚めたらお粥も食べて、至れり尽くせりでだいぶ具合が良くなって羽田空港に到着!
明けましておめでとうございます日本!帰ってきたぞ~


親切にしてくれたCAさんにお礼を言って別れてNH204便を降りると、ターミナルビルでは見事な富士山がお出迎え。
「今日羽田に着いた外国人観光客はラッキーだな!間違いなく感激して『OH!FUJIYAMA!!』って言ってるね(笑)


羽田で乗り継いだANA国内線の熊本行きNH643便からもくっきりと富士山が見えていた。
「これは外国人観光客じゃなくて地元の日本人でも嬉しくなるなぁ…」

終わり良ければ全て良し。
かくして、近年稀に見る波乱万丈な旅になってしまった今回の年越しエストニア・ラトビア旅行も、晴れ渡り澄みきった日本晴の空と富士山に報われて終わったのでした。



それでは皆さん、次回は今年 平成30(2018)年のゴールデンウィークにドイツのベルリンでまたお会いしましょう
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 6日目(2018年1月4日)

2018-03-10 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:エストニア国立歌劇場にて


5日目(2018年1月3日)からの続き


エストニアの首都タリン滞在2日目の朝。
相変わらず天気はぐずついているが、とりあえず冷たい雨は上がったようでよかった…

今日も朝から世界遺産のタリン旧市街へ。




昨日は新市街側から直接旧市街へと入ったが、今日はハンザ同盟都市タリンらしく港側の入り口から。
海からやって来る侵略者に睨みをきかせる砲塔「太っちょマルガリータ」の門をくぐり抜けて旧市街の下町へと入る。




かつて16世紀には高さが160m近くとなり、当時世界で最も高い超高層建築物だったこともある聖オレフ教会の尖塔。
その後何度も焼け落ちて修復される度に背が低くなり、現在の高さは120mちょっと。


狭い路地を進むと…


海側の城壁の外に出た。


エストニア鉄道のタリン・バルト駅に面したこの辺りは昼間でもあまり人の気配が無く、実は少々治安の良くない場所だとか。
日が落ちたら近寄らない方がいいだろう。


小さな城門をくぐって…




再び城壁の内側の旧市街へ。
この辺りは世界遺産タリン旧市街と言えども下町で、どこか生活感が漂っている…


タリンのオルロイ(天文時計)がある聖霊教会
プラハのオルロイとよく似た雰囲気だが、文字盤のみで“プラネタリウム”部分が無いのがちょっと残念。




今日もクリスマスマーケットで賑わう市庁舎前広場


市庁舎の漆喰壁に埋め込まれたプレートを発見。
ちょうどエストニアがソ連に占領されていた1960年の年代表記。字体からして共産主義アヴァンギャルドの置き土産かも…


市庁舎前広場を発車する汽車…
JR九州の大分駅にいる「ぶんぶん号」の兄弟かな?


旧市街の丘の麓にある「台所を覗く塔」

かつて兵士が詰めていた見張り塔に面した民家の台所があり、それを兵士が暇つぶしに覗いていたので「台所を覗く塔」らしのだが、
現在は民家は無くなって代わりに在エストニア日本大使館が建っている。
なので今は「日本大使館を覗く塔」(笑)


「台所を覗く塔」の下に翻る日本大使館の日の丸の旗。


日本大使館の前庭には、友好の桜の木が植えられている。

だが今日は、まだ桜の咲く季節には程遠い寒さ。
真っ昼間でも零下の気温だった。


あまりの寒さに、鳩もベンチの背もたれで膨れて不貞寝…
僕も寒さで背筋に悪寒が…
風邪を引いたかも知れないので、これはちょっとまずい。一旦ホテルへ戻ろう。


ホテルで風邪薬を飲んで休憩したら、体調も戻ってきた。
日が暮れたらトラムに乗って再び街へ。


トラムの車内に備え付けられたスマートカードの読み取り機。
使い方は日本のJRのSuicaやSUGOCAと全く同じで、スマートカードを1秒間押し当てるとICチップの情報を読み取って「ピッ」という音が鳴り緑色のランプが点灯する。
タリンに着いた時に手に入れたスマートカードには今日まで有効の3日間乗り放題チケットの情報がチャージされているので、トラムも路線バスも何も気にせず乗り放題だ。


そして、今夜もやって来ましたエストニア国立歌劇場
…たまたま乗ったトラムの路線の停留所の場所が劇場の裏の通りだったので、これは裏口側。
なんか道路を掘り返して舗装工事の真っ最中で、オペラ劇場の雰囲気もへったくれもないんだが。


指揮棒を振る手の遮断器が楽しい劇場駐車場を通り抜けて、正面玄関へ…




夜の歌劇場は、いつも心が高揚する…


まだ開演まで時間があるので、劇場内を散策。
…連れが居たらホワイエで熱いメランジェと一緒にケーキを食べるんだが、外国人の中年男が一人で劇場でスイーツなんてちょっと恥ずかしいでしょ、残念!


今夜のエストニア国立歌劇場の演目は「くるみ割り人形」


そして今夜も平土間の中央最前列、オーケストラピットの指揮台の真ん前の席。
暫し、チャイコフスキーの描き出す少女の甘い夢の世界へ…


舞台袖のボックス席は今夜は観客を入れず、少年合唱団の歌う場所にあてられていた。
合唱パートになるとオーケストラピットに立つ指揮者の男性が真剣な表情を緩めて、笑顔で少年たちを見ながら指揮していたのが印象に残る舞台だった。

「くるみ割り人形」が終わると、僕の短い年末年始休暇の旅も終わり…
明日には帰路に就く。

7-8日目(2018年1月5-6日)に続く

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 5日目(2018年1月3日)

2018-03-10 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:エストニア国立歌劇場


4日目(2018年1月2日)からの続き


エストニアの首都タリンの真冬の夜明けは遅い…
もう朝8時を回っているが、ホテルの窓から眺める街の景色はこの通りまだ暗い。
その上、小雨も降っていて如何にも寒々しい、冬の北欧らしい朝の風景。

こんな日は暖かい部屋でずっと寛いでいたくなるが、せっかくのタリン滞在を楽しまなくては。
厚着して傘を持って出かける。


まずは、昨日苦心して手に入れたスマートカードにチャージした3日間乗り放題チケットを使って、トラムに乗ってタリン市内を見て周ろう。
タリンのトラムの最新型車両は超低床電車。


超低床電車の車内はこの通り、明るく清潔で快適そのもの。


車内には分かりやすい路線図も掲示されているので、外国人観光客でも簡単にトラムを使いこなすことが出来る。


こちらはトラムの停留所に必ず掲示されている詳細なタリン市内地図上に表記された公共交通路線図。
自分が今どこにいて、目的地に向かうにはどの路線に乗ればいいのか分かるのでこれまた便利。
僕はこの路線図をモバイル端末で撮影して、いつでも見て確認出来るようにしていた。

タリン市内には4つのトラムの路線があるが、路線図を見るとそれぞれ2つずつの路線が大部分の運行区間を共有する「たすきがけ運用」が組まれていて、上手く乗り継いでいくと簡単に全区間完乗が出来ることに気が付いた。
ということで、今日の午前中はトラム全区間乗りつぶしを目指すことにする。


4つの路線を次々に乗り継いで、タリンの街外れに辿り着いた…


タリンのトラムは最新型の超低床電車だけでなく、ソ連占領時代から使われている旧型のタトラカ―もまだまだ多く走っている。
この水色に塗られたゴツゴツと角ばった車体の電車は永らくタリンのトラムの象徴的存在だったが、最近は次々に広告ラッピングや白に赤帯の超低床電車と同じ新塗装に塗り替えられて数を減らしているようだ。


旧型タトラカ―の車内。
古めかしい雰囲気はそのまま残っているが、スマートカードを読み取るリーダーももちろん設置されていて、きちんと近代的に更新されている。
ちなみに、スマートカードを持っていない外国人旅行者はこの運転席後ろの窓を叩いて運転手を呼び、ドアに設けられた小さなやり取り口を通して現金2ユーロで「1回乗車券」を買うことになる…

トラムを乗りつぶしたら、次はいよいよタリン市内観光の目玉、世界遺産タリン旧市街へ!


トラムの車窓から旧市街が見えるので、適当な場所で降りて歩くといつの間にか旧市街の中に入っているという印象。


旧市街と市外を隔てる場所にある塔が街歩きのよい目印になる。


上部に木造の渡り廊下が続く長い城壁と、その下に軒を連ねる土産物の小さな店舗。


市庁舎前広場には観光客向けのクリスマスマーケットが…


旧市街の一番奥、そして一番高い丘の上に位置する建物はかつての城跡に建つ領主の城館だが、現在は国会議事堂として使われている。


そしてそのエストニア国会議事堂を見下ろすように建つ東方正教会の建物がアレクサンドル・ネフスキー大聖堂
エストニアが帝政ロシアに支配されていた1900年頃に建てられたが、言うまでもなくエストニア政府と国民を睨みつけるようにわざと威圧的に議事堂前に建てられているのでタリン市民からはひどく嫌われてきたとのこと。
実際、脱ソ連・ロシアの機運が高まる度に取り壊しが検討され解体寸前まで追い込まれたこともあるそうだが、現在では建築学的と歴史的な価値が再評価され修復の上で保存されている。


旧市街で一番高い城壁から港側の下町方面を眺める。




タリン港と停泊する客船が見える…


新市街方面の眺め。
中世ヨーロッパのハンザ同盟都市そのものの家並み越しに近代的なIT・情報都市のインテリジェントビル群が林立する、現在のタリンを象徴するような景色だ。

旧市街から一旦ホテルに戻って休憩し、着替えてから再び夜の街へ。


向かった先はエストニア国立歌劇場
帝政ロシア支配下の1913年にフィンランド人建築家の手によって建てられた歴史ある劇場だ。


全く同じ外観のオペラハウスとコンサートホールが並び立つ建築デザインがエストニア国立歌劇場の特徴。
今夜は向かって左側に建つオペラハウスでオペレッタ「小鳥売り」を鑑賞する。


規模は小さいながらも、正統派のオペラ劇場の雰囲気を漂わせている…




シャンデリアと天井画も素晴らしい。


この金属製のプレートはクロークの預り証。
なかなか格好良いデザインだが、同じものが記念品として販売されていた。ちょっと欲しいかも…


さて今夜の席は、何と平土間の中央最前列、オーケストラピットの指揮台の真ん前!
…早めに劇場公式サイトでチケットを予約したら、こんな良い席が取れてしまった(笑)


バルト三国のエストニアでウィーンの正月気分を味わえるオペレッタ「小鳥売り」を満喫して、タリンの一日は終了…
あっ、でも明日もエストニア国立歌劇場の平土間の中央最前列で「くるみ割り人形」を観るんだよね~

6日目(2018年1月4日)に続く

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 4日目(2018年1月2日)

2018-03-04 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:リガ中央駅に入線するValga行きエストニア方面接続列車


3日目(2018年1月1日)からの続き

今日は早くもラトビアの首都リガを離れ、再びエストニアの首都タリンへと戻る。
朝10時半、リガ中央駅からValga行き列車に乗車…来た時と全く同じ行路を逆に辿る帰り路だ。

帰りの列車も事前に乗車券をネット予約しておいたのだが、なぜか行きは無料で持ち込めたスーツケースに手荷物持ち込み料金が要るとラトビア鉄道のおばちゃん車掌に言われ(実際ラトビア鉄道では、手荷物持ち込み料金は乗務員の裁量で徴収されたりされなかったりするのが普通らしい)、
しかもおばちゃん車掌は英語が話せず僕はラトビア語が聞き取れないのでお互いに困り果ててしまい、見兼ねた英語が話せる親切な若い女性が通訳を買って出てくれて、最後はみんな笑顔でなぜか「スパシーバ!」とロシア語で言い合うという和やかな鉄道の旅の始まり…


首都リガから5分も走ると車窓は森の中になる。
森の中の貨物ヤードに並ぶタンク車、えらく派手に積み荷の油をこぼしとるなぁ…


森を抜けると畑と牧草地…
基本的にラトビアは全国的にこんな感じの風景が延々続いている。


時々小さな町に立ち寄り駅に停まる。
ラトビアでは旧ソ連占領時代からそのまま使われているような、古びて無機質な駅舎の駅が多い気がする。


畑の真ん中のプラットホームだけの駅に、踏切を塞いだまま停車中。
…JR北海道の通称“朝礼台”と呼ばれる無人駅と全く同じシチュエーション(笑)


リガを出発した時点ではかなり混み合っていた車内も、国境が近づいてくるとすっかりガラ空きに…
やっぱり鉄道でラトビアとエストニアを直通する乗客需要は殆ど無いんだなぁ。

リガからおよそ3時間半、13:55に国境の町Valgaに到着。


一昨日は5時間も待ち合わせ時間があったが、今日はなんと僅か4分での対面乗り継ぎ!
タリン行きのエストニア鉄道ELRONの列車に乗り換える。


ここまでありがとう、ラトビア鉄道の旧ソ連型気動車。
(…なんかこの次に乗る時は、ラトビア鉄道もエストニア鉄道と同じスイスのシュタッドラー社製車両に置き換えられてる気がする。)


という訳で、ここから先のエストニア国内はシュタッドラー社製最新型高性能気動車!
おお~車内もピカピカで乗り心地も良くて快適そのものだ!やっぱりソ連より西側諸国の方がいいよなぁ実際(笑)


エストニアに冬の早い夕陽が落ちる…

すっかり暗くなった午後5時過ぎ、エストニアの首都タリン空港近くのウレミステ駅に到着した。
ここでタリン市内の路線バスに乗ってホテルへ向かう…筈だったのだが、ウレミステ駅近くのバス停とトラム停留場の前にある「Rキオスク」(公共交通の乗車券類を扱っているキオスク)が閉まっているではないか!
なんてことだ、Rキオスクでスマートカードを買わないとお得にトラムに乗れないぞ!

…路線バスやトラムをはじめとするタリンの市内交通は、全てスマートカードというICカード乗車券で乗ることが出来る。
このスマートカードがなかなかの優れもので、IT先進国のエストニアらしく様々な機能を持っているのだ。例えば、単純に一定金額をチャージして使うだけではなく、1日乗り放題チケットや数日間乗り放題チケットを事前に読み込ませておくと、車内のICリーダーにタッチした時点で自動的に乗り放題期間が始まったりするのである。
(さらに、納税しているタリン市民はマイナンバーをスマートカードに紐付け手続きしておけば何と無料で公共交通を使うことが出来たりするのだが、残念ながらこれは外国人旅行者には関係がない)

という訳でタリンに着いたらまずはRキオスクでスマートカードを購入しなくてはならないのだが、あてにしていたバス停留所前のRキオスクが閉まっているともうお手上げである。
こんな場合はトラムの車内で運転手から直接「1回乗車券」を買うことになるが、「1回乗車券」は2ユーロもするしもったいない…
スマートカードで3日間乗り放題チケットを使うとたったの5ユーロなんだぞ…

念の為にバス停留所近くの酒屋やガソリンスタンドに行って「ユヒスカールト(スマートカードのエストニア語読み)ある?」と聞いてみたが、どこでも売っていないと言われる。
万事休す、やはりRキオスクでしか売っていないか。やむを得ん2ユーロ出してとりあえずホテルまで路線バスに乗るか…
諦めかけた時に、ウレミステ駅の裏の空港ホテルとの間にショッピングモールがあったことを思い出した。ひょっとしたら、ショッピングモールにRキオスクが入っているかも…


ビンゴ!(笑)
思った通りショッピングモールにテナントとして入っていたRキオスクを発見して、無事にスマートカードを手に入れることが出来た。
デポジットの2ユーロと3日間乗り放題チケット代金の5ユーロを支払ってその場で3日間乗り放題チケットをICチップに読み込ませてもらい、これでタリン滞在中はトラムも路線バスも全て乗り放題だ。


意気揚々と路線バスに乗り込み、今夜のホテルに向かう。
1980年のモスクワオリンピック開催に合わせて開業したという老舗のホテル・オランピア(現在はラディソンホテル系列)は、かなりの豪華ホテルでビックリ…


しっかりバスタブもあるので大満足!


豪華ホテルに気を良くして、近くのスーパーマーケットで夕飯と甘いものを沢山買い込んできた。
(ちなみにこの時買い物したスーパーマーケットの隣りにあるスイスホテル・タリンには数日後に東欧とバルト三国を歴訪した日本の安倍総理大臣が宿泊したとのこと…まぁ安倍さんはスーパーに買い物なんかしに来れないだろうけど)


ホテル・オランピアの部屋からはタリンの夜景も見える。
タリンはリガと違って、新しい高層ビルが多いな…

おやすみなさい。明日はスマートカードでトラムに乗って、街歩きに行くぞ…

5日目(2018年1月3日)に続く

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 3日目(2018年1月1日)

2018-03-04 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:リガ中央駅で発車時刻を待つロシア方面行き国際寝台列車


2日目(2017年12月31日)からの続き

明けましておめでとうございます。
2018年になりました!

…とはいえ、リガ市街は昨夜遅くに雨が降り出したようで、初日の出も見られない元旦となってしまった。


それでもせっかくなので、正月元日の散歩に出かける事にする。
石造りの建物も石畳も雨に打たれてしっとりとした、そして底冷えのする世界遺産リガの旧市街へ…


旧市街で見かけた壁画アート。鳥人間?リリエンタール?


こちらは聖ペテロ教会の裏にあるブレーメンの音楽隊像
…なぜリガにブレーメンの音楽隊?と思ったら、リガ市は同じハンザ同盟都市であるドイツのブレーメン市と姉妹都市関係にあるそうで、その記念にブレーメンから贈られたものらしい。
ちなみにリガ市は日本の神戸市とも姉妹都市とのこと。


旧市街の広場ではクリスマスマーケットを開催中。


ホットワインや軽食、そしてチープな土産物を売る屋台が並び、完全に観光客向けの雰囲気。


旧市街からダウガヴァ川沿いに抜けると、昨夜の年越し花火大会の舞台設営を撤去する作業の真っ最中だった。
ヨーロッパでは新年の三が日という習慣は無く、大晦日の夜が終わるとお正月の全てのイベントが終了してしまう。
まさに祭りの後の涙雨の朝、という風情…


リガ市内を流れる大河ダウガヴァ川。
鉛色の空の下、濁った冷たそうな水がとうとうと流れる。見ているだけで凍えそうになる風景…


ダウガヴァ川沿いの遊歩道をしばらく歩いていくと、かまぼこ型の建造物が建ち並んでいる場所に行き当たる。
これはリガの中央市場で、毎日10万人もの市民が買い物に訪れるという本来ならとても賑やかな場所らしいなのだが、正月休みで閑散としていた。


リガ中央市場の特徴的なドーム型の建屋は、元はツェッペリン飛行船の格納庫として建てられたものをそのまま再利用している為とのこと。
とはいえ「ヒンデンブルグ号」のような巨大な飛行船が入るとは思えない大きさなので、日本の「スヌーピーJ号」のような小型の飛行船用だったと思われる。
飛行船格納庫から市民の台所へと姿を変えつつリガの歴史を見守り続けてきた中央市場のドームは、現役の市場ながら旧市街の一部として世界遺産にも登録されている。


中央市場のすぐ近くに、昨日エストニアから列車を乗り継いで到着したリガ中央駅がある。
駅裏手にあるスターリン様式の共産主義ビルを背景にして、旧ソ連時代にリガにあった鉄道工場で製造された車両が走り抜ける“ソ連の置き土産”のような光景が…


リガ中央駅は今でもラトビア国内各都市とを結ぶ列車が多数発着する、かなり賑やかな駅である。
駅舎もきれいにリニューアルされてショッピングモールやフードコートも併設されており、すっかり近代的なヨーロッパの都市駅になっている。


リガ中央駅のプラットホームにずらりと並ぶリガ鉄道の列車たち。


エレクトリーチカと呼ばれる、旧ソ連の鉄道の象徴だった近郊型電車が今でもリガ鉄道の主力だ。

中央駅で列車を眺めた後は、駅前から広がる旧市街へと戻る。


冬の公園と運河。


旧市街と新市街の境い目に建つ威風堂々としたラトビア国立歌劇場
…今夜はここでオペレッタ「こうもり」でも観たかったのだが、あいにく年末年始は公演が休みだった。残念!


国立歌劇場の近くにそびえる自由の記念碑
ラトビア独立戦争で死んだ兵士たちに捧げる為に1935年に建てられたもので、ソビエト占領時代も取り壊しの危機から守り抜かれたラトビアの国家としてのシンボル的な存在である。
常に儀仗兵によって護られ(この日は低温と悪天候のせいでか儀仗兵の姿は見当たらなかったが…)、ラトビアを訪れた外国要人は必ず献花式典を行うという(実際、この数日後に東欧とバルト三国を歴訪した日本の安倍総理大臣も自由の記念碑に献花したことが日本のニュースでも報じられていた。)。


次に旧市街を突っ切って、再びダウガヴァ川沿いへ…


ダウガヴァ川にはリガ港があり、バルト海を航行する大型船が発着している。
ちょうどロシアのサンクトペテルブルグに向かう大型フェリーが接岸していた。

港で船を眺めたら、再びリガ中央駅へ。
リガからは船だけではなく鉄道でもロシアへ向かうことが出来る。
ちょうどそろそろ、ロシア行きの国際列車が出発する時間なので見に行こう。


リガ中央駅のプラットホームに据え付けられた、この長い編成の列車がラトビアとロシアを結ぶ国際列車。
現在、リガ中央駅にはこのロシア方面行きとベラルーシの首都ミンスクへと向かう2つの国際列車が発着している。


ロシア方面行きのこの列車はリガ中央駅16:50発、モスクワ行き編成とサンクトペテルブルグ行き編成の併結列車。
それぞれモスクワには明日の朝10:17、サンクトペテルブルグには9:30に到着する。


モスクワ行き編成とサンクトペテルブルグ行き編成のそれぞれが、ラトビア鉄道とロシア鉄道の客車の混結になっている。


ラトビア鉄道の黄色い客車はクシェット(簡易寝台車)。


ロシア鉄道の客車は個室寝台車の模様。


リガ-サンクトペテルブルグとそれぞれラトビア語とロシア語で書かれたサボ。


ロシア鉄道の寝台車には、サボに可愛い電飾が施されているものもあった。

でもこの直後にロシア鉄道の寝台車のデッキに立つ車掌から「NO Photo!!…Money,money!!」と公然と賄賂をせびられて唖然…!
いまだにこの手合の不良鉄道員がいるなんて驚きとしか言いようがなく、そして残念。


もちろんゴロツキ車掌に袖の下を渡したりはせずに、無視してさっさと編成の先頭へ機関車を見に行く。
ラトビア鉄道の客車にはラトビアエクスプレスのロゴが書かれているが、これは列車名ではなく運行会社名らしい。

ラトビア鉄道の車両には食堂車もあってサンクトペテルブルグ行き編成に連結されていたので、日本のブルートレイン風に言うとどうやらこの列車は「食堂車連結基本編成サンクトペテルブルグ行き・付属編成モスクワ行き」になるようだ。


ロシア行き国際寝台列車の先頭に立つのは、ラトビア鉄道の貨物用ディーゼル機関車。




ロシア行き国際寝台列車が発車した後、ラトビア鉄道のローカル列車が入線してきた。
昨日乗ったものと同じ気動車列車だ。

すっかり暗くなったリガの街を、また旧市街へと向かう。


中央駅前で見かけたトラム。


リガのトラムは旧式のタトラカ―だけでなく最新鋭の超低床車も走っている。


雨上がりの夜の、凍てつくような寒さの旧市街。
濡れた石畳が街灯りに輝いて美しいが、とにかく寒い…


寒さの中を大聖堂へと急ぐ…


今夜は旧市街のリガ大聖堂で名物のパイプオルガンコンサートが開催されるので聴きに来た。
昼間に旧市街を散策中にこのポスターが貼り出されているのを見つけたので、これは是非行かねばと思っていたのだ(笑)


リガ大聖堂のエントランスに展示されていたこの機械は時計塔の駆動装置。


今夜の主役、リガ大聖堂のパイプオルガン。
1880年代につくられたもので、およそ7000本のパイプを持つ世界で4番目に大きなパイプオルガンと言われているとのこと。

さて今夜のパイプオルガンコンサートは…
バッハやホルストといった宗教曲やクラシックの定番曲からジャズ、現代音楽まで幅広いレパートリーを集めた、大変楽しいコンサートだった!
特にサクソフォーンとパイプオルガンのセッション(初めて聴く組み合わせだ)は聴き応え十分。
…でも、大聖堂内のあまりの寒さに途中で耐えきれなくなって席を立つ人が多かったのは残念。
寒さに震えながらでも聴く価値のある素晴らしいコンサートだった。


パイプオルガンコンサートを終えて、リガ大聖堂の外へ…


リガ旧市街の夜空にそびえ立つリガ大聖堂の時計塔。


ホテルへの帰り路、再びクリスマスマーケットへ…


夜には幾分雰囲気が変わるクリスマスマーケットを眺めているうちに身体が芯まで冷え切った。
温かい風呂とベッドが恋しい…

おやすみなさい。明日にはもうリガともお別れ、寒くても名残惜しい夜だ…

4日目(2018年1月2日)に続く

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 2日目(2017年12月31日)

2018-02-26 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:タリン空港近くのウレミステ駅の夜明け


1日目(2017年12月30日)からの続き

今日はエストニアの首都タリン空港近くのウレミステ駅から列車に乗って一路、隣国のラトビアを目指す。
でも朝8時を過ぎてるのにまだ辺りは真っ暗…


ウレミステ駅8:23発のValga駅行き区間急行列車で出発!
エストニアの鉄道は民営化されており、しかも数年前に来た時とは事業者も変わっているようでELRONという会社が列車を運行しており、最新型のスイス製高性能気動車が使われている。
IT先進国のエストニアらしく、停車駅情報のモニタ表示やICカード乗車券の読取機も備え付けられているのはさすが。
…2013年に来た時はまだ旧ソ連製のディーゼルカーが使われていたのに、変化が早いなぁ。





スイスのシュタッドラー社製の車両は、今やヨーロッパではいたるところで見かける標準型。
車体中央のデッキ付近が超低床となっており、車端部はハイデッカー構造となっている階段型の車内。


ソ連基準の広軌のせいで車体幅が広いらしく2等席の普通車は自由席で横3列シート×2。大柄な北欧系の人にはさすがにちょっと窮屈そう?




僕は今回は事前にネット予約で1等席を予約しておいたので、横2列シートでゆったりと旅を楽しめる。
1等席には事前の座席指定や、座席備え付けの電源と1等区画専用の高速Wi-Fiが使える特典もあるので便利(もっとも車内Wi-Fiは1等区画以外でも無料Wi-Fiが使えるが)。
ただし、以前はあったスナックサービスは車内販売ごと無くなっていた。




9時を過ぎた頃、ようやく夜が明けてきた…


10時過ぎに、エストニア第二の都市タルトゥに到着。ここで大部分の乗客が下車し、列車は各駅停車となってValgaへと向かう。


タルトゥは2013年に来たことがあるので懐かしい。(→2013初夏・北欧バルト海紀行 #007:Science Centre AHHAA -タルトゥ科学館「AHHAA」
この通りを進んだ先の市街地に、日本の大平技研が開発納入したスーパープラネタリウムMEGASTARを用いた世界で唯一の全球式プラネタリウムを備えたタルトゥ科学館「AHHAA」があるのだ…
でも今日はタルトゥでは降りずにこのまま先を目指す。







タルトゥから先は、森の中と時々現れる小さな村を縫うように進んでいく。







11:27、定刻にValga駅に到着。
ここはエストニアとラトビアの国境の駅で、両国間を鉄道で移動する場合は直通の国際列車は運行されておらず、必ずここで乗り換えとなる。

さて、乗り換えるラトビアの列車の発車時刻は…なんと5時間後!駅にはまだラトビアの列車の姿も見えない始末。
平日ならもっとスムーズに乗り継げるのだが(それでも数時間待ちだが)、今日は年末年始の休日ダイヤなので列車の時刻が繰り下がってこんな事になっている訳だ。
まぁ、それを承知で自分で乗り継ぎ行程を組んだのだから文句は言えないが…
現在、バルト三国間の移動は安くて便利な高速バスが主流となっており、鉄道での移動需要は殆ど無いのが実情らしい。


がらんとしたValga駅の待合室。
天井が高くてまるで教会の大聖堂のようだ。


駅舎の外観も教会に似ているValga駅。
美しい駅だが、5時間も待つのは退屈なので町を散策してみることにする。



Valgaはバルト三国独立の際に町の中に国境線が引かれてエストニアとラトビアとに別れてしまった町である。
もっとも、独立当初は実際に町の中の生活道路に国境検問所が置かれていたそうだが現在では全て廃止されており、特に国境を意識すること無く町を歩き周ることが出来る。




駅近くに静態保存されている蒸気機関車を発見。
タルトゥからラトビアの首都リガまでの路線で使われていたらしい。





水辺公園のような気持ちのいい場所にやって来た…


「おっいいカモが来た!」とばかりに鴨さんが襲来!「エサくれ~」


だがエサをくれないと分かるとあっという間に撤退。シビアでドライな奴らだ…


でもこんなに気持ちのいい場所なのに、よく見ると川の水は生活排水で汚れて合成洗剤の泡まみれだったりするのはいかがなものか。
日本から環境浄化技術を提供出来ないかなぁ、代わりに最先端のIT技術を教えてもらうって事でさ。


寒くて身体が冷えてきたので駅に戻ると、ようやくラトビアの列車が到着していた。
まぁ発車まではまだあと2時間ばかりあるが。


Valga駅の駅舎内に小さなカフェがあったので、コーヒーで身体を温めて待つことにする。

このカフェ、どうやら持ち帰り専用のSUSHIバーを兼ねているらしくて、コーヒーを飲んでいるとひっきり無しに地元の人が予約しておいたスシを取りにやって来る。
今日は大晦日、夜は家族で寿司を囲んで楽しい年越しパーティーとは、日本と全く変わらないじゃないか…
そういえばもう随分、家族での年越しをしていないなぁ…日本の家族は今頃何をしているかな?などとバルト三国の小さな国境の町で暫し望郷の念に耽る。


SUSHIバー兼カフェの店内には小さな日本食材コーナーも。
キッコーマンの醤油から海苔にわさびに巻き簾と、一通り揃っているのであとは米と魚さえあればバルト三国でも自宅でスシが作れそうだ。


コーヒーを飲んでいるうちに日が暮れたValga駅。
そろそろラトビアの首都リガ行きの列車の発車時刻だ。


午後4時半頃、タルトゥからのエストニアの列車が到着。この列車からの乗客の乗り継ぎを待ってリガ行き列車が発車する。


16:38、Valga駅を発車したリガ行き列車の車内はガラ空き。
最新型のスイスのシュタッドラー社製高性能気動車が投入されていたエストニアの列車とは違って、ラトビアの列車はソ連占領時代にリガの鉄道車両工場で造られた無骨なソ連型車両が今でも使われている。
もっとも、車内はきれいに手入れされていて座席も新しいものに取り替えられているので乗り心地はそんなに悪くはない。エストニア同様に乗車券も事前にネット予約することが出来る。
かなり古い車体なのにしっかり車内Wi-Fiも使えるようになっているのは、さすがIT先進地域のバルト三国!これは日本の鉄道にも見習って欲しい、本当に…(JR九州の在来線特急列車や山陽九州新幹線なんて未だに車内Wi-Fiが無いんだよな…)。


Valga駅を発車直後に全く目立たない国境線を越えた列車は真っ暗なラトビアの夜をひた走る。
「あ~、日本はもう日付が変わった…周りに誰も居ないけど、明けましておめでとうございます!」




定刻通りの19:48、終着駅のリガ中央駅に到着!


リガ中央駅は高い時計塔が印象的。かなり規模の大きなターミナル駅だ。




駅前も大きな建物が建ち並んでいて、道路も通行量が多くて大都会という感じがする。
初めて来たけど、すごいなリガ…


中央駅から10分ほど歩いて旧市街に入ったところにあるホテルにチェックイン。
フロントのお姉さんは片言の日本語で挨拶してくれるのでちょっと嬉しい。


そして、さらに嬉しいことにこのホテルの部屋にはバスタブがある!やったー大晦日の夜にお風呂に入れる(笑)

でも、風呂に入る前にちょっと夜のお出かけ。


向かった先は、既に大勢の人たちが集まっている旧市街のダウガヴァ川沿いの広場。
恐らくここで年越しのカウントダウン的なイベントが開催される筈…











思った通り、日付が変わると川向うで一斉に花火が打ち上げられた!
このリガの年越し花火大会は毎年恒例で雨天でも決行される重要な行事らしい。
新年の午前零時ちょうどには始まらず、数分遅れて花火の打ち上げがスタートするのは年越しと同時にラトビア国歌が斉唱されてそれが終わるのを待っているからだとか。
…もっとも、僕がいる場所では喧騒にかき消されて国歌は全く聞こえてこなかったけれど。


花火大会が終わると、皆一斉に帰路につく。とにかく寒いので、はやく風呂で温まって寝たい!
それでは皆さん、改めて明けましておめでとうございます!おやすみなさい。

3日目(2018年1月1日)に続く

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 1日目(2017年12月30日)

2018-01-21 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:ルフトハンザドイツ航空の最新型ジャンボジェット ボーイングB747-8インターコンチネンタル


この年末年始はバルト三国のエストニアとラトビアに行ってきました。
バルト三国で特に何かしようという理由も無く、仕事の疲れを癒やしにのんびりしに行こうという気楽で気ままな旅…
の筈だったのに、何故かあれこれトラブルに見舞われてしまい、なかなか波乱万丈な旅になってしまった(笑)

今回も是非、気長に旅行記にお付き合い下さいませ。


旅の始まりは熊本空港の国内線から。
東京羽田行きNH644便、ボーイングB767(多分。中型機はあまり見分けがつかない(笑))。


羽田空港に着いたら、いつものようにANAの国際線乗り継ぎ専用バスで国際線ターミナルへ移動…

だがしかし。
国際線ターミナルに着いて無事にパスポートチェックと出国も済ませて、羽田から搭乗予定のルフトハンザドイツ航空フランクフルト行きLH717便の搭乗ゲートに行ってみると「遅延」のお知らせが。
今回はフランクフルト空港で70分の乗り継ぎ時間でエストニアのタリン行き便に乗り継ぐ事になっている。
1時間少々しか無い乗り継ぎ時間が遅延で削られるのはちょっと心配…

という訳で、ルフトハンザのカウンターに居る地上職員に事情を説明して
「乗り継ぎは大丈夫でしょうか?場合によっちゃ、乗り継ぎを諦めてホテルを用意してもらった方がいいんじゃ…」と聞いてみると、電話で何処かに問い合わせて色々と調べてから
「遅延の結果フランクフルト到着が25分遅れる見込みなんですが、フランクフルトでの最短乗り継ぎ時間がちょうど45分なのでギリギリ間に合います。このまま行って下さい!」とのこと。
ホントに大丈夫かいな…


やがて、遅れていた機材が到着。
ルフトハンザドイツ航空が誇る“最新型”の(そして恐らく“最終型”となる)ジャンボジェット機、ボーイングB747-8インターコンチネンタル。

超大型で運用効率が悪くなったジャンボは効率の良い中型の新型機に追われてどんどん姿を消しているのだが、このインターコンチネンタルはハイテク機B787と同じ高性能エンジンを搭載して生まれ変わった新しいB747だ。
もっとも、それでもB777やB787ドリームライナーに比べると燃費が見劣りするので全く売れておらず、世界中でもルフトハンザと大韓航空にしか採用されていないらしいのだが。


羽田空港国際線ターミナルの搭乗ゲートに駐機して折り返し出発準備を整えるルフトハンザのジャンボジェット。
さぁ、急いで準備してさっさと飛んでくれよ…

だが結局、機内への案内も遅れた上にボーディングブリッジが外れた後も滑走路への誘導と離陸待ちで更に待たされて、フランクフルト行きLH717便が羽田空港を離陸した時点で遅れは40分以上に拡大してしまっていた。
「おいおい…これは本格的にヤバイでしょ」

早速、水平飛行に移ってからCAさんに再度事情を説明すると、またしても電話で何やら色々と問い合わせてから
「フランクフルトへの到着は遅れますが、機長に事情を説明したところ『頑張ってみる』とのことで、大急ぎで飛んでくれるそうです。機長はかなりヤル気を出していますので、このまま予定通り乗り継ぎに備えておいて下さい!」とのこと。
「おお、それは頼もしい!(…っていうか、そこまで言われたらもう何も言い返せないよw)
このジャンボは双発のB777やB787の倍の4発もジェットエンジンを積んでるからスピードは出るでしょうね。機長に『エンジン全開でシベリア上空をマッハでぶっ飛ばしてくれ!』と伝えて下さい!」

半ばヤケクソ気味にそう言うと、もう後は何も出来ることはないので開き直って過ごすしか無い。とりあえず本当に頑張ってくれよ、機長とジャンボの4発エンジン…




とりあえず、タイトな乗り継ぎに備えて座席で休息する。

今回の航空券予約はルフトハンザの公式サイトで行ったのだが、以前は無料で早い者勝ちだった事前の座席指定が有料になっており、チェックインまで放置しておいたら勝手に機体後方の窓側席を割り振られてしまった。
だが、機体後方は壁が尻すぼみに狭くなっている関係で座席がゆったり配置されていて窓側なのに壁との間に余裕がある、隠れた「当たり座席」だった。


1回目の機内食。
和食と洋食が選べたが、洋食を選ぶと牛肉のグラーシュだった。
当然、羽田空港のケータリング会社で調理されたものだと思うのだが、紫キャベツのザウワークラウトも入っていて本格的。
ちなみに和食はカツ丼。


到着前の2回目の機内食は和食をチョイス。
ポーク唐揚げの味噌煮込みソースご飯という、やや謎な献立。
う~む、洋食のパスタの方が良かったかも。

さて機内食も食べ終わって、後はフランクフルト空港に降りるだけだが…
CAさんに現在の状況を聞くと「到着は35分遅れの19:45になります。お客様が乗り継がれるタリン行きは19:50に搭乗開始ですね…」
「あちゃ~。そりゃもう絶対に今日中の乗り継ぎは不可能ですね。ホテルの手配は地上係員に言えばいいですか?」

ところがここで、思いがけないというか耳を疑うようなことを告げられたのだ。
「いえ、急げば間に合います。お客様、空港に着いたら走って下さい!」
な、なんだってーーー!?

最初は何かの冗談かと思ったのだが、大真面目に
「到着後はすぐに降りられるように着陸直前に機体前方のプレミアムエコノミー席にご案内しますので、荷物をまとめて準備しておいて下さい」と極めて冷静に言われてしまった。
「え~っと…降りたら地上係員の方が一緒に走って誘導してくれるんですよね?」
「いえ、ここドイツではそこまで手厚いケアは期待出来ません。ご自身で頑張って走って乗り継ぎ便の搭乗ゲートを目指して下さい!」
お、おぅ…そこまで言われたら…ホントに頑張るしか無いじゃないの!!よし分かった、走ろうじゃないか!!

結局、プレミアムエコノミーよりも更に出口に近いビジネスクラスの空席に案内され、思わぬ形で生まれて初めてのビジネスクラスのフラットシート体験を味わう余裕もなくLH717便はフランクフルト国際空港に到着。
ヤル気を出してくれていたらしい機長と最新型ジャンボジェットの4発エンジンがどれだけ頑張ってくれたのかはよく分からなかったが、今はそんなことを考えている場合ではない。
ドアが開くと同時にジャンボ機から飛び降りて、走れ・走れ・走れーーー!!



…で、結論から言うと間に合っちゃいました(笑)
自分でも信じられないんだが。

ジャンボ機から一番最初に飛び降りて、乗り継ぐタリン行きルフトハンザドイツ航空LH884便の搭乗ゲートを目指して一目散にフランクフルト国際空港のターミナルビル内を駆け抜ける!
「まさか健康維持とダイエットのリバウンド防止の為にいつも仕事が終わった後で職場併設のジムのランニングマシンで走ってたのが、こんなところで役に立つとは思わなかったぜ…」

まだ誰もいない保安検査場と入国審査のパスポートチェックをくぐり抜け、腹立たしくなうようなきらびやかな免税店コーナーを走り去り、タリン行きLH884便の搭乗ゲートに辿り着いたのは…
ジャンボ機から降りてちょうど10分後の19:55!
まさにたった今、優先搭乗案内が済んで全ての乗客の機内への搭乗案内が始まったばかりのタイミングだった。

「やった…やったーーー!!本当に間に合ったぞヒャッハー!!」
搭乗ゲートに並ぶ乗客の冷ややかな視線も気にせずに、叫びましたね思わず(笑)

…それにしても、「フランクフルト国際空港での国際線シェンゲン協定圏内での乗り継ぎ時間:10分間」というのは本当にギネスブックの世界記録を更新しちゃったのではなかろうか?
まぁ、今回は一人で空港内を走ったので、誰も確認者がいないからギネス記録更新は難しいかも。あ~しまった本当に誰か一緒に走ってくれたらよかったのに残念!
(いや、そもそもギネスブックに「国際空港での乗り継ぎ成功最短時間記録」なんていう項目があるのかどうか知らないけどさw)

さてタリン行き便への乗り継ぎは成功したが、安心するにはまだ早い。「人間は間に合っても、荷物が間に合わない」可能性が大きいからだ。
熊本空港でタリンまで直通で預けたリモワのスーツケース、さすがにあれも10分でジャンボ機から降ろしてここまで運んでくるのは難しいだろうなぁ…
ああ、多分タリン空港でも荷物は出てこなくてロストバゲージ扱いだろうな。さしあたってタリンに着いたら明日にでも身の回りに必要なものを調達しに行かないと…等と考えていたら急にまた気分が沈んできてしまった。
せっかく苦労してタリンに着いても、着の身着のままか…

だがしかし。ここで二回目の奇跡が起こる。
何と、沖止めのタリン行きLH884便の機体までバスで移動して駐機スポットでタラップに並んでいると、目の前にやって来た荷物運搬車から降りた作業員の手に見慣れた黒いリモワのスーツケースが…!
「おお、あれはまさしく僕のリモワ!!凄い…凄いぞフランクフルト国際空港の地上職員の皆さん!本当に荷物まで10分間で乗り継がせた!!」


…日付が変わって大晦日の午前零時半、僕はタリン空港のターミナルビル近くにあるウレミステ空港ホテルで一息ついていた。
「着いた…やっと着いた!苦難を乗り越えて奇跡的な幸運を2つも起こして、無事にタリンに着いたぞ!」



それにしても、初日から疲れ果ててしまった。
さぁ、とりあえず風呂に入ってから今夜はぐっすり眠ろう。これから旅の日々が始まるぞ…おやすみなさい。

2日目(2017年12月31日)に続く