自分を落ち着かせるときに、息の吐き方はどうあるのが良いのかを、僕は「細く長く」という以上には伝えてこなかった。
鼻から吐くか、口から吐くかも、まずは本人のやりやすさが一番だと思ってのことである。
だが、「細く長く」をやりやすくするには、どういうやり方でも同じにはならない。
やはり一定の法則がある。
「あ」「い」「う」「え」「お」それぞれを長く延ばしたときに、身体はどのように反応しているか、自分の身体で確認してみると面白い。
言霊の基本はこんなところにもある。
これらの5つの音を出すためには、普通の人は口を開けて、息を口から吐き出すことになる。
体内を繊細に観察するには難しい。
僕自身が実践しているのは鼻を通した「ん」に近い。
ハミングにはハミングなりの作用があるが、換氣では無声が良いと思う。
だがそれも、ただ吐き出すのだと、エネルギーは鼻先から外に放出されていくだけだ。
だから送り出す目標を自分の身体の内に作る。
それがいわゆる臍下丹田だ。
そこに向けると、下腹部に強過ぎない心地よい緊張ができ、心を鎮めてくれる。
雑念妄念を吸収するような底知れない深い感覚が「ん」にはある。
ただ、「ん」より精妙に呼吸が使えればそれが望ましい。
臍下丹田の位置は、「落ち着くところ」というのが正解で、正確には表現しにくいのではないかと思う。
自分にとって、送り届ける先としてちょうど良い塩梅のところを、繰り返し試しているうちに見つかる。
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