北海道で唯一の特別史跡「五稜郭跡」。
その中にようやくシンボル・箱館奉行所ができあがった。
最上部の「太鼓やぐら」は、土塁から飛び出していたため、明治政府軍の旗艦・甲鉄艦の標的にされた。
この時の弾丸は平成になってから、奉行所近くで発見された。
江戸徳川幕府が蝦夷地の要として造り上げた蝦夷地最大の建造物、それが「箱館奉行所」だった。
今回の復元部分は全体900坪のうち3分の1の約300坪。
それでも27億円の巨費が投じられた。
一坪当たり実に900万円。復元ゆえの高額さに驚く。
最近の分譲住宅のチラシを見ていると坪約40万円前後。
いかに材質、腕、技法に吟味をしたのかが窺える。
入り口でビニール袋を手渡され、靴入れに。
入場券は近代的な自販機。これはいただけない。
昔ながらの手売りが相応しいと思うのだが・・・。
直ぐ右側にトイレ。
当初の設計図には「雪隠(せっちん)」とあった。
小学生のころ、農家や漁家の家では、外に独立した便所棟があって、便器はこのような木製だった。
畳の香りであふれている各室。
新しいから余計にそのにおいを感じる。
照明にも気配り。細やかな設計の心遣いを感じた。
天井裏の構造が分かるように、天井板の一部を開放している。
木組みの複雑さは、現代建物では真似できない精巧な工法だ。
以前、市立博物館五稜郭分館(昭和30年開館)があった位置に建つ、管理事務所。
同じ場所に建つ「お休み処・いたくら」。
飲み物やアイスを提供してくれる。
分館には何度通ったことか。
維新、新撰組、開港、箱館戦争などの特別展が懐かしい。
そうそう、土方歳三や片腕のイケメン剣士・伊庭八郎の写真もお気に入りだったなぁー。
こじんまりとした分館ではあったが、資料の密度は濃かった。
大阪、東京、山口からのお客様をお連れした想い出がある。
これが物議をかもしている貸衣装屋。
奉行所完成前から博物館分館前で営業していたから既得権なのかもしれない。
雨天は休業。
相応しくない光景は、新聞でも取り上げられたのだが・・・。
地元民として何度となく分館に足を運び、奉行所の全体図を知っているだけに、今回の部分復元は物足りない気がする。
「これが、箱館奉行所なの?」という、誤ったイメージをもって帰られるお客様が多いのではないかと思う。
全体の復元計画をきちんとたて、完全なる「箱館奉行所」を望みたい。
従事されている皆さん方は、親切で笑顔が絶えなく、温かな気持を与えてくれる。
黒のシックな制服も奉行所によくマッチしている。
アドバイスとしては、外国人のお客様への対応は十分なのか?
特に欧米の方々は、靴を履いたままの生活習慣だから、ビニール袋を渡す前に、外国語でのご案内が必要と思う。
計り知れないご苦労があって、ようやく公開にこぎつけた奉行所。関係者の皆さん、本当にご苦労様でした。
観光都市・函館の、さらなる発展の起爆剤になるように願っています。
全国の皆さん、ぜひお出かけください。
奉行所は、あなたのお出でをお待ちしております。
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