「両親の日の息子からのプレゼント旅」、2日目の朝が明け、5時に起床した。
カーテンを引くと、お日様がまだ差し込まないものの、遠くには青空が広がっていた。
「お早う!いいお天気ね。今日の動物園が楽しみね!」
「本当だね。動物たちはどんな表情で迎えてくれるかな?」こんな朝の会話を交わし、私はホテル近くを散策に、妻は大浴場へ。
7時に朝食会場へ向かった。係員は法被姿で迎え気合が入っている。
和洋バイキングの料理がずらり。
昨夜、あれだけ食べたのにまた食欲がどこからともなく湧いてきた。
元来は卑しい体質のようだ。
主食は、ごはん、おかゆ、パンのほかに麺類も用意されていて驚いた。
団体旅行の出発時刻は8時が定番、ゆっくり食事を楽しむ余裕などないが、今回は
8時45分、ゆっくりとコーヒーを3杯、満足の朝食だった。
仲間が次々とバスに乗り込み「お早うございます」「お早うございます」の爽やかな挨拶、ようやく皆が馴染んできたようだ。
バスが動き出した。ホテルの従業員が手を振り頭を下げての見送り、皆も手を振ってそれに応えた。
9時25分、開園5分前に話題の旭山動物園東門に到着。
2年前の冬に来た時は、このゲートはなかった。膨れ上がる入園者対策として最近設けたとのこと。大型観光バスがひっきりなしにお客を運んでくる。
団体専用口に並ぶこと15分、ようやく入園となった。
このゲートは標高約220m、園では最も高い位置にある。
ここから下り斜面に沿って園舎が配置されており、素晴らしい眺望が広がる。
開園間もない時間帯であったが人気園舎は早くも行列、最後尾を知らせるプラカードを持つ係員の姿も。
ペンギンのお散歩行列は、冬季間のみというのは初めて知った。
百獣の王だって我が子にはもうメロメロなのさ。「お母さん、遊んでよ!」。
皆さんはキリンの鳴き声聞いたことある?「ビール、ビール」本当だってばさー!
アザラシ君が、円形巨大水槽に潜ってきてご挨拶。バイバイして浮上中。手の表情が幽霊みたいだから夏は涼しく見えるラシーよ。
うちらペンギンだよん!
一家勢ぞろいして「セーノーデー、ウエルカムカム!」ってがー。
わしゃ、日本熊代表のヒグマ。マルタはアキタダヨー。
私は地球熊代表のホッキョクグマ。色白の肌が自慢よ!カメラを向けるお客さんからダイビングのリクエストがあまりにも多く、疲れちゃった。
お客様に、おヒップを向ける尻礼をお許し下さい。
園内には、微笑みを浮かべた多くのボランティアが配置され、案内にあたっている。
きびきびとした動き、礼儀の正しさには好感が持てた。
その方々は、奉仕することが楽しくて楽しくてしょうがないという表情も見せていた。
過去には、あまりにも入園者が少なく、閉園がささやかれた時もあった。
その時、職員は英知を出し合い「動物を眠らせないでお見せする。生態をもお見せする」という二つの基本理念のもとにスタートを切った。
数々の困難を克服、入園者数日本一の金字塔を築き、運輸、宿泊、飲食、お土産などの観光産業に与えた経済効果は大きく膨らんでいる。
売店には数々のグッズを求めるお客で混雑、レストランもしかり、道北の一大産業としてすっかり定着した。
13時、東門前からバスが出発した。
これからは追われる立場のこの動物園。しかし、限りない前進を可能にできる職員がそろっている。頑張って欲しいと願った。
地元レストランで作られたお弁当が配られ、歩き回ったせいでペコペコになった腹を満たしてくれた。(皆、ガツガツだったなぁー)
食後の満足感とバスの揺れが微妙に作用し、「コックリさん」が目立ってきた。
バスは道央高速道を南下していた。
13時50分、「砂川ハイウェイオアシス」着。
このオアシスは、道内の高速道サービスエリアでは最大規模を誇る。
とにかく、試食をすすめるお店があちこちにある。
目指すお店は、人気急上昇中の「北菓楼(きたかろう)」。
創業地・本社はここ砂川市。道内店舗は札幌市、小樽市、新千歳空港のみだから、
函館では喜ばれるお土産となる。
人気商品の、バウムクーヘン妖精の森、開拓おかき、はまなすの恋を求めた。
17時15分、長万部インターで高速道から国道5号線に下りた。
昨日、昼食をとったレストランで「かにめし」を積み込み、ただちに夕食として配られた。
幾度となく通った単調な国道を函館目指して走り出した。
3回目の「両親の日の息子からのプレゼント旅」、お天気に恵まれ、美味しい食事、温泉入浴、動物との触れ合と、楽しく思い出深い旅となった。
これからも健康に気を配り、二人そろって旅に出れるよう心がけたい。
大沼トンネルをくぐった。函館の灯りが見えてきた。
息子からのプレゼント旅は間もなく終わろうとしている。
「息子殿、有難う!」。幼い時の息子の笑顔が車窓に映ったような気がした。
長い文章になりましたが、最後までお読み下さいまして有難うございました。
「旭山動物園」のご案内はこちらから
http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/
「北菓楼」のご案内はこちらから
http://www.kitakaro.com/
ミカエル