所在地=函館市五稜郭町44番2号 五稜郭公園内
長い間、市民はもとより全国の皆さんに愛されてきた「市立函館博物館五稜郭分館」は、箱館奉行所復元のため今年の11月末日をもって閉館されることになった。
この建物は、昭和29年に北洋漁業の再開を記念して開催された「北洋博覧会」の産業館として建設・利用されたのちに博物館に転用された。
延べ床面積は約630㎡と博物館としては超ミニサイズながらも、展示物を戊辰戦争(箱館戦争)と五稜郭築造の2ジャンルに絞り込んでいるため中味は濃い。
毎年、夏期に行なわれる特別展は魅力溢れる展示物が心をひきつけた。
なかでも「新撰組展」には、全国からファンが集まった。
京都で産声をあげ、市中取締りにあたったあと、各地で負け戦の苦杯をなめ、立て直しを図るために「会津新撰組」を編成、しかしここでも負け戦になり、相馬主計を隊長にして「箱館新撰組」を再編成し明治政府軍と交戦したが、箱館弁天台場で降参、組は終止符をうった。
ここを見てから、「土方歳三最期の地碑」、「碧血碑」を見て回るファンが圧倒的に多い。
閉館にあたっての特別展は「さらば五稜郭の星」と銘打ち2部構成になっている。
1.7月14日~9月17日 「血戦!戊辰戦争」
2.10月2日~11月30日 「さよなら これが五稜郭分館だ!」
絶対見に行く、いや行かねばならない。
分館に入館されたことのない方でも、右写真の大砲には見覚えがあると思う。
左の太いのはイギリス製で陸上砲、右はドイツ製の艦載砲。
10年ほど前からこの砲身に跨ってVサインポーズの写真を撮る女学生を多く見かけるようになった。
ミカエルは、「何か訳でもあるの?」と聞いた。
「う~ん、よく分んないけど、先輩からこうして跨るとお産が軽くなると教わったの」と、にこやかに答えてくれた。
そうか、この大砲は、少子化傾向のなかでの安産を応援していたのだった。
閉館後の収蔵品は、函館公園内の本館に移されるが、何点展示されるかは不明。
箱館で戦死した、「土方歳三・伊庭八郎・中島三郎助」に関する品は優先的に展示を望みたい。
多くの人々に愛された博物館五稜郭分館。
閉館日には盛大なセレモニーをやって欲しいものである。
函館市内の桜の名所は、五稜郭公園、函館公園、香雪園(見晴公園)が有名ですが、ここ10年ほどこれに「桜が丘通り」が加わりました。
住宅街の松陰町と柏木町との堺道、約400mの桜トンネルが見事です。
間もなく満開、ぜひこちらにもお出掛け下さい。
ミカエル