ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
名所・旧跡・食べ処をご紹介していましたが今や万屋。
ご訪問に謝々。

第178号 どんぐりコロコロ~八郎沼公園

2007年09月30日 | 公園

所在地=函館市に隣接する北斗市内(旧大野町役場から車7分)

(写真をクリックすると拡大できます。)
 
函館から大沼国定公園へ向う途中、旧大野町にある「八郎沼公園」へ寄って見ませんか?
公園は自然にあふれ、春は桜、初夏にはスイレンの花が湖面にひろがり、秋には紅葉に彩られるなど、四季を通じ、住民憩いの場として親しまれています

のおこりは、明治13(1880)年に、近くに牧場を造った開拓使が、牛馬の水飲み場として池を掘り、水を蓄えたのが始まり。
大正になってから、水田用水の確保と鯉の養殖をするために、中村長八郎が池を拡張したものが、現在の沼の原型になりました。
彼の死後、その名にちなんで「八郎沼」と呼ばれるようになり、初夏に独特の舟で採る「じゅんさい」は、ぬめりが強く絶品です。

 

周辺にはパークゴルフ場、アスレチックコースが整備され、賑わいをみせています。
パーク帰りの御婦人が
「何が釣れるんですか?深いんですか?」
「そんだなぁー、鯉やフナさ。深さだば、1、2mってどこだなー」と。

青空が鏡のような水面に綺麗にうつり、遠足に来ていた幼稚園児から「あっ、どんぐりだ!」「先生、ここにもあるよ!」の弾んだ声。
深まりゆく秋の気配を感じた八郎沼でした。

                   ミカエル  

 


 


第177号 秋深まる大沼公園

2007年09月27日 | 公園

昨日、国定公園大沼へ行きました。

気持ちの良い高い空、雲は駒ケ岳の頂きをかわしながらゆるやかに流れ、シャッターチャンスを与えてくれた心くばりに謝々です。

穂を満開にしたススキは、風に吹かれゆらりゆらりの往復運動。
中秋の気配を確実に感じさせる風景が広がっていました。

(写真をクリックしますと拡大できます。)
 

今朝は冷え込んだ曇り空。
昨夜泊まった大沼のホテルの庭園では、早くも紅葉が始まり、、役目を終えた葉がヒラヒラと芝生に舞い落ちる姿も見え、深まり行く秋の気配を感じました。

                     ミカエル 

 


第176号 賑わった函館空港まつり

2007年09月24日 | お祭り

22日の土曜日、「函館エアポートフェスタ”07」が開かれました。
会場は空港エプロンで、普段は立ち入り禁止の場所。
場内には航空機、空港関係車両が展示され、さらにアトラクション、ゲーム、出店もあって家族連れで賑わい、楽しいお祭りでした。

 
歓迎ゲート。北海道といえば「YOSAKOI」。学生連合[息吹」のダイナミックな演技が観衆を魅了しました。

 
海上保安庁、海上自衛隊のヘリ。
人命救助に素早い行動と高度な救助技術で対応。訓練の激しさで有名です。

 
つい最近、沖縄那覇空港で活躍した化学消防車(同型)と救助用品積載車。
「出動してほしくない」が本音です。

 
雪国空港の頼もしい助っ人、除雪車。小型飛行機には子供たちが乗り込んで
ご満悦でした。

 
出店も多く、なかでも「ラッピー」は大人気でした。 
可愛らしいペアルック姿のお兄ちゃんと妹さんを見つけ、「モデルになってね!」。
はにかみポーズを狙いました。(この写真だけ、クリックすると拡大できますよ。)

私は売店から、JAL機内食のビーフハヤシ「ハヤシデスカイ」(レトルト、1食380円)を買い求め、夕食の食卓に載せました。
「味はいかがでしたか?」
「そりゃーもー、空にものぼる美味しさでしたよ!」

                    ミカエル  

 

 

 


第175号 函館湯の川温泉の熱源は海底火山だった。

2007年09月22日 | 温泉

函館には中学生以上を対象とした公開講座「函館学」がある。
市内の大学、短大、高専の八校と市で構成する「函館市高等教育機関連携推進協議会」が主催するもの。

その第1回講座のテーマは、「湯の川温泉の源、海底に沈んだ火山」。
今月上旬、湯の川温泉街のホテルで行われ、受講させてもらった。

 

講師は北海道教育大学函館校教授・雁沢(がんざわ)好博教授。
温泉の講義とあって、浴衣姿で登場した教授は、ユーモアあふれる講義をされて下さった。

それによれば、湯の川温泉の熱源は5万年前に噴火した海底火山のマグマにあると断定。
裏付けするものとして、函館の地質分析を挙げた。
では、その火山はどこに存在するのだろうか?
位置は、函館空港傍の汐泊川沖合い約2.5 km、海面下50mの海底で、「銭亀沢(ぜにかめざわ)火山」とした。

地球の温暖化は最近のことではなく、太古からの現象という。
2万年前から温暖化が進み、海面が上昇したために海に隠れてしまったこの火山。
近年、急速に進む地球温暖化。
どうすれば人類や生物、いや地球環境を守れるのか?
重い課題を与えられたような、有意義な講義だった。

次回の受講テーマは「函館のまちで近代化遺産を探そう」。
私の頭は、新た知識との出会いを待ち望んでいるようだ。

                     ミカエル 

 

 

 

 

 

 


第174号 洪水に遭遇~ナッチャンに乗り遅れた東北旅

2007年09月19日 | 旅行  

青函間に今月から就航した超高速フェリ-「ナッチャンRera」。
この船にどうしても乗りたくて、往復ナッチャンを使う「松島・中尊寺・蔵王温泉2日間の旅」に参加した。

(写真をクリックしますと拡大できます。)
 
(ナッチャン号と一瞬現れた蔵王のお釜。ラッキーでした。)

出発は16日。
事前の天気予報は、台風の影響もあって降水確率70%と高く、暗いスタートとなった。

でも、幸いなことに下車観光地は全て雨の歓迎を受けることなく、最終観光地・宮城県松島の素晴らしい島々の姿を遊覧船で見学でき、満足しながら15時に青森目指して東北自動車道を走りだした。
ナッチャンの青森発は20時ちょうど、頭の中は自宅でくつろぐ姿に変わっていた。

が、しかしである。
途中から猛烈な雨、高速道は通行止めとなり、国道4号線を走ることに。
外は暗くなりだした。
通行止め区間を通過して、再び高速道へ。
しかし雨は止まず、またもや高速道は通行止めになり、迂回路を走り出した。
時間のロスはかなり大きい。
道路は川となって流木があちこちに。消防の方らしき人がその片付けをしている。
停車時間がだんだん長くなり、前のバスのテールランプにも変化はなかった。
「お父さん、今夜はもう帰れないよね」と妻、私もそう覚悟をした。

しばらくして動き出したが周辺は真っ暗、どんなところを走っているのか分からず、車内にはトイレを求める声もでてきた。
コンビニに寄りトイレを借用、先が見えないこともあって食料を買い求める仲間も。
他のツアー客と重なって大混雑、食品棚は瞬く間に空になってしまった。

バスは4台、参加人員は172名。
同じ行動をとらなければならないのがツアーの決まりとか。
数度にわたって添乗員会議が開かれ、結局は足止め地に近い岩手県八幡平市安比(あっぴ)高原(盛岡北約40 km)の巨大ホテルに泊まることになり、チェックインしたのは22時を過ぎていた。

翌朝は7時出発。
10時発のナッチャンに間に合うように進めたが、交通規制もあって途中の会議で間に合わないと判断。
11時台の青森発のJR海峡線組、15時発のナッチャン組とに分かれることになった。

ナッチャンに乗り込んで定時に青森岸壁を離れたときは、疲れがどっと出て、猛烈な睡魔に襲われた。
どの位眠ったろうか?目覚めると下北半島の仏が浦の奇岩と眩しい青空、「やれやれ」と思わず声が漏れてしまった。
片隅では、添乗員4名の打ち合わせ姿が。
18時20分、我が家の玄関ドアを開け、洪水に遭遇の旅は終わった。

終始笑顔を絶やさなかったガイドの山田さん、暗闇の中、ハンドルを握ってくれたドライバーの吉田さん、冷静な言動に努めた添乗員の伊藤さん、おかげ様で無事に帰ることが出来ました。
本当にご苦労様でした。有難うございました。お世話になりました。

旅は楽しいもの、想い出がたくさん生まれるもの。
参加したトラピックス仲間、添乗員、乗務員とが一丸となって、アクシデントを乗り切った貴重な体験は、生涯忘れることが出来ない。

こんなことには負けずに、ミカエル家は新しい想い出を求めて、また旅に出かけるのでーす。♪

ナッチャン試乗会のマイブログは、こちらからどうぞ!
http://blog.goo.ne.jp/mikaeru171/e/d739ef13cbcbe1c2e1abe83c57568695

                 ミカエル 

 

 


第173号 雪の巻 フラメンコが似合う函館バル街

2007年09月15日 | お祭り

(前売り3,000円の券で、スペインの立ち飲み居酒屋・バルに見立てた函館バル街の5軒を飲み食べ歩けるイベントの後編です。)

前号では「花かるた」、「蔵」で楽しみ、3軒目は妻が自信を持って案内する「太郎鮨」へと向かった。
このお店は元町教会通りの一本下、日和坂のほぼ中間にある。

(写真をクリックしますと拡大できます。)
 
途中の元町公園からは、旧青函連絡船・摩周丸、電車通りを走る「箱館ハイカラ号」も眺めることができ、心が和めいた。

 
③ 太郎鮨 元町32番9号 17:05着

開店は17時。第一陣の20名ほどが入店したあとでも、ご覧のとおり30名ほどが列を作っていた。
列のバル仲間と、携帯やデジカメの画像で、他店のビンチョの情報交換が始まっていた。

「まぁー、美味しそう!じゃあ、ここのお店の次に行ってみます!」
「お洒落で素敵ね!」と、わいわいがやがやの楽しい会話。
私のデジカメ画像を見た仲間が「それ、写させて下さい」と言って、携帯で撮影、「あ、大丈夫、綺麗に見える!」と。技術の進歩に驚くばかり。

20分ほどで入店できた。
ビンチョ=インド鮪のづけ、ズワイ蟹と地物活穴子の一口ちらし、甘えび、しめじ、長いものあんかけ、えだまめ。
やはりお鮨屋さん、綺麗に盛られた一口サイズの和食は芸術品のように見える。
妻が薦めるだけのことはある。
飲み物はウーロン茶に。口に入れるのが勿体無い感じ。

お店の方々は大忙し。
ご主人は顔を上げる暇もなく、下を向いて盛り付けに一心不乱。
外で並んでいる方々の事を思い、食べ終えると直ぐに腰を上げた。
「ご馳走様でした!美味しかったですよ!」
「有難うございました」。奥様の笑顔はこちらを向いていた。
お店の前の列は、さっきよりも長くなっていた。

「ちょっと疲れたわ!一度、センターへ戻って小休止にしましょう」。
行き交う人々の多くは、参加店地図を持っている。バルの人気はすごいと思う。
参加店前で、ギターを弾きながらフォークを合唱しているグループもあって、街中がいい雰囲気になってきた。
「一緒に歌っていきませんか?」の声を掛けてくれた。
でも、しかし。私のウルトラ音痴では、ビンチョにサルモネラ菌が発生する恐れがある。「すみません、急ぎますので」と、ドラマ風に逃げた。

まちづくりセンターで小休止し、英気を養った二人は再びバル街へと繰り出した。
センターの真向かいが賑やかだ。
外に椅子、テーブル、コンロが並び美味そうな匂いが漂っている。
「ここ、ここに入りましょうよ!」

 
④ キッチンバー・ BORDER 末広町5番8号 18:10着

店内には15人ほどが、かなりの込みようで完全に立食合席。
選べるビンチョからAコース=鶏レバーのムース、秋刀魚とじゃが芋のオープン焼き、紅茶で煮豚。飲み物はグレープフルーツジュースをお願いした。
込んで込んで順番も狂いがち、前の人が汚したテーブルもそのまま、手が回らないのかなぁー?自前のティッシュで拭いた。

合席の方から貴重な情報を頂いた。
「今回から参加した、国際ホテルもいいらしいわよ!」
「行きます!行きます!」と妻殿。
そんな訳でバル街最後のお店は、国際ホテルに決まり。

赤レンガ倉庫群と函館朝市の中間にあるこのホテルは、函館一のシティホテル。
平成になってからは、皇族の定宿になっている。それだけに、期待が大きい。
店を出ると完全に夜、オレンジ色の街路灯がやさしく街を照らし出し、その中にバル参加者のシルエットが浮ぶ。
夜の十字街は10年以上もご無沙汰、新鮮な眺めに映った。

 
⑤ 函館国際ホテル グリル・アゼリア 大手町5番10号 18:50着

さすがホテルのレストラン、座席はゆったりとしている。
美しくお洒落に盛られたビンチョ。
「コーヒーはお替り自由ですので、お申し付け下さい」と、有難いお言葉。
内容をメモするのも頭になく、品よくがつがつと召し上がり、コーヒーはお替りをお願い、バル街を堪能した夜は終わった。

前売り券は前回よりも200枚多い3,000枚が売れたそうな。
天候に恵まれ、それぞれの参加者がそれぞれの好みのお店で十分バルの雰囲気を楽しんだようである。
このイベントの企画・運営に携わった皆様、本当にご苦労さまでした。
素敵な夜を楽しませて頂き、有難うございました。

       函館バル街に乾杯!!!

                

                     ミカエル 

 

 

 

 

 


第172号 フラメンコが似合う函館バル街~花の巻

2007年09月12日 | お祭り

イベント名=函館西部地区2007秋のバル街 14:00~24:00

9日の日曜日、函館山麓の西部地区で、スペインの立ち飲み居酒屋「バル」に見立てた飲み食べ歩き会が行われた。
8回目を迎えた今回は60店が参加、それぞれの店が趣向を凝らしたピンチョ(おつまみ)、飲み物、ライブを用意しお客の来店を待った。

(写真をクリックしますと拡大できます。)
 
実行委員会本部となった「函館市地域交流まちづくりセンター」と若者によるウエルカム演奏。
このセンターは旧丸井今井デパート。
ネットで申し込んだ前売り券の交換場所、案内、休憩場所となった。

前売り券は600円券が5枚綴りで3,000円、5店舗を歩ける。
店の形態は、ホテル、レストラン、居酒屋、喫茶店、甘味処、寿司屋、バー・スナックと多種、ワンドリンクとワンビンチョが楽しめるシステム。
ミカエル家の二人は初参加。期待に胸はずませながら14:25にスタートした。

 
スペインといえば「フラメンコ」だべさ。オープニングのライブはこれ。
市電十字街交差点にある「アクロス十字街ビル」前で行われた。
カンテ(唄)、ギター、ダンサー合わせて7名の構成。

独特のステップから打ち鳴らされる靴音、掛け声、顔の表情が魅力だ。
「オーレィ、オーレィ」の声が響き渡る。
観衆の目はダンサーに釘付けとなって15分の華麗なるショーは大きな拍手でエンドとなった。

「さて、最初はどこに行きましょうか?」
「では、では、腹ごしらえとまいろうぞ!」。

歩きながら考えた。
私が黒づくめのダンス衣装に身を包み、黒い帽子に赤い薔薇をくわえて踊ったらどうなるだろうか?
胴は長いが足は極端に短い。それにO脚だ。
「引っ込め!」の声が聞こえそうだから無理、だろうなぁー。

 
① 居酒屋「花かるた」  豊川町2番12号 15:10着
花かるたとは花札のこと。
先々代が問屋を営んでいたときの木製看板から店名をつけたといい、看板は約100年の歴史があるというから文化の薫りがする貴重品。

先客が二人、カウンターに座り箸を進めていた。
「バルに参加ですか?」と妻。
「そうです。先回もこちらのピンチョを頂き、美味しかったのでまた来ました」となごやかムード。

ピンチョは、おでん、ホットそうめん、漬物。飲み物はウーロン茶をお願いした。
おでんはあっさり味、そうめんのだしは好みだった。
次の2店目は、こちらのママさんが推薦するお店に決めた。
情報交換ができるのも嬉しいバルである。

推薦のお店は、詩人・石川啄木が代用教員を務めた弥生小学校向かいの「蔵」。
ここからは1キロ余りあるが、久しぶりに歩くことにした。
「ここにあった建物は、なんだったけー?」
「あれ、マンションが建っている!」
「このお店、やっているのかしら?」と会話は続いた。
そして、ご到着♪で~す。

 
② 茶房・蔵 大町4番6号 16:30着
文字どおり「蔵」そのものがお店で、雰囲気がよい。
2階の丸窓にはステンドグラスがはめ込まれている。

「ローストビーフセットにしますか?それともケーキセットに?」。
推薦のあった後者を頼んだ。
甘さを抑えたというシフォンケーキ、コーヒーゼリー、ホットコーヒーが運ばれてきた。
しかし、カウンター壁に飾っている鳥瞰図(ちょうかんず)の第一人者・吉田初三郎が描いた「函館市鳥瞰図」に目を奪われ、ビンチョの写真撮影を忘れてしまったのは残念。

太い柱と梁。力強い小屋組みを眺めながらのコーヒーは格別。
家族連れのお客様が上がってきた。
「ご馳走様でした。美味しかったです」と言って、その方々に席を譲った。

「さて、次は何処へ行く?」。
「任せて!評判のお店を知ってるわ!」。
妻殿は歩き出したのでした。

雪の巻に続きま~す。 

                     ミカエル 
  

 


 

 

 


第171号 爽やかな風吹く教会群とイコン画

2007年09月09日 | 教会、寺院、神社、墓地、碑、像

所在地=函館市元町

夏の観光シーズンが終わり、修学旅行生が目立つ函館市内。
先週の晴れた日、カメラを持って元町周辺を散策することにした。
秋の高い空、爽やかな風が頬を撫で過ぎてゆく。
港内に係留されている旧青函連絡船・摩周丸の汽笛が聞こえてきた。

初めて入る函館山麓の小路、そこから眺める教会群は新鮮な構図となって目を奪った。元町の狭い一角に、よくもまぁー、世界の宗教が集まったものと感心した。

(写真をクリックすると拡大できます。)
 
(左端が元町カトリック教会、大きな瓦屋根は大谷派函館別院、右端の赤い屋根と白壁が日本聖公会函館聖ヨハネ教会)

細かく見ているうちに、手前緑屋根のハリストス正教会(ギリシャ正教)の十字架が気になった。
見慣れている十字架は「+」。
この教会の十字架の横板は3枚、不思議に思って教会の方に聞いてみた。
「上から、罪状表示板、腕を縛りつける板、足をのせる板なんですよ」と。

聖堂に入ってみた。
そこには、日本初の女流イコン画家として有名な「山下りん」の作品が15点も飾られている。
幕末に武士の娘として生まれ、明治期にロシアの美術学校へ留学し技術を習得、
晩年は白内障で絵筆を握ることはできなかったという。
緻密な聖像画をどんな思いで描いたのか、そんなことを考えながら教会群をあとにした。

                      ミカエル


 

 

 


第170号 台風一過の函館山

2007年09月08日 | 町の話題

台風9号の影響は7日から現れはじめ、函館市内では午後4時半に最大瞬間風速
37.6メートルを記録、街路灯や街路樹に被害が出た。

そして、8日午前1時ごろ、函館付近に上陸、急傾斜地区では土砂崩れが発生したものの避難して全員が無事。
この台風での市内の死傷者はゼロ、早めの対策と避難が功を奏したようであった。

明けた8日朝、台風通過後に一瞬青空が広がったので、2階の窓から函館山をパチリ。
昨日休業したロープウェイは間もなく運行開始。
「観光客の皆様、お待たせ致しました」。

              (正面のビルは湯の川温泉街のホテル)
            
               (写真をクリックすると拡大できます。)

                        ミカエル

 

 

            


第169号 幕末の水道管~五稜郭兵糧庫

2007年09月06日 | 旧跡、史跡

所在地=函館市五稜郭公園内

先月、公開中の箱館奉行所兵糧庫を見学した。
毎年、夏休み期間に合わせ庫内の換気も兼ねながらの行事で、今年も9月26日まで無料公開している。
外観の復元工事は平成13,14年に行われ、事業費は約2千万円だった。

(写真をクリックすると拡大できます。)
 

箱館山の麓にあった「箱館奉行所」が、ここ五稜郭に移ったのは元治元(1864)年。
付属する建物22棟(25棟説もあり)の一部で、ここで働く役人らの食糧庫として使われた。
大きさは昔流にいえば60坪(5間×12間、畳120枚分)、現代流では198㎡となる。
屋根は置屋根形式なので、二重という珍しい構造になっている。

明治元年に徳川幕府が崩壊後、明治政府の出先機関・箱館裁判所、箱館府へと移り変わっていった。
この時期、津軽から米3,000俵を買い一部をここに備蓄していた。
ところが、榎本軍が五稜郭に無血入城、備蓄米は榎本軍へ。
コメだけにマンマと頂戴したそうな。

 

明治4年、郭内の建物は、札幌に建設する開拓使本庁舎の材木調達の目的で取り壊されたが、何故かここだけは残されたという幸運な運命を辿る。
明治6年、五稜郭は陸軍省所管となり練兵場として使用された。

大正6年8月からは、箱館戦争の史料を展示した「懐旧館」として一般公開されたが、老朽化とともに閉鎖された。

子供の頃、ここの外壁は板張りでそれもあちこちが剥がれ荒れ放題。
窓もつけられ、文化財の持つ意味が理解されていなかったようである。

ここに珍しい物が展示されている。
写真右の「木製の水道管」で、正式には「上水道木樋(もくひ)」。
五稜郭内にあった箱館奉行所には、北部を流れる亀田川から取水し、この木樋を通して配水されていた。
材質はヒノキ、45センチ角で内部には銅板が張られていた。

この木樋に刺激されたわけではないと思うが、函館は日本で横浜に次いで近代水道様式をいち早く採り入れ、衛生面の向上に努めたのである。

                   ミカエル   


 


第168号 出来たて美味処がたくさんの「大沼」へ

2007年09月03日 | 公園

所在地=亀田郡七飯町大沼(函館中心部から車で約45分)

先号の城岱スカイラインを下り、道々を大沼方向へ進むと、乳製品の名所「山川牧場自然牛乳直売所」がある。
相変わらず全国ナンバーの車が駐車、品質の高さが知れ渡っているのがよく分かる。下右の「ジャージーミルクプリン」は玉子を使わない新製品、言葉では表現できない美味さが口に広がった。 (全ての写真は、クリックすると拡大できます。)
 

お昼は「函館大沼プリンスホテルパン工房」。
好きなパンを買い込み、涼しいウッドデッキのテーブルについた。
林を吹き抜ける心地よい風音は消化液の分泌を促し、ゆっくり時間をかけ出来立てパンの食感を楽しんだ。
 

喉の渇き、空腹感は満たされた。
大沼中央広場から眺める「駒ケ岳」の頂上は、雲の中にあり残念!
中学の秋の遠足地はいつもここ。蒸気機関車に引っ張られ1時間の旅だった。
 
「バナナ、ゆで玉子」が食べられる楽しみな日でもあった。

日本三景(松島、天橋立、安芸の宮島)に対抗して、新日本三景が国民投票で決められたのは大正4年。
その結果、ここ大沼と静岡県・三保の松原、大分県・耶馬渓が選ばれた。

さらに大沼は、昭和33年に13番目の国定公園に指定され、小沼、じゅん菜沼、駒ケ岳との4点セットで美しい景観を造り出している。
これから秋本番を迎えるが、湖に浮かぶ126島の紅葉の美しさは、我々を強く惹きつける。10月には、また来なくっちゃー。

手ぶらでも楽しめる「釣堀」を見つけた。
鯉、フナがあちこちで飛び跳ね歓迎しているように思える。

島巡りの遊覧船と手漕ぎボートが行き交う。
コンクリート製の緩いアーチ橋をくぐる時がシャッターチャンス?うまく撮れた?
学生がライフジャケットを着用し、ボート競技会を開いていた。
 

大沼では連結自転車が大人気。15人と20人乗りがある。
この日は台湾からのお客さんが歓声を上げ楽しんでいた。
皆さん、童心にかえったようで、こちらに手を振ってくれた。(謝!謝!)
 
帰路は「北海道昆布館」へ。
立体の画像と音声で迫る映画館、見学できる昆布加工場が目玉施設。
私は綺麗なトイレがお気に入りで必ず寄るようにしているが、本命はやはり「多種の試食試飲」。
今回も目立たないように(?)、いっぱい頂いてしまった。
我が家の食の欲望は、幾つになっても衰えを知らないようだ。

                  ミカエル