梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

開墾の昭和村

2012-01-15 12:45:26 | 雑記
NHKに「キッチンが走る」と言う番組が有る、見る番組がないので何となく流していたが最近面白くなって来た。キッチンカーとでも言うような車にパーソナリティのタレントと毎回違う料理人が一緒に地方の特産物を使って創作料理を作ると言う番組でその地の産物と生産する人達との交流が毎回いい雰囲気をかもしている。
先週は赤木高原の昭和村と言う所に行った、キャベツ農家の男性は90歳だと言うがとてもそうは見えない矍鑠としていて余り歳は変らないだろうと見える奥さんと半生の話をしてくれた
昭和30年代に国の方策に応募してこの高原に入植したと言う、
「来た時は全部雑木林で、其れを切り倒し、根を起こして畑にした、毎日々クタクタになって只寝るだけだった」そうだ、「最初に植えたのは蕎麦だよ、100日位で食べられるからね」と言う、
昭和村は開墾の村で済んでいるのは略全村民他所からの入植者だそうだ、一軒だけ有る食堂の姉妹は年齢は解らないが「二十歳の頃来たのよ、口減らしにね」と笑っていたが「口減らし」と言う言葉が未だ当人から聞く事があるとは思わなかった、そして元気に笑っている事にも素晴らしい事だと思った次第である。
キャベツ農家の夫婦の話である、「大変だったよ、でもやっていくしか無かったからね」と言う、
「一生懸命やっていけば必ず良くなると思ってやって来た、今はいい生活が出来る様になったけど同じ様にやって行くさ」と言う話を聞きながら、(ああこの人達はずっと夢を持ち続けて生きてきたんだな、幾ら今が苦しくても必ず良くなると信じて生きてきたんだろう、それは何も無い雑木林を切り開きながら其処が豊かな畑になる事をずっと信じて生きてきたんだな)と思うのと一方で(今の若者よりある意味で幸せだったのではないか、
言い方を変えれば(今の若者達はこの老夫婦よりずっと不幸なんではないだろうか)と思えて来た、
全てを賭して雑木林に挑む事は並大抵の事ではないが現代では開墾出来る山野も無い、社会環境なのか、教育なのか、今荒野に向う道も無く、その気概も無い、
青年と言う世代は無謀な夢を持っていておかしくない年齢だ、生活の重荷に夢を諦めるのは取りあえず走るだけ走った後で良い、しかし今の若者は最初から走る事を諦めているように見える、
「どうせ先頭グループには入れない」と言う気持ちで走る事をしないのかもしれない、確かに現在は親の立ち位置で略ゴールは見えてしまう感じは有るが昭和村の人達は決してゴールが保証されたスタートではなかっただろう、何とか普通の人が普通の努力すれば普通に生活出来る世の中に成って貰いたい物だ