梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

日比谷映画街

2012-01-23 19:08:45 | 雑記
宝塚劇場の4階にはスカラ座が入っている、その上は東宝演芸場である、道を挟んで反対側のビルには千代田劇場と有楽座がある、千代田劇場は東宝の封切館だ、黒沢監督作品の終わり頃の作品は此処で見たが地獄変は黒澤監督のカラー作品の最初だったが、自分には少し気に入らない物だった、仲代達也と中村錦之介、牛車の中で焼き殺される娘は内藤洋子だったが色がイメージを邪魔していた感じがする。
有楽座は大作が多く掛かった、アメリカ映画では「マイフェアレディ」、「キャバレー」「ファニーガール」、等のミュージカル、ソ連映画のカラーゾフの兄弟も此処に掛かった、スカラ座はどちらかと言えば娯楽やファミリー向けの映画が多かった、
ロングランの記録を作った「チキチキバンバン」「ドリトル先生不思議な旅」も此処だった、
有楽座の隣、少し道が曲がった所に特徴のある塔を持った円形の建物は日比谷劇場、アクション物が多く「007」シリーズは此処だった、
晴海通りを越えて有楽町駅の日比谷口前のビルにはスバル座がある少し変った作品が掛かっていたが今覚えている作品は無い、スバル座の前の古いビル6階にはラジオの公開録音スタジオがあって此処で立川談志が司会をするラジオ寄席と言う奴を時々見に行った、この頃の談志は実の面白かった、特に放送に出ない部分で話すいわゆる「バレ話」が秀逸だった、
此処をお堀の方に行くと丸の内警察のビルが有る、丸警と言っていたが配達の仕事をしていると結構お世話になる、駐車取締りとの戦いである、映画館のアイスクリームは休憩時間に売り子さんが販売に来る時間の前後どちらかで納品する、その為映画館通りに略1日中車がある、納入する為に不在になることもしょっちゅうだから常に目を付けられている、その頃から導入された駐車違反専門の婦警さんは全く融通が効かない事は皆さんご存知の通り、警察も成りたての新人をわざと投入するので毎日の様に追い立てられる、チョークでタイヤにしるしと時間を書くと数メートル車を移動すると言う事は常套手段で敵も然る者、「ゆっくりバックして」と車を下げさせると道路のチョークとタイヤのチョークが一致して「駄目です、同一駐車です!」とやられる、次は少し勢いをつけて急ブレーキをかけてタイヤの位置をずらしてから再度バックする、「一度出て行って今戻って来た」とやると「このブレーキの跡は?」と言われ「誰か急ブレーキを掛けたみたいですね」等とやるから余計に目を付けられる、こっちは仕事だ、生活が掛かってるんだと他の配達の運転手と話しながら過ごしていた、
配達の車の他、乗用車が堂々と長時間とまっている事がある、配達の邪魔だと自分の事は棚に上げて匿名で苦情の電話を掛けてレッカー移動をしてもらうのだがある時悪戯を思いついた、
レッカー移動をするとその跡に水を含んだチョークで「品-**・**駐車違反レッカー移動、運転手は丸の内警察交通かまで出頭する事」と書かれ其処に連絡先の電話番号が書かれているのだがレッカー移動が済んで警官が居なくなるのを待って、「それっ」と劇場からデッキブラシとホースを持ち出してこのチョークを皆で消してしまうのだ、そして遠巻きにして運転手の戻るのを待っていると大抵「車が盗まれた」と騒ぎ出して110番を掛ける、交通課と盗難の課が違うので最初は警官が来て手続きをするが無線で場所と車のナンバーを問い合わせると駐車違反で移動されたと言う事が解る、無論その確認をすると犯人は三々五々と居なくなるので誰の仕業か特定は出来ないが恐らく警察では(恐らくあいつ等)だとは気づいていたんだろうな、
さすがに1回しかやらなかったが暫く晩酌の摘みになった若い頃の悪戯である