それからずっと、毎晩、抗アレルギー剤の「ザジデン」を飲んでいる。
「ザジデン」は、眠気などを改善した第2世代の抗ヒスタミン薬で、
アレルギーを予防する作用もあり、飲みつづけても副作用が少なく、
わたしに合っているのだけど、今まで市販していなかったので、
病院の呼吸器外来で、年に一度くらい、多めにもらっていた。
ふと気がつくと、今年になって、薬局やTVで、
「ザジデン」のコマーシャルをやっているではないか。
調べてみたら、病院の薬の成分を市販薬に転用したスイッチOTC薬
ということで、大正製製薬から市販されているらしい。
医療用「ザジテン」のスイッチOTC化承認 ‐大正がパブロンで発売へ(薬事日報) 大正製薬は13日、ノバルティスファーマ(東京都港区)の医療用アレルギー性疾患治療剤「ザジテン」(一般名フマル酸ケトチフェン)のスイッチOTCとして、アレルギー性鼻炎を適応症とする「パブロン」ブランドが厚生労働省から承認されたと発表した。 新たなスイッチOTC製剤は、ノバルティスファーマが製造し、大正がパブロンブランドの鼻炎用内服薬(マプセル)として薬局(一部薬店)を通じ販売する。 今回のスイッチOTC製剤は医療用のザジテン(カプセル剤)と同量の有効成分フマル酸ケトチフェンを含有し、抗炎症作用や抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用の三つの作用により、花粉やハウスダスト等によるくしゃみ、鼻水・鼻づまりといった鼻のアレルギー症状を緩和させる。 なお、医療用ザジテンについてはノバルティスファーマが従来通り、継続販売する。 |
花粉・ハウスダストなどによるアレルギー症状に
アレルギー専用「ザジテン®AL」シリーズ 新発売
抑える+鎮める+ひどくしない。
これからはアレルギーをトリプル・コントロール
「ザジテン」は、花粉症の鼻や目の粘膜のアレルギー症状だけでなく、
喘息などの呼吸器系にも効く優れものなんだけど、
「ザジテンについて」の説明のなかにも書かれていない難点は、
「飲むと、ひとによっては眠くなる」ということ。
特にわたしは薬の作用/副作用が強く出る体質らしく、
今日なんか、昨夜遅く1錠飲んだザジテンカプセルのおかげで、
朝起きて、この記事を書こうと思っていたのに、
パソコンをONにしたまま、お昼ごはんを食べるまで寝てしまった。
3年前、呼吸困難がおきて朝晩1錠ずつ1週間分処方されてた時には、
1週間眠り続けて眠り姫のようだった。
おかげでアレルギー性気管支炎が治まったのだから感謝なのだけど、
旅行のとき、お酒を飲んだ連れ合いのいびきに悩まされないために
と飲むくらいだから、「催眠」効果のほどは推して知るべし(笑)。
余談だけど、市販されている「ドリエル」という睡眠改善薬は、
第一世代の抗ヒスタミン薬(塩酸ジフェンヒドラミン製剤)の副作用である
「強い眠気」を効能として作用させる薬にしたもの。
「ザジテン」は市販薬として買うと高価な薬だけどアレルギーに効くので、
毎年、花粉症の人に悩まされている人に、
「症状が出る前にザジテンを飲むといいよ」と教えてあげたのだけど、
車を運転したりする人にはちょっとどうかな、と思っていたら・・・・
一昨日「花粉症の薬 副作用に注意」という大きな新聞記事が出ていた。
【健康】花粉症の薬 副作用に注意 眠気、だるさ 受験でも影響 中日新聞 2008年2月15日 スギ花粉の舞う季節になった。花粉症対策に抗ヒスタミン薬を飲む人も多いだろう。服用で眠くなりやすく、眠くならなくても集中力や判断力が落ちる「インペアード・パフォーマンス(気づきにくい能力ダウン)」が起こることもあり、注意が必要だ。 (鈴木久美子) 気づきにくい能力低下 インペアード・パフォーマンス 「眠くなってもいいように、夜休む前に飲む」と千葉県柏市の会社員男性(53)は言う。都内の会社員女性(39)も「薬局で眠くならない薬を選んで、子どもに飲ませている」と話すように、花粉症薬が引き起こす眠気やだるさはやっかいだ。 昨年受験を経験した全国の十二-二十歳の花粉症の男女三百人を対象に、民間機関「健康日本21推進フォーラム」が実施したアンケートでは、受験日に花粉症の薬を服用した八十九人の37%が服用後に、眠気や集中力の低下などにより本番の受験で影響を受けたと回答した。全体の66%が眠くはなくても集中力や判断力、学習能力の低下を感じたことがあると答えた。 こうした症状は「インペアード・パフォーマンス」と呼ばれる。「即効薬としてよく使われている抗ヒスタミン薬が、脳内に移行するために起こる」と東北大大学院の谷内一彦教授(機能薬理学)は説明する。 同薬は、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という化学伝達物質が働かないよう、鼻粘膜にあるヒスタミンの受容体と結合して、その働きを止める。 一方、ヒスタミンは脳内にもともと存在し、学習・記憶能力や覚醒(かくせい)レベルを促進させたり、ストレスを緩和させたりする重要な働きをしている。同薬の一部が脳に移行し、脳内のヒスタミンの働きまで止めるとこうした副作用が起こる。 「抗ヒスタミン薬一錠で、ウイスキーのシングル三杯分を飲んだのと同程度の集中力・判断力の低下が生じうる。脳に移行しにくい『非鎮静性』の抗ヒスタミン薬も最近、出てきているが、市販薬には少ない」と谷内教授は言う。 さらに副作用について医師の説明不足や患者の理解不足があるようだ。日本赤十字社和歌山医療センター(和歌山市)の榎本雅夫・耳鼻咽喉(いんこう)科部長らの調査(二〇〇七年)では、アレルギー性鼻炎で通院経験のある患者千人と医師四百十五人に調査したところ、服用後の作業効率の低下や学習への支障を患者に説明した医師は五-六割で、説明を受けたと答えた患者は15%程度だった。 「眠くなる薬が効く薬だと誤解している人が、まだ多いのではないか」とアクティ大阪耳鼻咽喉科医院(大阪市)の大橋淑宏医師は指摘する。 医師に相談して 多くの市販薬があるが、谷内教授は「多少手間がかかっても、医師にかかって、適切な薬かどうか相談した方がいい」とアドバイスする。 |
飲み方にも注意が必要なようだ。
そういえば、たしか毎日新聞でも花粉症の薬について書かれてたと
思って探したら、ありました。
医療ナビ:花粉症 近づくスギ花粉の飛散。花粉症の薬の使い方や注意点は。 毎日新聞 2008.1.29 ◆花粉症 近づくスギ花粉の飛散。花粉症の薬の使い方や注意点は。 ◇症状ごとに使い分け/改善後も飛散期間は継続服用/眠気、判断力低下の副作用も ■望ましい初期療法 国民の2割は花粉症患者といわれる。最近は「早めの治療」が強調され、飛散開始日や飛散量の予測も盛んだ。今年は、一部地域では間もなくスギ花粉の飛散が始まると予測され、例年より早そうだという。 厚生労働省研究班に参加した専門医が作成した花粉症治療ガイドラインは薬を使った治療について、(1)症状が出る前から始める初期療法(予防的治療法)(2)症状が強くなってから始める導入療法(3)よくなった状態を維持する維持療法--の三つに分類している。初期療法を行うと、症状が出るのを遅らせることができたり、症状が軽くてすむという。なぜなのか。 花粉症の薬は、くしゃみや鼻水、かゆみを引き起こすヒスタミンやロイコトリエンという化学伝達物質の働きを抑える作用がある。独協医科大の馬場広太郎名誉教授(耳鼻咽喉(いんこう)科)によると、花粉を浴び続けているうちに、鼻粘膜などの過敏性が高まってくるが、早めに服用を始めると、それを抑えることができるという。馬場さんは「早くから症状が出る人は、花粉の量が増えていくと症状が重くなるため、初期療法が望ましい」と説明する。 ■症状のピーク把握 しかし、患者すべてに初期療法が必要というわけではない。馬場さんは「初期療法は飛散開始前から行うと考えられているが、患者によっては3月中旬に症状が出る人もいる。一律に2月に入ったら薬を飲むというのは不合理。症状が出るのが遅くて軽くすむ人は、症状が強いときに飲めばよい」と指摘する。自分の症状が出始める時期やピークを日記につけて把握しておくことを、馬場さんは勧める。医師に自分の状態を伝えるのに役立つという。 薬によって作用が違うため、症状に合った薬の使い方が大切だ=表。最もよく使われるのが抗ヒスタミン薬で、くしゃみ、鼻水に効果があるが、鼻づまりにはやや弱い。鼻づまり型の人には、抗ロイコトリエン薬が追加される。 鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻液)はどの症状にも効果があり、鼻粘膜に直接働くため副作用も少ないとされる。このため抗ヒスタミン薬に点鼻液を併用する治療法が一般的だ。 しかし、抗ヒスタミン薬といっても、多くの種類がある。藤枝重治・福井大教授(耳鼻咽喉科・頭(とう)頸(けい)部外科学)は「どの薬が自分に合うかは飲んでみないとわからない。飲んでよかった薬の名前を覚えておくのがポイントだ。症状がよくなると薬を中止したくなるが、飛散期間は継続した方が悪化しにくい」とアドバイスする。 目のかゆみには、点眼用抗ヒスタミン薬などが処方される。点眼用ステロイド薬は、緑内障を起こす恐れがあるため、慎重に使われる。 ■二つの「世代」 抗ヒスタミン薬の副作用に注意を呼びかける専門家もいる。一般的に処方せんなしで薬局で買える薬に多い「第1世代」と呼ばれる抗ヒスタミン薬は、眠気が起きやすいとされる。眠気などの副作用を改善したのが、医療機関で処方される「第2世代」の抗ヒスタミン薬だ。自分の服用する薬がどちらの世代なのかは、医師や薬剤師に相談するとよい。しかし、東北大の谷内一彦教授(臨床薬理学)は「第2世代でも判断力や集中力の低下が起こることがある」と警告する。 ヒスタミンは脳内にも存在し、脳活動を活発にする働きがある。抗ヒスタミン薬が鼻粘膜で作用していれば問題ないが、脳に移行すると、脳での働きも阻害してしまう。谷内さんは「脳内でヒスタミンの働きがブロックされた場合、気づかないうちに判断力や集中力が低下してしまう恐れがある」と指摘する。 脳への移行のしやすさは薬によって違う。谷内さんらの実験によると、脳に移行しやすい薬を服用した人は、移行しにくい薬を服用した人に比べ、車の運転時にブレーキを踏むタイミングが遅れる傾向にあるという。脳に移行しやすい薬は飲酒運転と同じぐらいのリスクがあるとされ、米国の多くの州ではこうした薬の服用時の運転が禁止されているという。 【下桐実雅子】(毎日新聞 2008年1月29日) |
脳に移行しやすい薬は、眠気や集中力の低下を引き起こすらしい。
この副作用は第一世代の抗ヒスタミン薬に多いらしいけれど、
「第2世代でも判断力や集中力の低下が起こることがある」という。
ちょっと調べてみたら、以下の「花粉症に負けない花粉症対策講座」に詳しい。
花粉症に負けない花粉症対策講座2008
花粉症薬に眠気がつきものはウソ!
花粉症に負けない花粉症対策講座2008
医師が教える「花粉症の薬ここが知りたい!」
花粉症にこの薬(アレルギー性疾患の治療薬1)
花粉症にこの薬(アレルギー性疾患の治療薬2)
「ザジデン」は、医療現場で長く使われてきた実績のある「第2世代の抗ヒスタミン薬」だけど、
眠気や集中力低下がもっと少ない抗アレルギー剤も出てきているようだ。
眠気を抑えた抗ヒスタミン薬とは? 抗ヒスタミン薬が脳に働くと、眠気が出てくるわけですから、脳へ薬が行きにくい薬が望まれます。眠気の少ない抗ヒスタミン薬は第2世代に多いのですが、ケトチフェン(ザジテン)などは眠気が多いと言われています。そこで、第2世代の抗ヒスタミン薬の中で、眠気が少ない非鎮静性の抗ヒスタミン薬を紹介します。 ■フェキソフィナジン(アレグラ) ■ロタラジン(クラリチン) 薬に「運転等に影響がある」といった注意書きがなく、服薬時の眠気が指摘されていないのは、上記のフェキソフィナジン(アレグラ)とロタラジン(クラリチン)の2つだけです。 その他の眠気を抑えた抗ヒスタミン薬 上記2つ以外、服薬時の眠気の注意を促している薬の中にも、眠気を抑えているものはあります。脳への影響の少ない薬としては、エピナスチン(アレジオン)が上げられています。 ■エピナスチン(アレジオン) ■エバスチン(エバステル) ■ベポタスチン(タリオン) これらの薬は眠気が少ないと言われている薬ですが、眠気には個人差がありますので、合う薬を使うのが有効ですので、医師に必ず相談するようにしましょう。 できるだけ眠気の少ない薬で、アトピーと花粉症のつらい季節を乗り切りたいですね。 花粉症 薬の選び方 |
病院の薬の成分を市販薬に転用したスイッチOTC薬 に認可されて
薬局で買えるものは、まだ少ないようだけど、
その薬が効くかどうかの作用/副作用の出方は人それぞれなので、
病院で自分に合った薬を処方してもらうのがいちばん、というのが結論です。
わたしも、「ザジデン」を変えるべきか否か、なやむところです。
追伸の追伸
2009年は「アレグラ」を飲んでいます。
眠くならない花粉症の薬「アレグラ」~第2世代の抗アレルギー薬
/眠気だけでなかった…思わぬ“脳力”低下(2009-02-20 )
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最後まで読んでくださってありがとう
2008年も遊びに来てね
また明日ね