みどりの一期一会

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私流せんきょ心得(寺町みどり):候補者を見分けるには/希望のまち描く第一歩

2015-04-12 13:45:50 | 『最新版 市民派議員になるための本』
今日は統一自治体選挙の前半の投開票日。
わたしも午前中に投票に行ってきました。
お天気も良くなったので、投票率が上がるとよいですね。

投票は午後8時までなので、のこりあと6時間ほどですが、
さいしょの『市民派議員になるための本』を書いた03年の統一選の時に、
朝日新聞に連載を頼まれて書いた
【私流せんきょ心得】の記事を紹介します。

ちょうど、前半と後半の間の一週間に
3日連続で載り、けっこう評判になりました。

ちょうど投票日なので、投票の際の参考になるようにと、
(中)の「候補者を見分けるには」と(下)の「希望のまち描く第一歩」を
さきにアップします。

 【私流せんきょ心得】中 候補者を見分けるには

【私流せんきょ心得】中 候補者を見分けるには

 候補者の考えは、告示前ならリーフレットで、告示後は選挙公報やポスター、選挙はがきで知ることができます。選挙カーからの連呼や演説でもメッセージを聞き比べてみましょう。
 候補者を知るには、まず「政策」。実現可能で具体的かどうかが大切です。政策がなければリーフレットも作れないし、街頭演説もできません。議会で一般質問もできないでしょう。だから政策を明らかにしない候補者は論外です。
 でも、地縁血縁型選挙をする候補者は政策を必要としません。地元の利益さえ訴えれば、支持を得られるからです。「地域ぐるみ選挙」になると、有権者個人の自由な意思を制限することになり、問題があります。 
 政党所属の候補者は、党議拘束を受けますから、政党の政策などが重要な判断基準になります。2期以上の候補者なら、選挙で言ってることより、今までやってきたことを知る方が、より正確に判断できます。
 政策と同じくらい大切なのがスタンス。4年間何を足場にするのかということです。市民の視点で、市民のために働く人であるかがポイントです。利益誘導や口利きを優先する候補者は「投票してくれた人のために働きます」というメッセージを発しています。
 また、演説もしないで「○○です」と名前だけを連呼している選挙カーや、それに候補者が乗っていない場合は、有権者にメッセージを届ける努力を放棄しているのではないでしょうか。「無党派」「市民派」をかたるだけの人も許せません。
 候補者に、最低限必要な資質は、正直で誠実であることです。
 あなた自身の受信能力で見極めましょう。
 (元高富町議・寺町みどり)


【私流せんきょ心得】下 希望のまち描く第一歩

【私流せんきょ心得】下 希望のまち描く第一歩 

 議員や首長は「特別職の公務員」。市民のために働き、「住民の福祉を蔵してさせること」は、当然の責務です。今までこの責務が果たされなかったからこそ、有権者の政治不信を招いたのです。
 選挙は、有権者と候補者の「契約の場」。候補者は選挙で当選したら、市議なら年収750万~1000万円、町議なら約500万円の報酬を4年間、税金から受け取ります。だから議員は、あなた自身の意思で慎重に選びましょう。
 たとえば高価な買い物をした時、誇大広告や虚偽表示の商品なら交換や中途解約ができますが、議員は議会でいねむりばかりしている人でも「返品」はできません。
 まちの条約や政策、税金の使い方を決める議員は、有権者の一票一票の積み重ねで選ばれます。その一票は、有権者自身のもの。組織や自治会が割り当てをしたり、支援を強要したりすることは「選挙の自由」を妨害することになります。
 まちの未来は、白地のキャンバスです。多くの人が希望の絵を描きたいと思って一票を投じれば、まちは人々の望むは姿に変わります。でも多くの人が変える希望をあきらめれば、まちに正直に腐敗していくでしょう。
 「自治」とは「みずからの自由意思で自由に行為を行うこと」。「自治体」とは、ものごとを決めるシステムのある地域社会のこと、そこに日々くらす人々の集団です。
 「みずから」とは、あなたのことであり、わたしのことです。「役所は自治体の事務所」にすぎません。あなたのまちを、あなたが望む姿に変えることができるのは、そこに住むあなた自身です。
 「わたしのまちのことはわたしが決める」。投票はその第一歩です。
(元高富町議・寺町みどり)


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県議選では「無党派・市民派」候補は多くないので、
(上)の「『無党派』補増えたが・・・」は、
後半の市町の議員選と首長選の参考にしていただければ、うれしいです。

【私流せんきょ心得】上 「無党派」候補増えたが・・・

【私流せんきょ心得】上 「無党派」候補増えたが・・・  

4年に一度の選挙の春がやってきました。今回は4年前と様変わりしました。有権者の政党離れに合わせて一気に無党派候補が増え、何が何だかよく分かりません。
「無党派」とは、読んで字のごとく「党派性」が「無い」ということ。私の考える無党派候補とは、選挙でも議会でも特定の政党や既存の利益団体とのつながりや利害関係がない人です。でも巷(ちまた)ではもっと拡大解釈して使われています。
 選挙の時、政党の公認を受けない候補者はすべて、新聞に「無所属」と書かれます。四角い囲みは、政党の「推薦」や「支持」を表します。まずこういう人は、政党の応援を受けているので無所属であっても、無党派とはいえないでしょう。
 無党派もいろいろで、大きく四つに分かれます。
 ①「選挙だけ無党派」は、最近まで政党に入っていたけど、それを隠して立候補する人です。無党派と信じて投票しても、当選後は政党に舞い戻る可能性が高いのです。
 ②「保守系無所属」の人は、確かに政党の公認は受けていませんが、政党や利益団体、地元自治会などとのつながりが深いものです。応援してくれた支持者のために働くことになるでしょう。
 ③自称「無党派」の人もいます。「無党派」と名乗ればよいのですから、これは 簡単になれます。でも政策もやりたいこともない人は議員になりたいだけの人でしょう。
 ④本当の「無党派」の人は、当選しても政党や団体に所属せず、フリーハンドで市民の視点で働く議員になる人です。
 これらの違いをどうして見分けるのか?
 次回は候補者のメッセージを読み取るコツを種明かししましょう。

寺町みどり  52年、大垣市生まれ。91~95年高富町議。自らの経験をもとに執筆した「市民派議員になるための本」が話題になっている。


4月5日の中日新聞に載った記事も、
あらためて紹介します。


2015年4月5日 中日新聞

 【2015統一地方選ぎふ】 テーマ:地方議員の存在意義~議会に詳しい人に聞きました
2015.4.5 中日新聞

権力より市民のために
寺町みどりさん


 無党派・市民派の女性議員を増やそうと、名古屋や岐阜で講座を開いています。私の考える市民派議員とは、政党に頼らず、市民の利益が何かを判断して政策を実現していく政治家です。
 私が議員になろうと思ったのは、ゴルフ場開発反対などの運動に関わるうちに政治の壁にぶつかったから。市民のために働く議員がいなければ、自分が中に入って変える方が手っ取り早い。法律やデータを根拠にしながら論理的に説得する市民運動の手法を、議会に持ち込みました。
 議員の持つ発言権を行使して問題点を指摘していけば、政策を変えていける。役所の職員だって市民のためにいい仕事をしたいと思っていますから。議会は、議決に至るまでの過程で熟議を重ねることに意味がある。議場で発言する時はいつも一人なので、会派という数の力を頼むことはありません。
 逆に権力関係に縛られると仕事にならない。地方自治法や議会規則などのルールを「慣例」がねじ曲げている地方議会もあります。都議会のセクハラやじ問題を見ると、多数派の嫌がらせってほとんど一緒だなと思う。講座では、多数派に対抗するためのノウハウも伝えています。
 議会の本来のルールにのっとって市民のための仕事をする、当たり前の議員を増やしていきたいですね。
    ◇
 てらまち・みどり 1952年生まれ。91年から旧高富町(現山県市)議員を1期務め、2000年に「女性を議に 無党派・市民派ネットワーク(む・しネット)」を設立した。山県市在住。 


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