みどりの一期一会

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高知・東洋町議リコール署名の無効決定、最高裁取り消し/公務員もリコール請求可能に

2009-11-19 09:43:17 | ほん/新聞/ニュース
昨日、最高裁大法廷で、地方議員の解職請求(リコール)の代表者について、
過去の判例が見直されるという、画期的な判決が出ました。

「公務員は代表者になれない」と資格を制限した54年の最高裁判例を変更し、
署名は無効にならないとして、「リコール署名の無効決定」を取り消したのです。

この裁判は、高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地選定がらみでもあり、
「直接請求」のことでもあったので、両面から、注目していました。
6月に、この裁判が最高裁に回付されて弁論が開かれるという報道があり、
54年判決が見直されるだろということが予想されていました。

地裁判決からすでに2年近くたっていて、議員の任期も来年1月に迫っていますが、
東洋町選管は、最高裁判決にしたがって、すみやかに「署名を有効」として、
有権者の三分の一以上の署名を集めて提出した人たちの「直接請求」を尊重し、
リコール投票を実施してほしいものです。

高知・東洋町議リコール請求:無効取り消し訴訟 公務員も請求可能--最高裁
 ◇判例変更「政令は無効」

毎日新聞 2009年11月19日 東京朝刊

 地方議会議員の解職請求(リコール)を巡り、公務員が請求代表者になれるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は18日、「なれない」とした地方自治法施行令の規定は無効と判断。公務員を請求代表者として集めた署名を無効とした1954年5月の最高裁判例を55年ぶりに変更した。判決は裁判官15人のうち12人の多数意見。【銭場裕司】

 高知県東洋町議に対するリコールで、公務員の農業委員が請求代表者の1人になって集めた署名を町選管がすべて無効としたため、住民側が提訴した。大法廷は「農業委員が含まれることを理由に署名の効力を否定することは許されない」と述べ、請求を棄却した高知地裁判決(08年12月)を破棄し、町選管の決定を取り消した。
 請求代表者は、請求に必要な署名を集めるほか、住民投票の際は開票立会人の選任や結果への異議申し出などを行う。
 大法廷は、地方自治法がリコールについて請求と投票の2段階に分けて規定を設けていることを挙げ、「公務員が請求代表者になることの禁止は投票段階にだけ適用される。施行令が請求段階について規定することは許されず、請求代表者の資格制限部分は無効」と結論づけた。最高裁が、法施行に必要な細則を定める政令について、法律違反として無効判断したのは5例目。
 住民側は、核廃棄物最終処分場の調査受け入れを主導したなどとして、町議1人のリコールを計画。請求に必要な有権者の3分の1を上回る1124人分の署名を集めた。地方自治法の規定に従い、2審を経ずに、1審判決を不服として上告していた。
 判決後に会見した住民側の中北龍太郎弁護士は「直接請求制度の不当な制限が取り除かれ、高く評価できる」と指摘。傍聴した沢山保太郎町長は「個人としては正しい判決が出たと考えている」と述べた。今後は改めて請求手続きが進められるが、任期満了に伴う町議選が来年1月に予定され、住民投票の実施は不透明という。
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 ■解説
 ◇制限の範囲検討を
 大法廷判決は、地方自治法の条文を厳格に解釈し、55年ぶりに判例を変更した。リコール請求代表者の資格制限が必要かどうかの判断は示していないが、「制限を設けるならば、その範囲は可能な限り明確に規定されることが望ましい」と述べた。内閣や国会は対応を迫られる。
 判決の補足意見では今回の問題を政策論としてとらえる意見が続いた。涌井紀夫裁判官は「どのような制限が許されるかは立法政策の問題として検討されるべきだ」と促した。地方分権の流れを指摘した宮川光治、桜井龍子両裁判官は「住民の決定が滞りなく行われる環境整備が、法律立案などに携わる者の責務だ」と指摘した。
 一方、判決で公務員は誰でも地方議員のリコール請求代表者になることが可能になった。影響力の強い首長らがその権利を行使する可能性もある。竹内行夫裁判官は、「公務員が請求代表者になることが住民の態度に影響を与える可能性は否定できないとした54年判決の指摘は、今なお重要だ」と反対意見を述べた。
 公権力に携わる一方、有権者でもある公務員の関与については、制限の範囲も含め十分に検討されるべきだ。【銭場裕司】
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 ■ことば
 ◇リコール
 直接請求の一つで、地方自治体の公職にある人を、任期が終わる前に住民の意思で解職する制度。原則として有権者の3分の1以上の署名で、都道府県知事、市町村長、議員の解職や議会の解散を請求できる。請求から60日以内に賛否を問う住民投票が行われ、有効投票総数の過半数が賛成すれば、首長や議員などは失職する。


リコール署名代表、公務員でも有効 最高裁が判例変更
朝日新聞 2009年11月18日

 地方議員の解職請求(リコール)をめぐり、解職を求める署名集めの代表者に公務員がいた場合、署名全体が無効になるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が18日、あった。最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は地方自治法施行令のうち、「公務員は代表者になれない」と資格を制限している部分は無効だと判断。「資格制限は有効」とした54年の最高裁判例を変更し、署名は無効にならないと結論づけた。
 最高裁が「法律の定めに反している」ことを理由に施行令などの政令を無効としたのは、児童扶養手当法の施行令(02年)以来で、4件目。
 今回の訴訟は、高知県東洋町で、町長と対立関係にあった町議に対するリコール運動での署名をめぐって起こされた。町民の有志が08年4月、有権者の3分の1を超える1124人分の署名を町選管に提出。ところが、6人の請求代表者のうち1人が農業委員であることを理由に署名が無効とされたため、署名の効力の有無が訴訟に持ち込まれた。最高裁では「解職の投票に公選法の規定を準用する」と定めた地方自治法の解釈が争点となった。
 リコールは解職を求める署名が規定数に達した場合、有権者による投票へ進む二段階の手続き。大法廷は、公務員の選挙活動を制限する公選法の規定を、後段の投票手続きにあてはめることは合理性があると認めた。だが、前段の署名集めまで資格制限している地方自治法施行令は「許される範囲を超え、無効だ」と述べた。
 この政令が無効とされたことで、農業委員に限らずほとんどの公務員が解職請求の代表者となることが可能になった。
 この日の最高裁判決を受けて住民が改めて請求すれば、東洋町選管は再び署名の有効性を判断することになる。(中井大助)



町議リコール署名の無効決定、最高裁取り消し
(2009年11月18日 読売新聞)

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致問題などを巡り、高知県東洋町の農業委員会委員(当時)らが、同町議に対するリコール(解職請求)を求めて集めた署名の有効性が争われた訴訟の上告審判決が18日、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)で開かれた。
 1審・高知地裁判決は、公務員である農業委員がリコールの代表者となって集めた署名は無効とした1954年の最高裁判例に基づいて原告側の請求を棄却したが、大法廷は地裁判決を破棄し、署名をすべて無効と判断した同町選挙管理委員会の決定を取り消した。
 1審判決によると、同町の農業委員ら住民6人は2008年4月、田島毅三夫町議のリコールを求めて署名を集め、1124人分の署名簿を選管に提出。これに対し、選管は翌5月、署名すべてを無効とし、住民側の異議申し立ても棄却する決定をした。
 住民側は決定の取り消しを求めて提訴し、1審が同年12月、請求を棄却したため、地方自治法に基づき、最高裁に上告していた。
(2009年11月18日16時01分 読売新聞)



公務員代表でも署名有効=高知県東洋町議リコール-最高裁大法廷
(2009/11/18 時事通信)

地方自治法施行令(昭和二十二年五月三日政令第十六号)



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以下は、高レベル放射性廃棄物の地層処分の動きと、
今回の判決にいたる経過の記事です。

高レベル処分地公募に応じる各地の動き(環境と原子力の話)

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年六月七日法律第百十七号)

高レベル放射性廃棄物:概要(通産省 資源エネルギー庁HP)

東洋町長が高レベル放射性廃棄物処分場の独断応募(2007年01月26日 原水禁)


高知・東洋町議リコール署名訴訟、最高裁大法廷審理へ
2009年6月24日23時51分 読売新聞

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致問題などを巡る高知県東洋町議に対するリコール(解職請求)を求める署名が無効かどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(涌井紀夫裁判長)は24日、審理を、15人の裁判官全員で審理する大法廷(裁判長・竹崎博允長官)に回付した。
 公務員である農業委員会委員がリコールの代表者となって集めた署名は無効とした1954年の最高裁判例が変更される可能性がある。
 1審判決によると、同町の農業委員ら住民6人は2008年4月、田島毅三夫(きさお)町議のリコールを求めて署名を集め、1124人分の署名簿を同町選挙管理委員会に提出したが、選管は翌5月、署名をすべて無効とし、住民側の異議申し立ても棄却する決定をした。
 住民側は決定の取り消しを求めて提訴したが、高知地裁は同年12月、最高裁判例に基づき請求を棄却したため、地方自治法の規定に基づき、最高裁に上告した。
(2009年6月24日23時51分 読売新聞)



町議リコールめぐり18日判決 高知、署名の有効性が争点
2009/11/04 17:53 【共同通信】

 高知県東洋町議のリコール(解職請求)をめぐり、公務員の農業委員が集めた署名の有効性が争われた訴訟の上告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は4日、判決を18日に言い渡すことを決めた。有効と主張している住民側の訴えを一審は退けている。
 1954年の最高裁判決は「農業委員が請求代表者に含まれている場合、署名は無効」と判断したが、この判例が今回見直される可能性がある。
 町側は「54年の判例に基づき、署名を無効と判断した」として、上告棄却を求めている。
 一審高知地裁判決によると、住民有志は町議のリコール運動を展開、昨年4月に1124人分の署名を町選管に提出したが、町選管は代表者6人のうち農業委員1人が含まれているとして、すべての署名を無効とした。
2009/11/04【共同通信】



町議リコール、18日に大法廷判決=判例見直しの可能性-最高裁
2009.11.4 時事通信

 高知県東洋町の町議に対する解職請求(リコール)署名の効力が争われた上告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は4日、判決期日を18日に指定した。同様の訴訟で署名を無効とした最高裁判例が見直される可能性が出ている。
 一審高知地裁は「公務員である農業委員が代表者の一人となった署名は無効」とした1954年の最高裁判例に沿い、署名は有効とする住民側請求を棄却。住民側が上告していた。(2009/11/04-17:35)



東洋町議リコール訴訟、最高裁大法廷で弁論 判例見直しも
産経ニュース 2009.10.28 17:35

 高知県東洋町議に対する住民のリコール(解職請求)をめぐり、公務員の農業委員が請求代表者として集めた署名が有効かどうかが争われた訴訟の上告審弁論が28日、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)で開かれた。弁論で住民側は「最高裁判例は見直されるべきだ」と主張、町側は上告棄却を求めた。判決期日は後日指定される。
 昭和29年の最高裁判例は「農業委員が請求代表者に含まれている場合、署名は無効」と判断しており、判決ではこの判例が見直される可能性がある。
 住民らは町議のリコール運動を展開して署名を町選管に提出。しかし、町選管は代表者に農業委員が含まれているとして、すべての署名を無効と判断した。住民側は異議を申し立てたがこれも棄却決定された。
 住民側は決定取り消しを求め提訴。高知地裁は棄却していた。地方自治法は、この種の訴訟で1審に不服がある場合、高裁への控訴ではなく最高裁に上告できると規定しており、住民側が上告していた。


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