みどりの一期一会

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安保転換を問う 集団的自衛権/民意無視の採決やめよ

2015-09-15 18:15:56 | ほん/新聞/ニュース
きょう参議院の特別委員会で、安保法案の採決の前提となる中央公聴会が開かれ、
慶応大の小林教授、元最高裁判事などが反対の意見を述べた。

会期末が迫る国会で自民が強行成立をもくろんでいる中、
反対の声が大きくなっています。

安保法案については、毎日新聞が社説で連日、問題点を挙げて取り上げています。
朝日新聞も「民意無視の採決やめよ」の社説。
「朝日新聞社の世論調査では、法案に賛成29%に対し、反対は54%」と、
民意に反していることを強調しています。


 社説:安保転換を問う 集団的自衛権 
毎日新聞 2015年09月13日

◇政府の説明は破綻した
 安倍政権が、安全保障関連法案を今週中に成立させようとしている。

 多くの専門家が憲法違反と指摘し、国民の過半数が反対しているのに、なぜ成立を急ごうとするのか。

 安倍晋三首相は「国民の命と暮らしを守るため」というが、これまで衆参両院で約200時間、審議しても、集団的自衛権を行使しなければ国を守れないという説得力ある説明は、政府から聞かれなかった。

 審議が参院に移ってから、政府は北朝鮮の脅威に加え、中国の軍事的台頭への懸念を強調するようになった。国民の間に広がる漠然とした不安に訴えかけ、法案の必要性に理解を得ようという狙いだろう。

 ◇ホルムズも邦人輸送も
 確かに中国や北朝鮮の動向は心配だ。日本はこのまま手をこまねいていていいのか、という問いかけに共感する人もいるだろう。

 だが、こういうときだからこそ日本はいま何ができて、何ができないか。足りない点を補うために、どんな法制を整備すべきか、冷静に検討する必要がある。

 差し迫った課題である沖縄県・尖閣諸島を考えてみる。尖閣は日本の領土だ。この防衛は、日本を守るための個別的自衛権で対処する。米国も日米安保条約5条にもとづき共同で防衛にあたると期待されている。

 つまり個別的自衛権と日米安保で対処するわけで、他国が攻められたときに日本がそれを守るために反撃する集団的自衛権とは関係がない。

 政府が、集団的自衛権行使の代表例としたのは「中東・ホルムズ海峡での機雷掃海」と「邦人輸送中の米艦防護」だ。

 ホルムズ海峡の機雷掃海は、経済的な理由で集団的自衛権を行使することに批判が高まり、政府は最近では積極的に言及しなくなった。

 邦人輸送中の米艦防護は、地域は限定していないが、主に朝鮮半島有事(戦争)を想定している。首相がパネルを使って集団的自衛権行使の必要性を訴えたこだわりの事例だ。

 だが、中谷元防衛相は「邦人が乗っているかいないかは、(条件の)絶対的なものではない」と語った。

 朝鮮半島有事の米艦防護では、このほか、ミサイル防衛にあたる米イージス艦を守るケースも議論された。有事に米艦が艦隊を編成せずに単独で行動し、自衛隊に守ってもらう事態は現実には考えにくい。この点でも政府の答弁は揺れ動いた。

 40年以上維持されてきた憲法9条の解釈を強引に変更してまで、なぜ集団的自衛権を行使する必要があるのか。政府は、それに当てはまる事例をついに示せなかった。説明は破綻したと断じざるを得ない。

 政府が法案に込めた狙いは、米軍の戦いを自衛隊が世界規模で支援し、集団的自衛権の行使が可能な国になることで、日米同盟をより双務的にすることだろう。それによって米国をアジア太平洋に引きつけ、強化された日米同盟で中国の軍拡に対応することを目指している。

 安全保障環境の変化に対応するため、必要な法案の議論を一つずつ積み上げたというよりも、集団的自衛権の行使容認ありきだった。

 ◇あまりに大きいリスク
 だから、必ずしも現実の安保環境の変化と法案の内容が結びつかず、ちぐはぐになり、政府の説明がころころ変わったように見える。

 私たちは、安保環境の変化に対応するため、法制の見直しは必要だと考えている。例えば、現行の周辺事態法は、朝鮮半島有事を想定して米軍への後方支援を定めた法律だが、地理的な制約を維持し、弾薬の提供をしないなどの縛りをかけたまま、与野党で話し合って支援内容の拡充を検討することがあっていい。

 だが、集団的自衛権の行使が必要と政府が言うものは、基本的に個別的自衛権で対応できると考える。

 集団的自衛権の行使を認めた今回の法案は、「存立危機事態」など行使の新3要件があいまいで、政府が総合的に判断するという仕組みだ。

 どういう基準で武力行使に踏み切るのかという、自衛隊の運用で最も重要な問題が、国民の目に見えない。政府の裁量次第で拡大解釈が可能であり、海外での武力行使が際限なく広がる恐れがある。

 政府案が実行に移されれば、むしろ安全保障上のリスクとなる。さらには、政治上のリスクも招く可能性がある。

 集団的自衛権の行使を認めた憲法解釈変更は、過去の解釈と論理的な整合性がとれていない。法案は憲法違反だと指摘されても、政府は最後まで納得いく答えを示せなかった。

 法案を成立させれば、憲法を頂点とする法体系の安定性は失われるだろう。憲法も政府も国民から信頼されなくなる懸念がある。政治そのものが不安定になりかねない。

 政府は、法整備により日米同盟が強化され抑止力が高まると言う。そういうメリットがあるとしても、リスクのほうがはるかに大きい。そんな法案を成立させてはならない。  


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 社説:安保法案―民意無視の採決やめよ
2015年9月15日 朝日新聞

 安倍政権は、新しい安全保障関連法案を週内に成立させようとしている。国会の会期末が、秋の大型連休をはさんで27日に迫っているからだ。

 ところが、衆参両院を通じ200時間もの審議で、集団的自衛権行使の違憲性をはじめ様々な問題の指摘に納得できる答弁はなされていない。国民の多くが不信と不満を抱いている。

 こうした民意をかえりみぬ採決は、してはならない。

 最新の朝日新聞社の世論調査では、法案に賛成29%に対し、反対は54%に達した。

 注目すべきは「今の国会で成立させる必要はない」が68%、「国会での議論は尽くされていない」が75%に上ったことだ。

 法案に賛成と答えた人の中でも、議論が尽くされていないと答えた人が57%もいる。法案の趣旨には賛成でも、政府の答弁ぶりには納得がいかないということだろう。

 参院の特別委員会は15日に中央公聴会、16日に横浜市で地方公聴会を開く。自民、公明の与党は、地方公聴会が終われば直ちに採決に踏み切る構えだ。

 中央公聴会には過去10年で最多の95人が、意見表明する公述人に応募した。野党によれば、全員が法案に反対だという。

 今回に限らないが、有識者や市民から意見を聞く公聴会は、重要法案の採決に向けた条件整備と位置づけられ、形骸化しているのが実情だ。

 だが、この法案は平和国家としての日本の針路を左右する重要法案だ。違憲の疑いも濃い。世論調査での不満や公述人への多数の応募を考えれば、公聴会は「いま現在の民意」を国会につなぐ回路として重要な意義を持つ。アリバイづくりですませるわけにはいかない。

 いまの国会は、戦後最も長い95日間延長された。首相は「徹底審議」をアピールしたが、与党には法案を受け取ってから60日以内に参院が議決しない時、衆院が再議決できる憲法59条の適用も念頭にあった。

 安倍首相はきのうの参院特別委で、世論の反対を認めたうえで「選挙で選ばれた議員で審議を深め、決めるときには決めていただきたい」と語った。

 与党幹部は先週、「参院で決着をつけるべきだ」として、衆院での再議決はしない方針を確認している。当然のことだ。一院の議決だけで成立させるなど言語道断である。

 首相が強調した徹底審議の結果が、世論の反対だ。27日の会期末までに参院で採決できなければ、いさぎよく廃案にするのが筋である。


パンダ豆、オクラの煮びたし、
  
黒豚ヒレ肉とピーマンとシメジ炒め。


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