みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

こうのとり追って:第5部・考えよう妊娠、出産(1~5)

2012-09-20 22:07:38 | 花/美しいもの
今日はつれあいの一般質問の日だったので、傍聴に行ってきました。
帰ってから、昨日につづいて日暮れまで畑仕事。
レタスやコウサイタイ、三つ葉などの野菜とハーブの苗を本畑に定植しました。

 ◆一般質問通告文/「道路舗装の厚み不足問題」/(岐阜新聞)「ずさん舗装、深まる亀裂 警察沙汰」 (てらまち・ねっと)

 ◆一般質問通告/「市の広報などを全戸配布に」/「土地開発基金は廃止を」(てらまち・ねっと)

ところで、
毎日新聞の「こうのとり追って」の「第5部・考えよう妊娠、出産」が、
9月12日から18日までの毎日新聞朝刊に連載されていました。

今回の連載の記事を書いているのは、友人の五味香織さんほか女性4人のチーム。
以下に5回の連載記事を紹介します。

  こうのとり追って:第5部・考えよう妊娠、出産/5止 働き過ぎ、母体に負担 
毎日新聞 2012年09月18日

 ◇早産、流産のリスクも 「必要時休める職場を」
 枕元で声をあげて泣く夫を見て、泣くに泣けなかった。「流産」の診断から3日後。「家でゆっくりしていればよかったのかな」。病室のベッドの上、自覚もほとんどないまま、こんな形で妊娠が終わったと思いたくなかった。
 東京都内の大学病院に勤める看護師の女性(34)は妊娠8週だった昨年5月中旬、胎児が子宮内で死亡している「稽留(けいりゅう)流産」と診断され処置手術を受けた。医師は原因不明としながら「初期の流産は染色体異常と言われることが多い」と話した。1歳の長男をよくおぶっていたこと、妊娠が判明してから2回、連続17時間の夜勤をしたことなどを思い出したが、「好きで続けている仕事、それが原因と思いたくない」。
 労働基準法は妊婦が請求した場合、休日・深夜勤務をさせてはならないと定めている。上司には「夜勤が無理なら言ってね」と言われていたが、長男を妊娠中は月に4〜5回は夜勤をしており、月2回の夜勤が多いとは思わなかった。だが、妊娠や出産を機にやめる同僚は多い。
 女性は今年に入り、また妊娠の機会に恵まれた。月2回の夜勤を続け、10月に女児を出産予定だ。
 「ルポ職場流産」の著書があるジャーナリストの小林美希さんはこういった妊娠初期の流産について、「胎児の染色体異常で片付けられてしまうことが多いが、実際にはハードワークが原因のものもあるのではないか」と考えている。
 小林さんによると、看護師とともに、体の負担が大きい介護職や保育士にも流産が比較的多い。さらに、「妊娠がきっかけで解雇される可能性がある派遣社員やパート従業員、責任が重く仕事を休めない一般企業の正社員なども、無理をして流産に追い込まれてしまうケースがある」という。
 阪南中央病院の佐道正彦医師らは77年から、診察した妊婦全員を登録し、妊娠結果を統計化している。03〜07年の調査では、働いていない妊婦は出産数1725件に対し流産数は187(10・8%)だったが、働いている妊婦は出産数874に対し、流産数は134(15・3%)と差があった。佐道医師は働き方と流産について「昔は長時間労働が流産の原因になることが多かったが、最近はこれに加え、仕事上の強いストレスが妊娠の維持に必要なホルモンの分泌に影響を与えているのではないか」と指摘する。
    ◇   ◇
 仕事を休んで周囲に迷惑をかけたくないと思う責任感の強い女性ほど、流産に限らず、妊娠中のトラブルに追い込まれる可能性が高まる。
 4年前の11月、東京都の会社員女性(40)は早産の状態で長男を出産した。「職場の人に元気な妊婦に見られたいという思いが強かった」と当時を振り返る。
 その年の始まりに新しい部署に異動したばかり。春に妊娠がわかっても言い出すことができず、会社に着くとマタニティーマークのキーホルダーをバッグの内側に隠した。「せっかく専門知識を得られる部署に来たんだから、今頑張らないと」。泊まり勤務や夜勤を続け、上司に妊娠を報告したあとも、夜中の呼び出しに応じたり、飛行機や新幹線で駆け回っていた。
 産休に入る1週間前、長男は予定より9週も早く低出生体重児にあたる1700グラム台で生まれてきた。NICU(新生児集中治療室)の保育器の中、小さな顔を見た瞬間、怖さと自責の念で涙があふれた。長男はその後健康に育っているが、「仕事はあとからいくらでも挽回できる。妊婦の時に自分の体をいたわることから、もう子育ては始まっていたんだ」と感じている。
 「妊娠・出産は個人差が大きく、ふたを開けてみないと何が起きるかわからない。私だけは大丈夫と過信しない方が良いでしょう」。つくばセントラル病院の田中奈美医師(42)は指摘する。自らも長女(14)と次女(11)を出産した際に、早産や流産の危険が高まり、入院した経験がある。「働き過ぎだけが理由なら、安静にすれば未然に防げる場合もあります。はりや出血など異常を感じたら即座に受診してください。医師の指示を職場に伝える『母健連絡カード』は便利なので積極的に活用してみては」と話す。
 上司や同僚として妊婦の周囲の人はどんなことに気をつければよいのか。田中医師は「必要時に休めるように仕事の共有化など職場で工夫すれば妊婦の負担を減らすことができます」と話す。
 都内の大学病院に勤務する看護師の女性(63)は30歳で2回の流産を経験し、その後長男と長女を妊娠中にも切迫早産を経験した。当時は人手不足に加え理解ある上司も少なく、妊娠中に休めずに苦労した。だがいまは、さらに社会全体の余裕がなくなり、新しい命の誕生を喜びあえる世の中になっているだろうか、と感じている。後輩たちには「赤ちゃんを守るのは自分しかいない。勇気を持って権利を使ったり、労働組合などを通して、仕事をしやすい職場環境を自分たちで作り出すことも必要」と話している。=おわり(下桐実雅子、五味香織、斎藤広子、久野華代が担当しました)
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 こうのとり追って:第5部・考えよう妊娠、出産/4 自分に合うお産場所探し 
毎日新聞 2012年09月17日

 ◇まき割りで鍛え、自然に 分娩制限施設、予約に苦労も
 コン、カコーン−−。うっそうと木が生い茂る庭に、まき割りの音が響く。おのを握るのは、大きなおなかを抱えた妊婦たちだ。
 愛知県岡崎市の産院「吉村医院」では、妊婦がまき割りや井戸水くみといった「作業」に汗を流す。お昼には江戸時代に建てられた古民家で、まきで炊いたご飯をほおばる。
 吉村医院は「本当の自然なお産」を実践している。帝王切開や、赤ちゃんを産道から引き出す吸引分娩(ぶんべん)などの医療行為をできるだけ行わず、母子の力でお産をやり遂げることを目指す。そのために、妊婦の体作りを重視する。妊娠中は「作業」のほか、自宅で毎日2〜3時間歩き、スクワットを200〜300回続けるよう指導する。
 体力と気力を培い、和食に徹した食生活で臨んだお産では、「赤ちゃんがつるっと生まれてくる」という。田中寧子副院長は「妊娠中の取り組みがあるからできる、計画的な自然分娩」と表現する。年間260〜270件のお産を扱うが、東京や大阪など遠方から通う人も少なくない。
 愛知県知立市の松田紗知さん(29)は、10月に2人目の出産を控える。長女(3)は近所の産院で出産したが、お産に時間がかかり陣痛誘発剤を使われ、つらかったという。「以前の産院は、医師が忙しそうで質問もできなかった。吉村医院は親身になってくれる」と信頼を寄せる。
 吉村正院長(80)は、かつて大学病院で最先端の産科医療に携わっていた。父の後を継ぐため実家に戻り、地域でお産を手がけるうちに、妊婦と赤ちゃんが持つ力を最大限に生かすお産が望ましいと考えるようになった。
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 こうのとり追って:第5部・考えよう妊娠、出産/3 妊娠中、適正な体重管理を
毎日新聞 2012年09月14日

◇低体重児に「やせ願望」影響? 高血圧症候群、注意を
 「主菜はとれていますが、全体的に食べる量が少ないですね。主食や果物も足りていません」
 東京都世田谷区の玉川病院。産婦人科の田尻下(たじりか)怜子医師らにこう指摘された川崎市の女性(31)は「少ないですか? 結構食べていると思っていたけれど……」と、驚いたように聞き返した。
 女性は妊娠8カ月に入るが、体重は妊娠前に比べて3キロしか増えていない。妊娠前のBMI(体格指数)は18・5未満で「やせ」にあたる。
 「あなたの体格なら、妊娠中に10キロぐらいは増えた方がいい」と田尻下医師。女性が「おなかが大きくなると胃が圧迫されて、一度に食べられない」と訴えると、栄養士の石黒純子さんは「間食におにぎりやサンドイッチ、バナナなどを入れて、食べる回数を増やしてみて」とアドバイスした。
 玉川病院では7月から、妊娠28週前後で体重増加量が少なかったり多過ぎたりする妊婦に、個別の栄養指導を試みている。定期的な妊婦健診でも体重管理の助言はしているが、個別の栄養指導では、あらかじめ3日分の食事内容を記録してもらう。国の食生活指針をもとに、栄養素の過不足や食事の工夫を具体的に伝えている。
 朝食をとらない人、クッキーばかり食べている人−−。食事の記録から見えてくる課題はそれぞれで、妊婦一人一人に合ったアドバイスが必要だ。
 個別指導を始めた理由について、田尻下医師は「妊婦の適正な体重増加を促せば、低出生体重児を減らせるのではないかと考えた」と話す。
 低出生体重児とは、出生体重が2500グラム未満の赤ちゃんのこと。以前は未熟児と呼ばれた。田尻下医師らが同病院で生まれた低出生体重児のデータを分析したところ、30%ぐらいのケースで、母親の体重増加量が十分でなかったことが原因と推測された。
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 こうのとり追って:第5部・考えよう妊娠、出産/2 卵子の老化「知らなかった」 
毎日新聞 2012年09月13日

 ◇加齢や病気、不妊一因に/「リスク考え人生設計を」
 看護師の言葉が突き刺さった。「妊娠を後回しにしてきたんですね」
 山口県の女性(40)は2年前、県内の病院で不妊の検査を受け、卵子の通り道となる卵管が詰まっていることが分かった。卵子と精子が出合えないため、自然妊娠は難しい。
 医師からは不妊治療を勧められた。同時に、年齢が上がるとともに子宮や卵巣のトラブルが起きやすくなり、卵子も老化することを知らされた。「自分の体が、女性であることを否定しているみたいだった」。看護師の言葉がショックに追い打ちをかけた。
 若い頃から家庭を持ちたいと思っていた。交際相手との結婚を考えたこともある。その一方で、仕事にやりがいを感じてもいた。結婚は37歳。なかなか子どもができず、不妊の検査を受けた。
 不妊治療の専門クリニックに転院し、3回目の顕微授精で妊娠。今年1月に双子の女児を出産し、今は育児に追われる毎日だ。
 もし、若いうちに卵子が老化すると知っていたら−−。女性は今でもそう考えることがある。「勉強や仕事など、いろんなことを頑張ってきた。違う生き方をしたとは思えない。でも、それは自分が出産できたから言えることなのかもしれない」
  ◇   ◇
 日本産科婦人科学会の調査によると、体外受精など高度な不妊治療の実施数は09年に年間21万件を超えた。治療を受ける人の増加とともに、患者の年齢も上昇傾向にある。
 国立成育医療研究センターの斉藤英和・不妊診療科医長によると、患者の初診年齢は平均38歳。年々上がっているという。多くが、30代半ばで結婚や妊娠・出産を考えたケースだ。
 だが年齢が上がると、卵子が老化して、妊娠しにくくなる。そのことを斉藤医師が患者に説明すると、ほとんどの患者が「知らなかった」と答えるという。
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 こうのとり追って:第5部・考えよう妊娠、出産/1 進む晩産、広がる「妊活」
毎日新聞 2012年09月12日 

 ◇「子宝ヨガ」で心癒やし/誕生の基礎知識学ぶ講座も
 東京都文京区のヨガスタジオ「ヨガマ」。25度ほどに保たれた部屋で、参加者がヨガマットに足を伸ばし、「卵巣につながる」というツボをもみほぐしながら自己紹介を始めた。講師の西川尚美さん(43)は「参加女性のほとんどは、不妊治療を受けながら通っている。悩みを打ち明けたり、情報交換したりするために、このクラスでは自己紹介は欠かせない」と説明する。
 これまで学びや仲間作りが目的だった場に、「妊活」という新たな目的が広がりつつある。その一つ「子宝ヨガ」の現場を訪ねた。
 75分のクラスの終盤、足の裏を合わせて座り、そのまま後ろに倒れる「眠る女神のポーズ」をとると照明が落ちた。受講者に毛布がかけられると、気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた。
 「家で一人でやるより、ここで仲間とやる方がリラックスできる」。今春から参加している女性(32)が打ち明ける。2年前に結婚。自然に授かるのを待っていたが、昨年から不妊治療を始めた。妊娠に良いと聞いた漢方薬も飲んでいる。「将来、あれをやればよかったなどと後悔したくない」からだという。
 講師の西川さん自身も不妊治療を受けた経験がある。「薬の副作用で気持ちの落ち込みや疲れを感じたけれど、ヨガのおかげで心に余裕が持てた。だから、受講者の気持ちがよく分かる」と話す。

 不妊治療に携わる「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)の原利夫院長は「ヨガなどの代替医療は患者さんの意欲を高めてくれる」と話す。原院長が不妊治療を行う全国の565医療機関にアンケートしたところ、回答があった382施設のうち99%にあたる379施設が、カウンセリングや漢方、鍼灸(しんきゅう)などの代替医療を行っていると答えた。
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