みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

沖縄性暴力事件への抗議声明の呼びかけ【賛同17日まで】

2008-02-15 18:49:42 | ジェンダー/上野千鶴子
米軍基地移転問題でゆれる岩国市長選挙で、『容認派』が僅差で当選した翌日、
沖縄で少女が米兵から性暴力を受けるという事件が起きた。
繰り返される性暴力につよい憤りを感じる。
この事件が一日早かったら、岩国市長選の結果もかわっていたかもしれない。

沖縄の女性たちがいち早く抗議の声をあげ、
全国の女性たちも抗議声明を発表して、賛同を呼びかけている。

■ 在沖米兵による女子中学生性暴力事件に抗議し ■
■ 公正な事件解決と根本的防止策を要求します。 ■


【転送・転載歓迎】 

沖縄で起きた米兵による女子中学生性暴力事件について、アジア女性資料センター、
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)、
ふぇみん婦人民主クラブは、以下の抗議声明を発表しました。
19日に、日本とアメリカ政府関係機関に提出します。

★団体・個人のみなさまの賛同を募ります。
お名前(団体名)を日本語とアルファベットで、17日(日)までにお送りくださ
い。送り先:ajwrc.shomei@gmail.com
英文は追ってサイトに掲載しますので、お知り合いに広めてください。

★沖縄と連帯するスタンディング・デモを行います。
沖縄北谷町で行われる抗議集会とあわせて、東京でも連帯のスタンディングを行
います。
日時:2月19日(火)18:00~ 1時間くらい
場所:衆議院議員会館前
詳細は、呼びかけ団体のホームページで。
アジア女性資料センター
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
ふぇみん婦人民主クラブ
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■ 在沖米兵による女子中学生性暴力事件に抗議し ■
■ 公正な事件解決と根本的防止策を要求します。 ■


内閣総理大臣  福田康夫 様
外務大臣    高村正彦 様
防衛大臣    石破 茂 様

アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ 様
アメリカ合衆国特命全権大使 ジョン・トーマス・シーファー 様
在日米軍司令官 ブルース・A・ライト 様


 私たちは、昨年の沖縄、広島における性暴力事件に続いて、2月10日、またもや
米軍人・軍属による悪質な性暴力事件が繰り返されたことに、やりきれない怒り
を覚えています。

 過去60年以上、米軍基地周辺では、女性・少女に対するさまざまな性暴力事件が
繰り返されてきました。その多くは通報もかなわず、また、たとえ被害者が勇気
をふりしぼって届けても、起訴されなかったり、日米地位協定に阻まれて正当な
取調べや処罰が行われないまま葬られてきました。日本政府は被害防止のための
適切な措置をとるどころか、補助金交付などを利用して、不満の声を押さえつけ
ようとするばかりです。

 もうたくさんです。これ以上、女性・少女の人権と地域の安全を無視したまま、
日米軍事同盟を強化する在日米軍再編を私たちは容認できません。私たちは、再
び被害を招いた日米両政府に抗議し、次の2点を要求します。

1.当事件の解決にあたっては、性暴力という犯罪の性質を適切に考慮しながら、
公正な捜査と処罰がなされることを確保すること。

私たちは、被害者の少女の行動を責めるような言説が今回も流通していることに
強い懸念を抱いています。性暴力被害者の「落ち度」を理由に加害者を免罪する
ような事件処理は、二度と繰り返されてはなりません。
適切な知識と経験をもつ専門家による暴力を受けた少女の心身のケアと、家族へ
の適切なサポートがなされること、公正な捜査と加害者への厳重な処罰、被害者
への真摯な謝罪と補償が行われること、また被害者のプライバシーに配慮しつつ、
透明性と説明責任が確保されることを求めます。

2.基地周辺における性犯罪その他の暴力を防止するために必要なあらゆる措置
を、地域政府・住民・女性団体・市民団体との協議の上でとること。

高村外務大臣は、今回の事件について「国民感情からみて、日米同盟に決してよ
いことではないので、影響をできるだけ小さく抑えるようにしたい」と、なお女
性の人権よりも日米軍事同盟を優先する発言を行っています。しかし、軍事同盟
こそが女性の安全を危うくしているのです。私たちは、日本政府が今後の再発防
止のために、日米地位協定の再交渉や行動計画策定を含め、必要なあらゆる措置
をとること、基地周辺地域の自治体・住民、および市民団体や女性団体と十分な
協議を行うことを要求します。

よびかけ団体
アジア女性資料センター
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
ふぇみん婦人民主クラブ
**************************************
アジア女性資料センター
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町14-10-211

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 『週刊金曜日』ウソ発見誌
選択(落合 恵子)
 

 基地の街を二分した岩国市長選の結果がでた。僅差といえども、「民意」はアメリカ空母艦載機部隊の「移転容認派」が推す市長を選んだ。移転計画が明らかになった2005年から、この国と「闘い続けた」井原勝介前市長は無念なことに敗れた。

 『朝日新聞』の出口調査によれば、いまでも移転反対は47パーセント、賛成は18パーセントで、明らかに市民は移転に反対している。容認派市長を選んだ市民も移転に「賛成」と答えたのは3割にすぎない、という。にもかかわらず、この結果である。

 移転反対を理由に、国は岩国の市庁舎建設の補助金や交付金などを凍結して、卑劣な「兵糧攻め」をし続けた。移転を受け入れた近隣の3市町には交付金を支給したのだから、このいやらしい「揺さぶり」にゆれるひとがいたとしても、この財政難の時代に一概に責めることはできないのかもしれない。が、しかしなあ。

 こういった国の「いじめ」に憤り、与してなるものかと思った市民も少なからずいるはずだが、僅差を突破することはできなかった。その原因は何なのか、まっとうな分析を求められているのは、岩国市民だけではない。

 新聞の同じ記事に、厚木市や大和市の市長の談話ものっていた。が、心に響くのは「第4次厚木基地騒音訴訟」の藤田栄治原告団長の次のコメントである。「我々も爆音の痛みを知っており、たらい回しには賛成できない」。

 そして、岩国市長選の結果を報じる朝刊が届いた2月11日。沖縄の基地周辺での少女に対する性暴力事件があったことが明らかになった。

 以前にも何度か書いた記憶があるが、軍事システムは性暴力を助長する。またしても、である。むろん、それは少女に限らず、どの年代の女性にも(男性にも)起きる可能性のある「魂の殺人」である。
 補助金、交付金を凍結したものたちよ。あなたが愛する孫がこうされても、あなたは仕方がない、と言えるのか。わたしたちは忘れない。横浜市青葉区(現)の米軍偵察機墜落事件を。「パパ ママ バイバイ」と言いながら、覚えたての童謡「ぽっぽっぽ はと ぽっぽ」を歌いながら死んでいったふたりの幼い男の子のことを。そして、その若い母親のことを。



朝日新聞社説 2008年02月13日(水曜日)付 
米兵少女暴行―沖縄の我慢も限界だ 

 沖縄本島中部で、米海兵隊の2等軍曹による女子中学生暴行事件が起きた。許しがたい性犯罪がなぜ、こうも繰り返されるのか。強い憤りを覚える。
 容疑者は、沖縄市内の路上で友人と一緒にいた中学3年の女子生徒に「家まで送ってあげる」と声をかけ、オートバイで沖縄本島中部にある容疑者の自宅へ連れていった。少女は途中で逃げ出したが車で後を追い、裏通りに止めた車の中で少女に乱暴したとされる。
 容疑者は乱暴したことは否認しているというが、県警はワゴン車などを押収し裏付け捜査を進めている。
 在沖縄米海兵隊は04年6月以降、犯罪防止のため、若い隊員に対しては夜間外出を制限している。しかし、今回の容疑者は38歳であり、基地外に住んでいたため防止に役立たなかった。
 思い出されるのは、95年に起きた米海兵隊員3人による少女暴行事件である。この事件をきっかけに米兵による犯罪や事故に対する県民の怒りが大きなうねりとなり、抗議の県民集会には8万5千人が結集した。
 その結果、不平等だと批判の多い日米地位協定に対して見直しを求める声が盛り上がり、凶悪犯の身柄引き渡しなど運用面がいくぶん改善された。米軍も犯罪防止に努力するようになった。また、その後に基地の再編案が日米間でつくられたのも、この事件が原点だった。
 とはいえ、事態が改善したとは言い難い。今回と同じ沖縄市で昨年10月、米軍人の息子が強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された。先月も、米海兵隊員2人によるタクシー強盗致傷事件が起きたばかりだ。
 事件や事故が発生するたびに、地元の自治体や政府は米軍に綱紀粛正や再発防止を強く求めてきた。
 米軍当局は毎回、「綱紀粛正」や「二度と事件を起こさぬ」と約束するが、事件は後を絶たない。効果のあがらない米軍の対応に、県民の怒りと不信感は頂点といっても過言ではない。
 日本にある米軍専用施設の75%が沖縄に集中する。なかでも負担になっているのは海兵隊である。海兵隊員による事件が際立っており、海兵隊の駐留に対する県民の反発は強まるばかりだ。
 今回の事件で、海兵隊・普天間飛行場の県内移設問題について、沖縄県が態度を硬化させ、米軍再編の進展に影響が生じる可能性も否定できない。
 福田首相は「許されることではない」との表現で、米軍へ改善策を強く求めた。米軍はことの重大性を認識し、再発防止に今度こそ総力をあげて取り組まなければならない。
 沖縄県民は、沖縄戦で旧日本軍によって集団自決に追い込まれた住民も出るなど筆舌に尽くしがたい体験をした。戦後は米軍基地に苦しめられている。
 日米両政府は、今度の不幸な事件を、そうした「軍」の重荷を和らげていくための出発点にすべきだ。
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岩国市長選―「アメとムチ」は効いたが 

 米軍の空母艦載機を受け入れるというのが、山口県岩国市民の選択だった。
 出直し市長選で、移転容認派から推された福田良彦氏が接戦の末に当選した。政府はこれで米軍厚木基地からの艦載機の移転計画に弾みがつくとほっとしているだろう。
 しかし、福田氏は当選後、「まず、市民の不安な騒音問題や治安問題を解消し、その後に再編問題に協力するかどうかという判断をしなくちゃいけない」と語った。
 そうした慎重な言い回しをしたのは、米軍機が増えることに対し、市民の間に不安が根強いことをよく知っているからだろう。敗れた井原勝介前市長との票差がわずか約1800票だったことも影響しているにちがいない。
 政府は移転計画を円滑に進めようとするなら、これまでの強引な方法をやめて、騒音問題や米兵による犯罪への対策を丁寧に説明し、市民の理解を得なければなるまい。
 岩国市民が艦載機の受け入れについて判断をするのは今回で3度目だ。周辺町村との合併前の一昨年3月の住民投票では、「移転反対」が多数を占めた。合併に伴う市長選でも、「移転撤回」を公約に掲げる井原氏が勝った。

 市民の選択がなぜ変わったのか。
 朝日新聞が投票日におこなった出口調査では、移転反対が47%で、賛成の18%の3倍近くを占めた。福田氏に投票した人でも、移転に「賛成」と答えたのは30%にすぎない。
 それにもかかわらず福田氏への投票が多かったのは、「移転には反対だが、政府からの支援を得るためにはやむをえない」と苦渋の選択をした人が多かったということだろう。
 政府は井原前市長時代に、新市庁舎建設への補助金や米軍再編交付金を凍結した。艦載機を受け入れれば、凍結を解除するという「アメとムチ」の政策である。それが功を奏したといえる。
 福田氏も選挙戦で、基地問題よりも、市の財政問題や疲弊した地域経済の活性化策を重点的に取り上げた。
 艦載機が計画通りに移ってくれば、岩国基地の米軍機はいまの2倍の120機に増える。沖縄県の嘉手納と並ぶ極東最大級の航空基地となる。岩国基地は大きく変わる。
 たしかに安全保障や基地の配置は国の政策だ。いまの日米安保体制の下では、どこかの自治体に米軍基地を引き受けてもらわなければならない現実がある。
 だが、地域の声を無視していいはずがない。「基地と共存する街」といわれてきた岩国市が、なぜ艦載機の受け入れを拒んだのか。交渉の前面に立った防衛省はここで改めて考えた方がいい。
 地元の頭越しに政策を決め、「アメとムチ」で解決する。そんなことをいつまでも続ければ、受け入れ容認派の市長をも窮地に追い込むかもしれない。



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最後まで読んでくださってありがとう
2008年も遊びに来てね 
 また明日ね
 

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