一人暮らしの父

2週間ぶりくらいに実家の父をたずねた。

すると、咳き込んでいて、そわそわ落ち着きがない。

娘の私が行くと、いつもお茶を入れたり、お菓子を出してくれたりして気を遣う。

今日は、カルピスウォーターと羊羹をさっと出してくれた。

その後も、台所で何かしている。

梨の皮をむいて切ってくれた。

すると、寒いらしく、上にジャージの上着をはおっていた。

亡くなった母が着ていたものだ。

そして、ソファに横になっていた。

なので食事の心配をして、食べたいものがあるか聞いても、食欲がないとか、自分でできるとか言う。

つまり、甘えないのだ。

でも、さすがに、冷蔵庫を見ても、食材になるような物がない。

なので、スーパーに行って、すぐに食べられそうな物を買う。

うどんとぜんざいを作る。

寒いと言うから、温かい物がいいと思い。

父に声を掛けると、すぐに起きてきた。

やっぱりやせ我慢をしていたのだ。

お腹が減っていたのだ。

きっと、この様子だと、昨日から食べてないのだろう。

一人暮らしの父は、こういうとき、心配だ。

元気になってくれればいいけど。