福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

「鼓童」演奏会2015(1)和太鼓集団による交響楽団的だが・・

2015年09月18日 17時02分41秒 | 音楽談義
 去る9月13日(日)秋田県民会館にて和太鼓集団「鼓童」の演奏会が開催され聴きに行った。私にとっては2011年6月「鼓童結成30周年スペシャル・ワンアースツアー2011」以来である。

 この集団は佐渡で1971年頃結成された。ちょうど私が医学部を卒業して新潟を去る頃に「佐渡の國鬼太鼓座(おんでこざ)」として活動を始めたことを知った。ずっと興味を感じていたが一度も公演に接することなく、そのうちその存在も忘れていた。

 2011年に「鼓童」なる太鼓集団の秋田公演があると知ったときに調べてみたら、何と、「鬼太鼓座」が1981年に「鼓童」として再デビューしていた。「鼓童」のメンバー達は今でも佐渡に本拠地を構え、太鼓の奥義を究めながら共同生活しているという。

 「鼓童」は創生期には作曲家石井真木氏が指導、2000年ころからは坂東玉三郎氏と共演を重ねながら深遠な表現を学んだとのこと。更に「鼓童」の燃えたぎるようなデザインの揮毫は岡本太郎氏の作である。最近では国内外の交響楽団、ジャズバンドとも共演している。

 2011年の太鼓集団の秋田公演は大小様々な和太鼓が10数ヶ人物と共に登場、ゆっくりとしたリズム、ピアニッシモで始まる序奏から始まり、全員の満身の力で打ち鳴らして始まった。10数名一糸乱れぬ見事なアンサンブルと言うべきで、打ち鳴らされた低域豊かな和太鼓の音がホールに反響し、私の腹に響いた。 しかしながら、「鼓童」の演奏はただ勇壮に太鼓をたたくのではなく、信仰に裏付けされたというべき、素朴な芸術性も高かった。 
 さらに、「男の肉体美」の表現、持久力、筋力、軽快な身のこなし、一つのことに打ち込む美、飛散する汗など、彼らの勇壮な演奏を通じて、私はエロス的な陶酔感すら感じられた。

 今回の公演も楽しみに待った。通常は買い求めることのない前売り券を早々に購入して待ちに待った。
 しかし、今回の「鼓童」の演奏会は私にとっては抱いていたイメージとは違和があった。前回に比較して勇壮さ、素朴さが影を潜めた、中途半端な(?)太鼓集団、舞踏集団の感じであった。
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