(3)司会は二人体制に 鐘は地域の音楽家に
2013年から司会を担当していた小田切アナから、廣瀬智美アナと二宮直輝アナが隔週で担当するようになった。77年の歴史という超長寿番組で、2人体制も初めてなら、女性アナが司会を担当するのも初めて。
小田切アナはエンターテインメント部門を得意とするアナウンサーとして高く評価されているが、今後は“後進の育成”も期待されているという。
小田切アナはCOVID-19に罹患もなく、10年間一度も休むことなく出演したという。司会者は各地の特徴を理解し番組で紹介するために週の後半は早めに開催地に入り、その地を番組で紹介する役目もあった。考えてみれば非人間的なスケジュールである。
その意味では、2人体制なら、どちらかに不測の事態が発生しても、もう1人が出演することができるし、週の後半の出張も隔週ならよりストレスが少ないだろう。
生番組だから司会に大きく委ねられるのは時間配分。
そのほかにも生ならではの小さなパプニングが起こるのも面白い。
中には鐘に気が付かず歌い続ける高齢者も稀にいるし、出場者の中には過緊張で本来より遥かに遅いテンポで歌うことも稀でなかったが、バックバンドが必死に歌についていくのも面白かった。こうしたバックバンドの粋な計らい、司会者の絶妙な計らいも今後は見られなくなってしまう。
同様のことは鐘担当の秋山氏にも言えること。
秋山氏は21年間番組に出演し、トレードマークの笑顔で番組の顔のひとつとなっていた。氏はこの間週末には家を空けてきた、ということになる。これも大変なことであった。やっと解放された。ご苦労様と伝いたい。
鐘は4月以降は各地のオーケストラの打楽器奏者が担当している。
(4)そのほか 変更点
NHKにとっても視聴者が登場する大切な長寿番組である。
視聴率は低迷傾向にあったが、出場希望者は減少傾向がない。毎回1000人以上の応募があるという。
◉番組のロゴも視認性を高めるものに変更。
◉テロップのフォントも変更。
◉出演者は舞台上に座り、順番が来ると中央の入場口から登場するように変更。
◉舞台の背景が派手派手の色調に変わった。そのために出場者の服装の色調と競合する時もある。私は背景は単純なものがいいと思う。
◉などなど・・・・
ラジオ・TVの視聴者参加番組『NHKのど自慢』は今後も続いて行って欲しいものだ。