私が動物園を訪れたのは2005年の犬山市のモンキーセンター以来である。
私が秋田市に転居してくる1年前までは、ミニ動物園が千秋公園内にあった。1972年に大森山公園に開園した。大森山動物園は一度来たことがあるが、多分30年振りかもしれない。結構広いと思ったが、動物園としては小規模らしい。
大人の入園料は720円でちょっと高いかとも思ったが、1年間有効の、何度でも入れるパスポートが1230円で逆に安すぎるのではないかと思った。エントランス等は若干記憶があるような気もしたが大きく改築され、土産売り場、レストラン等が併設されている。他はざっと記憶にあるだけ。なぜか、フラミンゴ舎だけははっきり記憶にあった。
孫は両親に任せ、独りで園内を闊歩した。他の施設を知らないので何とも言えないが、一つ一つの畜舎があまり清潔でないような気がした。
オオカミが精悍な表情で畜舎内を闊歩していたのは印象深かった。思ったより頭部が大きい。
サル山には100頭ほどのニホンザルが自由に行動しているが、よく秩序が保たれていると感心した。やっと一人で遊べる様になったばかりのチビ猿たちは表情が可愛い。ときに子供同士の喧嘩やいたずらがすぎる様なときは側の猿がたしなめる。
私など孫の親に、要するに、長女や次男夫婦に遠慮してしつけなどに関して口を出すことは一切ないが、猿山の集団を見ていると本来のしつけなどはこうあるべきなのだ、と思ってしまう。そんな様子は見ていて楽しい。この猿山を見ながら、2005年の犬山市のモンキーセンターを訪れたきっかけは京都大学霊長類研究所所長の、「猿の世界からは人間を学ぶことができる」、という講演であった。確かに学ぶことは多かった。
たまたまライオンの檻の前にたたずみしばらく眺めていた。雌雄各一頭だらしない格好で草むらに寝そべっていた。子供達も数人ほどいたが、「寝てばかりいるから面白くない」と言って離れていった。確かに、ライオンは夜行性であり、昼の姿は怠惰である。
ところが、私一人になった途端、そばにいた雌ライオンが何を思ったか、やおら立ち上がり、私に向かって大きく口を開け激しく啼き始めた。しばらくして傍の雄ライオンも同調した。威嚇の叫びだろうか。
私はTV番組とかで獣の鳴き声は結構聴いているが、そんなレベルの声ではない。一啼き30秒ほど続き、時折「ガオー」と言った甲高い叫び声を交え、「ウーウー」とけたたましく吠え続ける低音域の持続がすごい。二頭で2分ほど吠え続け、突然ピタと鳴き止み、何事もなかった如くに草むらにドタッと横になって静かになった。
さすが百獣の王と言われるだけのことはある、と実感した。良いところに居合わせたものである。
私のその日の風貌はヒゲも髪も伸び放題であったが、まさかそんな私に吠えたのではなく、100%偶然だろう。
ライオンの生態は良くわからないが、ライオンに吠えられたのを良い機会に、私は明日散髪しヒゲも短くしよう、と決心して帰途に着いた。
私が秋田市に転居してくる1年前までは、ミニ動物園が千秋公園内にあった。1972年に大森山公園に開園した。大森山動物園は一度来たことがあるが、多分30年振りかもしれない。結構広いと思ったが、動物園としては小規模らしい。
大人の入園料は720円でちょっと高いかとも思ったが、1年間有効の、何度でも入れるパスポートが1230円で逆に安すぎるのではないかと思った。エントランス等は若干記憶があるような気もしたが大きく改築され、土産売り場、レストラン等が併設されている。他はざっと記憶にあるだけ。なぜか、フラミンゴ舎だけははっきり記憶にあった。
孫は両親に任せ、独りで園内を闊歩した。他の施設を知らないので何とも言えないが、一つ一つの畜舎があまり清潔でないような気がした。
オオカミが精悍な表情で畜舎内を闊歩していたのは印象深かった。思ったより頭部が大きい。
サル山には100頭ほどのニホンザルが自由に行動しているが、よく秩序が保たれていると感心した。やっと一人で遊べる様になったばかりのチビ猿たちは表情が可愛い。ときに子供同士の喧嘩やいたずらがすぎる様なときは側の猿がたしなめる。
私など孫の親に、要するに、長女や次男夫婦に遠慮してしつけなどに関して口を出すことは一切ないが、猿山の集団を見ていると本来のしつけなどはこうあるべきなのだ、と思ってしまう。そんな様子は見ていて楽しい。この猿山を見ながら、2005年の犬山市のモンキーセンターを訪れたきっかけは京都大学霊長類研究所所長の、「猿の世界からは人間を学ぶことができる」、という講演であった。確かに学ぶことは多かった。
たまたまライオンの檻の前にたたずみしばらく眺めていた。雌雄各一頭だらしない格好で草むらに寝そべっていた。子供達も数人ほどいたが、「寝てばかりいるから面白くない」と言って離れていった。確かに、ライオンは夜行性であり、昼の姿は怠惰である。
ところが、私一人になった途端、そばにいた雌ライオンが何を思ったか、やおら立ち上がり、私に向かって大きく口を開け激しく啼き始めた。しばらくして傍の雄ライオンも同調した。威嚇の叫びだろうか。
私はTV番組とかで獣の鳴き声は結構聴いているが、そんなレベルの声ではない。一啼き30秒ほど続き、時折「ガオー」と言った甲高い叫び声を交え、「ウーウー」とけたたましく吠え続ける低音域の持続がすごい。二頭で2分ほど吠え続け、突然ピタと鳴き止み、何事もなかった如くに草むらにドタッと横になって静かになった。
さすが百獣の王と言われるだけのことはある、と実感した。良いところに居合わせたものである。
私のその日の風貌はヒゲも髪も伸び放題であったが、まさかそんな私に吠えたのではなく、100%偶然だろう。
ライオンの生態は良くわからないが、ライオンに吠えられたのを良い機会に、私は明日散髪しヒゲも短くしよう、と決心して帰途に着いた。