中谷敏太郎中通リハビリテーション病院名誉院長のご葬儀は本日14:00より明和会体育館において中谷家と明和会の合同葬として営まれたが、私は新型インフルエンザ・パンデミック時の危機管理が主題である東北ブロック感染症危機管理会議への出席を優先させた。尊敬出来る数少ない臨床医のお一人として個人的にも、また、法人内の立場の上からも葬儀に列席できず実に残念であったが、私は今回は別の立場の方を優先させた。とても残念であるがやむを得ない。
中谷先生の業績は法人や病院の発展に貢献されたことに留まらない。兵器廃絶、被爆者援護法生態などの平和運動、労働者の健康問題、各種の社会保障制度改善運動などの方面での活動も挙げなければならない。常に社会をクールに見つめ、弱者に温かい目を注ぎ、社会運動に参加されていた。
先生は広島県出身で、自らも被爆体験がおありになったと聞いたこともあるが、秋田市近隣の被爆者の検診や健康管理も一手に引き受けられていた。その二次検診の役割は私がずっと担当している。数少ない先生と私との間の接点である。
私が中通病院に赴任してきて2年目のこと、秋田県民医連学術集談会を主催する機会があったが、その時特別講演を依頼した。その時に初めて直接お会いして対話したのであるが、その時、私が血液の臨床を学んでいたことを知っておられ、「自分が若い頃、急性虫垂炎から敗血症を起こした患者さんを慢性骨髄性白血病と誤診しましてね・・」と切り出された。その時の先生の謙虚な表情、表現から臨床医としての優れた姿勢が直感でき、互いの距離が急速に縮まったことを自覚し、その後は先生のかかれた多くの文献を親しみを持って読ませていただいた。病院の図書室にこもり文献を収集されいた先生のお姿にも数多く接した。
心に残った著書として前後二冊の「長生きの本」がある。高齢の方々に対する先生の暖かな慈しみの気持ちがあふれ出ている名著である。私の講演の資料としても何度も何度も使わせていただいた。
私の問題点の一つとして人と交わることが少ないこと、を挙げねばならない。この病院に勤務してからもう20年にもなるが、医師をはじめ、共に働いている職員達との対話は少なく、プライベートな事に関しては興味も知識も殆どない。中谷先生に関しても、臨床医として、社会運動家の一人として注目はしていたし尊敬も気持ちもあったが、私が中谷先生に関し記述できることは余りにも少ない。
後に、医師会雑誌他に先生をしのぶ追悼文が掲載されると思う。私はそれを読むのを楽しみにしている。恐らく私の知らない先生の面影が語られると思う。さらに、先生の遺稿集がまとめられないのであろうか、とも思うし願っている。
中谷先生、心からご冥福をお祈りします。ごゆっくりお休み下さい。
中谷先生の業績は法人や病院の発展に貢献されたことに留まらない。兵器廃絶、被爆者援護法生態などの平和運動、労働者の健康問題、各種の社会保障制度改善運動などの方面での活動も挙げなければならない。常に社会をクールに見つめ、弱者に温かい目を注ぎ、社会運動に参加されていた。
先生は広島県出身で、自らも被爆体験がおありになったと聞いたこともあるが、秋田市近隣の被爆者の検診や健康管理も一手に引き受けられていた。その二次検診の役割は私がずっと担当している。数少ない先生と私との間の接点である。
私が中通病院に赴任してきて2年目のこと、秋田県民医連学術集談会を主催する機会があったが、その時特別講演を依頼した。その時に初めて直接お会いして対話したのであるが、その時、私が血液の臨床を学んでいたことを知っておられ、「自分が若い頃、急性虫垂炎から敗血症を起こした患者さんを慢性骨髄性白血病と誤診しましてね・・」と切り出された。その時の先生の謙虚な表情、表現から臨床医としての優れた姿勢が直感でき、互いの距離が急速に縮まったことを自覚し、その後は先生のかかれた多くの文献を親しみを持って読ませていただいた。病院の図書室にこもり文献を収集されいた先生のお姿にも数多く接した。
心に残った著書として前後二冊の「長生きの本」がある。高齢の方々に対する先生の暖かな慈しみの気持ちがあふれ出ている名著である。私の講演の資料としても何度も何度も使わせていただいた。
私の問題点の一つとして人と交わることが少ないこと、を挙げねばならない。この病院に勤務してからもう20年にもなるが、医師をはじめ、共に働いている職員達との対話は少なく、プライベートな事に関しては興味も知識も殆どない。中谷先生に関しても、臨床医として、社会運動家の一人として注目はしていたし尊敬も気持ちもあったが、私が中谷先生に関し記述できることは余りにも少ない。
後に、医師会雑誌他に先生をしのぶ追悼文が掲載されると思う。私はそれを読むのを楽しみにしている。恐らく私の知らない先生の面影が語られると思う。さらに、先生の遺稿集がまとめられないのであろうか、とも思うし願っている。
中谷先生、心からご冥福をお祈りします。ごゆっくりお休み下さい。