福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

現代人に必要な「いやし」(13)  キラキラネーム??

2018年05月31日 08時11分59秒 | コラム、エッセイ
 私はペットと人間の関係について興味があり資料を集めている。ペットを通じて社会の変化、人間の変化、自身の心情の変化、が読み取れるからである。

 私がキラキラネームブームや傾向は知っていたが、注目したのはある4人の兄弟の名前が新聞に紹介されたのを見てからである。
 4人兄弟で、上から幸虎(たから)君、龍煌(りゅうあ)君、頼瑠(らいる)君、澪流(れいる)君、夢妃(むうあ)さん。子供が誕生した時、生まれて初めてのすばらしい贈り物として両親が考え尽くして命名したのだろう。しかし、両親はどういう発想だったのか?多少疑問である。子供の名前を書くのに大変で無かったか?日常的に呼ぶのが難しく無いかったか??成長してからの人間関係で困らないか・・・などなど思ってしまった。この4人とお母さんはもうこの世にはいない。

 キラキラネームがいつことから目立ってきたのかわからないが、20年ほど前だろうか。内科の診察に訪れる若い患者にはまだみることは少ないが、大学の合格者などの名簿はフリガナがなければ殆ど読めない。
 ペットにも最近キラキラネームが目立つ様になってきた。
 新聞や雑誌で「かわいい家族達」などとして写真で紹介されるコーナーがあるが、私はその写真には興味が無いが、「家族」としての名前に興味を持っている。ペットの世界でもキラキラネームが目立つようになった。

 家族の一員であるペットと飼い主の距離感はネーミングにも影響して来ている。
 拳(パンチ)、ウルル、アショア、友絆(ユズ)、マロン、励生(レオ)、志音(シフォン)、光音(ライオン)、オリーブ、オスカー、オセロ・・・、最近の名前である。

 むかし、イヌはポチ、ネコならミケが代表的だった。童話にも登場している。動物保険のアイペット損害保険が契約者が申告した愛大・愛猫の名前を調べたところ、ポチは312位。ミケは2392位だったという。

 動物は名前を付けることで、ぐっと身近な存在になる。ぺットと人の距離か縮まれぱ、名前も自然と子どもの名前ににじり寄ってくる。

 ペット名が多彩化する背景にには、ペットそのものの変化がある。純血化が進み、購入費用も安くないから、もあろう。日本ペットフード協会の調査では、イヌの9割近くがが純血種なのだそうだ。

 我が家のネコはみんなタダ。タダにキラキラネームはそぐわない。

 ちなみに我が家のネコの名前は、古くは、タロ、ナンナン、ミーシャ。現役の七匹は、ユー、小さい方、プチ、鉄、雪音、グリ、縞ジロウ。
 これらのネコは私の人生に、キラキラでなく、鈍い光を与え続けてくれている。
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現代人に必要な「いやし」(12)  ネコで癒される??(1)

2018年05月30日 04時40分12秒 | コラム、エッセイ
 私はペットと人間の関係について興味があり資料を集めている。ペットを通じて社会の変化、人間の変化、自身の心情の変化、が読み取れるからである。

 「空前のネコブーム』が続いている。
 日本ペットフード協会が昨年発表した推計飼育数でネコがイヌを初めて上回った。ネコの年間の経済効果は2兆円を超すという試算もある。

 メディア、ネットにも連日、愛くるしいネコの映像があふれ、見るものを癒やしている。私は、いま7匹のネコと同居している。これだけいると癒されるどころか世話が大変で、よそ様のネコの写真をみても特に感心することもない。それに他の猫を見ても全然かわいく感じない。

 このネコプームはどのように捉えられているか。
 某新聞社のアンケ調査がある。回答者1733人は男性56%、女性44%。
 「ネコが好きですか??」との設問に「はい」と答えたネコ派が「いいえ」とした非ネコ派を上回ったものの、差はわずかだった。男性で「好き」が46%、女性は60%。どちらかというと女性に好まれる傾向があるようだ。

 ネコとのふれあいを熱っぽく語るネコ派の附帯意見。
 ■悲しい時やつらい時、体をピタリと寄せてなぐさめてくれる。
 ■かわいいということ以外は何の役にも立たないけど、いてくれるだけで幸せ。
 ■ネコの魅カはいくつもある。勝手気ままなネコの生き方に引かれる。
 ■取っ組み合いのけんかをした時、飼いネコが間に入ってきた。
 ■ネコはさほど手がかからず、一人暮らしの年寄りにうってつけ。 
 ■後ろ姿がいい。つやつやした毛並みのネコがじっと座っている後ろ姿の、愛らしく高貴なこと。

 非ネコ派の附帯意見。
 ■目が嫌い。夜に見るとゾッとする。
 ■犬は盲導犬、警察犬、救助犬として役立っている。ネコが何に役立つのかを聞いたことはない。
 ■花壇や畑をきれいにすると、必ず近所のネコがやって来てふんをし、土を掘り起す。一番頭に来るのは種をまいたばかりの時だ」。
 ■さかりのついた野良ネコの鳴き声は安眠妨害。
 ■ネコが薄目を開けているのは、辺りの様子をうかがっているようで嫌。
 ■すりすりと寄ってくるのも気昧が悪い。

 などなど。
  クールな意見として、ぺット問題は騒ぎ過ぎ!!!、うるさい・・・というのもあった。私もどちらかと言うと騒ぎ過ぎ、そう思う。
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現代人に必要な「いやし」(12)  人はペットでなぜ癒される??(2)

2018年05月29日 18時34分58秒 | コラム、エッセイ
 私はペットと人間の関係について興味を持って資料を集めている。ペットを通じて社会の変化、人間生活の変化が読み取れるからである。

 10年以上前は「ペットはどんな存在?」と尋ねると、「子どもに近い・・・」と答えた人が約9割ほど。つまり、あくまで本当の子どもや家族とは区別されていた。
 最近は「うちの息子・娘」、「家族にほかならない」と直接言い切る方が大半となっている。家族のあり方が多様化するなか、ペットが動物のレベルを超えて堂々たる存在惑を持つようになっている。

 年配の方ではペットといわず「孫」という人も多い。孫のように甘やかし、丸太のように太ったり、成人病になったイヌやネコと暮らしている高齢者も多い。
 自分の孫が可愛くない筈はないのだが、今は別居して外孫が多いし、息子や嫁の手前孫との付き合いは遠慮せざるを得ない。ジジババと寄ってきた孫も成長に合わせジジババから離れて行く。お小遣いやお年玉等のお金の供給源としての関係になっていく。祖父母にとっては息子や娘を育てる過程で、将来は孫との交流を楽しみにしていたはずであるが、淋しく厳しい現実をむかえることとなる。オレオレ詐欺は日本に特有のとされているが、「日本のジジババに特有の心理」が背景になっている。
 その気持ちをペットに向ける事は自然の流れ、ともいえる。

 家族と言っても家族間では複雑な人と人とのかかわりがある。一見平穏で幸福な家庭に見えてもその内情を見れば問題を抱えていない家庭は無い。数多くの家庭争議や事件が生じ、その時点で明らかになる。単に外に出ない、出さないだけ。家族間でも、問題解決の為にときに正面から向き合う努力をしなけれぱならなくなるが、そんなときにペットがいれぱ、家族間の葛藤を和らげることもあるだろう。

 よく、「子はかすがいである」と言われるが、親には子供の養育に関しては責任と言う負荷が重荷になる。ペットへの責任はそれからみればはるかに軽いだけに、実際の、癒しに関しての役目はむしろ大きいような気がする。
 子は成長に応じて様々な価値観を持つようになり、新たな家庭内の争いの原因にもなり得る。しかし、その対応は簡単では無い、その点はペットは成長もせず、常に一定の、安定した存在である。ペットはあるときは「我が子や孫」であっても、事情が変われば突然「モノ扱い、邪魔者」になる可能性がある。ペットの素晴らしさの一つは究極的には「モノ扱い」になる可能性を秘めている所にも由来している。

 私の父は中年に達するまで厳格な祖父を超えることができない存在であった。
 地方公務員として定年近くまで勤務したが、職場も家庭もかなりストレスだったと思われるが、帰宅時には馬小屋にかならず立ち寄り、一定の時間を過ごしてから玄関を開けていた、という。後日、父の同級生であり、我が家の菩提寺である江岸寺の住職から私が直接聞いた話である。馬と会話していた、という。
 家庭が備えていたはずの情緒的安息化横能を、馬が一部ながら代替していたのだろう。
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現代人に必要な「いやし」(11)  人はペットでなぜ癒される??(1)

2018年05月28日 04時26分16秒 | コラム、エッセイ
 私は動物が好きだ。 何故好きなのだろうか。
 人間と違って、動物はそのものから逸脱することが無く、いつまでも同じだから、小さい存在だから、寿命が短いから、安心して付き合える事かな??
 私が共に暮らしたことのある動物を思いつくままにあげれば、ウマ、次いでイヌ・ネコ、ウサギ、ハト、ジュウシマツ、ベニスズメ、熱帯魚、コイ、金魚、小型のはコオロギ、スズムシまでで、常に何かと一緒に暮らしていた。動物から大いに癒やされてきた。

 今は7匹のネコと同居している。これだけいると癒されるどころか世話が大変である。

 私は動物が好きだが、私は一定の距離を開けた関係がいい。その意味ではイヌとの付き合い方は難しい。

 私はペットと人間の関係について興味があり注目してデータを集めている。ペットとの関係の変化を通じて社会の変化が読み取れると思うからである。

 2012年のデータでは、イヌまたはネコを飼っている所帯は全所帯の25%、ネコが975万匹、イヌが1153万匹、一か月当たりの餌代はネコが5263円、犬が7460円となっていた。
 2017年の一般社団法人ペットフード協会が発表したイヌとネコの全国の推計飼育数をみると、ネコが953万匹(前年比2.3%増)に対し、イヌは892万匹(同4.7%減)となっている。1994年の調査集計開始以来、初めてネコがイヌを上回った。なお両者の推定値が異なるのは別の組織の推定値だからで、直接の比較はできないが、傾向は知ることが出来る。

 後者のデータでは、イヌの飼育数は一貢してネコを上回ってきたが、差は年々縮まっていた。イヌは3年連続で減少し、ネコは2年運続で増加している。

 イヌが減少した事情は、90年代後半以降の小型犬ブーム時に誕生した犬が寿命を迎え、飼い主も高齢化し、新たな犬の「飼い控え」傾向が生じている。イヌはしつけや散歩が必要なため、ネコに比べて負担惑が大きく、敬遠されつつあるのだろう。

 最近は、ペットと人の関係がやや濃密になりすぎるのではないか?と思っている。
 背景には核家族化、高齢者単独世帯の増加など、人間関係が希薄になっていく中、愛情の転嫁が生じているためと思う。
 イヌを室内で飼うようになったことの影響も大きい。

 新聞や雑誌などのではペットとの生活を投稿している方が多いが、読んでいて鳥肌がたつほど濃密すぎて気持が悪い。
 ただ、他人がペットでどの様に癒やされようが、私があれこれ口出しすべき事柄ではない。何の問題もない。

 でも、ペットだけの写真ならまだしも、一緒に写っている飼い主の表情はどっか抜けていて、見るのも辛い。
 それにしても最近のペット達、飼い主よりもはるかに自信タップリ、立派な表情をしている。ペットの地位向上、人側の地位低下が見てとれる。

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現代人に必要な「いやし」(10)  現代人は死をいじ繰り回すから不安が高じる

2018年05月27日 08時07分54秒 | 医療、医学
 医学が発達した現代では、自然に死ぬことが難しくなっている。
 修飾された死は余りにも不自然、人工的なだけに、自分の場合どんな事になるのか、一般的には予想が付かない。この事が現代に生きる者に不安を醸している。

 日本人はマスコミを通じて、すっかり「不健康は悪しき事」、「健康はもっとも重要なのだ」と洗脳されている様だ。生老病死の生命現象のうちのネガティブな方だけに囚われて、一喜一憂している。

 生物の死に臨んで、人間の場合でも、もはや不自然な延命や医療など不要である。
 もしやったとしても、もたらされる成果は「死ぬる過程にある本人の不幸の延長」だけである。それを世話しなければならない我々の仕事は実に虚しい。死を受け入れる事ができない家族達の願いは、「死ぬる者に実は悲惨、残酷な現実」をもたらす。本人の意識がなくなって肉体的寿命が来ても、家族の希望と医療人の身勝手さから、無駄な延命治療が行われている。満足するのは、実は親不孝の子供たちだけである。背景に年金問題が絡んでいることがある。
 誰のための医療か??家族のため??医療人の自己満足のため??そこに本人の立場など考慮されない。

 どんなシテュエーションにションにおいても「健康」の重要性が説かれる。本当に「健康」って重要なことなのだろうか。「健康」でない人は不幸なのか??そんな事はない。一番大切な事は、生まれた環境にどう適応し、与えられた時間をどう生き、どう死ぬか、を自分自身で考え、時に運命に抗い、いろいろ実行していくことだろうと思う。
 
 「生老病死」は逆らえない自然現象であって、より良く生き、老い、病気を通じて死への過程をつぶさに体験すれば、死への過程をしっかり見つめれば、実はおもしろい人生になる、と思う。そんな状態であれ、何れは死ぬのだ。

 「死」を忌むべきものとして避けるのではなく、死は誰しも避けられないれない到達点である。死に興味を持つと死が怖くなくなる。いや、それ以上に、早く死んで見たくなる。しかしながら、死んだら全てが終わりだからそう急ぐ必要がない。じっくり味わえばいいのだ。その過程を書き残すともっといい。

 現代人にはいろいろな意味で「いやし」が必要である。
 最近は、家族であっても子供達や孫たちはもう癒しにならないようである。別居している家族は基本的に他人と同じ。理屈で、血の繋がりでつながっているだけ、と考える方が割りきれる。

 最近、注目ペット、AIロボット、宗教の癒やし効果は何に由来するのだろうか?
 
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