菅首相がCOVID-19対応の切り札と位置付けるワクチン確保は他国に比較して大幅に遅れていた。出遅れに焦った菅首相は従来の厚労省ルートではなく、当時の杉山駐米大使を動かし直接米ファイザー社本社に働きかけることにした。
以下がその交渉の概要である。
世界的危機の中で我が国が特別扱いを求めることは出来ないだろうが、国家の首長も一製薬会社からも結構軽く扱われていた。これは私が抱いた否めない印象である。
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(1)杉山駐米大使は「日本国総理からの連絡である」として同社に連絡を試みたが「同じようなリクエストは各国からきている」と全く相手にされなかった。
(2)壁にあたった杉山氏はトランプ政権の厚生長官であったA・アザール氏に仲介を依頼した。同氏は「あなたが電話してもファイザー社のCEOは電話にも出ないだろう。こちらでできるだけのことをやってみる」ということになった。
(3)A・アザール氏の申し出にファイザー社のCEOから「18:00から5分間のみ」電話可能との返事を得た、という。
(4)この時間に杉山氏が電話し、日本政府の窮状を訴えたところCEOは担当役員へ善処するよう指示する、との約束をした。
(5)この時の交渉によって、結果的に4月になっていた供給開始が2月に前倒しされたが、逆に十分な供給量確保の時期は6月から12月に後退した。
(6)その後は河野担当大臣が先頭に立ち、総理もファイザー社のCEOと直接交渉することで「9月までに全ての対象者に確実に供給できる目処がたった」と会見で述べた。首相が就任当時に述べた計画より3ケ月遅れで確保できたことになる。
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米ファイザー社の規模はどのようなものであるかは私は知らない。また、今は全世界的にCOVID-19ワクチンを求めているという特殊な時期に当たるということもあろうが、ファイザー社の対応には驚く。首相からの申し出に対し「同じようなリクエストは各国からきている」と全く相手にされなかった、というのは厳しい。
米国のビジネス界の平均的な対応なのだろうか?
この件に関してこのエピソードだけで全てを理解できるわけではない。ここに至るまでのワクチン確保の過程も大事だろう。しかし、それについて知ることは出来ない。
五輪問題を含め国家としての尊厳は軽視されている、と思う。
以下がその交渉の概要である。
世界的危機の中で我が国が特別扱いを求めることは出来ないだろうが、国家の首長も一製薬会社からも結構軽く扱われていた。これは私が抱いた否めない印象である。
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(1)杉山駐米大使は「日本国総理からの連絡である」として同社に連絡を試みたが「同じようなリクエストは各国からきている」と全く相手にされなかった。
(2)壁にあたった杉山氏はトランプ政権の厚生長官であったA・アザール氏に仲介を依頼した。同氏は「あなたが電話してもファイザー社のCEOは電話にも出ないだろう。こちらでできるだけのことをやってみる」ということになった。
(3)A・アザール氏の申し出にファイザー社のCEOから「18:00から5分間のみ」電話可能との返事を得た、という。
(4)この時間に杉山氏が電話し、日本政府の窮状を訴えたところCEOは担当役員へ善処するよう指示する、との約束をした。
(5)この時の交渉によって、結果的に4月になっていた供給開始が2月に前倒しされたが、逆に十分な供給量確保の時期は6月から12月に後退した。
(6)その後は河野担当大臣が先頭に立ち、総理もファイザー社のCEOと直接交渉することで「9月までに全ての対象者に確実に供給できる目処がたった」と会見で述べた。首相が就任当時に述べた計画より3ケ月遅れで確保できたことになる。
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米ファイザー社の規模はどのようなものであるかは私は知らない。また、今は全世界的にCOVID-19ワクチンを求めているという特殊な時期に当たるということもあろうが、ファイザー社の対応には驚く。首相からの申し出に対し「同じようなリクエストは各国からきている」と全く相手にされなかった、というのは厳しい。
米国のビジネス界の平均的な対応なのだろうか?
この件に関してこのエピソードだけで全てを理解できるわけではない。ここに至るまでのワクチン確保の過程も大事だろう。しかし、それについて知ることは出来ない。
五輪問題を含め国家としての尊厳は軽視されている、と思う。