人の「意識」とはどのようなものなのか、まだその実態は科学的には知られていない。
哲学者たち、心理学者たちは医学や生物学が発展するよりも遥か前から意識について考えてきた。意識の捉え方は長い歴史がある。
古代ギリシャの哲学者プラトンは「私たちは自らの意識を通じてしか世の中を見ることができない」とか、「我思う。故に我あり」と述べたデカルトの「我」はまさしく意識、自我そのものである。
人間の「意識」については解明はまだではあるが、私たちは日常「正常な意識」と「生理学的にコントロールされた意識の喪失状態」を毎日往復している。これがすなわち睡眠である。
睡眠と覚醒の基本
●睡眠は、身体や脳が休息し、修復や整理を行うための状態。外界からの刺激に対して反応しにくくなり、意識が低下する。
●覚醒は、意識がはっきりしていて、周囲の状況を認識し、活動的に行動できる状態である。
睡眠の仕組み
●睡眠と覚醒は、脳の特定の部分の電気的働きや神経伝達物質の働きによって調整されている。特定の部位というのは視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分が、体内時計をコントロールしている、とされている。
●神経伝達物質:覚醒状態では、ノルアドレナリンやセロトニン、ヒスタミンなどが活発に働き、脳を覚醒させる。一方、睡眠時には、メラトニンやGABA(γ-アミノ酪酸)などが働き、脳細胞をリラックスさせる。
●睡眠の段階とサイクル: ノンレム睡眠は深い眠りの段階で、身体の修復や記憶の整理が行われる。これに対してレム睡眠とは睡眠中にもかかわらず脳が活発に働いている状態で夢を見ることが多い。ノンレム睡眠、レム睡眠を人では90分サイクルで繰り返し、記憶の定着や感情の調整に関与していると考えられている。
●睡眠の重要性:睡眠は、身体の健康維持や免疫力の向上、脳の働きの最適化に不可欠で、 睡眠不足は、集中力の低下や免疫力の低下の原因になる。
睡眠にまつわるこのような現象を考えると、正常な「意識」の維持にはかなりのエネルギーが必要であり、睡眠の介して一定期間の休息がとても必要であることがわかる。