福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

総裁選2021(12) 自民総裁候補に臨む(8)  裁選は岸田氏 

2021年09月30日 07時34分01秒 | 政治・経済 国際関係
 自民党総裁選は岸田文雄氏が選出された。4氏が立候補し、「本命」不在といわれた総裁選、この4人の中では一番無難な人・・と消去法で選ばれた気がする。総裁選での意見表明では静かで最も目立たなかったのに。
 ダークホースは河野氏。積極的に発言したが、変化のない安定を目論む自民党では要注意人物の一人であった。

 今回の総裁選には、男女同数が立候補し、子育て支援などに従来以上の光が当たった。また、派閥の意向に縛られず、個人の判断で投票先を選ぼうという動きもあっり見るべきものもあった。

 いち早く総裁戦出馬に名乗りを上げた岸田氏は議員としてのキャリアも、過去の総裁選出馬経験から見ても順番的に総裁に最も近い存在であった。どんな意見を吐こうが、保守の自民にとっては岸田氏の当選は順当であった。

 氏は「政治の根幹である国民の信頼が大きく崩れ、我が国の民主主義が危機に陥っている」との認識を示した。また、新自由主義的な経済政策が格差拡大を招いたとして、「成長と分配の好循環による新しい日本型の資本主義」を掲げた。しかし、これは選挙用の言葉としか見えない。

 私は6年余に及んだ安倍長期政権の後半は嘘で固めた説明に終始し、私は失望した。国会論戦を避け、説明責任をないがしろにした。政権に批判的な人たちを敵視した。COVID-19では専門知を軽視し、独善的な意思決定も少なくなかった。
 菅政権は1年で行き詰まったが、政策が悪かったためではない。政治家として未経験の、不得意のCOVID-19対策に奔走せざるを得なかったことが大きい。その結果、ちょっとだけ先が見えてきた。菅首相の業績である。

 安倍政権の「負の遺産」は多く残されてそのままになっている。「国民の信頼が大きく崩れ・・・」という背景は安倍政権にある。ならば、それらにけじめをつけ、国民の信を取り戻せるか、岸田氏には覚悟と実行力が厳しく問われる。しかし、氏は出来ないだろう。

 岸田氏は総裁選の最中、安倍氏に配慮した発言を繰り返してきた。
 ■森友学園をめぐる公文書改ざん問題:「国民が調査が足りないと言っている」といいながら、再調査を否定。
 ■選択的夫婦別姓:推進の立場から慎重姿勢に転じた。
 ■憲法改正:自衛隊明記を含む改憲4項目の発議に意欲。
 ■敵基地攻撃能力の保有:「選択肢」とした。
 ■女系天皇:「反対」も明言。
 ■政治とカネの問題:参院選広島選挙区での1億5千万円の使途を有耶無耶に??
 ■選挙前、国会で論戦を:感染対策と経済活動の両立に難しいかじ取りを迫られる。コロナ対策では、最悪の事態を想定し、自ら国民に丁寧に説明するというが、??
 ■党改革:中堅若手を大胆に起用し、役員任期は1期1年で連続3期までとした。小選挙区制で党本部の力が格段に強まったのに、党運営の改革が手つかずだという認識は正しい。

 政治への信頼回復というならば、岸田氏は真摯に説明を尽くす姿を国民の前に示すべきだ。
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総裁選2021(11) 自民総裁候補に臨む(7)  新総裁選は岸田氏 菅義偉氏の業績を振り返る

2021年09月29日 08時54分41秒 | 政治・経済 国際関係
 自民党総裁選は本日岸田氏に決定した。
 予想の通り、自民党は最も無難な人選をした。堅実だろうが大きな変化は期待できない。

 総裁が変わった時点で最後に菅首相の一年を考え直してみたい。
 菅首相は前政権で解決を見なかった政策について短時間でかなり進めた。
 政治手腕としては認めるべき点が多々あった。

 (1)官房長官時代の業績:ふるさと納税制度。
 私はふるさと納税制度自体はいいアイデアだと思っている。地方で経費をかけて育成した人材が大都市で納税する構造、これは地方から見れば理不尽である。だから、郷里に対して納税の一部を振り分けることができる納税制度は素晴らしい制度だと考えている。しかし、そこに見返り品という報酬をつけたことは問題である。国民の三大義務の一つである納税を景品付きのネット通販まがいにしたことは許しがたい。
 日本は文化として寄付が少ない国である。寄付は基本的には見返りを期待しない無償行為である。景品付きの納税制度は寄付文化の一層の衰退に結びつく。
 私は寄付はするがふるさと納税はしない。

 (2)首相としての業績
・携帯電話料金値下げ問題は特筆もの。名だたる日本の大企業ですら収益率が5-6%でしかないのに携帯電話3社はユーザーを寡占し、世界一高い料金で20%もの収益率を挙げてきた。我が国の多くのユーザーは契約内容を十分理解しないで言われるがまま使用契約を結んでいる。スマホ料金は各人月額5.000-10.000円程度またはそれ以上ではないのだろうか?あまりにも高いと思いながらも便利さの陰に隠れてしまって上がった声は小さかった。
 私のスマホは主として音楽プレーヤーで、通信機器としてはほとんど使用していないが8.000円/月程度であった。それが3000円程度/月なった。

・原発処理水の海洋放流を決定
・果物の相次ぐ海外流出を阻止するため「種苗法」を改正
・学術会議の改革着手
・個人/中小/フリーランスあらゆる業種へ給付や減税・免税などの支援策
・日米豪印(通称クアッド)を推進
・オーストラリアと円滑化協定
・COVID-19対策として、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3種のワクチンを国民全員分確保
・3回目もワクチン確保
・ワクチン接種スピードも世界トップクラス
・台湾、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピンへCOVID-19ワクチン提供
・G7首脳宣言で台湾海峡明記
・邦人避難のためアフガンに自衛隊を派遣
・東京オリンピックを何とか成功に導いた
・COVID-19の感染者は最近急速に減少しているが、菅首相のワクチン対応は総裁選不出馬決定以降に顕著になった。評価すべきである。
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総裁選2021(10) 自民総裁候補に望む(6)  明日総裁選

2021年09月28日 08時18分16秒 | 政治・経済 国際関係
 自民党総裁選は明日決定する。
 新聞評からは 河野>岸田>高市>野田との見方があるが、私は岸田>河野>高市>野田の順ではないかと思う。

 私が知り得たのは新聞紙からの情報であり、当然不十分。その中での印象は以下の様にまとめられる。

 河野氏は種々の政策提起で見るものがあリ、言葉の端切れもいい。だが、人間的に見てアクが強い印象で必ずしも周囲に好まれていない印象がある。
 高市氏は一番タカ派的である他に安倍前首相の声がかりがあるのが今回はネガティブに評価されるであろう。
 野田氏はスタート時点で出遅れがあり、政策はとてもマイルド。
 岸田氏は何も目新しい政策を感じ取れないが、あくまでも自民党的保守である。だから、多数の票を集めるだろう。

 今回は大きく抜きん出た候補者でないとことに論戦上意味があった。しかしながら、内憂外患を捌いていく力を感じ取れなかった。投票は一発では決まらず決選投票になるだろう。

 朝日新聞は自民党総裁選が18日に告示された後、同党の都道府県連の幹部を対象にアンケートを実施した。
 11県の幹部が総裁選でどの候補者を支持するかを明らかにした。
 11県のうち8県が岸田氏。2県が河野氏。岸田氏には安定感を、河野氏には刷新感を求める傾向があったという。
 あくまでも自民党という内輪内の意見だからそれほどの意義はないが、私は「ほぼ国民の意識も同じ傾向にある」、と思う。

 総裁候補四氏に改めて問いたかったいのは、日本には「内憂外患」が多数存在する。この中で日本をどう導いていくのかということである。
 その大局的立場に立ったビジョンが総裁選の討論の中で見えなかった。

 ■内憂
 第一は人口問題である。それが国力低下の全ての原因、遠因になっている。その影響について個々の問題は挙げる必要がないほど多方面にわたる。人生に例えれば老衰状態である。今更人口増は望めない。ならば人口減を見据えた国の在り方を示してほしい。

 ■外患
 第一は周辺国との微妙な関係である。日米同盟は様変わりしている。その中で国の安全と国民の命を守るためにどうするのか。日米同盟に頼るなら自前の力を高める必要がある。ソフト面、ハード面で抑止力をどう強化していくのか!!!。
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総裁選2021(9) 自民総裁候補に臨む(5) 年金問題各候補は?

2021年09月27日 05時40分16秒 | 政治・経済 国際関係
 2017年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した推計では、これから約50年間で実に3901万人の日本人が減少することになる。
 しかも、人口減少に急速な高齢化が伴っているから問題が大きい。

 これらは客観的に想定される統計であり、感情論的な悲観論でもない。
 日本社会は、これから世界で誰も経験したことのないほどのすさまじい人口減少と高齢化を経験することになる。
 世界の人口学者は日本の人口減に関して「もはや手遅れ・・、日本はどうなるのだろうか!!」と固唾をのんで見守っている。

 保守政権がずっと続いた。保守的社会では抜本的な変革はおこせない。
 従来の延長線上で小さな改革を続けていれば社会的には安定が続く。しかし、そこには大きな落とし穴が待っている。戦後日本の政治はほほ安定的に自民党が担ってきたが、結局はこの罠にハマってしまった。

 人口減問題は日本にとって危機的問題だと思うが、語るだけで具体策は無きに等しい。国内でこれの解決策はない。もう遅い。
 ところが、当の日本人の意識はどうかというと、人口減、高齢化はありとあらゆる分野で等しく影響を受けるのであるが、どの分野からもその危険の指摘は乏しかった。

 政治家が正面切って人口や出生率を問題にするのは下向きの政策として言い出し難かったのは確かであろう。

 一方では、以下のような「現実を見ない実現不可能な希望的観測」が識者等から挙げらた。
―――――――――――――――――――――――――――-
■ 一人あたり生産性を上げれば経済は維持できる
■ AIやロボットの活用も見込める
■ 一億総活躍で、女性や高齢者も働けば大丈夫
■ 出生率が高まれば人口一億人は維持できる
■ ・・・・・などなど
―――――――――――――――――――――――――――-
 さてここに至って年金改革の必要性を訴える声が政府・与党内で相次いでいる。

 人口減少、構成の変化が進む中、現状のシステムのままだと公的年金の1階部分にあたる基礎年金の給付水準が将来にかけて大きく目減りしてしまう。
 最近、田村厚労相が、厚生年金の保険料を使った基礎年金の給付水準の底上げを検討開始するよう省内に指示した。会社員らの保険料で自営業者らの年金を救済するのかといった批判は免れまい。
 このほかに、保険料納付期間を5年間延ばして65歳までとし、保険料財源を増やすことで給付水準を上げる考え方もある。

 私はここまで危機的状況を迎えたのは政権与党の責任、国会議員たちの先を見る目が乏しかったことを指摘したい。

 総裁選でも当然論議の対象の一つにしなければならないがその論議は低調である。
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 ■河野候補 今後の年金制度について消費税を財源とする最低保障部分の創設を打ち出した。公的年金は加入者の保険料を主な財源としつつ、基礎年金については半額が国庫負担で賄われている。河野氏が提唱したのは基礎年金部分をすべて税でカバーする案。
 改革案が出された背景には年金制度が抱える欠陥がある。
 2004年の年金改革では少子高齢化を乗り切るために、マクロ経済スライドと呼ぶ仕組みで年金給付を抑制することを決めた。
 ところが実際には過去17年間でマクロ経済スライドを発動したのはわずか3回しかない。欠陥があるルールだったからだ。

 この結果、年金財政は04年時点の想定よりも悪化した。基礎年金の給付水準も下がる。現在満額で月6.5万円だが、将来的には4.7万円程度になってしまう。 

 ■総裁選の他の3候補 岸田氏、高市氏、野田氏は税方式に否定的な姿勢をみせている。
 河野氏以外の候補者も年金をどう立て直すのかの考え方をもっと示してほしい。


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総裁選2021(8) 自民総裁候補に臨む(4) 人口問題・年金問題 論じるだけで対策しない国日本

2021年09月26日 05時03分50秒 | 政治・経済 国際関係
 日本の将来の国力を維持するには人口減問題にどう対処するかにかかっていた。
 人口問題に詳しい有識者達は数十年も、1930年頃から将来の日本の姿を予想し、主張していた。
 しかし、その声は小さく時の政治家達には伝わらなかった。

 日本は右肩上がりの成長をなしとげ、経済的・物質的豊かさを享受して来たが、バブル崩壊を機に景気が悪化した。この背景因子に少子・高齢化がからんでいたのにその自覚はとぼしかった。

 しかし、日本人の日本人による人口維持能力は、出産可能女性の絶対数が不可逆的に減少してしまった今となっては、すでにその機会は失ってしまった。

 私たちが生きる日本。これから先、どんな未来が待っているのだろうか。

 最大の懸案事項は「人口減」、「少子高齢化」であり、世界一のキビシイ状況にある。しかし、日本政府は、自民党は、ほとんど有効な手立てをしてこなかったから、日本は「人口問題に何も対策しない純粋な標本の国」として、世界中の人口学者が行く末を注目している。

 今は国内の地方では産業がなく、暮らしていく手立てが乏しくなっているから若者たちは東京に集中する事でなんとかバランスを保っているが、国力が一層低下していくと国内移動だけでは生活を維持できる状況になくなる。有志ある若者の「出稼ぎ」供給国と化す??そんなことも予想されている。

 日本人は従来の延長線上でのみ物を考える。なかなか本質に迫る考えに至らない。
 少子高齢化に対しする見通しがどうしようもなく甘かった。
■ 日本の為政者たちは数字に弱く、統計の見方をご存じないのでは?
■ 否、統計とまで行かなくとも「将来の人口推計」や、「出生率の推計」すら理解できなかったのではないか??
■ 社会に生じつつある事象を、要するに、将来を読めない人たちではないか??

 その結果、
■ 2016年に日本の総人口は33万人も減。
■ 2020年代に620万人減少する、その後は、年間100万人のペースで減り、2060年には9000万人になってしまう。
■ 4割近くが65歳以上の高齢者が占める。
■ 現在すでに年金、社会保障が破綻しかかっている
■ 農・漁業や小売業、サービス業、ものづくりの現場、そして教育、介護と、あらゆる分野で人手不足の波が押し寄せてきている。
■ 日本のいたるところ、いたる職種がが、「限界集落化」のコースの上にある。

 世界の人口学者は「日本はここまで至ればもはや手遅れではないか」と固唾をのんで見守っている。

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