福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

今期をもって県医師会役員を辞退(3)新旧役員懇親会での挨拶(1) 

2010年03月31日 19時36分08秒 | 近況・報告
 本日はこの様な会を催していただき大変ありがとうございました。
 私は今期限りで県医師会役員を辞することとし、会長、副会長から了承をいただきました。来期から困難な責務を負う新執行部の方々に心から敬意を表したいと思います。今後は一会員の立場から会員としての責務を果たしたいと考えております。

 私の医師会歴は結構長くなります。会員になったのは秋田大学の時でしたが、どんな経緯で医師会に入会したのかはよく覚えておりません。1985年現病院に赴任し秋田市医師会員に異動、1992年4月から4年間、市医師会の理事を1996年から10年間県医師会の常任理事を、2006年から小山田会長のもとでは2期4年副会長を仰せつかりました。

 医師会活動を通じてとても良い経験をさせていただきました。枚挙に暇が無いのですがそのうちの幾つかを挙げてみたいと思います。
■ 1993年に県南地区に自治医科大学病院が進出してくるらしい(?)と言う問題が発生、県医師会は反対決議をすると共に自治医大問題検討委員会が設置され、私も委員の一人に選ばれました。この問題は当時の佐々木知事の発案で、現実にはあり得ない構想であるという結論を得て委員会に報告しました。
■ その時の働きが評価されたのか否か分かりませんが、1996年4月、故藤原会長の執行部が発足する際に県医師会常任理事となり危機管理部門も担当することになりました。同年7月国内にO-157問題が発生、県医師会内に相談室を設置し担当しました。
■ 寺田会長時代、1997年県医師会は設立50周年を迎えましたが記念事業の一つとして県医師会史(2)を編纂することとなり、広報・医報を担当していた私が責任者として指名されました。2000年3月に刊行できましたが、持ち前の経済観念ルーズさから予算より300万円も超過し、県医師会に大きな迷惑をかけてしまいました。
■ 2003年はSARS問題で秋田県担当部署と共に対策を進めましたが、国内発生例はなく事なきを得ました。この準備が新型インフルエンザ対応に役立ちました。同年秋、東北医連の席上、慈恵医大青戸病院事件関連の質問し坪井日医会長を怒らせてしまいました
■ 2009年、諸事情から役員の最後の一年と思っていたこの年に新型インフルエンザの流行を迎えたことは本当に奇遇でありました。10年以上も強毒型を想定して準備をしてきましたが、幸いなことに別タイプの発生・流行で、何とか乗り切ることが出来ましたが、感染症危機管理上大きな経験が出来ました。 
■ 2期4年間、小山田会長のもとで副会長を努めさせていただきましたが、私にとって本当に光栄なことでありました。十分なサポートが出来たのか、と自問すれば忸怩たるものがあります。

 この様にならべてみますと、随分長く役員をつとめたものだと改めて思います。ザッと総括すれば、随分頑張って来たと思う一方、やり残した事項の方が多かった様に思います。
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メタミドフォス混入中国餃子事件、捜査が進んでいたのか

2010年03月30日 08時12分21秒 | 時事問題 社会問題
 最初の被害発生から2年余、メタミドフォス混入中国餃子事件はどうなったのかと思いつつも半ば忘れかけていたのだが、一昨日、突然犯人が検挙されたと言う報道があって驚いた。

 普段から食品を購入している方々、中国との関連を持っている方々は決して忘れ得ない事件だと思う。国としても両国間で解決すべき重点課題の一つに挙げていた。しかし、最近ほとんどニュースとして掲載されることがなく、どうなっていたのかと気になる一方、もしかすれば中国側がうやむやに終わらせるのではとも思っていた。水面下では地道に捜査が進んでいたのか、と驚いたというのが実感である。

 この事件に関して、わが国の報道は大きいが、中国ではずいぶん簡単な報道ぶりだ、という。人民日報は容疑者拘束の記事を掲載さえしなかったらしい。中国が抱える経済的地域格差、貧富の著しい格差など社会のひずみから発生したからだろう、と言われている。
 経済的に恵まれない農民など出稼ぎ労働者を悪条件のなかで労働させていることで、労働者の不満が高じているという。犯行動機がここにあるとすれば、この社会的問題を解決していかなければ同じようなことが次々と生じていく。だから、今回犯人を拘束したことで事件がすべて解決したことにはならない。

 ただ、基本的には国内問題なのだろうが、わが国を始めとして並みいる先進国は中国を新しい市場、安い労働力・安価な製品を大量に提供する都合の良い途上国として扱い、国内の労働環境の悪化や、貧富の拡大問題等に拍車をかけていないのだろうか、と私は心配している。

 それと、事件当初、中国国内での混入を頑なに、ヒステリックに否定し、日本の捜査当局の考え方を激しく批判した中国の捜査関係者の姿勢も印象深く残っている。背景には国威の問題、国民性、二国間にわだかまる感情論等の背景もあると理解しているが、現時点ではこの点にはどう言及しているであろうか。
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医師の行為規範(6)患者の期待権

2010年03月29日 08時45分16秒 | 医療、医学
 医師には応招義務が課せられており、医師に対して大きな威嚇効果となっている。

 さらに、診療を断る事が出来ないのに、診療中の患者に有害事象が生じた際にはわれわれの側に損害賠償責任が発生する。その条件は■過失ある診療■患者に不利益が発生■両者間に因果関係、の3要件である。ただし、この際、適切な診療がなされていれば患者には不利益が生じなかった、ことを明らかに出来なければ因果関係無しと判断されるから、患者に不利益が生じたとしてもすべてが直ちに医療者側の責任に結びついた、というわけではなかった。そうであっても刑事・民事共に医師にとっては実に大きな負担となっている。

 ところが、昭和50年来、上記の如くでは患者側が不利であると言うことから、■過失ある診療■患者に不利益が発生した、と言う場合に、その因果関係が立証されない場合であっても、患者はその時点での標準的医療、過失などのない安全な医療を受けることが出来る、そう期待を持って当然という立場から患者の期待権という、新たな概念が導入された判断が行われる様になってきた。医師側は一層厳しい状況に押しやられてしまった。ただし、期待に反した結果が相当明らかな場合にのみ、これを認めるとの方向も最高裁は示しているのでわれわれ医療者に何でもかんでも期待権に反したという責任を問われるわけではない様である。今後の判例の蓄積が待たれるところである。

 そうは言えども、医療現場では実際には訴訟とかに至らないまでも、患者として、家族としての期待権が侵害されたというクレームが増えてきているのは現実である。私どもはあくまでも誠心誠意対応していくしかない。
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アトリオン室内オーケストラ第32回定期公演『オペラの華・リートの心』

2010年03月28日 13時40分39秒 | 音楽談義
 アトリオン室内オーケストラ第32回定期公演が3月22日14:00からアトリオンホールで行われた。定期で声楽を取り上げるのは2007年8月のフォーレ・レクイエム以来とのことである。
 先に、チケットの売れ行きが今ひとつとの連絡があったので3人分購入していたが結局誰も都合がつかず私一人で出かけた。それも時間的に苦しかったので前半で中座するつもりだったのだが、最初の演奏からつい引き込まれて全部聴いてしまった。

 演奏曲目を演奏毎に分類すると以下のごとくである。
◎ アトリオン室内オーケストラ演奏・大島義彰(指揮)■歌劇「椿姫」より''乾杯の歌"(ヴェルディ) ■第3幕への間奏曲(ビゼー)■カルメン・アラゴネーズ、第3幕への間奏曲(ビゼー)。

◎デュエット■「秋の歌」(シューマン)■「彼と彼女」(シューマン)■歌劇「カルメン」より(ビゼー)。

◎ ソプラノ・長谷川瑠美子■歌の翼に(メンデルスゾーン)■私は泣き呻き(ヴィヴァルディ) ■ハバネラ(ビゼー)、■セギディーリア(ビゼー)■歌劇「トスカ」より''歌に生き、愛に生き"(プッチー二)。

◎バリトン・高橋祐樹■菩提樹(シューベルト)■愛のよろこび(マルティーニ) ■闘牛士の歌(ビゼー)■歌劇「椿姫」より"プロヴァンスの海と陸"(ヴェルディ)。

 ソプラノの長谷川留美子氏は東成瀬村出身、バスの高橋祐樹氏は横手市出身で共に何度か聴いている方々である。最初の合奏ではヴィオレッタのソロ部分をコンマスのヴァイオリンソロが担当したが特に実に素晴らしく引き込まれた。
 お二人のソロ、デュエットも魅力的で引き込まれたが、最後に長谷川留美子氏が歌った「トスカ」より''歌に生き、愛に生き“のクライマックス部分は圧巻で、豊かな声量でアトリオンホールに共鳴しつつ響き渡り、演奏後の拍手、歓声も一際であった。

 アンコールとしてモーツアルト歌劇「ドン・ジョバンニ」から二重奏が演奏されるとの紹介があったが、終盤に何度かPHSが振動したので私は中座し、病院に急いだ。
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「日赤跡地の再開発・有効利用計画」はこれで良いのか?(2)現状維持はダメか?

2010年03月27日 09時36分36秒 | 秋田の話題
 本当に「美術館」移転、「秋田市にぎわい交流館」建設で街の活性化に創出につながるのか、については私も疑問に思う。

 箱物だけでは一過性の効果しかない。如何に継続的に人を呼べる様な企画を次々と繰り出すことが出来るか、の方が遙かに重要である。そのソフト面でのプランは計画されているのだろうか?それに、新企画実施は現存の施設のままでも不可能ではないと思うが、その動きも見えなかった。私は音楽が好きな方で、出来るだけ足を運ぶが、アトリオン、県民会館、それに文化会館の音楽ホールは自主企画が少なく有効に活用されていると思えない。それに、そもそも30万都市に音楽ホールが4つも要るのか?需要はあるのか?疑問である。建設後は確実に集客出来る企画を繰り出すことが出来るというのだろうか。

 確かにこの土地の有効利用によっては街の活性化に繋がる可能性はあるが、上記のプランでは心許ない。何も急ぐことはない。箱物を立てて効果がなかったでは後戻りできないし、経費が相当かさむだけに目もあてられない。現状のままでは本当にダメなのだろうか、とさえ思う。

 いっそのこと、災害時の市民の避難場所として、また、今まで通り、各種のエベント会場・駐車場とかに臨機応変に利用しながら時期を待つのはどうだろうか。今のままではダメだという大きな理由、焦って進めている様に見えるこの計画の真の背景は何なのだろうか。
 主目的が街の活性化だとしたら・・期待し難い。多目的の空間としての価値は論じられたのだろうか。
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