福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

日本の危機と対策2023(7) 人口減(4) マスコミは人口減をどう報道してきたか(2)

2023年04月30日 05時55分49秒 | 時事問題 社会問題
 (2)2015年6月8日の記事「人口減への危機感反映」では、池上清子日大教授の「出産や子育てに男性を参加させるなどの意見を挙げ具体的な処方箋を示したうえで、「社会全体での議論なしには、前に進めない」と説いた。課題実現への具体論を期待せるなど、みやすい仕組みや社会の合意を整えることが重要だ」との指摘を伝えた。

  (3)しかしながら、 8月1日の社説「人口減少を考え直す /『豊かさ』みつめる契機に」において、これまでの社説の論旨を転換させたような変化が見られる。論旨がぶれている。
 まず、「そもそも「人口減少=悪』なのか」と問い直した。その上で、明治維新後は富国強兵、戦後は経済成長という目標に向けて、「無理を重ねてきた疲労や矛盾が臨界点に達した結果が、人口減少となって現れているのでは??」、「人口減少は、本当に豊かで幸せを感じられる社会をつくっていくチャンスなのではないでしょうか」との某識者の見方を紹介している。ズレている。

 (4)その一方では、2015年8月8日からの連載「人口減日本/近未来からの警告」においては、「人口減少社会」がどのような歪みを生むかを身近な実例でわかりやすく報道し、人口減少に対する危機感を国民に訴えている。

 豊かさの実現に伴う価値観の多様化と言うならまだしも、人口減少を前向きに、メリット面から捉えた意見への変化は唐突な感じを禁じ得ない。
 確かに超長期でみれば、人口減は新たな均衡に向けた変化の始まりだが、来るべき人口減少に対する危機感が甘く、大きな違和感を覚えた。

 (5)また、8月9日「政治断簡:危うい 『大きな家族のため』」において、少子化対策が戦前の家族国家的な論理につながりかねない、との朝日らしい警戒感を示しているが、核家族化という不可逆的な流れは強く、それは時代錯誤的、心配し過ぎだろう。

 (6)8月13日の記事では「出産阻む要因取り除け/企業の地方移転支援を」において、増田寛也・元総務相も、『結婚したい』 『子どもを持ちたい』と「願う若者も多い」とし、「出産を阻む社会的、経済的な要因を取り除かなくてはいけない」と指摘する。

 政府の調査によれば、夫婦が理想とする子どもの数は2.4人。ところが、実際の合計特殊出生率は約1.4人。両者のギャップは出会う機会の減少や経済的理由、仕事上の制約、保育所の不足など種々の要因から生じている可能性が高い、と指摘している。

 朝日新聞を題材に人口減少に関する記事を検証したが、深刻さを欠く。
 出産可能の女性の人口がここまで減少すれば、子育て環境を支援しても効果はしれている。そこの最も大切な論点は必死に避けているようだ。

 私は若い女性を増やすことにしか解決策はないと考えていた。しかも日本人だけでは実現し得ないところまで状況は悪化していた、のだ。

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日本の危機と対策2023(6) 人口減(3) マスコミは人口減をどう報道してきたか(1)

2023年04月29日 18時03分07秒 | 時事問題 社会問題
 2015年の「地方消滅」、2019年の「老後の費用2.000万円」は結構インパクトがあったニュースである。ちょっぴり社会に影響を与えた様にみえたが、意外と持続性はなかった。

 「地方消滅」の報告の以降、新聞紙上で我が国の人口減のことが散発的に取り上げられるようになった。しかしながら、日本が消滅するかもしれない超重大な予測であるにもかかわらず、扱いが全般的に軽いとの印象を私は持った。実に不思議であった。

 私は半世紀も前から我が国の人口減に関心を持ち、資料を集め、種々の機会に勉強してきた。30年前から新聞記事のうち関心のあるものをスクラップし、2008年以降は電子的に保存している。その中で人口減少問題は最大の関心事で、関連記事はできる限り収集していた。

 そこで、私のスクラップに検索をかけて朝日新聞記事を読み返してみた。
 勿論、私が収集した資料であるから初めからバイアスがかかっている。データの数も少ない。それを承知の上で、当時のメディアの姿勢が分かるのではないか?? と検討を加えた。

 それを見ると、人口減問題に対してメディア全体の論調が甘く、真剣みがなく、しかも、どうも首尾一貫していないように感じられた。

 この頃の朝日の記事の論調は以下の如くであつた。
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 日本全国1800 市区町村の約半分が、2040年までに自然消滅する可能性がある。こうした推計が、2015年5月に官民合わせて三つの有識者グループが公表した。これを機会に、わが国の人口減少に対する危機意識がこれまでになく高まっている。

 政府は90年代以降、少子化問題に取り組んできたが、デフレと景気低迷が長期化するなか、対策は小出しで後手に回ってきた。 政府も、2015年6月に「骨太の方針」を閣議決定し、人口減少を意識し、50年後に1億人の人口を安定的に維持することを目標に掲げた。

 そこで、朝日新聞は、今こそ人口減少に対する国民的議論を行い、本格的な具体策を講じるべきと考えた(かに見える)。

 
(1)2015年5月26日の社説「人口急減社会の問い/生き方の再検討を迫る」ではまず、官民三つの報告書を踏まえて 「やるべきことははっきりしている」として、介護や子育てなどの事情に応じて柔軟に働ける制度を構築することや、高齢者に偏る社会保障を見直し、子育て支援などに振り向けることなどの具体的な処方箋を示した。そのうえで、「社会全体での議論なしには、前に進めない」と説いた。


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日本の危機と対策2023(5) 人口減(2) 国立社会保障・人口問題研究所将来推計(2)

2023年04月28日 07時18分23秒 | 時事問題 社会問題
●今回の推計で人口減少傾向が改善する、と受け止めることはできない。
————-不定の要素が多過ぎるが、後戻りはしない。減少は進む。

●中国や韓国など人口減や少子化に直面する国が増え、今後は人材獲得競争が一段と激しくなる。海外に見劣りしない水準に賃金を引き上げ、待遇しないと日本は選ばれなくなる。これは厳しい現実になる。

●今後必要なのは、人口減少抑止できると言う楽観を排し、急激に進む人手不足への対応に全力を注ぐことだろう。
————-子供を産める女性が少なくなった今、もう遅きに失した。が、常に努力は必要。

●15~64歳の生産年齢人口は2020年に7.509万人だったが、2045年には2割減の5.832万人になる。新技術で省人化を徹底するなど知恵を結集し、社会の機能を維持できる方策を模索しなければならない。
————-もう遅きに失したけどね。

●日本は移民政策によって将来が変わりうる。もっと正面から議論しなければならない。

●人口が急減した地域では道路や鉄道、水道、電線、河川や森林の保全といった維持が難しくなる。国土が荒廃する。国民の居住地をどう考えるか。地方都市も集約化が必要である。

●労働力の縮小と並行して高齢化は一段と進み、2043年には65歳以上の高齢者数がピークの3.953万人に到達する。高齢者に提供する年金、医療や介護の仕組みを追求しなければならない。

●半世紀以上前から現状の厳しい人口減少社会が指摘されてきた。今回の国立社会保障・人口問題研究所将来推計が示しているのは一層厳しい未来社会である。
ーーーー誰も対策してこなかったから今を迎えた。今後も同じなら推計通りとなる。

●出生率が長期的に2.20まで上がる、と夢想するのは人間の歴史を学ばないから。

●子育て支援政策は重要。しかし、5兆円投資の効果は出生率を0.1アップする程度の微々たる効果しかない。

●人口減で縮小する社会で生活や文化、経済活力を守る手立てを考えるべき。
ーーーー下り坂をそろそろ降りるように国のあり方を考えるべき。

●少子化対策の重要性は変わらない。出生数が増えれば人口減のペースは鈍り、活力ある社会を将来の世代に継承しやすくなる。

●固定化した男女の役割分担や硬直的な雇用慣行など、根本原因にメスを入れる対策が急務。
---------私は無力。全ての政治家の皆さん、よろしく。これは超党派的懸案なのだ。



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日本の危機と対策2023(4) 人口減(1) 国立社会保障・人口問題研究所将来推計(1)

2023年04月27日 04時56分00秒 | 時事問題 社会問題
 国立社会保障・人口問題研究所が将来推計人口を4月26日公表した。

 将来推計人口は5年ごとの国勢調査をもとに50年後までの人口を推計するもの。人口は出生率や平均寿命、外国人を含む出入国の状況によって変動していくが、近年の動向から将来像をはじいた。

 久々、インパクトのあるデータが発表された。
 2015年の「地方消滅」、2019年の「老後の費用2.000万円」もちょっぴり社会に影響を与えたが、意外と持続性はなかった。特に後者は深刻に考えなければならない方々は少なくないと思われるのに・・・不思議である。


国立社会保障・人口問題研究所が将来推計が示唆するもの  -----は私の感想
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●外国人を含む日本の総人口は2070年に8.700万人になる。20年の1億2.615万人から50年間で約3割減る。
——50年も前から分かっているのに今更何だ!!!

●日本の人口減少は着実に進み、社会のあちこちに深刻な影響を与える。
——もう明かになっているのに今更何だ!!!

●労働力が急速に減る。
——50年も前から分かっているのに今更何だ!!!

●社会機能をどう維持していく?? 上下水道だって維持困難に。

●増える高齢者をどう支えていくのか。厳しい未来図を直視して社会全体の変革を急げ!!!
——高齢者よ耐えろ!!!

●2020年の国勢調査を出発点とする今回の推計では、人口減少のペースが前回推計に比べて 若干緩んだ。総人口が1億人を割り込む時期は、前回の2053年から2056年に3年遅くなった。
——良かったが、ホント?

●出生率が改善するからではない。在日外国人を大きく見積もったから。前回調査では外国人の入国超過数を年6.9万人、今回は年16.4万人と2倍以上にした。この結果、2070年の外国人数は939万人と20年時点の3.4倍に増え、総人口の1割超の推計になっている。
ーーー日本の人口減対策の鍵は移民政策。これは私もずっと思い続けてきたこと。

●平均寿命が延びる。2020年時点の平均寿命は男性81.58歳、女性87.72歳だったが、70年には男性85.89歳、女性91.94歳になる。
ーーーここで一句:「寝たきりを 増やして今年も 世界一」。
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日本の危機と対策2023(3) 代表的項目から・・・

2023年04月26日 04時34分18秒 | 時事問題 社会問題
■防衛
 北朝鮮がミサイルを発射したか否かで数時間かけて解析しているが、こんな状態で防衛などできるのか?我が国へはミサイルが10数分で届くが、こんなモタモタ判断でどうなる??どうやって撃墜する??
 ホントは遥かに高度な情報を迅速に得ているのだが、戦略上あえてモタモタしている様に見せている??のかもしれない。どちらにせよ米日韓の連携は欠かせない。
 敵基地攻撃能力、核の共有など、安易に是とは言えないがじっくり検討してほしい。

 対中国で日本の防衛力を比較してみる。一言でいえば「日本は非力」である。
 中国軍の戦闘機数は日本の3.7倍、戦闘艦艇1.5倍にのぼる。中国軍の軍事力は米インド平洋軍の5~5.6倍に達し、ミサイル戦力でも大きく差広げている。米国のインド太平洋軍と自衛隊合わせても敵わない。

 露に比較してウクライナも明らかに非力であった。
(資料)
================================================-
●ウクライナ問題理解のための資料 (ミリタリーバランス2022年版より)
    ロシア       ウクライナ
——————————————————————————————————-
兵力       290万人      109万6600人
現役兵       90万人      19万6600人
予備役       200万       90万人
攻撃機         1511機        98機
攻撃ヘリ      544機        34機
戦車       1万2420両        2596両
装甲車両      3万122両       1万2303両
——————————————————————————————————-
 されどウクライナは国際支援のもと国民一丸となって対抗している。

 では、日本はどのような安保戦略を取るべきか。
 第一は対話による外交、国際協調だろう。
 北朝鮮への対応と共に、日本が重点を置くべきなのは、台湾海峡の安定。
 米中がぶつかれば大戦争になる可能性が高い。在日米軍などが標的になるほか、中国が作戦上、日本の南西諸島の一部を占拠しようとするとも考えられる。

■国際 
 自国主義の横行が予測され、国際協調の流れは停滞すると思われたが、ウクライナへのロシア侵攻でその重要性が再確認された。強大な国が屁理屈を並べて国家の主権を脅かす可能性の一つが今回具体化した。狂った指導者を正す道は唯一国際協調。それだけである。
 なんであれ自国を自分達で守らなければならないことが示された。我が国が標的になった場合、同盟があるからと言えども米国は安易には立ち上がらないはずである。世界大戦になりうるからである。ならばどうする??
  
■社会
 これからの国の危機管理対策として社会不安対策が必要となる。
 不安、パニック状態、拘禁ノイローゼ、詐欺横行、うつ病など増加、自死、SNSデマ横行、差別の横行など。どう対応するのか?
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などなど。

 検討すべき点はまだまだ幾らでもあるが私の立場では及びもつかない、記載しきれない。最大の問題点は人口減による国力の低下である。あらゆる分野に問題が生じていくが、解決策はその道のプロに、政治家に委ねるしかない。

 次からは非力ながら各論に移りたい。

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