日本相撲協会の理事長は「八百長相撲は過去から一切ない」、「全容解明し、ウミを出し切るまで土俵上で相撲をお見せ出来ない」、「調査・処分・再発防止をしっかりするのが場所開催の条件」と覚悟を述べ、特別調査委員会を発足させた。理事長の意気込みには力が入っている。社会への謝罪と宣言でもある。内容的には正論である。
しかし、私は理事長が如何に強調しようとも、今回の八百長問題は解明出来ないと思う。調査をどこまでも突き進めると、かえって泥沼に沈んでいくような悪しき結果となり、ひいては大相撲の崩壊につながる可能性がある、と思う。
今回の問題は野球賭博の捜査の過程で明らかになってきたのだが、警視庁が別件の捜査で明らかになった情報を他のことに用いたことは後々糾弾されるべきだろう。
それはさておき、特別委員会は力士に携帯電話の提出を求めているらしい。何で八百長相撲の対象者が14人に絞れるのかも分からないが、力士14人中4人が未提出だ、と言う。任意だから当然義務はないし、協会には捜査権はない。何で携帯電話にこだわるのかというとメール記録が調査の唯一の拠り所だとの立場かららしい。
この発想はおかしいのではなかろうか。例え、携帯電話にそれを示唆するメールが残されていたとしても、そのことが八百長をしたということにはつながらない。逆に、携帯メール以外の方法で連絡を取り合って合意する事も可能だった筈である。
今回、八百長問題に白黒をつけるのは困難だと思う。灰色解決もやむを得ない。
特別委員会の調査結果がどの様に出るか分からないが、出た時点で社会に対して八百長が疑われるような事態があったことを陳謝し、全力士に再発防止を求め、無気力相撲の監視体制とかを強化するしかないだろう。更に、八百長相撲が生じうる背景として関取と関取以外の身分や給与面で天と地ほどの大きな格差がある事も一因とされている。今の社会にあってこの様な体制、制度は非人道的に見える。この点は改善すべきである。
医療界にもかつては無給医局員という身分があった。国は若い医師に身分や報酬を与えず労働力を湯水の如く使ってきたと言う悪しき時代があった。私も大学で勉強したが、少しずつ変わっていく途上であったので無給の経験はない。ただ、助手に採用されるまでの期間は日雇い身分で、月額4万円前後の報酬で、土日はもっぱら地域の病院の日当直で生活費を稼いでいたものである。机が隣であった一年先輩は国家公務員の身分で、給料日、ボーナス支給日などは、悲哀を味わったものである。あまり思い出したくもない過去であるが、角界の実情を知ってつい思い出した。
しかし、私は理事長が如何に強調しようとも、今回の八百長問題は解明出来ないと思う。調査をどこまでも突き進めると、かえって泥沼に沈んでいくような悪しき結果となり、ひいては大相撲の崩壊につながる可能性がある、と思う。
今回の問題は野球賭博の捜査の過程で明らかになってきたのだが、警視庁が別件の捜査で明らかになった情報を他のことに用いたことは後々糾弾されるべきだろう。
それはさておき、特別委員会は力士に携帯電話の提出を求めているらしい。何で八百長相撲の対象者が14人に絞れるのかも分からないが、力士14人中4人が未提出だ、と言う。任意だから当然義務はないし、協会には捜査権はない。何で携帯電話にこだわるのかというとメール記録が調査の唯一の拠り所だとの立場かららしい。
この発想はおかしいのではなかろうか。例え、携帯電話にそれを示唆するメールが残されていたとしても、そのことが八百長をしたということにはつながらない。逆に、携帯メール以外の方法で連絡を取り合って合意する事も可能だった筈である。
今回、八百長問題に白黒をつけるのは困難だと思う。灰色解決もやむを得ない。
特別委員会の調査結果がどの様に出るか分からないが、出た時点で社会に対して八百長が疑われるような事態があったことを陳謝し、全力士に再発防止を求め、無気力相撲の監視体制とかを強化するしかないだろう。更に、八百長相撲が生じうる背景として関取と関取以外の身分や給与面で天と地ほどの大きな格差がある事も一因とされている。今の社会にあってこの様な体制、制度は非人道的に見える。この点は改善すべきである。
医療界にもかつては無給医局員という身分があった。国は若い医師に身分や報酬を与えず労働力を湯水の如く使ってきたと言う悪しき時代があった。私も大学で勉強したが、少しずつ変わっていく途上であったので無給の経験はない。ただ、助手に採用されるまでの期間は日雇い身分で、月額4万円前後の報酬で、土日はもっぱら地域の病院の日当直で生活費を稼いでいたものである。机が隣であった一年先輩は国家公務員の身分で、給料日、ボーナス支給日などは、悲哀を味わったものである。あまり思い出したくもない過去であるが、角界の実情を知ってつい思い出した。