福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

相撲界に再び衝撃、八百長疑惑が浮上 (4)携帯は八百長の物証にならない

2011年02月28日 13時35分50秒 | スポーツ、相撲、芸能など
 日本相撲協会の理事長は「八百長相撲は過去から一切ない」、「全容解明し、ウミを出し切るまで土俵上で相撲をお見せ出来ない」、「調査・処分・再発防止をしっかりするのが場所開催の条件」と覚悟を述べ、特別調査委員会を発足させた。理事長の意気込みには力が入っている。社会への謝罪と宣言でもある。内容的には正論である。

 しかし、私は理事長が如何に強調しようとも、今回の八百長問題は解明出来ないと思う。調査をどこまでも突き進めると、かえって泥沼に沈んでいくような悪しき結果となり、ひいては大相撲の崩壊につながる可能性がある、と思う。
 今回の問題は野球賭博の捜査の過程で明らかになってきたのだが、警視庁が別件の捜査で明らかになった情報を他のことに用いたことは後々糾弾されるべきだろう。

 それはさておき、特別委員会は力士に携帯電話の提出を求めているらしい。何で八百長相撲の対象者が14人に絞れるのかも分からないが、力士14人中4人が未提出だ、と言う。任意だから当然義務はないし、協会には捜査権はない。何で携帯電話にこだわるのかというとメール記録が調査の唯一の拠り所だとの立場かららしい。
 この発想はおかしいのではなかろうか。例え、携帯電話にそれを示唆するメールが残されていたとしても、そのことが八百長をしたということにはつながらない。逆に、携帯メール以外の方法で連絡を取り合って合意する事も可能だった筈である。

 今回、八百長問題に白黒をつけるのは困難だと思う。灰色解決もやむを得ない。
 特別委員会の調査結果がどの様に出るか分からないが、出た時点で社会に対して八百長が疑われるような事態があったことを陳謝し、全力士に再発防止を求め、無気力相撲の監視体制とかを強化するしかないだろう。更に、八百長相撲が生じうる背景として関取と関取以外の身分や給与面で天と地ほどの大きな格差がある事も一因とされている。今の社会にあってこの様な体制、制度は非人道的に見える。この点は改善すべきである。

 医療界にもかつては無給医局員という身分があった。国は若い医師に身分や報酬を与えず労働力を湯水の如く使ってきたと言う悪しき時代があった。私も大学で勉強したが、少しずつ変わっていく途上であったので無給の経験はない。ただ、助手に採用されるまでの期間は日雇い身分で、月額4万円前後の報酬で、土日はもっぱら地域の病院の日当直で生活費を稼いでいたものである。机が隣であった一年先輩は国家公務員の身分で、給料日、ボーナス支給日などは、悲哀を味わったものである。あまり思い出したくもない過去であるが、角界の実情を知ってつい思い出した。
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高齢者ドライバー(2) 高齢のタクシードライバーの車に乗った

2011年02月28日 02時20分07秒 | コラム、エッセイ
 先日のHIV関連研修会で仙台出張した折、駅から会場までタクシーを利用した。個人タクシーで高齢の運転手であった。
 概してのろのろ運転で能力的に大丈夫かと心配した。安全運転、というよりは対応力が鈍いことに起因するのろさの感じであった。その日は時間的に余裕があったからそのまま身を任せたが、料金の支払いなどもかなりノロノロしていた。その日はお陰で私ものんびりした気持ちになったのだが、急いでいるときは口を出したかもしれない。多分私以外にも同様の思いをした方は少なくないだろう。
 タクシードライバーは資格上で年齢上限はないらしい。会社組織だと定年があるのだろうが個人タクシーは定年はないのでいつまでも営業可能、と言うことになる。

 これは私共医師も同じである。大規模の病院は大抵定年制を敷いていて私が知る限りでは65歳が多い。中、小規模の病院は、よく知らないが、端から見る限り定年はないように見える。一方、診療所の医師には定年がない。アンケートなどで多くの医師は70歳までは働きたいと答えているが、実際にこの年齢で引退される方は少ない。中には80歳代、90歳代の方々も現役として働いている。養老元東大教授のご母堂は100歳超まで診療所を開いていて、なじみの患者のみを診ておられた。

 車は安全な乗り物ではないが、お年寄りにとってはとても便利な生活の道具の一つである。身体的不具合のために歩行など徐々に制限されてくる中、車の運転操作自体はハンドルやブレーキ等にアシスト機構があるために力も要らず、慣れ親しんできた方にとってはそう難しくはない。だから高齢者はなかなか手放すことが出来ないようである。時に危なっかしい走りをしている車の後を走ることもある。私も知人や患者何人かに運転の自粛を提言しているが、運転が危なくなっていることを自覚していおらず頑なで、対応が難い。

 何でも、人生そのものもそうなのであるが、例え上限が決められていないとしても、自らを顧みて何処かで自身でふんぎりを付ける必要がある。これが実に難しいことであるが、65歳を迎えた私にとっても決して他人事でない、身近な問題となりつつある。

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高齢者ドライバー(1) クローバーマーク 保険料を値上げ

2011年02月27日 17時59分48秒 | コラム、エッセイ
 2月1日から「クローバーマーク」がお目見えした。「クローバーマーク」は正式には「高齢運転者標識」と言い、70歳以上のドライバーが車に表示するよう道交法に定められている。
 警察庁は1997年に「もみじマーク」をつくり、1998年から高齢者講習や運転免許返納制度をスタートさせた。2010年は、75歳以上を対象に認知機能検査を導入した。
 「もみじマーク」は後期高齢者医療制度が高齢者バッシングと批判を浴びていた時期でもあり、枯れ葉や落ち葉みたいで嫌だとの声も上がった。それで「クローバーマーク」が作られたという。

 私は「もみじマーク」に特別の違和感を持っていない、悪くないデザインだとも思っていた。私もあと5年で対象になる。私は自身で体力、敏捷さの衰えもを自覚しているから喜んで取り付けたいと思っている。さらに、高齢者は自らの機能の衰えを自認して欲しい、とも思っている。

 公共交通機関が少なく気候的にも厳しい秋田では、高齢になっても生活の足として車を手放せない人も多い。中には認知症?と疑わなければならない様な方々も運転を続けていて家族を悩ませてる。この様な方は車に強く固執する傾向が強い。
 損保業界第一の東京火災海上日動火災保険KKによると60歳以上の契約者は2006年18%が2009年は27%まで増えたという。それに連れて高齢者の交通事故が多くなり、また、高齢者が怪我をした際に治癒し難く、支払い金額が増えて来たという。で、同社は7月から60歳代で年間約2000円、70歳以上約6000円の値上げを発表している。損害保険会社は今後こぞって高齢者の自動車任意保険の保険料を値上げするとのことである。

 私もあと5年ほどで「クローバーマーク」の対象になる・・とのんびり構えていたが、値上げの方は今年から対象になりそうである。私はアンチ・アンチエイジングの考えで、ヒトは自然に歳をとって行くのが自然の姿、と自然に老いゆくことを推奨しているが、高齢者に対する社会の扱いは徐々に冷たくなり、生活は一層苦しくなっていく。
 
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ニュージーランド地震 耐震化の重要性 

2011年02月26日 17時57分55秒 | 時事問題 社会問題
 ニュージーランド第3の都市、クライストチャーチで日本時間22日朝8時過ぎにM6.3の地震が発生した。近代都市での直下型地震虵と言う。阪神淡路大震災の恐ろしさが改めて思い出される。
 ただ、ニュージーランド警察当局者は地震の死者が100人以上、行方不明者は200人前後と発表しており、私は犠牲者が随分少ない、との印象を受けた。クライストチャーチは有名な都市であり人口もそう少なくないはずだ。その割りには行方不明者等が少ない。詳細は分からないが、地震の規模もM6.3とそれほど大きな地震でもない。すべてマグニテュードの値で語られるわけではないが、弱い特別な建物だけが集中的に崩壊したのではないか?と感じられた。

 ニュージーランドは日本と同様地震の多い国の筈である。耐震技術の先進地とされている。備えは万全だっただろうか。わが国でも多くの公共の建造物が耐震基準を満たしておらず今耐震化工事が進められているくらいだから、ニュージーランドでも古いタイプの建物が多数残っていたのかもしれない。

 日本からこの街に大勢の語学留学生や観光客が訪れていた。若い方々が多いようだ。 語学学校が入った6階建てのビルが、ねじれるように崩れてしまったことが、多くの日本人が巻き込まれる不運となった様である。何かアンバランスな構造をしていたのかもしれない。また、崩壊した建物の脇には殆ど被害を受けていないのでは?と思われる建造物も見られる等、不思議な光景にうつる。

 被災地は余震が続き捜索活動はな難航しているようである。日本の国際緊急援助隊員らも現地入りし捜索活動を続けている。しかし、生存者が救出されたというニュースは乏しい。なんとももどかしい限りである。
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「パンダ様ご来日!!」騒ぎ過ぎ  NZ地震で子らの安否を気遣う家族に報道カメラの群れ

2011年02月25日 09時18分33秒 | 時事問題 社会問題
 一昨日からNHKのラジオ番組では中国から2頭のパンダが貸し出され、明日には羽田に着く予定と何度も流していた。何で今更パンダかと思ったが、ラジオの番組だからまあ良いか、今の時代の子ども達も喜んでくれるのかな、などと考え、聞き流していた。

 私は夕食中とか、もし覚醒していられる状態なら一日の締めくくりとして21時のNHK-TVニュースは出来るだけ見る様にしている。時には眠くてかなわないこともある。
 昨日夜も食事を取りつつ、世界の情勢は?日本の政治はこの一日どう動いたのか?と思って見たのであるが、何とこのニュースはパンダで始まった。画面は羽田からの中継で、ライトを浴びて着陸してきたのは 2007年に全日空が中国線の就航20周年を記念して特別に塗装したパンダ模様の767機、名称「FLY!パンダ」であった。なんともはや演出っぽい来日であった。私は座席を外して檻を客席に入れたのか、乗客は迷惑しただろうな、とまで考えたが荷物室に収容されて運ばれたとのことで安堵した。

 中国から上野動物園に貸与されたパンダ2頭について、都は到着直後の2頭の写真を公開した。いやはや「パンダ様」は大変なバカ丸出しの報道振りである。輸送費だけで約5000万円、年間貸与日が8000万円、パンダ舎の改装費が約9000万円・・・。パンダそのものよりマスコミは「パンダ様」の背景にあるものを論じて欲しい。パンダは1600頭ほどしか生息していない希少動物である。パンダが上野動物園に初めて来てから半世紀近くになるのではなかろうか。その時は大変なニュースであったが、もう十分浸透し尽くしている。もはやパンダは日本には不要との議論はないのだろうか。少なくとも私が読んでいる4紙にはそのような動きは紹介されていない。

 一方、日本時間22日午前8時過ぎにニュージーランド第2の都市クライストチャーチを襲ったM6.3の大地震で多数の死者が出ており、富山市立富山外国語専門学校の学生らが20人以上も閉じこめられているとのこと。大事件である。学校に集まった家族達にTVカメラが容赦なく向けられていた。
 
 いつものシーンであるが安否が不明で悲嘆にくれる家族達の表情や声を何のために報道しなければならないのか、と思う。こんな報道は自粛して欲しい。
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