岸田首相がかなめの疑問には答えず、お定まりの説明に終始するだけでは、とても議論は深まらない。野党の「問う力」も物足りなかった。
ロシアのウクライナ侵攻に対する岸田首相の対露経済政策のは確かに早かった。
しかし、これはEUや米国に追従しているからであって日本独自の部分は少ない。
今回、野党と対立する恐れのある「出入国管理法改正案」の提出を見送ったが、まだ2週間も会期が残っているのに、死者まで出ている入管行政の議論をしないのは何故だろうか。そんなに立法のスケジュールが密なのか??
首相は「スピード感を持って・・」ともいうが、そのイメージはない。「後回し」感が勝る。
国会に相応しくない質疑もある。
「首相にとってしあわせとはなんでしょうか??」、「先ほど答弁されたことに関して首相の決意を述べてほしい」、「・・・」など、国会の場で語る必要もない応酬が見られる。それに対して首相は「私にとってのしあわせとは・・・」と淡々と述べていた。私なら「そのような質問には、あるいはご要望は、国会の場ではお答えできません。もっと大事な議論を!!!・・・・」と答えるだろう。
総額2.7兆円の補正予算の1.5兆円は、支出時に国会の議決を必要としない予備費である。衆参2日ずつの予算委員会で型通りの審議に終わりそう。
ロシアのウクライナ侵略や厳しさを増す東アジアの安保環境を受けた安全保障・防衛政策には説明回避が目立った。
諸物価高騰では補助金を考える、というが財源についてもなんら語らなかった。
審議の充実には、野党第1党である立憲民主党の責任も重い。現政権の政策に対する厳しい吟味をおろそかにせず、論点を明確にすることが求められる。
国会の会期は残り2週間。党首討論も行うべきだ。