福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

国会の質疑を聞いて(2) 国会にふさわしくない質疑も

2022年05月31日 04時20分30秒 | 政治・経済 国際関係
 岸田首相がかなめの疑問には答えず、お定まりの説明に終始するだけでは、とても議論は深まらない。野党の「問う力」も物足りなかった。

 ロシアのウクライナ侵攻に対する岸田首相の対露経済政策のは確かに早かった。
しかし、これはEUや米国に追従しているからであって日本独自の部分は少ない。

 今回、野党と対立する恐れのある「出入国管理法改正案」の提出を見送ったが、まだ2週間も会期が残っているのに、死者まで出ている入管行政の議論をしないのは何故だろうか。そんなに立法のスケジュールが密なのか??
 首相は「スピード感を持って・・」ともいうが、そのイメージはない。「後回し」感が勝る。

 国会に相応しくない質疑もある。
 「首相にとってしあわせとはなんでしょうか??」、「先ほど答弁されたことに関して首相の決意を述べてほしい」、「・・・」など、国会の場で語る必要もない応酬が見られる。それに対して首相は「私にとってのしあわせとは・・・」と淡々と述べていた。私なら「そのような質問には、あるいはご要望は、国会の場ではお答えできません。もっと大事な議論を!!!・・・・」と答えるだろう。

 総額2.7兆円の補正予算の1.5兆円は、支出時に国会の議決を必要としない予備費である。衆参2日ずつの予算委員会で型通りの審議に終わりそう。

 ロシアのウクライナ侵略や厳しさを増す東アジアの安保環境を受けた安全保障・防衛政策には説明回避が目立った。
 諸物価高騰では補助金を考える、というが財源についてもなんら語らなかった。

 審議の充実には、野党第1党である立憲民主党の責任も重い。現政権の政策に対する厳しい吟味をおろそかにせず、論点を明確にすることが求められる。

 国会の会期は残り2週間。党首討論も行うべきだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国会の質疑を聞いて(1) 岸田首相は「受け止め」、「後回し」が得意の方

2022年05月30日 04時19分31秒 | 政治・経済 国際関係
 私は国会の質疑応答を聞くのが好きである。NHK-AM第一放送、いつの間にかR1と称するようになった、を常時蚊の鳴くほどの音量で鳴らしているので適宜音量を上げて聞く。

 第208回国会は、2022年1月17日からの通常国会である。会期は6月15日までの150日間の予定。
 夏の第26回参議院議員通常選挙を控えて、COVID-19対策やロシアのウクライナ侵攻、物価高対策の成否が問われる重要な国会となる。だから面白い。
 物価高騰の「緊急対策」に使う予備費の積み増しなどを盛り込んだ今年度補正予算案が討議されている。間も無く衆院本会議で可決する予定となっている。

 「防衛費増額」,「子ども政策予算の倍増」と予算拡充を強調する岸田首相は、肝心の財源を語らない。首相は日米首脳会談で、バイデン米大統領を前に、防衛力の抜本的な強化に向けた「防衛費の相当な増額」を表明した。それについては、「防衛力強化の内容と金額、財源の3点セットでしっかり議論を行っていく」とし、質疑の中では具体的には語らず、今後の課題と位置づけた。また国債頼みになるだろう。

 時に質疑が噛み合わず空回りしたりすることもある。聞いていてイライラする。激しい応酬になることもある。昨日の共産党小池氏の防衛問題に対する質問は熱気を帯び、首相を激しく攻めたてていた。その際も岸田首相は檄することも無く、早口にもならず淡々と答弁していた。
 少なくとも安倍元首相、菅首相の答弁とは一線を画する落ち着きである。同じような質問が各党から繰り返されるのは聞いてて不快だが、それに一つ一つ答えていく総理の心中はいかほど苛立っているのか、と思う。意外と、お顔は能面に近い無表情であるから、あまり感じていない??と思うこともある。

 岸田首相は自ら「聞き上手」であるとしているが、決して「説明上手ではない」ように感じる。冷静で理路整然としているような印象であるが、パターン化し、一定の論旨から外れることは少ない。要するに、核心にせまるような答弁はしていない。のらりくらりが多い。だから、揚げ足を取られることも少ない。

 岸田首相が答弁で「認識しております」、「謙虚に受け止めます」 「引き続き考えていきたい」という言葉を頻用する。 質問内容を受け止めているだけで本心を明かさない。
 7月の参院選まで無難に乗り切れば、今の野党相手なら勝てる、という戦略がにじみ出ている。



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

COVID-19(2022)オミクロン株(10) 東北絆祭り ブルーインパルスを窓から見た。

2022年05月29日 07時37分57秒 | 秋田の話題
 東日本大震災からの復興を願い、 東北6県を代表する夏祭りが集う「東北絆まつり」が5月28日、秋田市八橋運動公園で2日間の日程で開催された。 
 2016年まで東北各県で持ち回りで開かれた「東北六魂祭」の後継行事。COVID-19の感染で開催が途絶えていたが、COVID-19対策の緩和もあって今年は久々開催となった。

 感染予防策の一環でパレードの観覧は事前申込制としなった。会場入り口では検温が行われ、手ゆびの消毒も促した。2日のまつり全体の来場者は主催者発表で4万万5千人。ちなみに2015年の東北六魂祭りは秋田開催で山王大通りがパレード会場となったが25万人の来場者があった。

 ソユースタジアムでは2万人の定員に対して一日八千人に抑えられた。28日昼にはブルーインパルスの飛行もあった。夕方に始まったパレードには約900人が出演し、秋田竿燈まつりをはじめ6県の祭り華々しく共演した。

 「東北絆まつり」は東北6県の実行委員会の主催。

 私は飯川病院の日当直が当たっていた。
 会場に行く気は起きなかったが、もしかしたらブルーインパルスを見れるかもと期待していた。
 私は関心があって書籍(武田頼政著:ブルーインパルス 文春文庫)や画像では見たことがあるが、実際の飛行はまだ見たことはない。6機編成で3回ほど窓から垣間見ることができた。編隊飛行は実に力強く迫力があった。
(あいにくの曇り空 風も強かった 一瞬見えた機影)

 ブルーインパルスは航空自衛隊の曲技チームである。
 1964年、東京オリンピックの開会式で、青空に「五輪マーク」を描く妙技で、その存在感を強烈にアピールした。超音速練習機T−2を使った2代目ブルインパルスが発足した1982年、浜松基地航空祭で7万人の観衆の前で演技中の1機が墜落しパイロットが死亡するという惨事があった。

 空軍の曲技飛行は、一国の軍事的抑止力や国力(経済力や技術力)を跨示、パイロットの操縦技術を追求、維持することにある。他方で、現実の空中戦闘では行わない密集隊形などを演じる「命がけ」の世界でもある。

 私は飛行機自体には乗りたくはないが、現実には利用せざるを得ないかった。200回ほどは利用しただろうか。それだけに飛行機についての興味は尽きず、今でも資料を求めて勉強を続けている。

 窓から垣間見たブルーインパルスの勇姿は素晴らしかった。

 ちなみに、自宅で見た家内はスクランブル機と誤解し、〇〇国が攻めて来たのでは??と恐ろしさを感じた、という。早とちりも甚だしい。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

COVID-19(2022)オミクロン株(9) 後遺症:成人はME/CFSに、学童・若者はうつ病になることも

2022年05月28日 19時30分38秒 | 時事問題 社会問題
 ■ME/CFS
 後遺症が残った方のうち、専門病院で筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS) と診断されたケースもある。 
 ME/CFSは、重症急性呼吸器候群(SARS)などのウイルス感染後に集団発生した過去がある。 運動すると悪化する特徴がある。
 ME/CFSでは場合、感染後に強い体の痛みや激しい倦怠感が続きほぼ寝たきりになったり、職場復帰が困難だったり休職を余儀なくされる場合もあるらしい。
―――――――――――――――――――――――――――-
 ■うつ症状
 小学校高学年から中学生の1~2割にCOVID-19感染症が改善した後でうつ症状が見られたことが5月5日、国立医療研究センターの調査で分かった。

 調査は2021年12月、無作為抽出の郵送と、任意のインターネットで実施。小学5年生から中学3年生の子どもとその保護者計約5.400人から回答を得た。
 その結果、郵送では小学5~6年生の9%、中学生の18%に中等度以上のうつ症状が見られた。インターネットでは小学生の18%、中学生の22%と高かかった。

 また、自分にうつ症状が出ても「誰にも相談せず自分で様子を見た」と答えたのは、小学5~6年生で25%中学生で58%と、学年が上がると抱え込む傾向があった。

 保護者への郵送調査では、自分の子どもにうつ症状が出た場合「病院は受診させず様子を見る」が20%だった。
 同センターの森崎研究部長は「コロナの長期化でストレスが高い状態が続き、保護者も余裕がない可能性がある」と指摘。 いらいらしている、朝起きられないなどサインに気付いたら「まずは子どもの話を聞くことが大切。必要と感じたら、保護者はためらわず相談や受診をさせてほしい」と話している。
------------------------------------------------------

 2020年3月ごろから、オンライン診療も含めて3.800人以上の患者を診察してきた東京のヒラハタクリニックの平畑医師によると、患者が訴えるだるさ、倦怠感はひどく、歩けなくなり、トイレに行くのがやっとという人が大勢いるとのこと。
 それまで元気だった人が突然動けなくなり、いつ治るかが分からない。想像を絶する苦痛の様子。複数の患者の自死を経験した、という。

 国立国際医療研究センターの調査で、感染した患者の25%が、半年後も後遺症があったとのデータもある。

 感染後のうつ状態を含め、COVID-19後遺症は広範な症状であり発症メカニズムはまだわかっていない。しかしながら、所定のワクチン接種を受けた人の後遺症の発症は半減するという研究もあることは疫学上重要な知見である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

COVID-19(2022)オミクロン株(8) 病態不明、厄介な後遺症

2022年05月27日 07時16分20秒 | 時事問題 社会問題
 私は第一線の医療には参加していないためにCOVID-19感染者を診療することはないが、先日、その後遺症も考慮しなければならない患者??が受診した。結果的にはうつ状態と判断したが、罹患前からある症状なのでCOVID-19関連性は否定的であった。

 COVID-19後遺症は、感染が回復した後も色々な症状が数カ月以上続き、他に明らかな原因のない状態全般を指す。

 症状のうちには、感染の早期から続くものや、途中から生じるものがある。 だるさや筋肉痛などの全身症状や、せき、息切れといった呼吸器症状のほか、記憶、味覚、嗅覚の異常などがある。 うつ状態に陥り、倦怠感等で社会復帰できず日常生活に影響する例も出ている。

 厚労省研究班の研究班は、COVID-19症で入院した人のうち約10%は、退院から1年たった時点でも後遺症を抱えている、との調査結果をまとめた。
 COVID-19感染症が中等症以上だった約700人を分析した結果から明らかになった。最も多い症状は筋力低下で、分析対象者全体の7%ほどだった。京都市で開催中の日本呼吸器学会で4月23日発表した。

 その中で、研究班の代表の横山高知大教授は、「時間と共に症状を訴える人の割合が減っているものの一部の方々には後遺症が長期間残っている。後遺症には確立した治療はなく、感染しないことが重要」と指摘した。 後遺症のことも配慮し、感染対策の徹底とワクチン接種を呼びかけている。

 研究は2020年9月~21年7月に中等症以上のCOVID-19感染で入院した人を対象に、その後の状況を調べた。経過を把握できた693人のうち、退院の1年後も医療機関を受診し、後遺症の可能性と確認された人が9.8%いた。

 主な症状別は以下のごとく。複数の症状を訴える人も見られた。

—————————————————————————————-
●筋力低下         7.4%
●呼吸困難                   4.4%
●関節痛                       4.0%
●だるさ                       3.5%
●思考力・集中力低下 3.5%
●嗅覚異常                   1.6%
●味覚異常                   1.0%
●CT検査データがある人のうち、1年後に肺にも影 5.1%

※厚生労働省研究班
—————————————————————————————-


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする