福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

本;倉嶋厚 原田稔編著 「雨のことば辞典」 講談社学術文庫 2014/6/11

2024年06月28日 05時45分36秒 | 書評
 本書は文庫本で再発売と同時に2014年に購入した。
 雨のことばと情緒、文化を学べる1冊で、日本語への敬意を感じとることができる優れた書籍である。

(広重の作品を表紙に用いている 急な雨にあわてている様子がイキイキと表現されている)

 誰でもそうだろうが子供の頃から何をするにも「雨の日」、「雨以外の日」の過ごし方が異なっていた。何度も軒下に「テルテル坊主」を吊るしたものである。当然、童謡などでも雨を歌った作品が多く、いずれも心に染みたものである。「雨」、「あめふり」、「テルテル坊主」、「かたつむり」、「カエルの合唱」、「雨降りお月さん」などは簡単に思い出す名曲である。

 この辞書には、雨関連のことばをだけを網羅し、季節ごとに掲載されているが、加えてその言葉に関連した俳句も併記され、巻末には「季語」が紹介されている。

 編者の一人倉嶋氏(1924-2017年)は理学博士。気象庁防災気象官、主任予報官、鹿児島気象台長、NHK解説委員などを歴任。気象放送の発展に力をつくした方。歌心もかなりのものと推察できる。

 雨にまつわる言葉1190余を収集した辞典。気になった言葉をちょっと調べる。気まぐれに開いて、未知の雨の表現に出会う。そんな利用に丁度良い文庫版の辞書。

 一つ一つの項目が解説というよりも随筆調になっている。雨は私たちの生活に多くの影響を及ぼすだけに著者の心情を反映した記載、添えられた俳句の一句が好ましい。

 日本語には雨の表現のみならず神羅万象を適切に表現した言葉がたくさんある。日本語の発展の中で短歌や俳句が果たした役割はとても大きい、と思う。

 その事象に興味や関心が高いほど、ことばは細分化していく、という。それだけ日本人は自然の移ろいを大事にし、「雨に関心」を持ってきて広範に言語化した、ということ。

 雨は恵みをもたらし、また災いも連れてくる。日本で生活する以上、雨に関心を持たざるを得ない。

 比較したわけではないが英語などの他の言語に雨に関連した言葉はどれだけあるのだろうか??


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季節の話題2024(14) 水資源として豊かな日本の「空の水道」網

2024年06月27日 06時12分05秒 | 季節の話題
 日本の上空には自然がもたらす「空の水道管」が集中している。
 「台風」、「梅雨前線」、「温帯低気圧」、「雷雲」、「冬の季節風による雪雲の行列」などである。

 日本は「自然に作られた空の水道管」に恵まれている。それが、「干ばつであっても不作なし」の経験とあいまって、日本人の心に「水資源に対する甘え」を生んだ。

 日本の雨は水資源利用という面では、いくつかの不利な特徴を持っている。それは、第一に、狭い国土に人口が多いので、一人あたりの降水量は世界平均の1/5以下であることである。

 日本の水収支を見ると、年間の降水量約6,600億m3(1992年-2021年の平均値)のうち、約35%に当たる約2,300億m3 は蒸発しており、残りの約4,300億m3 が日本の国土で我々が最大限利用することができる理論上の量となる。これを水資源賦存量という。

 このうち、実際に使用される年間の水量は、2019年の取水量ベースで、生活用水として約148億m3 、工業用水として約103億m3 、農業用水として 約533億m3 であり、その合計量は約785億m3。これは琵琶湖約3杯分の水量にあたる。

 河川水と地下水の内訳を見ると、2019年に使用された約785億m3の水のうち、約699億m3(約89%)は河川及び湖沼から取水されており、約86億m3 (約11%)は地下水から取水されている(国土交通省)。

 また狭い国土から見ると、日本上空に集中している「空の水道」は実に不安定。
 たとえば梅雨前線の位置が僅かにずれても、日本は「から梅雨」になったり、「梅雨前線豪雨」になったりする。同様のことは「空の給水車」である台風の発生数や経路のズレについてもいえる。

 また日本の雨は、傾斜の急な山岳地形に短時間に強く降るので流出が早く、水資源として使いにくい性質を持つ。さらに気候の長期変動が加わるので、「空の水道」の不安定性は一層増大する。

 気まぐれな「空の水道」から、余裕のある安定した「地上の水道」を導き水を有効に用いる長期計画、最近頻発するゲリラ豪雨などの思いがけない災害対策は国民的重要課題の一つである。
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季節の話題2024(13) 「地球は水の惑星」 地球の水はどこから来た??

2024年06月26日 10時08分46秒 | 秋田の話題
 地球は水の惑星と言われる。
 しかし、元々は地球には水はなかった。
 表面積の7割をしめる海は平均約3700mの深さ。地球上の水の97.4%は海にある。氷河や地下水、川や湖などの陸水は2.6%。そして大気中に0.001%。こんなに豊かな水に恵まれた惑星は、太陽系で地球だけ。

 この地球の水がどこからやってきたのか、実際にはまだよくわかっていない。

 太陽や地球のもとは、宇宙にただよう気体や塵。それが集まって太陽ができ、ほぼ同時に、惑星などの天体が太陽のまわりに誕生した。

 水などなかった地球に水をもたらした可能性のある最大の候補は、氷由来の水分を岩石中に含む小惑星たちの存在。これが地球に飛んできて次々と衝突し、その水分が地球の水のもとになったという考え方、これが主流である。

 太陽からの距離が偶然にも適正であったために地球ではそれらの水を失うことなく氷や水蒸気、水の形で保持できた。
 その水によって地球は冷やされ、豊かな今の環境ができた。

 大気中には全水の0.001%しかないが、これらが見える形として認識できるのが雲である。雲は上昇気流の力で空間を漂い、雨や雪をもたらすが決して「しとしと降る」様な静かな現象ばかりではない

 日本では毎年各地域で豪雨が起こり、多くの災害が発生する。 昨年7月に起こった秋田県の豪雨は記憶にも新しい。 

 地球大気の対流現象の特徴は集団化し強い雨をもたらすこと。豪雨をもたらす雲は基本的に積乱雲。日本は地球上でも集中豪雨の起こりやすい地域である

 集中豪雨はおおざっぱに言うと、数十キロの狭い地域に数時間に数100mmの降雨が集中する現象をさす。一般に、積乱雲は移動しながら雨を降らすが、1ヵ所に1時間に50mm以上の雨をもたらすことは多くない。

 複数の積乱雲が急激に発達し、 ごく狭い地域に豪雨をもたらす現象は線状降水帯と呼ばれるが、これを予測することは現時点では非常に難しい。

 頻繁ではないにしても、積乱雲は1時間に50mm以上の雨を降らし得る危険な雲として警戒が必要である。


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季節の話題2024(12)  雨雲すごく重いはずなのになぜ空中に浮いているのか

2024年06月25日 17時00分48秒 | 季節の話題
 雲はとても大きくふわふわととても柔らかく軽そうに見える。ハイジではないが、乗ってみたいものだ、と思う。

 雲は髪の毛の太さの5分の1程度の0.01mmくらい小さな水や氷の粒が集まったもので、総体としては相当な重さがあるはず。それでも、雲の粒が落ちないほどの上昇気流があるため、雲は空に浮かんでいる。水や氷の粒が成長し上昇気流で支えきれなくなると、雨や雪などになって降って来る。

 雲の形は無数にあるので一つ一つに名称をつけると混乱する。
 だからこれを国際連盟の専門機関である世界気象機関によって定義された世界共通の類型がある。すべての雲は、この10種類のいずれかに当てはまる。さらに日本では呼びやすい名称もつけられている。

(みどり文庫の画像を借用)

――――――――――――――――――――――――――――-
(1)上層雲(高度5000m以上でできる雲。ほとんどが氷の粒)
  • 巻雲(すじ雲)
    高い空に現れる、白い色のなめらかな雲。
  •  巻積雲(うろこ雲)
    つぶつぶや波のような形をした小さな雲。
  •  巻層雲(うす雲)
    水にミルクを少し混ぜたような、ぼやっとしたうすい雲。太陽の周りに光の輪”ハロ”ができるこ
  • ――――――――――――――――――――――――――――-
(2)中層雲(高度2000~7000mくらい)
  • 高積雲(ひつじ雲)
    白や灰色でモクモクしていたりレンズっぽかったりする雲。巻積雲よりも雲一つひとつのかたまりが大きい。
  •  高層雲(おぼろ雲)
    空を広く覆い、太陽がすりガラスを通したようにぼんやり見える。
  •  乱層雲(雨雲、雪雲)
    暗い色をしていて、雨や雪を降らせる。雲の底が乱れていることが多い。――――――――――――――――――――――――――――-
(3)下層雲(高度2000m以下)。
  • 層積雲(くもり雲)
    空をくもらせる雲で、風に乗っていろんな姿になる。
  •  層雲(霧雲)
    地上に最も近い空に現れ、地表に接すると霧と呼ばれる。
  •  積雲(わた雲)
    モクモクしていて、暖かい季節に出やすい。
  • 積乱雲(雷雲)
    縦方向に高い空まで成長した雲。不用意に航空機が飛び込むと空中分解するほどのエネルギーを持つ。激しい雨を降らせたり、雷や竜巻を起こしたりする危ない雲。雲頂は1万2000m以上になることもある。
――――――――――――――――――――――――――――-
 雲も太陽のエネルギーに依存して存在する。そして、海、湖、河川の水、大地から蒸発した水蒸気が織りなす壮大な自然の営みである。
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季節の話題2024(11)  東北も梅雨入り(2) 梅雨関連の言葉、言い伝え

2024年06月24日 11時24分08秒 | 季節の話題
 梅雨は農業国日本にとって欠くことができない自然の営みの一つである。とくに梅雨期の降雨量が稲作や畑作に及ぼす影響が大きく、気になるところである。

 そのために梅雨にまつわる言葉の種類も多い。

 梅雨入り前の5 - 6月ごろ、日本の南岸に前線が一時的に停滞し、数日間程度梅雨に似た天候がみられることがある。これを走り梅雨、梅雨の走り、あるいは迎え梅雨と呼ぶ。

 梅雨入り当初は比較的しとしととした小雨が連続することが多い。梅雨の半ばには一旦天気が回復する期間が出現することがある。この期間のことを梅雨の中休みという。

 梅雨の時期、特に、長雨の場合は、日照時間が短いため、気温差が小さく、肌寒く感じることがある。この寒さや天候を梅雨寒または梅雨冷と呼ぶ。

 一方、梅雨期間中の晴れ間は梅雨晴れと呼ばれ、特に、気温が高く、湿度も高い。そのため、梅雨晴れの日は不快指数が高くなり、熱中症が起こりやすい傾向にある。

 梅雨末期には降雨量が多くなることが多く、ときとして集中豪雨になることがある。中国地方および九州の東シナ海側ではこれが顕著で、特に熊本県・宮崎県・鹿児島県の九州山地山沿いでは十数年に1回程度の割合で短期間に1000mm程度の大雨が降ることがある。

 梅雨末期の雨を荒梅雨あるいは暴れ梅雨とも呼ぶ。また、梅雨の末期には雷をともなった雨が降ることが多く、これを送り梅雨と呼ぶ。

 また、梅雨明けした後も、雨が続いたり、いったん晴れた後また雨が降ったりすることがある。これを戻り梅雨と呼ぶ。

 梅雨明けが遅れた年は冷夏となる場合も多く、冷害が発生しやすい傾向にある。
 梅雨は日本の季節の中でも高温と高湿が共に顕著な時期であり、カビや食中毒の原因となる細菌・ウイルスの繁殖が進みやすいことから、これらに注意が必要な季節とされている。

 梅雨の期間中ほとんど雨が降らない場合がある。このような梅雨のことを空梅雨という。空梅雨の場合、夏季に使用する農業用水が確保できなくなり、渇水を引き起こすことが多い(梅雨の表現についてはWikipedeaを参照した)。

 梅雨入りは梅雨に入ること。その平均の日付は、那覇で5月11日、新潟・仙台6月12日、青森6月14日。

 梅雨明けは梅雨が明けること。その平均の日付は、那覇で6月23日、仙台7月23日、青森7月26日である。

 梅雨明けには二つのタイプがある。
 ひとつは太平洋の真夏の高気圧が勢力を増して日本付近の梅雨前線を北方に押し上げて起こる。この場合は日本は安定した真夏の高気圧に覆われて盛夏の炎天が確定し、「梅雨明け10日」と呼ばれる晴天が長つづきする。

 もう一つのタイブは、梅雨前線が北の高気圧に押されるようにして南下して日本から離れる場合で、北の高気圧が真夏の高気圧に変質するまではしばらく、梅雨が明けても曇天がつづき梅雨明けがはっきりしないこともある。


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季節の話題2024(10)  東北も梅雨入り(1)

2024年06月23日 05時15分10秒 | 季節の話題
 気象庁は6月23日東北南部・東北北部が「梅雨入りしたとみられる」と発表した。

 これを機会に梅雨について多少勉強してみた。

 日本の梅雨、中国の梅雨と、東南アジア、インドの雨季(モンスーン)とは成因的には密接な関係があり、一連の現象とみなすことができるらしい。
 
 夏至(6月21日ごろ)を中心に太陽は北半球を最も強く照らす。そして熱しやすい大陸の表面温度はぐんぐん上がり、地表面付近の大気は暖められて軽くなり上空にのぼっていく。特にチベット-ヒマラヤ山塊の山肌からの上昇気流は大規模で一層上空に及ぶ。

 するとその上昇気流を埋め合わせするように、インド洋や太平洋から高温多湿の海洋熱帯気団や赤道を越えてきた赤道気団が、夏の季節風(モンスーン)となって大陸に流れ込む。その湿った気流が、チベッヒマラヤの山々や、上空のジェット気流などの蛇行の影響で日本に向かって南西方向から吹き込み、インド、東南アジア、中国南部、日本に共通の「雨の季節」をもたらす。

 梅雨前線はその湿った気流に沿って伸びる。このとき日本付近では冷たい海のオホーツク海高気圧からの北東風が梅雨前線に吹きつけて、日本付近に梅雨前線を停滞させて雨天を長つづきさせる。これが梅雨のメカニズムである。

 要するに旺盛な太陽の活動、水の惑星と言われる豊かな海水、陸地の凹凸が織りなす自然のドラマ、と言える。

 梅雨は農業国日本にとって欠くことができない自然の営みでの一つである。とくに昨季の降雪量が少なかっただけに今年の梅雨期の降雨量が稲作や畑作に及ぼす影響が気になるところである。

 
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季節の話題2024(9)  夏至「6月21日」 キウリの収穫始まった

2024年06月22日 04時56分32秒 | 季節の話題
 2024年の夏至は6月21日(金)、すなわち昨日であった。

 天体の動きにあわせて夏至の日を決めるため、夏至の日付は毎年固定ではない。例年6月21日が多いが、20日や22日になる場合もある。東京の場合、日照時間が夏至は冬至より約5時間長い。

 私が耕作している畑の面積は せいぜい8畳程度と狭い。それに最近の体調を考慮して株間の距離を例年より広くとった。
 キウリは6株だけ。成長に合わせ垂直方向に棚を作り、枝葉を垂直方向に誘導しただけであるが、自然の力は大きい。


(今年初どりのキウリ まっすぐでないのが愛嬌である)

 充分な光と雨を受けて私の手抜きにもかかわらず、野菜類、ナス、トマト、里芋たちは十二分に成長している。

 今年は手抜き作業であったがなんとかここまで来た。

 土壌と日光と水、それに肥料の威力は絶大である。

 「採りたての野菜が食卓に上るのは最高の喜びである・・・」とちょっとでも野菜を栽培している人は誰でもそう言う。しかし、実はそうでない面もある。第一スーパーで買う方が安上がりである。しかし、値段以上の価値は確実にある。その第一は自然との対話である。

 今後、毎日食卓に登るのだが、家族たちはそれほど好むわけではない。大部分私が食べることになる。生食、酢の物、漬物、サラダ、あん掛け、カレー、味噌汁などであるが到底食べきれない。
 
 今後一月ほどキウリに追いかけまわされる幸せな日々が続く。

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季節の話題2024(8) 「6月21日」 夏至を迎え、心に漣(さざなみ)が立つ(1)

2024年06月21日 08時15分48秒 | 季節の話題
 自然の移ろいを楽しむ心境、辞世の句などを楽しむのも終活の一つ。

 夏至を含む二十四節気が毎年日付が異なるのは日本人の生活に密着した暦だから。夏至は通常、6月21日~6月22日のどちらかにになる。今年は前者であった。

 夏至とは北半球の日照時間が最も長くなる日。高緯度の北海道では日照時間は16時間40分程度、低緯度の沖縄では13時間50分程度である。

 最近はam3:00ころから東の空から白々と明けてくる。
 夏至近く、秋田の日の出はam4:11。冬至はam7:11で、夏至と冬至とは約3時間もの差がある。

 今年の夏至が本日静かに過ぎてしまった。

 夏至はどちらかというと嫌。
 まだ梅雨入りもしていないのに、あとは明るい時間がどんどん短くなってゆく。悲観的、下向きの性格である私はもう厳しい冬を思い、落ち込み始める。人生の黄昏すら感じとる。

 先日の、原因不明の5月中旬以降の身体不調以来、私の残りの持ち時間が大幅に減ってしまったことを自覚する。一日過ぎれば一日減ってゆくことをより具体的に意識し始めた。夏至後の日照時間の如くである。

 私はカンカン照りで汗だくで過ごす真夏が好きである。しかし、徐々に日照時間が短くなり、季節は秋に向かって変化する。実際には気候としては2ケ月遅れて変化する。まだまだ暑いのだが。 

 季節を先取りして落ち込むなんて無駄なことと思うが、今更なんともならならない困った性格である。
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突然体調不良に陥った(10) その後一見順調だが失った体力・気力がなかなか戻らない(2)

2024年06月15日 07時03分26秒 | 近況・報告
 先月5月18日突然原因不明の体調不良に陥った。主たる症状は固形物を一切受け付けない強度の食欲不振。軽度発熱も伴っていたので何か感染症に罹患したのか、と自己判断し水分だけを取りつつじっと経過を見ていた

 5月26日は秋田ゾンタクラブの講演会の講師を務めた。ほとんど食事を取れなかった状態で迎えた。この時も予想外のトラブルに見舞われたがが、ギリギリキャンセルしないで済み一応責任を果たしえた

 5月下旬からは徐々にソーメンとか蕎麦とか水分中心のあっさりしたものを少量摂取できるようになり、6月以降はほぼ完食できるようになった。しかし、食事に伴う満足感が得られなかった。

 それで、6月7日大曲中通病院で上部消化管内視鏡検査を受けた。原因か結果かはわからないが、十二指腸潰瘍と胃のビランが見つかり、薬物療法を開始して徐々に消化器症状は改善し現在に至っている。


 この間の約2週間、体調はひどく悪かった。
 罹患翌週の健康クリニック、中通病院外来診療、大曲中通病院外来診療は各1回休診にさせていただいたが、本拠地である中通リハビリテーション病院の入院業務は大きな穴を開けることなく遂行できた。
 実際には、病院内の自室で寝たり起きたりしながら病棟に通い、大変辛い時期であった。

 5月中は途切れ途切れながら「日本の食料問題」に関連するブログの記述はなんとか続けたが、体調が改善しっつつある6月になってからは頓挫した。

 その理由は、気力の減退とともに下肢機能の低下を大きく自覚したたことにあり下肢機能の改善を優先的にしたために時間が乏しくなったことにある。

 こんな不調の時にもコツコツと歩数計記録を積み重ねている私は半ばバカに見えるが、これは私の特質の一つでもある。

 連日の歩数計の記録を見ると、罹患日の5月18日は1359歩であったが、不調であった5月19日-5月26日は210歩-1778歩で平均878歩で、この間はほとんど歩かず寝たり起きたりの生活であったことがわかる。

 体調が改善し始めた5月27日-5月31日は務めて歩く様に心がけ、朝夕に歩行訓練の時間をとった結果、3571歩-5140歩で平均4315歩で目標の5000歩に近くなった。

 当初はフラフラし、歩き続けることも辛く感じることもあったが、徐々に慣れてきた様である。
 
 それにしても予想していたことではあったが、「高齢者にとっては下肢機能の低下は恐ろしい」ものである。回復には4倍の時間がかかると言われているがその通りであった。

 気力も徐々に戻りつつある様に思う。
 体調不良関連の記述は本日で終了とする。

 
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突然体調不良に陥った(9) その後一見順調だが失った体力・気力がなかなか戻らない

2024年06月14日 08時07分36秒 | 近況・報告
 何度も繰り返した記述であるが、先月5月18日突然原因不明の体調不良に陥った。主たる症状は固形物を一切受け付けない強度の食欲不振であった。軽度発熱も伴っていたので何か感染症に罹患したのか、と自己判断し水分だけを取りつつじっと経過を見ていた.

 この間もなんとか日常生活の記録、ブログ記事は出来る範囲で記載し続けた。
 その内容は以下の如く。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
5月18日 突然体調不良に陥った(1) 本日午後から 原因不明

5月20日 突然体調不良に陥った(2) この二日間の経過観察から

5月23日 突然体調不良に陥った(3)  採血検査を受けた 6日目にして夕食時に初めて固形物を摂った

5月24日 突然体調不良に陥った(4) 昨日胸部レントゲン検査、採血検査
5月26日 突然体調不良に陥った(5) 本日秋田ゾンタクラブの講演会の講師を務めた(1)

5月27日 突然体調不良に陥った(6) 本日秋田ゾンタクラブの講演会の講師担当(2)

5月28日 突然体調不良に陥った(7) 本日秋田ゾンタクラブの講演会の講師担当(3) ハプニングに見舞われた

6月07日 突然体調不良に陥った(8)  本日大曲で上部消化管内視鏡検査を受けた

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 これ以外の日は記述困難なために徒然の記述はできなかった。

 罹患後5日目に胸部レントゲン検査、採血を受けた。
 前者は特に普段と変わりなく、心不全の悪化はなさそうであった。
 後者は特にCRP高値、白血球数高値普段と変わりなく、やはり感染をベースにした病態と考えられた。その原因は特定できなかった。ならば経過観察しかない。

 この間一歳固形物は取れない状況であったが5月26日には秋田ゾンタクラブの講演会の講師を務めた。この講演会は思いがけないハプニングに見舞われ、私にとって最高に辛い講演会となったがなんとかやり切った。そのことに関してだけは満足している。
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突然体調不良に陥った(8)  本日大曲で上部消化管内視鏡検査を受けた

2024年06月07日 04時55分41秒 | 近況・報告
  今回の体調不良は発熱もあったし、消化管を中心とする未知の感染症と思って経過観察してきた。
 発症から3週間経過し、かなり体調は改善したが、改善は今一つ。回復の程度90%近くで足踏みしているようだ。
 とくに食事は罹患10日目ほどからほぼ全量摂取できるようになったが、味が今ひとつで、食べたという満足感が乏しい。

 そう言えばここ3年ほどは、憩室からの出血で入院、鬱血性心不全で入院・・・・などあり上部消化管検査は受けていなかった。

 上部消化管内視鏡検査はウジウジ考えるほどの検査ではない。やろうと決めたら即実行である。

 本日大曲で外来患者が少し途切れたところで上部消化管内視鏡検査を受けた。私の検査結果など公開するのは好みではないが方々で迷惑かけたのでやむを得ない。

 結果は
●逆流性食道炎 
●胃の前提部にビラン多発 
●十二指腸潰瘍
●ピロリ菌スマートジーンPCR :陰性。
●その他 若干、

 早速、検査医が治療のプランも立ててくれ、ネキシウム20mg 朝食後服用、となった。

 恐らくはこれで一歩快方に向かうだろうと期待される。
 これ以降の経過が順調であればこのシリーズは終了とする。

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退職14年目 感想 パラダイス期間だが今回を含め3回健康を害した

2024年05月31日 04時37分21秒 | 近況・報告
 2011年5月末社会医療法人明和会を退職した。
 「急性期の病院に高齢医師は不要」、「私の社会的使命は終わった」、「老害、男性社会害の一人にはなりたくない」、「医師としても終わった」・・・などと発言してきた私は、秋田県の医師不足、法人の医師不足のおかげもあって現在も法人内病院で嘱託医師として働かせていただいている。

 昨年3月末日をもって飯川病院が閉院となった。家内共々中通リハ病院の嘱託医として働くこととなった。それぞれ入院患者を15名ほど受け持っている。私にとっては業務量が増えた。

 私の行動は過去の発言内容と矛盾している。だから内心忸怩たるものがある。
 ただ、秋田県は相変わらず医師不足、加えて法人も医師不足。私自身の医師として技能が求められているのか、医師免許を持っているというだけの資格が求められているのかは定かではないが、新しい環境の中でいろいろ学べ、経験できるのは楽しい。
 
 人生の最終コース、遊行期に入った身にしてみれば、この様な環境が与えられていることは法外の喜びで、感謝以外の何者でもない。

 私は2022年10月は下部消化管からの出血で、2023年5月上旬には心不全で1週間の入院生活を送った。共に大きな後遺症もなかったが、後者では心保護のために生活全般の抑制が求められている。

 加えて本年5月中旬には不明の著しい不振状態に陥った。2週間の経過の中で5Kgほど体重が減少した。自然に改善したが上部内視鏡検査の結果十二指腸潰瘍が見つかった。真の原因は不明であるが、これで今回の不調は一段落になると思われる。


 
 ほぼ毎年と同じだが、近況。
-----------------------------------------------------------------------------
 ■ホームページ:更新が負担に。連日更新にこだわらない。
 ■ウオーキング。まとまって歩行はできなくなった。その分、日々こまめに歩いている。目標は5000歩に落とした。伊能忠敬の足跡を辿っての日本一周は、2周目で間もなく山口。焦らずゆっくり歩きたい。
 ■通勤の交通手段:往路はam6:40バス。体調によっては家内に同乗。復路は家内に同乗。
 ■岩手県への復興資金:県側の姿勢に主客転倒??の雰囲気を感じ、中止した。
 ■日々のルーチンワーク:録音、録画、新聞スクラップ、文献スクラップ、学術文献スクラップ、書籍の自炊などなどは継続。
 ■読書欲は維持されている。
 ■園芸:野菜、花壇づくり。負担になりつつあるが、作業を軽減した。
 ■体調:ちょっと無理すると動悸息切れがある。下肢筋力は今回相当落ちた。
 ■視力低下;iPad、パソコンの画面を舐めるように見ている。
 ■体重コントロール:思いがけず今回の不調で5Kg原料となった。
 ■終活:コツコツと進めている。
 ■などなど・・・・。
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突然体調不良に陥った(7) 本日秋田ゾンタクラブの講演会の講師担当(3) ハプニングに見舞われた

2024年05月28日 04時35分17秒 | 近況・報告
 今回は私にとっての最後の講演になるだろうと考えて内容的に十分に推敲を重ねつつ準備していた。7割方出来上がった状況にはあった。
 講演直前の1週間前の準備期間は最終的詰めを行う時期であり、とても貴重である。この時期の準備で次から次と話したい内容が増えてくる。

 しかしながら、この大事な時期に、5/18日午後から突然身体的不調に陥った。熱感、全身的違和感、水分以外の固形物を一切受け付けない強い食欲不振などなどである。これらの症状は約10日間続いたあと、徐々に改善に向かった。

 この間業務としての中通リハ病院の患者の対応はほぼ欠損なくできたが、5/20の健康クリニック、5/21の中通病院内科外来、5/24大曲中通病院は休診にさせていただいた。同僚スタッフには迷惑かけた。

 そんな健康状態の中でも講演準備をコツコツと進め、ほぼ満足できる域にまで用意できた。

 所が、講演当日思いがけないアクシデントに見舞われた。
 私のパソコンはMacである。Macの場合施設備え付けのプロジェクターとの相性が悪く投影できないことがある。で、あらかじめリハーサルを行った。

 5月24日のリハーサルでは投影に失敗した。
 5月25日のリハーサルでは投影に成功した。これで準備完了と安心し切っていた。
 5月26日本番では同じ条件で臨んだのに投影に失敗した。原因は不明である。施設の技師がいろいろ工夫してくれたが、結果的にプロジェクターを用いることはできなかった。

 実際の講演は予め準備しておいた紙の配布資料を利用しつつ進めたが、内容の伝達度は60-70%程度であったと考えられる。50余名の聴衆の方々にとっても辛かった、だろうと考えられた。講演終了時には申し訳なくて出口で出席者の方々を見送った。

 私にとっても体力的にも内容的にも辛い公演となった。
 最後の講演会がこのような形で終了したのは極めて残念であった。
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突然体調不良に陥った(6) 本日秋田ゾンタクラブの講演会の講師担当(2)

2024年05月27日 07時23分09秒 | 近況・報告
 秋田ゾンタクラブの健康関連講演会の講師をひきけることになった。

 引き受けた当初は今回の体調不調などは全く予想もできなかった。ただ、私にとっては最後の講演会になるだろうと考え、内容的に推敲を重ね十分準備をすることとした。

 講演演題は「紅麹問題を機会に食を考えようーーー老を受け入れ元気に過ごす工夫」とした。

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 私の視点から見て紅麹問題はたかがサプリメントの問題であり、決して大きな問題とは考えていない

 確かに製造過程で異物の混入が示唆され、死者も出たが、これは製造過程の何処かでミスが生じたもので紅麹そのものに問題があったわけではなさそうであった。ただ、この点は今後の同様の事故を防ぐために十二分な追及がなされることは当然である。

 それ以上に問題なのは、我が国では食品に意味のない栄養面からのランクづけを行い、国民の、特に高齢者の健康志向を煽り、高齢者が持つ豊かな資金を市場に引き出そうとするものである。高齢者の資金を市場に引き出すことは正しい判断であろう。しかし、高齢者の漠然とした健康不安感に付け入ったやり方は納得し難いものがある。

 さらに罪深いのは、健康食品の成分の一部を濃縮し、錠剤とかカプセル化することを認めたことである。これによって健康食品はあたかも食品の域を脱し、素晴らしい科学的製品、薬品の如くのイメージになってしまった。これが薬好きの日本人の感性に直接訴えかけることになった。

 そのためにサプリメント市場は1兆円規模の巨大市場を占めるようになった。
 サプリメントとしてあるかないかのレベルの効能を発売元の責任のもとで掲げることは許されているが、その広告の内容はじっくり読まないと薬品とほとんど区別できないように巧みに工夫されている。

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 さらに、日本の食料問題は、厳しくなりつつある世界の食糧事情の中で我が国が経済力を背景に過剰に買いあさっていること、廃棄される食料が多いこと、食料自給率が異常に低いままであることなどなどである。

 例え秋田の片田舎で、当たり前の食生活を送っていても、知らず知らずのうちに世界の食糧事情に悪しき影響を与えているということを自覚しなければならない。
 将来的に日本の食糧事情は厳しくなっていかざるを得ない。今までの考え方は通用しなくなるだろう。

 このことも今回の講演の中で強調したかったことである。
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突然体調不良に陥った(5) 本日秋田ゾンタクラブの講演会の講師を務めた(1)

2024年05月26日 05時02分43秒 | 近況・報告
 約二ヶ月前、秋田ゾンタクラブの会長より次回の講演予定の医師からお断りの連絡が入ったとのこと。それで、急遽私が講師をひきけることになった。引き受けた当初は今回の体調不調は予想もできなかった。

 講演演題は「紅麹問題を機会に食を考えようーーー老を受け入れ元気に過ごす工夫」とした。

 紅麹関連事件は製造過程で恐らく異物の混入があったと思われるが現時点では詳細はまだ分かってはいない。私はそんなこと以上に「漠然とした健康不安」を企業やマスコミに煽られ、それに便乗したサプリメント業界がほぼ野放し状態で、勝手気ままに製品を開発、食品としてのあるかないかの機能を表示して販売していることに問題を感じていた。

 今回はこの点を中心に据え、日本が抱えている世界の食糧危機に対する責任、過剰摂取の問題、大量の食料廃棄の問題、自給率39%の背景と、将来的な食料安保の考え方にも触れることとした。

 そのため、資料の表紙にはアポロ17号が撮影した地球の全景図を借用した。ちょっと壮大なイメージであったが、私が抱えている将来に向けての心配事の一つを表現したつもりである。

 我が国で通常の食生活をしている限り栄養素が不足することはます考えられない。

 加えて、参加者は高齢女性が多いことが予想されるために副題として「老を受け入れ元気に過ごす工夫」とし、筋肉維持の方法、歩行能力維持の方法、認知症発症をどうやって遅らせるか、についても言及することとした。


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