地球は水の惑星と言われる。
しかし、元々は地球には水はなかった。
表面積の7割をしめる海は平均約3700mの深さ。地球上の水の97.4%は海にある。氷河や地下水、川や湖などの陸水は2.6%。そして大気中に0.001%。こんなに豊かな水に恵まれた惑星は、太陽系で地球だけ。
この地球の水がどこからやってきたのか、実際にはまだよくわかっていない。
太陽や地球のもとは、宇宙にただよう気体や塵。それが集まって太陽ができ、ほぼ同時に、惑星などの天体が太陽のまわりに誕生した。
水などなかった地球に水をもたらした可能性のある最大の候補は、氷由来の水分を岩石中に含む小惑星たちの存在。これが地球に飛んできて次々と衝突し、その水分が地球の水のもとになったという考え方、これが主流である。
太陽からの距離が偶然にも適正であったために地球ではそれらの水を失うことなく氷や水蒸気、水の形で保持できた。
その水によって地球は冷やされ、豊かな今の環境ができた。
大気中には全水の0.001%しかないが、これらが見える形として認識できるのが雲である。雲は上昇気流の力で空間を漂い、雨や雪をもたらすが決して「しとしと降る」様な静かな現象ばかりではない。
日本では毎年各地域で豪雨が起こり、多くの災害が発生する。 昨年7月に起こった秋田県の豪雨は記憶にも新しい。
地球大気の対流現象の特徴は集団化し強い雨をもたらすこと。豪雨をもたらす雲は基本的に積乱雲。日本は地球上でも集中豪雨の起こりやすい地域である。
集中豪雨はおおざっぱに言うと、数十キロの狭い地域に数時間に数100mmの降雨が集中する現象をさす。一般に、積乱雲は移動しながら雨を降らすが、1ヵ所に1時間に50mm以上の雨をもたらすことは多くない。
複数の積乱雲が急激に発達し、 ごく狭い地域に豪雨をもたらす現象は線状降水帯と呼ばれるが、これを予測することは現時点では非常に難しい。
頻繁ではないにしても、積乱雲は1時間に50mm以上の雨を降らし得る危険な雲として警戒が必要である。