みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ミニボックスEシリーズあれこれ その4

2008年08月31日 00時26分24秒 | キット評
 ステンサブマシンガンとミグ15の話で途切れましたが、またハセガワのミニボックスEシリーズの話に戻ります。ミグ15の製作記録はまた順次ということで。Eシリーズが当時模型店になかなか入荷せず、あこがれの的だったことは既に触れましたが、特に兵隊のセットは欲しくて仕方がありませんでした。子供はやはり車輌には兵隊を組み合わせたくなるわけです。
 ところがエアフィックスはじめ、ミニスケールの兵隊はソフトプラスチックのものばかり。ハセガワミニボックスのアメリカ兵・ドイツ兵が発売されるよりずっと前の話です。接着・塗装可能なプラスチックの兵隊は、ニットーやフジミの1/76のものと、これくらいしかありません。ニットーやフジミのは子供の目から見ても、まあそれなりのものだったので、なおさらエッシーのものが欲しかったんですね。でも模型店に入荷したのは、イギリス第8軍とロシア軍だけでした。それでも見つけたときは、うれしくてうれしくて。箱のサイドの広告で、他にもアメリカ海兵隊とドイツアフリカ軍団が出ていたことは知っていても、これは影も形も見たことはありません。ごらんのアメリカ海兵隊は、大人になってから入手したものです。
 後にミニボックスのアメリカ歩兵「コンバットチーム」とドイツ歩兵「アタックグループ」が出たときは小躍りして喜びました。発売予告を見たときから、どんなものが出るのだろうとわくわくしていたのを覚えています。大人になってエッシーのアメリカ海兵隊を入手しみると、人形のポーズはほとんどミニボックスのものと同じで、ちょっと複雑な思いがしましたが。
 ついでに、イギリス第8軍「砂漠のネズミ」の箱絵を見ると、6ポンド対戦車砲の砲兵は軍服がヨーロッパ戦線のものに見えます。これがタミヤの1/35の6ポンド砲の絵とそっくりで、子供の頃は何かプラモデルの箱絵には世界標準の仕様があって、各社それに従っているのかと思っていました。単にエッシーがタミヤをコピーしたんだ、という発想が当時は浮かばなかったんですね。

MiG-15の尾翼問題 Ciroモデルの改造パーツ

2008年08月30日 10時16分54秒 | 航空機(露・軍用機)
 で、タミヤのMiG-15用として、こんなパーツが出ているんです。チェコのCiroモデルズの「True Tail for Tamiya Kit」(C-402)です。ごらんの通り、タミヤの尾翼をレジンパーツにすげ替えるというもの。私は本ブログで尾翼の角度角度と申しておりますが、これをごらんいただけば、それは角度だけの問題ではなく、尾翼の側面形の問題であることがお分かりいただけると思います。実際写真を見ても、尾翼はこのCiroモデルくらい広い感じがするし、また尾翼上端もタミヤほどとがってはいないんです。水平尾翼の形と大きさもずいぶん違います。特に先端の形状は顕著です。
 もちろん気にしなければかまわない程度のことですし、タミヤのいかにも鋭くて速そうな感じもよいとは思うのですが、MiG-15にこだわる人としてはこのような改造パーツを使うという手段もあるわけでして。ただタミヤの垂直尾翼を正確に切り離して、レジンの尾翼を正確に接着する、というのはなかなか難しそうですけど。

 ついでにこのCiroモデルズからはMiG-15用のいろいろな改造パーツが発売されています。
 MiG-15UTI(複座練習型 タミヤ用)
 MiG-15UTI(同 トラペ用)
 MiG-15bisコクピットディテールセット
 MiG-15bisR(偵察型)
 MiG-15SB(戦闘爆撃型)
 MiG-15初期型(RD-45エンジン搭載)
複座練習型の内、タミヤ用はタミヤの胴体パーツを切り欠いて操縦席周りをごっそり作り替えるようになっていますが、トランペッター用は元々複座型用なのでコクピット内部のパーツのみ。また重要なのは初期型用の改造パーツでしょう。朝鮮戦争の前半では初期型が使われていますので、特定のパイロットの機体(例えば北京軍事博物館に展示されている王海の機体)を作ろうとすればこのパーツが必要になります。それにしても、MiG-17が主力になって以後余剰になった機体を改造した偵察型や戦闘爆撃型、なんてマイナーなバージョンを作りたい人って、そんなにいるのか心配になりますね。
 このCiroモデルズ、レジンパーツの抜きもきれいだし、製品のコンセプトも大変好ましく、好きなメーカーです。特にコクピットディテールセットはエッチングパーツもセットされていて、いや惚れ惚れしますね。なお、コクピットのみのセットを除き、各改造パーツには上で触れた「True Tail for Tamiya Kit」の尾翼パーツがすべて含まれていますので、いずれを作るにしても、尾翼の修正は可能です。ここの製品については
http://www.sky.cz/pmilona/english.htm
ここのフレームのCIROをクリックしてみて下さい。

MiG-15の尾翼問題

2008年08月29日 00時00分00秒 | 航空機(露・軍用機)
 MiG-15の尾翼角度、そんなに違うものなのかという質問をいただきましたので、こんな画像を作ってみました。補助線を入れてみると、ほらこんなに違うでしょう。上がトラペ、下がタミヤです。写真や図面と見比べても、この尾翼の後退角度についてはトラペの方がタミヤよりも正しいようなのです。
 もちろん、各種図面がすべて正しいとは限らないし、写真から角度を判断するのは難しい、ということは分かっています。それに模型は数値通りに作るものではなく、模型としてのデフォルメということもあり得ます。それでも問題なのは、タミヤは尾翼角度が寝過ぎているために、垂直尾翼の先端の形に、ひいては垂直尾翼全体の平面形に影響が出ているということなんです。写真で見る尾翼の形は、やはりタミヤよりトラペに近いんですね。この写真ではトラペの方に方向舵をつけていないので、全体形は分かりにくいのですが。
 ついでに言うと、これよりずっと古い古典的キットはタミヤに近い角度のものが多いので、タミヤはその影響を受けているのかもしれません。

ホビーボスのMiG-15 製作計画

2008年08月28日 00時05分49秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、仮組した状態です。主翼は桁を通して左右一体ですから、この状態で部品数は三点。とにかく部品数は少ないので、何とか気軽に組んでみたいと思います。実際に手を動かしていると、部品の状態では分からなかったいろいろな問題が生じてくるのが中国製スタンダードですから、部品数の少なさが組み立てやすさに直結するかどうかは、まだ分かりません。
 とまれ、製作の方針を自分用のメモとして、箇条書きにしておきます。

・機首 オモリを入れるスペースは十分あり。で、ちょっと気になるのですが、箱の側面の完成品写真、みんな尻餅をついています。最初は颯爽と離陸中のシーンかと思ったのですが、よく考えると完成品の機首にオモリを入れ忘れていて尻餅をついているだけ、なのではないのかな?(中国スタンダード)
・機関砲 抜きの関係でフェアリングの形状が悪いが、修正は面倒なのでここはそのまま。砲身のガス抜きはまあまあよく出来ている。
・風防 窓枠のモールドが無い。これは最悪筆書きでもよいから何とかしなければ。
・コクピット 計器板に何もモールドが無いが、キャノピーを接着すればあまりよく見えないので、スルー。射出座席はこのままでもよいでしょう。ベルトを追加してもよし。照準器らしきものを追加したい。
・胴体 上面にアンテナを追加。エンジン点検パネルにリベット(ねじ穴)を追加。
・尾翼 不要なスジボリを消して、消えているスジボリを彫り直す。
・胴体後部 分割金型の関係で、尾翼直前のパネルラインが単なるパーティングラインになっている。ここはスジボリを彫り直し。
・排気口 ダクトが浅いが、まあ修正は面倒。
・デカール 質は悪くなさそうだが、塗装例は二種類。しかし選択が甘すぎ。これじゃタミヤそのままじゃん。あれって確か、レストア機に再現された塗装なんですよね。せめてトラペのデカールをコピーしてくれれば、朝鮮戦争に実戦参加した機体が作れるのに。しかし、せっかく在庫している別売りデカールをホビーボスに使うのはもったいないしなあ。

とまあ、修正はこの程度、最低限ということで。本気で修正していたらきりがありません。決定版は、何年後になるか分かりませんが、エデュアルドを待ちましょう。デカールについては、後で考えます。

ホビーボスのMiG-15 主翼断面形

2008年08月27日 00時00分02秒 | 航空機(露・軍用機)
 またわかりにくい写真で恐縮です。上がタミヤの1/48、中がトラペの1/48、下がホビーボスの1/72です。主翼の接着面、つまり主翼の断面形をご覧下さい。矢印をつけた場所です。トラペのは尾翼後縁側が極端に細くなっていて、主翼上面に妙なRがついているのがお分かりでしょうか。実機の写真をよくよく見ても、ここはこのような凹みの線ではないようです。常識的に考えて、主翼の後縁がこんな風にすぼまっているということはあまりなさそうです。タミヤの断面形は、まあこれが普通でしょうね。
 で、ホビーボスはと言うと、写真ではちょっと分かりにくいかな、やはりトラペに似たRがついているんです。主翼の上面の処理がこの辺りでかなり無理をしているもの、トラペと同じです。昨日と同じ結論になりますが、ホビーボスは単にトラペをコピーしてスケールダウンした、と考えてよさそうですね。なにもこんな所まで真似しなくてもよさそうなものだと思うのですが、でも何も考えずにトラペの通りに作っておく方が楽なんでしょう。

 余談ですが、タミヤもトラペも、胴体後部が取り外し式になっていて、エンジンが見られるようになっていることはご存じでしょう。でも、わざわざエンジンを見せるなら、やはりレジンパーツやエッチングパーツで少しはディテールアップしてやりたい。そうでなければ、エンジンはすっぱり省略して、胴体はちゃんと接着してしまうのが吉。その方がディスプレイモデルとしても、胴体前後の接合面が自然に処理できていいんですね。おまけにただでさえ尻餅をつきやすいMiG-15なんですから、エンジンパーツは省いてできるだけ後部を軽くしてやりたいものですし。
 その場合、私は写真のように、右半分の前後・左半分の前後を先にそれぞれつなげておいて、中のコクピットやエンジンダクトを作ってから最後に左右全体を接着するようにしています。そうすると、胴体前半と後半をそれぞれ作っておいてから前後方向に接着するよりも、外板の継ぎ目がきれいに処理できるんです。万一誤差があって、胴体前半と後半に段差ができた場合、軸線側で隙間を作っておいてそれを埋める方が、機体表面側に段差ができてそれを平らにならすよりも、何倍も簡単にきれいにできるわけです。
 昔彗星艦爆を作ったのですが、あれは液冷と空冷でバリエーションキットとするために、機首がばっさり別部品になっていますよね。で、説明書通り先に機首だけ左右を合わせたら、後ろの胴体と全然合わなかったことがありました。考え直して、左半分だけ・右半分だけ先に前後を接着しておいて、隙間を軸線側に作ってそこを埋めたら簡単にきれいにできたんですね。

ホビーボスのMiG-15 スジボリの謎

2008年08月26日 00時00分15秒 | 航空機(露・軍用機)
 ホビーボスのMiG-15、スジボリを見ていてちょいと気づいたことが。写真は1/48トランペッターの尾翼(上)と1/72ホビーボスの尾翼(下)を、左面と右面それぞれ並べてみたところです。左側をご覧下さい。水平尾翼の下から方向舵の下端に向けて、尾翼の後退角と反対方向に斜めに走っているスジボリがあるのが見えるでしょうか。常識的にはこんな向きにパネルラインがあるのはちょっと不自然ですね。
 ところが同じ場所の右面は、尾翼後退角の方向にスジボリが入っています。そして尾翼右面と左面のスジボリの状況は、トランペッターの1/48とホビーボスの1/72とで全く同じなんです。黒い矢印をつけたスジボリ四カ所をご覧下さい。
 ここから分かるのは、ホビーボスはトランペッターのキットをコピーしてスケールダウンした、ってことですね。いやまあ、ホビーボスがトランペッターをコピーするのは、当たり前っちゃあ当たり前なんですけどね。でも、ホビーボスの尾翼角度が正しかったのは、特にホビーボスの設計者が意識したことではなくて、単にトランペッターをコピーしただけだった、ということは言えますね。
 うるさいことを言いますと、実機の写真によればリベットの並んだ外板の合わせ目は、タミヤの尾翼のスジボリの位置が正しい。トラペとホビーボスの尾翼左面は誤りです。だいたい不自然だもん。では右面はと言うと、水平尾翼の下にだけスジボリがあるってのは、やはり変。ただしここは、1/72では敢えてスジボリを入れるほどのはっきりした線ではないので、単にスジボリを埋めるだけで、彫り直さなくてもよいのではないかと思います。
 もう一点。赤い矢印の部分をご覧下さい。水平尾翼取り付け位置のパネル、ここにスジボリが無く、一段盛り上がった表現もとろけたようになっていて、ダルい。また写真ではよく見えませんがその前方、垂直尾翼前縁に沿ったスジボリが、水平尾翼の下方でだんだん薄くなって途中で途切れています。たぶん手抜きですよ、これ。尾翼左面はちゃんとしているのにね。

Sten Mk.IIIを作ろう! その7

2008年08月25日 00時19分25秒 | フィギュア(軍事)
 しつこくてすみません。Sten Mk.IIIをもう一回。調子に乗ってついでに作ってしまいました、T字型銃床のタイプ。機関部と銃床は、タミヤの「巡回セット」に入っているSten Mk.IIを使用。「巡回セット」のイギリス歩兵は、銃や装備品に余分が入っているので、こういう時は助かります。
 しかし、同じ作業でも二度目になると手順が分かっているので、割と早くできました。上面の合わせ目の突起や排莢口の指止めは、前回のと色が違いますが、単に違う色のランナーを熱して伸ばしたというだけです。でも色が違う方が見えやすくて作業はやりやすい。

ホビーボスのMiG-15 キターー!!!

2008年08月24日 18時06分08秒 | 航空機(露・軍用機)
 ホビーボスの1/72ミグ15、行きつけの模型屋さんにはもう取り置きしてもらっているのですが(もちろん複数個)、まだ買いに行っていません。ところが、近所のスーパーマーケットのおもちゃ売り場になぜか一個だけ単座戦闘機型が入荷していたので、先に買ってしまいました。全体としては、組み立てやすい簡易キットというこのシリーズのコンセプトのままで、まあ予想通りというところでした。ディテールはまあまあ、所々にミス(手抜き?)もあり。でも問題は何と言っても全体形です。当ブログでも何度か話題にしていますが、やはり気になるのは尾翼の角度。
 古典的キットはもちろんのこと、1/72のドラゴンも、1/48のタミヤも、ミグ15の尾翼の角度が間違っていた。今までのキットでここが正しかったインジェクションキットは、1/72ではKP、1/48ではトランペッターしかありませんでした。特に1/48では、タミヤは他は文句なくベストキットなのに尾翼だけが間違い、トランペッターは尾翼だけは正しいのに他は問題だらけ、という状況だったのです。
 では今度のホビーボスの1/72新製品はどうか? 写真をご覧下さい。上がドラゴン、真ん中の白いのがKP、下がホビーボスです。ホビーボスは胴体が上下割りで、左右が桁でつながった主翼を上下から挟み込む形になっています。いかがでしょう。ドラゴンは明らかに後退角度が大きすぎ。ホビーボスはKPと同じ。KPと同じ、ってことは正解ってことですね(きっぱり)。
 もちろん簡易組み立てキットですからディテールは大幅に省略されています。昨日のブログで訳した中国語掲示板では、風防のモールドが無い、計器板がのっぺらぼう、リベットが皆無、ということが指摘されていました。それ以外にも、エンジンの排気ダクトの奥行きが少々短い、パネルラインが何カ所か変、などに気づきました。リベットはまあお好み次第としても、エンジン点検用の大きなアクセスパネルにはネジが欲しいところ。
 でも、ディテールは何とかなるとしても、外形に修正不能なミスがあると困るんです。今回実物を手にして、尾翼の角度が間違っていなかった点には、ほっと胸をなで下ろしました。

ホビーボスのMiG-15 作例

2008年08月23日 08時24分34秒 | 航空機(露・軍用機)
 ホビーボスの新作、1/72のMiG-15bisおよびMiG-15UTI、いよいよ発売になったようですね。
http://www.1999.co.jp/10074368
http://www.1999.co.jp/10074367
例の、主翼や胴体の一体化を進めた、簡易組み立てシリーズの新製品です。楽しみ、楽しみ。
 探してみたら、あちらではもう作例がアップされています。
http://www.thepmw.com/phorum/read.php?f=21&i=29847&t=29847
台湾の模型掲示板サイトのようです。作品も上手ですね。「woodstock 」という人の作品で、投稿日は08年7月24日ですから、こちらよりひと月以上も早く発売されたようです。コメントの内の主要なものを、「みに・ミー」掲示板の常連さんに頼んで日本語に訳してもらいました。

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woodstock 投稿日時:07-24-08 22:48

このキットの重大な問題は、
キャノピー前部に全くモールドがないことです。
どうも忘れたらしい…
計器板はあるのですが一面のっぺらぼうで、デカールもありません。
リベットは全体に一個しかありません…
しかしこうした低価格製品では文句をつけるのも難しい
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libra 投稿日時:07-24-08 23:03

簡単なキットで、その成果は驚くべきものです!
woodstockの作品は、きっと
HB(ホビーボス)のEASYなシリーズの売れ行きを
高めてくれるでしょう。
・・・・・
300年前に地球は丸いんだと言ったら、
人々から狂っていると言われた。
300年後に地球は丸いんだと言えば、
やはり人々から狂っていると言われる。
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松尾明 投稿日時:07-24-08 23:07

十数年前にドラゴンが出したミグ15は、
びっくりするくらいリベットが超多かったのを
思い出します~~。
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ttt01 投稿日時:07-25-08 00:08

デカールはキットについているものですか?
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S.P.C. 投稿日時:07-25-08 07:29

woodstockさん、ミグ15UTIも一機ぜひお願いします。
私もがんばっていますが、
機首にどうやって重りを入れるのか、分かりません。
教えてくれますか?
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woodstock
日期: 07-25-08 11:45

みなさんおほめいただき、ありがとうございます。
ホビーボスの小型機は正確さとディテールを気にしなければ、
非常によい模型だと思います。
私の感じでは、
未塗装の1/72の箱入りおもちゃ飛行機とういところです。

ttt01さん
デカールは自分で持ってきました。
大陸のメーカーからこの塗装が出ることはないでしょう…
元の塗装もとてもきれいですよ。

S.P.C.さん
重りはエアインテーク内とコクピット後ろに入れれば大丈夫です。
空間は十分あります。
複座型を作るのだと、あまりないかも…
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frontpenny 投稿日時:07-25-08 17:33

とても目の保養になる作品です。劉承司の乗機ですね~
この製品はここ(大陸)ではまだ発売されていません~
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なるほど。この青天白日旗をつけたMiG-15は、大陸からの亡命機ですか。国府軍に接収された後、国籍マークを書き換えたのでしょう。大陸から台湾への亡命者は「反共義士」と呼ばれたんだそうで、劉承司は1962年3月に台湾に亡命した中共空軍のパイロットです。

ミニボックスEシリーズあれこれ その3

2008年08月22日 01時26分00秒 | キット評
 さてさて、エッシー「ドイツ野戦砲セット」の話にまたもどっちゃいます。手元にありながら、今まで全く認識していなかったのですが、エッシーの赤箱とハセガワEシリーズとでは、箱絵の図柄が違っているんですね。背景の有無だけではありません。そこに描かれている砲や機関砲や兵士の絵が、全く違っているんです。37ミリ対戦車砲はそもそも向きが異なりますし、20ミリ四連装Flak38は防盾の有無が異なります。75ミリ対戦車砲もやはり違う絵です。
 なぜそんなことを気にするのかと言いますと、Eシリーズの他のキットでは、基本的に背景が白抜きかそれとも風景か、という違いだけで、車輌や兵士の絵はエッシーのオリジナルと全く同じものであることがほとんどだからです。まあ、絵を変えることくらいあるわいな、と思われるかもしれませんが、よく考えるとこれがまた考証のネタになるんです。
 私は子供の頃、近所の模型店でハセガワEシリーズにあこがれて、時々入荷すると嬉々として買い込んでおりました。それが後に都会に出て、エッシーの直輸入のキットを手にしたわけですが、その時には、背景が描かれたエッシーの箱絵から、車輌や人物を切り取ってきて白抜きの背景にしたのがEシリーズだと思っていたんです。つまり、

  背景付きの箱絵=エッシー直輸入版
   ↓
  (背景をカット)
   ↓
  白抜きの箱絵=ハセガワEシリーズ

だと思っていたんですね。だって直輸入版がオリジナルだと、普通思うじゃありませんか。
 ところが最近、実はそれは逆で、エッシーオリジナルの古い箱絵は車輌のみの白抜きで、後になって背景が描き込まれたんだ、という話を聞きました。つまり

  白抜きの箱絵=エッシーの初期製品 → ハセガワEシリーズ
   ↓
  (背景を追加)
   ↓
  背景付きの箱絵=エッシーの後期製品

ということです。そして今採り上げている「ドイツ野戦砲セット」の箱絵の変更は、このことと辻褄が合うんです。
 「ドイツ野戦砲」の二種類の箱絵をよく見てください。もしも白抜きの絵が先で、後から背景を追加しようとすると、うまく行かないことがおわかりでしょうか。白抜きの絵では37ミリ砲と75ミリ砲と四連装対空機関砲とがそれぞれ独立で描かれていて、地面の位置や向きと遠近感がそれぞれ異なっているのです。だからこのままで全部の砲に共通の一つの地面を描き込むことは不可能なんですね。だからこそエッシーは、後に背景付きの箱絵を作る際に、白抜きの絵は一切利用せず、砲も人物も背景と一緒に新たに描き起こしたわけです。もちろんみんな同一の平面上に配置されています。
 もしも背景付きの絵が先だったと仮定するならば、後で白抜きの絵を作るためには単に背景を消せばよい。あるいは砲や人物だけを切り抜けばそれでよい(事実同シリーズの他のキットはそうなっている)。わざわざ描き直さなくてもよいはずです。つまりこのEシリーズとエッシー赤箱の絵の違いというのは、白抜きが先で、背景付きの箱絵が後から発売された、ということを語っていると考えてよい。
 ついでにもう一つ、四連装対空機関砲の防盾について。古い方の白抜きの絵では、防盾無し。後の背景付きの絵では防盾付き。勘ぐりすぎかも知れませんが、キットの機関砲は防盾付きになっている。だから箱絵と中身を合わせるために防盾を追加した、と考えるのが自然ではないでしょうか。防盾が描かれているのに、わざわざそれを削除する、ということよりは可能性が高い。これも白抜きが先、ということと辻褄が合います。
 実は他のキットにも、白抜きが先で背景が後から描かれた、ということを示す証拠というのはあるんです。それはまた後のブログで語りたいと思いますが、いや、模型製作に直接関係なくて申し訳ないんですが、もうエッシーのキットを愛するが故の重箱の隅つつき、ってことでここはまあ…。
 ところで、Eシリーズの方の75ミリ砲の絵はイタレリかどこかから出ていた1/35の75ミリ砲箱絵に似ているような気がするんですが、どなたかご存じありませんか。