みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ツポレフTu-104の巻(その9)

2006年12月28日 15時42分03秒 | 航空機(旅客機)
 さて、ご紹介したツポレフ104のキットの胴体パーツを並べてみました。上から
  ・リンドバーグ
  ・OKB144
  ・オーロラ
  ・アランゲル
です。スケールの違い以外に、側面形や主翼の取り付け方の違いにもご注目ください。特に主翼の付き方は、主翼の根元のエンジンナセルの形状にも影響します。
 それから気になるのが、機首ですね。アランゲルの機首は何と申しましょうか、風防のラインが胴体からツラ位置のまま、というか、風防を取り付けると単なる円錐になって風防面の立ち上がりがない、というか、とにかく変ですよね。だってこれでは操縦席から前が見えませんよ。
 結論。ツポレフ104のキットは、古い物ほどよい!

ツポレフTu-104の巻(その8)

2006年12月27日 02時49分19秒 | 航空機(旅客機)
 リンドバーグの中身です。前回まで紹介したキットに比べて小スケールなので、ご覧のように透明部品は用意されていません。窓は塗装とデカールで処理します。右上のランナーから部品が外れていますが、下に並べたエンジンナセルと水平尾翼が元々ここにくっついていたはずです。スタンドもついていますが、脚パーツも入っています。エンジンナセルの形状は、オーロラに似ています。部品分割も似ていますし。胴体の側面形はこのリンドバーグが一番よいように感じました。

ツポレフTu-104の巻(その7)

2006年12月26日 10時48分06秒 | 航空機(旅客機)
 さて次は、リンドバーグのキットです。スケール的にはこれが一番小さいようです。ちょうど夜間飛行に離陸する、といった雰囲気の箱絵で、大変よくできています。この時代の箱絵は、前回のオーロラにしても、なかなかよいものですね。
 この箱絵で見ても分かりますが、ツポレフ104では胴体の客室窓が一列に並んでいないんですよね。客室の座席窓はまっすぐツラ位置に並んでいますが、機首の操縦席後ろ、それから主翼の上部、最後部の水平尾翼前の窓が、若干上の位置にあります。ツポレフ104は元々爆撃機から改造された旅客機なので、内部容積が狭く、旅客機としての効率は悪かったと言われています。客室以外のスペースを取るのに苦労したのでしょうか。一番後ろの窓や主翼上部の窓は、客室ではなくキャビンや乗務員用スペースなどに使われるのでしょう。それから機首にある高い窓は、おそらく天測を行う航法士用のスペースなのではないでしょうか。と言うのは、このすぐ上に天測用の球形窓がついているからです。GPSのある現在では考えられませんが、当時はドーム型の窓から天測儀を空に向けて自分の位置を計算していたんですね。もちろんこの後も自立航法装置はどんどん発達するのですが、ずいぶん後の時代の新しい旅客機でも、天測用の天井小窓をつけたままのものがあるようです。もしもの時用なのでしょうか。夜間飛行で、高空から、天測窓で空を見ると、さぞかし星が綺麗に見えるでしょうね。

ツポレフTu-104の巻(その6)

2006年12月25日 10時03分12秒 | 航空機(旅客機)
 オーロラの中身です。全体にかっちりした印象を受けますね。機首の形状と垂直尾翼の立ち上がり部の形状は、アランゲルよりも上です。エンジンナセルは断面形がはっきり丸く立ち上がっている感じがして、アランゲルやOKB144印象が違いますが、これは部品分割のしかたでそう見えるのかも知れません。
 写真には透明部品が写っていませんが、ちゃんと入っています。操縦席と、機首天井の天測窓(ドーム状)とが透明パーツ。胴体には客席窓が開いていますが、残念ながらここには透明パーツは用意されていません。デカールは少々黄ばんでしまっていますが、印刷自体は細かくきれいです。

ツポレフTu-104の巻(その5)

2006年12月16日 09時47分46秒 | 航空機(旅客機)
 さて、Tu-104の続きは古典的キット、まずはオーロラを取り上げましょう。ごらんの通り、いかにもオーロラテイスト、というかレトロな魅力のボックスアートですね。わざとらしくロシア正教会のタマネギ型聖堂が描かれています。、こうした濃い緑色の背景は、他のオーロラの箱絵にも時々使われます。画家が好んだのか、それともメーカーの看板色だったのか。
 このキット、若干箱の縁が擦れていますが、保存状態も非常によく、箱の糊付け部分も全く傷んでいません。この時代のキットは、紙箱本体に印刷したアート紙をかぶせて貼り付けたものが多いのですが(レベルなどもそうですね)、幸いなことにはがれたり浮いたりはしていません。実を言うとこれ、九州のある模型店で、お客さんからの委託販売で出ていたものなんです。ガラス棚にオーロラのツポレフを見たときは、一瞬我が目を疑いましたね。値段もまことにリーズナブルでした。いや~、こういうのも「出会い」というんでしょうね。大阪の「ホビーカンスケ」や東京の「D-FORCE」のような骨董プラモを扱う専門店では、これくらいのキットは普通なのかもしれませんが、委託品でたまたまこういうものに出会うと感動を覚えてしまいます。この時は同時にもういくつか、大好きなレトロキットを入手しました。これもいずれ紹介します。

ツポレフTu-104の巻(その4)

2006年12月12日 09時18分21秒 | 航空機(旅客機)
 写真はOKB-144のTu-104の中身です。簡易金型の限定生産で、全体にダルく、同じ簡易金型としてもあまり上等ではありません。マーブルチョコみたいなフローマークが出ていて、プラの質もよさそうにありません。それぞれ窓には穴があいていますが、別に用意された透明パーツはどうみてもすんなりはまってくれそうにありませんね。
 フォトエッチングパーツつき、と言ってもディテールアップのためと言うよりは、むしろプラスティックで細かいパーツを成形する力がないので、エッチングでごまかした、という感じがします。デカールの印刷はずれもなく非常によい。ただしうまく貼れるかどうかはやってみないと何とも言えません。
 このキット、残念ながらネットでもあまり評判がよくありません。値段を考えるとやはり納得いきませんよ。しかし、ひとつ言えることがあります。先日紹介したアランゲルより、マシだ!

ツポレフTu-104の巻(その3)

2006年12月02日 11時40分16秒 | 航空機(旅客機)
 アランゲル以外にTu-104と言えば、何年か前に出たOKB-144というロシアのメーカーのキットがあります。国内代理店のカタログでは「OKB」となっているようですが、正しくは「OKB-144」がメーカー名です。他にも
 Yak-40旅客機
 Tu-16バジャー爆撃機・初期型
  同、後期型
 Be-12飛行艇
 An-124輸送機
 Tu-154旅客機
が出ていて、いずれもスケールは1/144です。簡易インジェクションにフォトエッチングパーツ入り、という構成で、残念ながら出来の割りには値段は高めです。

 最近相次いでキットの出たTu-160ブラックジャック爆撃機にしても、Tu-95ベア哨戒機にしても、やはり大型機は1/72ではきつい。1/144が最も手頃に感じますね。では次に、OKB-144のキットの中身を見てみましょう。

ツポレフTu-104の巻(その2)

2006年11月23日 19時33分25秒 | 航空機(旅客機)
 さて、アランゲルのTu-104の中身です。開けてびっくり。ごらんのとおり、「え?」という出来です。胴体にも翼にも、モールドらしきものがほとんどありません。これはモールドではなく、単なるデコボコだ… 動翼部分は凸線で表現されていますが、これもダルい。主翼上面のバルジや整流板も、なんだかおざなり。左右胴体を合わせてみると、胴体断面形が丸くなく、なんだか上下に少し尖っている。機首や機尾の側面形もあまりよくない。
 さらに、スタンド付きで飛行状態のみ。降着装置は最初からついていません。部品数は非常に少ない。操縦席と航法士席のみ、質の悪い透明部品が入っています。当然組み立て説明書は、あっさりしたものがぴらっと一枚。こりゃあ何十年も前の、半分オモチャのロシア製プラモを思い出させるぞ。一つ言わせてもらいたいのですが…
 これで四千円かよ!

 せめてもの救いは、デカールの印刷が良好なことです。フィルムが白っぽくてやや厚いかな、という感じはしますが。まあ、デカールを使うところまで行き着くかどうか分かりませんけどね。胴体表面に、ヒケとは違う、なにか凹凸があるんですよ…。
 まあ、これで腹を立ててはいけません。評価の高いキットを機嫌良く作るのも模型趣味ですが、さあどんなキットが出てくるかなと、シュリンクパックを開くドキドキも模型趣味ですから。

 でも、これではブログの収まりがつきません。ついでですから次回から、Tu-104の他のメーカーのキットもいくつか紹介することにします。

ツポレフTu-104の巻(その1)

2006年11月19日 20時02分11秒 | 航空機(旅客機)
 みに・ミーでは、ごくたまには飛行機も作ります。古い時代の旅客機なども、現代の飛行機と違ってレトロな魅力があるので好きなんです。政治体制はともかくとして、旧ソ連の1950~60年代のエアロフロートの旅客機は、スタイルといい塗装といい、独特の雰囲気があって模型的にも見栄えがする。特にTu-104は子供の頃に図鑑で見て、機首に航法士席のガラス窓がある旅客機なんて面白いな、と思っていました。
 実機については、たとえばここ。
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/tu-104.htm
へえ、コードネームは「キャメル」なんですね。Tu-16「バジャー」爆撃機を元に作られたソ連最初のジェット旅客機です。機首の航法士窓や、主翼付け根のエンジンなど、元の爆撃機そのままです。Wikipediaによると、
http://ja.wikipedia.org/wiki/Tu-104_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
世界で二番目に営業運行されたジェット旅客機だそうです。では、世界初の営業運行ジェット旅客機はといえば、デハビランド・コメットDH106ですね。民間機のコメットを元にして哨戒機のBAE ニムロッドができたのとちょうど逆に、バジャー爆撃機を元にして民用機のキャメルができたわけです。
 写真はアランゲルの箱絵です。どこにもスケール表示がないんですが、バウマンのサイトによると1/110のようです。次はこのキットの驚愕のレポートです。