みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ピットロードの陸上自衛隊61式戦車

2011年07月26日 22時40分05秒 | 車輌その他
 いきなりですが、ピットロードの陸上自衛隊61式戦車です。なぜ急に作り始めたか、というと、フジミから1/72で10式戦車が出た。これを機に、在庫処分で買い置きのピットロード61式、74式、90式を作っちゃおう、というそれだけです。なにせそれぞれ2個ずつ買ってますからね。
 しかしピットロードのこれら陸自戦車三種、2ちゃんのミニスケ板でもあまり評判がよくなかったようです。何でも、タミヤの1/35のコピーだとか。なにせ、金型作ったのがあのトランペッターだそうですから。まあまずは61式から、凝らずに気軽にちょこちょこっと作ってしまいましょう。
 …
というのはやはり甘かった。猛烈に部品の合わせが悪いのです。これ、2004年の製品ですが、それを考慮してもひどい。ほんの数年前、まだこんな製品出してたんですね。まず車輪関係ですが、ランナーから外して湯口を整えて、すぐに使えるパーツがただの一つとしてない。車軸など、棒状筒状のパーツにみんなテーパーがついていて、そのままでははまらないんです。一つ一つ、軸を削るか、穴を広げるかして行かなければダブル転輪の貼り合わせすらできない。おまけにそれが車体側の車軸にまともに入らない。穴の内経を削りすぎるとゆるゆるになるし、奥まで入りすぎる。慎重に少しずつ削りながら、接着時に各車輪の縦方向の位置がまっすぐ揃うようにしなければ、後でキャタピラを通せなくなります。そしてキャタピラ。やっぱり長さが足りない…。中国人のお家芸かっ! 見よ!車体内部には誇らしげな「Made in China」の文字が!
 トップ写真のようになるまでに、ものすごい手間でした。このキットを作っておられる方のブログなどを探してみたんですが、足回りが組みにくい、という意見があるだけで、みなさんそんなに腹を立ててはおられないようです。すごい。みなさん凄い技術と仏様のような忍耐力をお持ちなんですね。私ゃだめです、こういうクソプー(クソプラモ)。
 そしてやっと車輪関係を取り付けて、さてここに車体上部を載せてみて、またびっくり。車体上下がまともに重ならないんです。一応車内にダボがあるんですが、これに合わせると、車体先端にものすごい隙間が空くんですよ。

おまけにこの状態では、起動輪とフェンダーの間に隙間がなく、キャタピラが通らない。隙間埋めと、車体上部のかさ上げのため、かなりプラ板で整形しなければならないと思われます。ついでにこのキット、車体上部の袖部の下面(キャタピラの上)がすっぽ抜けててスケスケ。キャタピラを履かせればあまり目立たないのかも知れませんが、パーツ全体が肉薄なので、車体上下が前端後端で固定されているだけだと、中央部がふわふわたわんでしまうんです。やはり何か隔壁を作ってやらずばなるまいて。中国製プラモ大嫌いだけど、これは自衛隊車輌だし、被災地での活躍に敬意を表して、ちゃんと作ってやりたいところなんですが、はたしてこれ、作れるのかな。

Youtubeのミニスケール関係動画

2011年07月24日 23時00分06秒 | Weblog
 一応模型は毎日少しずつは作っているんですよ。一つはi-modellersで連載予定。他にもちょこちょこ作っているんですが、結構腹の立つことも多くて(やっぱ中国製は以下略)、まあその腹の立つこととそれをどう修正したかということも記事の内ですから、一応こちらのブログで記事にするつもりです。
 で、休憩中にYoutubeを見ること、みなさんもよくあると思います。休憩しているときにディスプレイで動画を見ては目の休憩にならんのではないか、とも思いますが、まあ息抜きに。私が好んでみるのは、かわいい動物、第二次大戦ドキュメンタリー、車輌や航空機、といったところです。関連動画を続いて見ている内に、いくつかミニスケールAFV関係の動画に出会うこともあります。
 最近、ちょっと笑っちゃったのが、これ。
German Tank IV Scale 1:72, smoking, explodet
わはははは!最初の「ぽんっ」という爆発がなんともユーモラス。いや、中の戦車兵は急いで脱出しなければならないんですけど。煙が立ち上っているところを見ると、ドライアイスではないようですね。何を使ったんだろう。コメントではよく分かりません。鉄道模型で煙を出すための液体か、なんて書いてありますけど。
 この作者は他にも一連の動画をアップしています。
Pz.Kw. IV Scale 1:72 Smoking 1
German Tank IV Smoking 2
Pz. Kw. IV Scale 1:72 smoking 3
Pz. Kw. IV Scale 1:72 smoking 4
German Tank IV Smoking
さて、キットは何でしょう。シェルツェン架の形からしてやはりレベルでしょうか。ただ誘導輪の形がちょっと違うような気がするんですけど。注目すべきは、砲塔側面ハッチとそこのシェルツェンが開いていることです。キットではここは一体成形ですから、わざわざ加工して開いたんですね。もちろん、スモークをもくもく出すためでしょう。冬季迷彩や汚し塗装もかなり丁寧に施してあります。
 それと、ジオラマはかなり大規模に丁寧に作ってあるようです。脇役のT-34/76にはちゃんと歩兵が跨乗しています。とにかく楽しそうですねえ。ジオラマ作ってスモーク仕込んで。究極の模型の楽しみ方の一つかもしれません。

5M HOBBYのSd.Kfz.251/17 その3

2011年07月14日 22時33分41秒 | AFV(独)
 さて、パーツがドラゴンのインジェクションキットのコピーだと分かって、かなりやる気をそがれてしまった5M HOBBYのSd.Kfz.251/17ですが、投げ出してしまうには高価なのでちょっと惜しい。パーツの合わせさえよければ、ストレート組みでもよいから作ってやろうと思います。トップ写真は、車体下部。5M HOBBYとドラゴンを並べてみたところです。5M HOBBYでは、床や操縦席のパーツがもう付いていて、またSd.Kfz.251/17の特徴である左右に開く側面装甲板部分がカットされているので、やや分かりにくいのですが、エンジンルームの形状からしても、ドラゴンのコピーであることは明白でしょう。
 ところで、5M HOBBYのパーツでは、エンジンルームと操縦席との隔壁、計器板やフットペダルなどが付く隔壁が、最初からくっついています。しかし、この組み立て説明書を見ると、

この隔壁パーツは後から接着するようになっているんですね。最初は別パーツにするつもりだったけど、最初から車体下部に接着した上で型取りする、ということに後から変更されたのでしょう。まあ、プラパーツでもこの程度なら塗装前に接着することだろうから、それはそれでいいんです。ところが、問題があって、この操縦席前隔壁が先に接着されているがために、ここに車体上面パーツを接着すると、このパーツが邪魔をして、車体上面がやや浮き上がるんです。この隔壁がもうちょっと後ろに付くべきなのかもしれません。いずれにせよ、車体上下の接着のために、あちこち擦り合わせが必要になっちゃったわけで、パーツの合わせさえよければ、というのが早くも挫折しそうです。まあ、パーツは十分細かくて、車幅表示ポールなども細いパーツになっているくらいだから、ストレートに組みさえすれば、なかなかのものになるはず。私Sd.Kfz.251/17の資料本など持っていないので、とにかくキット通りということにするつもりです。

5M HOBBYのSd.Kfz.251/17 その2

2011年07月09日 16時57分16秒 | AFV(独)
 パーツを仮組しようと袋から出し、欠品がないかどうかチェックしながら離型剤落としにつけ込み、さてパーツを眺めてみると、おかしなことに気づきました。トップ写真をご覧下さい。車体前部のボンネット部分のパーツ、その裏側に、押し出しピン跡としか思えない丸い窪みがあるんですよ。ありゃ?レジンパーツになぜ押し出しピンが?
 答えは一つ。他社のインジェクションパーツをコピーして使った、ってことです。うわー、中国製は所詮中国製だったか…。おまけにボンネット部分のエンジンハッチの裏側、ハッチパーツを接着する際にパーツを止めるための突起がそのままありますね。これもいかにもインジェクションプラスチックのパーツですよね。だってこのレジンパーツはハッチは最初から一体で開かないんですよ。だったら最初から一枚板にしておけばよい。ハッチをはめ込んだ上で一体パーツにする必要はないはずです。
 こうなると、元のキットが何だったか、突き止めたくなりますよね。意外と簡単に見つかりました。Sd.Kfz.251の1/72キットで、中国人が簡単に手に入るもの。そう、もちろんドラゴンです。で、トップ写真、ドラゴンの車体パーツと一緒に並べてみたんです。もう明らかですね。押し出しピンの大きさと位置、無線手席前方のパーツ取り付け用の四角い突起、ハッチ周辺の形状、すべてぴったりです。つまりこのキットは、ドラゴンのパーツを切り貼りして原型を作った、ってことですね。
 レジンパーツでは操縦手席と無線手席の天井部分が既に取り付けてありますね。ドラゴンのパーツではこの天井は別部品です。その天井パーツはと言うと、これ。

操縦手と無線手の頭部を保護するための緩衝材でしょうか、四角いパッドみたいなものがついていますが、レジンパーツの方もこれにそっくりですね。天井を接着してから型取りしたものと思われます。うーん、新しいメーカーだから、ちょっと期待したのになあ。

5M HOBBYのSd.Kfz.251/17

2011年07月08日 21時55分37秒 | AFV(独)
 さて、中に入っている説明書、こんな感じです。実物写真だから、そんなに嘘はつけないと思います。ちゃんと作ればこうなるはず。さらに説明書の裏には、パーツの一覧と組み立て説明があります。

ただし、よくよく見ると、説明書では別部品になっているのに、実際のパーツでは一体になっている部分があります。まあこれはミリキャストなんかでもよくあることで、ミリキャストの場合は、原型を修正しているので説明図の時点とは部品が異なります、なんてわざわざ書いてあったりしますもんね。
 さあ、まず仮組してみましょう。ん? ありゃ? これ、何だ? すみません、続きはまた明日。

新しいメーカーのようです

2011年07月05日 20時41分09秒 | AFV(独)
 5M HOBBYというメーカー、Tracks & Troopsでは昨年後半あたりから取り扱いを始めたらしいのですが、最近日本でも取り扱いを始めました、ということだったので、一つ買ってみました。スケールは1/72、キングタイガーの祖先のVK4502(P)、Eのつく計画戦車、装甲列車、パンターの対空型やロケットランチャー搭載型などの変わったバリエーション、クルップの地雷処理車、フランスの多砲塔戦車など、なんだか面白そうなラインナップです。さあ、どれにしよう。今後あまりインジェクションで出そうにないもの、かといってあまりゲテモノではなく、ということでいろいろ考えて、まずは当たり障りのない、でもパーツ数は多そうで精度などがチェックできるハノマークハーフトラックの対空型を選んでみました。Sd.Kfz.251/17、装甲板が左右に倒れるやつです。あれ?これドラゴンから1/35でこないだ出ましたね。しまたった、1/72でもドラゴンから出る可能性があるかな? まあいいや、アイテムとしては面白そうだし。
 早速蓋を開けてみました。こんな感じです。

ビニール袋が小部屋に分けてあって、さらに全体が箱の底に両面テープで止めてあって、パーツが中で踊って傷まないようになっています。丁寧な梱包ですね。パーツもぱっと見た限り、なかなかシャープなようです。
 一つ不思議なことは、箱や説明図のどこを見ても、メーカーの住所番地が全く書いていないことなんですね。書いてあるのは、
http://www.5mhobby.com/
というURLだけ。よく見ると箱には「Made in China」と書いてあります。え~、中国製だったのかよ~。このウエブサイトの「About 5M Hobby」というところ
http://www.5mhobby.com/about-5mhobby.html
を見ると、重慶にあるようですね。いやいや、確かに私は中国製プラモでは今までいろいろ嫌な思いをさせられていますが、最初から偏見を持ってはいけません。要は、キットの出来の善し悪しです。公平かつ客観的な立場から、早速中身を見てみましょう。

『グランドパワー』の8月号

2011年07月02日 15時14分00秒 | 書籍
 2011年4月号につづいて、『グランドパワー』2011年8月号はチャーチル戦車の特集記事が。特に今回は「チャーチル歩兵戦車の特殊バリエーション」となっています。著者は4月号と同じく白石光氏。「日本陸軍装軌式特殊車輌」のメイン特集も大変面白く、湿地車なるものの存在自体を私はほとんど知らなくて、こんな写真もまだまだあるんだなと感心しました。しかし、チャーチル戦車の特集となると、こちらにひと言触れないわけには行きません。
 チャーチルの特殊車輌、特にホバーツファニーズと呼ばれるノルマンディー上陸を成功に導いた一連の工兵車輌については、今までもいろいろ記事はありました。しかしこの記事は、ホバーツファニーズよりも前、ディエップ作戦で用いられた古いタイプの特殊車輌に関してもかなり詳しい説明があり、またホバーツファニーズについても他書に比べても目新しい説明があって、英軍車輌に興味のある人は買っておいて損はありません。
 まず最初に出てくるのが、チャーチルオーク(Churchill Oke)火炎放射戦車です。しかし、写真は今までも他書で見た写真だけ。ネット上でもこれ以外の写真は見たことがありません。強いて言えばドイツ軍によって撮影されたディエップで擱坐している写真だけ。まあ一時的にしか使われなかった車輌ですから、よほど写真が残っていなかったのでしょう。ただ『グランドパワー』の記事本文は、ディエップに参加したオーク3輌の内、1輌は水没、もう1輌は履帯切断により擱坐、残る1輌はタンクに被弾して炎上と、大変詳しい情報も載っています。特にオークについて詳しく述べた日本語の記事は、書籍と雑誌を含めても今までなかったと思います。さすがは『グランドパワー』というところ。
 ただ掲載されている写真の解像度は高く、初出でなくとも十分資料的価値があります。それにしても、タンクは装甲がなされているとはいえ車体後部に直付け、燃料のパイプは車体外部をむき出しで走っていると、後のクロコダイルに比べれば今ひとつ急づくりの感を免れません。おまけに火炎放射ノズルなんですが、この形状だと発射時には俯仰角しか調整できないようですね。左右方向は車体全体の向きを変えなければならない。
 それと、以前から気になっているのですが、ディエップのような作戦において、どの時点で火炎放射を行う計画だったか、ということです。上陸時に沿岸の防御陣地を攻撃する、ということになると、攻撃後炎上中の敵陣は味方の部隊も通過できない。コンクリート製のトーチカでもあるなら別ですが、ディエップの海岸の地形を考えると、上陸時の制圧にはあまり使えそうにない。むしろある程度制圧した後、海岸沿いの建物を焼き払って敵の損害を拡大する、という使い方を考えていたのかもしれない、なんて感じます。一応火炎放射戦車を作ったので、試験的に参加させるという意図もあったのか、というのは邪推かもしれませんが。
 おや、ミニスケールでオークを作っている人がいますよ。
http://www.flamesofwar.com/Default.aspx?tabid=110&art_id=424&kb_cat_id=25
これは、「Flames of War」の塗装済み完成品を土台にして改造したもののようです。ただし残念ながら、この完成品のMk.1/2は実は後のアップデート型でして、ディエップの時にはこのタイプはなかったんです。要するに、Mk.3以降と同様の仕様とするために、砲塔や武装はそのままで、キャタピラ前後と上面にフェンダーを取り付け、エアインテークを後期型に改めたものですね。で、この段階ではクロコダイルの開発が始まりますので、このようにアップデート型に火炎放射器を取り付けたオークというのは存在しないはずです。あ、でも、ノズル・パイプ・タンクの作り方は大変参考になります。
 むしろこちらの人の方が大変正確に作っていますね。
http://www.network54.com/Forum/47210/message/1250241388/New1-72nd+Canadian+Churchill+Oke+Dieppe
徒渉用ダクトまで用意されています。これ、土台になったのは何のキットなんだろう。ミリキャストっぽくないし、それに1/72って書いてあるし。あ、下の方に「cromwellmodels」と書いてありますね。クロムウェルの原型を作っている人だったようです。すごい。クロムウェルのチャーチルってこんなにシャープな出来だったんですね。現在入手不可能なのが残念です。我々なら、まあハセガワのキットから改造するしかありません。