みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

超音波カッター その10

2007年10月28日 20時33分55秒 | 工具・材料
 で、ここまで切れました。全部で5分くらいでしょうか。一度に薄く切るとしても、削ぎ削ぎ削ぎ削ぎ…とやっているうちにすぐに湯口は切り落とせます。保持する左手にもそんなに力を入れずにすみます。
 でもやはり高速振動の摩擦熱というのはすごいもので、うすく切り落とした切片が指や手の甲に当たると、熱いんですね。もちろん火傷するほどではありませんが、これほど熱を持つんだな、と分かります。試しに真鍮線に刃を当ててみたことがあるんですが、真鍮線がたちまち熱くなり、押さえていられなくなります。おまけに、さすがにこの刃では真鍮線は切れなかったようです。
 結局我々モデラーにとっては、レジン樹脂に一番威力を発揮すると言ってよいでしょう。熱で容易に変形しない、なおかつ切れにくい、という材質です。それと、シリコンゴムのような逆にぷにぷにしているものも得意です。それから、紙もすいすい切れます。なぞるだけで、すぱっと真っ二つ。ペーパークラフトにも便利でしょう。
 youtubeっていろんな画像がありますね。もしやと思って検索してみたら、
http://www.youtube.com/watch?v=8YKpdcC4KQ8
http://www.youtube.com/watch?v=QlTKcrhZM6U
http://www.youtube.com/watch?v=TU0-JwqFFK4
http://www.youtube.com/watch?v=CdzFZd3r1zQ
こんなのがありました。動く画像の方がイメージをつかみやすいかもしれません。

超音波カッター その9

2007年10月23日 22時19分10秒 | 工具・材料
 さて、ずいぶん引っ張りましたが、やっと超音波カッターの最も得意とする切断方法まで話がやってまいりました。結局写真のように、薄くそぐように切り落としてゆくのが一番効率的な湯口の除去方法です。
 実際はもう少し厚く切り込むこともできますが、その分刃の進みは遅くなり、手に力も入ります。このように薄めに切ると、まず何よりも楽。何と言えばよいのでしょう、豆腐を切るように、というか、ナイフでチーズを切るように、というのが一番ぴったりの喩えでしょうか。とにかくすいすい、サクサク切れてくれます。厚く一回で切ろうとせずに、このように薄く少しずつ切ってゆく方が、結局は早く、綺麗に処理できます。
 そんな高速振動しているものを、レジンさえチーズのように切るものを、もしも指に当ててしまったら、さぞかしざっくりと… と皆さん心配なさると思いますが、いえ私、一度もこれで怪我をしたことはありません。もちろん基本としては、刃の進行方向で部品を保持してはなりません。万一刃が部品を貫通しても、それが指にあたらないように、左手は刃先とは別の位置を保持します。しかしそれは、普通のナイフでも同じことですよね。この射出座席で言えば、座席本体を左手で持って、刃はその上方を行き来するようにすれば、大丈夫。
 それに以前述べたように、右手のハンドピースの作動スイッチは、わざと少し押しにくく作ってあります。刃先が対象物からすっぽ抜けたような場合、スイッチからも指が離れますから、刃先の振動もストップします。
 そうしたことを考えれば、結局危険性は普通のカッターナイフとそれほど変わりません。極端に危険だ、ということはないと思います。普通のカッターナイフだって小さい子供には触らせてはいけませんものね。
 レジンのような固いもの以外に、実はシリコンゴムのような柔らかくて刃がぶよぶよと入らないものにも、この超音波カッターは威力を発揮します。刺身包丁で刺身を切るように、シリコンゴムが切れてくれます。普通のカッターだと刃をなかなか受け付けてくれませんね。だから型取りした後のシリコンゴム型に、細く湯口を通す、という作業にももってこいです。

アタックのグリレM その3

2007年10月21日 00時41分43秒 | AFV(独)
 戦闘室前面装甲板を仮置きした状態で、前方から見てみました。どうしよう、幅も高さも角度も、合わないではないか…。その2でも述べたように、アタックのキットの組立は一種のパズルみたいで、あるポイントを修正すると全体がうまく組み上がることが多い。この場合はどこをどうすればよいのでしょうか。
 問題は前面装甲板が平らすぎることにあるように見えます。砲の左右の装甲板にもうちょっと角度がついていれば、幅が左右の装甲板に近づくはずなんですが。

超音波カッター その8

2007年10月19日 20時24分48秒 | 工具・材料
 もう一箇所、上の方にも切り込んでみました。少し力を入れて刃を切り込もうとすると、上の部分が欠けてしまいました。刃の振動に加え、刃で押し分けられた肉が押し上げた結果、角が割れてしまったようです。やはり超音波カッターで大きなかたまりをざっくりカットするのは無理なようです。その右下には前回切った跡が見えています。これだけ刃の厚さ分があることがお分かりいただけるでしょう。

超音波カッター その7

2007年10月17日 21時23分07秒 | 工具・材料
 さて射出座席の湯口を超音波カッターで切ってみましょう。まず太い部分にざっくりと刃で切り込んでみます。しかしこのくらいで刃は止まってしまいます。そこから先へはなかなか切り進めない。なぜでしょう。
 ノコギリのように切りカスを刃が手前に掻き出す構造になっていれば、刃はどんどん中に切り進むことができます。しかし超音波カッターはただ切るだけです。切りくずも出ませんし、出てもそれを排出する構造にはなっていません。大きな固まりに切り込むと、切った部分の肉は刃の厚さ分左右に押し分けられます。切り口が深くなるとその押し分けられた肉が逃げるところがなくなります。だから刃が食い込んだ形になって、それ以上進まなくなるわけです。いかに超音波の切れ味でもこれは仕方がありません。

アタックのグリレM その2

2007年10月16日 19時06分17秒 | AFV(独)
 そして、左右と後ろの装甲板を接着した後、いよいよ前面装甲板を接着することになります。ちょっと仮置きしてみました。
 ……なんだこりゃ? 全然合わないではないか!
 今までの経験ですと、アタックのキットの組立は一種のパズルみたいなところがあって、
全然箸にも棒にもかからないのではなく、どこかポイントになるところを見つけてそこを調整すれば全体が収まる、ってことが多かった。さてこの前面装甲板、どこをどうすればいいのでしょうか?

超音波カッター その6

2007年10月13日 00時24分09秒 | 工具・材料
 次に超音波カッターでレジンパーツの湯口をカットしてみます。実験台として使うのはロシア製KK-2射出座席で、MiG-17やMiG-19、それにYak-25などに使われていました。チェコのパブラの1/72レジンパーツです。
http://www.pavlamodels.cz/
ロシア・ソ連機の射出座席と言えば、このパブラ以外に、ネオメガ(NeOmega)が有名です。
http://www.neomega-resin.com/
パブラモデルも英米機や大戦機には高品質な製品がちゃんとありますし、特に最近の製品はすばらしい。但し以前私が買ったロシア製射出座席に限って言えば、パブラよりもネオメガの方が品質は勝っているように思えます。どうも限りなくネオメガのコピーっぽい。ネオメガの座席はとてもかっちりしていて、アメリカ・イギリス・ロシアの各種射出座席が1/72と1/48で揃っています。とりあえずパブラの座席を実験台に使うことにしましょう。
 射出座席のレジンパーツは、大抵お尻の下に巨大な湯口がついています。レジン樹脂を扱ったことのある方はご存じでしょうが、レジン樹脂と言うのはカッターナイフで切ろうとしても刃がギシギシしてとても切りにくい。またヤスリで削るにもとても時間が掛かります。おまけにかなり力を入れなければなりませんので、パーツを固定する左手にもかなり力が入ります。ところが射出座席の場合、とても細かい部品が座席本体にたくさんついていますので、指で保持する場所がありません。細かい突起をすぐに折ってしまいそうです。
 さてこの射出座席の湯口を効率的に除去するには、どうすればよいでしょうか。ここで超音波カッターの出番です。

アタックのグリレM その1

2007年10月11日 22時35分09秒 | AFV(独)
 いきなりですが、アタックのグリレMを作り始めました。車体の箱組みはまあ何とかできました。問題は戦闘室周囲の装甲板の組立です。これがなかなか合わないんですね~。こちらを合わせればあちらが合わず、あちらを合わせればこちらが…。いや、私が下手なだけだとは思いますけど。
 最近のアタック、確かに品質が向上しています。以前に比べればそりゃあもう、大したものです。このグリレより後の製品はもっとよくなってますよ。35(t)とか。このグリレもディテールなどはかなりのもの。しかしもっと丁寧に作ろうとするならば、ユニモデルのグリレを作ればよいわけですから、とりあえずこのアタックのキットは、ストレートにきちんと組むだけにしておきましょう。
 しかしどうも、その「きちんと」というのにコツを要するようです。仮組みしてあれこれパズルのように試してみた結果、まず左右および後部の装甲板を接着しておいて、接着剤が乾いてから前面装甲板をとりつける、という手順がよさそうだと分かりました。
 で、とりあえずここまで組んでみました。塗装がしにくいのは覚悟の上で、内装や砲弾なども先に車内に接着しています。なにしろアタックですから、筆の届くところだけ塗ればよいでしょう。

超音波カッター その5

2007年10月09日 21時54分57秒 | 工具・材料
 さて、超音波カッターの使用レポートです。まずヒートペンと同じようにランナーを切ってみましょう。写真の写りが悪いのですが、室内灯だけで撮ったのでご勘弁を。
 毎秒40,000回の高速だと、刃の振動は目に見えません。通電した瞬間や対象物に触れた瞬間に、かすかにプウンと音がするだけです。しかし切りカスはさかんに細かくはねています。確かに高速振動しています。
 この超音波カッター使用時の注意点は、摩擦熱で予想以上に対象物が発熱することです。びっくりするくらい熱くなる。メーカのサイトにも書いてありますが、プラスチックだと切断面の回りはかなり溶けてしまいます。もちろん切った後はどっちみちヤスリがけをするからいいようなものですが、少し大きめに切りしろを取らねばならないでしょう。
 写真をご覧下さい。ランナーを切断したところです。刃は写真の左から右へ貫通しています。切断面の回りがかなり溶けてはみ出していることが分かるでしょう。さらに溶けたプラがカッターの刃にまといついて、糸を引くように伸びてしまいました。ヒートペンだとこういうことはありません。もう一つ、切断した直後のランナーはまだ熱を持っていて、やわらかい切断面同士がまたくっついてしました。もちろん指ですぐにポキンと外れる程度ではありますが、すぱりと両断されるわけではありません。
 結論としては、こういう作業には超音波カッターよりもヒートペンの方が適しているということです。すでにレポートしたように、ヒートペンは好みの場所で刃を止めることができますし、刃を止めた部分がずぶずぶと溶けてゆくということもありません。切断部分がまたくっつくこともありませんし、糸を引くこともありません。もちろん超音波カッターならばノコで切るよりもずっと楽なのは言うまでもありませんが、もしも超音波カッターとヒートペンの両方があるならば、こういう作業はヒートペンに任せるべきでしょう。
 では超音波カッターが得意とする対象物はというと、熱であまり溶けないもの、他の工具では細かな細工が難しいものです。模型の分野では、まさにレジンパーツですね。それからプラパーツの場合でも、非常に細く細かいパーツをランナーから慎重に外す時は便利です。部品の湯口に刃を一瞬当てるだけでポロリと取れますから、熱もそれほど問題になりません。むしろニッパーより安全。そして紙も、軽くなぞるだけですぱりと切れますので、ペーパークラフトに便利でしょう。

超音波カッター その4

2007年10月04日 22時35分41秒 | 工具・材料
 ハンドピースの作動スイッチが小さくて固く、作業中に人差し指の先で通電状態を保つことが難しい。指の先が痛くなるし、指の皮が凹んでしまうとますますボタンを押せなくなってしまいます。
 そこでボタンを押すための補助として、板を取り付けてみました。しなりのないプラスチック板なら何でもよいのですが、これはフジミの1/76イギリス兵の台座部品です。それをマスキングテープで貼り付けています。手前側に片側だけ貼り付けておけば、梃子(てこ)のような動きでボタンを確実に押せます。そのまま通電状態を保持するのも簡単。また指を話せばプラ板が元に戻りますので、確実に通電をOFFにできます。表面にテープで貼ってあるだけだから、べつに危険な改造というわけではありません。ハンドピースの握り方は全く変わりませんので、作業性にも影響ありません。マスキングテープは時々新しく貼り替えればOK。