みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

エクストラテック、M4シャーマンのサスペンション

2010年06月20日 15時11分03秒 | AFV(米)
 最近全然模型を作る時間がなくて、少しずつ時間をみつけてちまちまとやることにしました。エクストラテックのM4シャーマンは、いろいろ欠点も多いけどなぜか好き、ドラゴンはなぜか嫌い、という話は何度もしました。ちょっと思い立って、エクストラテックのシャーマンのサスペンション、上部スキッドを少ない工程で作り替える方法を考えてみることに。
 写真左のように、エクストラテックのボギー上部、キャタピラを通すためのスキッドは中もプラスチックがつまっていて、板状になっていません。今までは、気にしないという裏技で切り抜けてきましたが、これをあまり苦労せずに板状に作り替えるには、どういう方法がよいかと考えまして。
 エクストラテックのプロフィパック版は、いろいろエッチングパーツなども奢られていて、スキッドの板も入っています。しかしエッチングパーツをきちんと曲げて、台車に接着するというのもなかなか面倒な作業です。
 で、最近銃のスリングなどにも試しに使っている、イエローサブマリンの「プラストライプ」をまたまた使ってみました。ここでもやはり「二枚重ね」です。プラストライプは一枚ではスキッドには薄すぎる、というのもありますが、もう一つ、二枚重ねだと接着剤が乾くまでに曲げ加工が容易にできる、というのが大きな理由。まず適当な長さに切ったプラ帯をぴったり重ねて流し込みリモネン接着剤をさっと流す。そしてまだ柔らかい内にマルチツールの丸棒を当ててスキッド前方のカーブを作ります。しばらくは弾性で戻ろうとしますが、後でもう一度ぐいとしごいてやると大丈夫。そしてタミヤの精密ピンセットを使って後方の曲げを出せば、それでOK。不要な固まりのスキッドは精密ニッパーとクラフトヤスリでちょいちょいとカットして平らに。そして加工したスキッドを接着。
 もちろん、精密にディテールアップするにはこんなことではとても不十分ですが、気軽にそれらしく、という程度だとまあこのやり方でも十分だと思います。一輌分の作業もあっという間です。
 さて、このように加工中のシャーマン、エクストラテックのどのバージョンか、というのはしばらく置いておきましょう。この続きを、お手軽ディテールアップでちまちまと続けていけば、だんだんネタが分かってくると思いますので。

フジミのギャラントメン

2010年06月17日 00時18分21秒 | フィギュア(軍事)
 懐かしの歩兵セットで思い出しました。フジミのギャラントメン! 貴重品保存箱から久しぶりに引っ張り出してきました。画像がちょっと変なのは、手抜きしてスキャナに置いて撮影したからです。
 「コンバット!」の影でややマイナーな感がありますが、同じアメリカ陸軍の連続テレビドラマに、「ギャラントメン」があります。そしてそのドラマの名前をタイトルにした歩兵セットが昔フジミから発売されていました。発売形態にはいくつかパターンがありますが、これはかなり古い時代の、三人ずつビニール袋に入っているバージョンです。昔駄菓子やでよくありました。厚紙の台紙にこのビニール袋入りのオモチャが並んで貼り付けてありまして、おばちゃんにお金を渡すと台紙から一つずつ外してくれたものです。ビニール袋入りの他には、三人ずつ入った紙箱入りのバージョンもあります。ドラマの「ギャラントメン」については、こちらをご参照下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=NFzHrbJT3hE
http://www.youtube.com/watch?v=fpJYV8HM2cE&feature=related
 いや~、なつかしい。これ、子供の頃確かに駄菓子屋の店頭で厚紙の台紙に並んでいるのを見た記憶があります。その頃はそれが「ギャラントメン」だという認識はなかったのですが、兵隊さんが入っているとは理解していたはずです。今思えば、当時日本に何種類もあった、モノグラムの米兵のコピー商品の一つですよね。ニットーやアリイからも出てたっけ。フジミからはこの「ギャラントメン」とは別に、もっと人数の多い歩兵セットが出ていました。こうしたシリーズについては後日採り上げる予定です。
 それにしても、こういう懐かしいものを童心に返ってばんばん作ってみたいものです。今は貴重品なので、おいそれと作る気にはなりませんが。関係ないのですが、これを見ていると、タミヤのドイツ兵四人入りの、機銃手の腕が別部品になっているというのは、当時としては革命的だったんだな、と今さらながらに思います。

エアフィックス、マルチポーズフィギュアの英兵 その2

2010年06月11日 01時53分14秒 | フィギュア(軍事)
 エアフィックスの英兵、当時箱の裏側です。このように、マルチポーズフィギュアのコンセプトを示すような、完成イメージが掲載されています。そしてこの二つの絵は、後の再版分の箱の側面にも、そのまま使われていますね。ただし再版分のように2セット・計12名分のパーツが入っているわけではなく、入っているのはあくまで6名分です。
 今見直してみても、なかなか楽しい絵ですね。上下を見比べて、どの胴体がどこに、どの腕がどこに使われているか探してみると、面白い。ただ、下側のバリエーションには、何をしているのかよく分からないポーズの人も若干含まれていますが。もちろん、この二つの絵以外にもパーツの組み合わせは可能なのでしょうが、自然なポーズを考えれば、まあこの絵くらいでやめておいた方が無難かも。
 もう一つ、いかにも前線で指揮している将校、という感じの人がいないのも残念。戦闘中は将校もヘルメットを着用しますが、将校用の帽子もパーツに入っていますから、いずれにせよ工夫次第で将校を作ることもできると思います。もしその気になれば、同じ1/32のマルチポーズフィギュアの英第8軍歩兵セットにはエンフィールドリボルバー拳銃とそのホルスターがパーツに含まれていますので、そちらからトレード可能です。
 こんな楽しいコンセプトのキット、今の時代にはなかなか新製品は出て来そうにありませんね。

エアフィックス、マルチポーズフィギュアの英兵

2010年06月06日 14時20分04秒 | フィギュア(軍事)
 手足を組み合わせていろんなポーズが作れるというのが売りの、エアフィックス1/32のマルチポーズフィギュア。以前ブリティッシュライフルに関連して採り上げたことがあります。さて、このたびひょんなことから当時箱の古い製品を入手しました。これ、昔々子供のころに『ホビージャパン』誌でドイツ兵の作例を見たんです。タミヤの1/35とエアフィックスの1/32とを混ぜ合わせたジオラマで、スケールの違いはそのときあまり感じなかった気がします。その記事には、このエアフィックスのフィギュアはヘルメットや帽子をちゃんと頭に「被る」ようにんっている、パンツァーファウストの持ち方が不自然、将校の帽子の形がやや不自然、なんて書いてあったように記憶しています。そして、このシリーズからはヨーロッパ戦線のイギリス兵も出ていると知って、田舎の模型店では手に入らず、うらやましかったこと。当時、タミヤの三人組み以外にヨーロッパ戦線のイギリス兵なんて出てなかったので。
 さて、このシリーズ、後に何度も再版されます。写真一番上が、こんど入手した一番古い箱、二番目は十年くらい前に再版されたもの、一番下は最近再版されたものです。便宜上それぞれ初期、中期、後期と呼んでおきましょう。基本的にボックスアートは同じ作品が使われています。で、初期の箱では右下に、この製品のコンセプトを説明するためのパーツ展開図が描かれているのが大変楽しい。その分、小銃手の姿が隠れてしまってますが。
 私が入手した初期箱には、中に2セット分のパーツが入っていました。しかしこれは、前の持ち主が2個分をひと箱に入れて保存していたもののようで、本来は1セット分でした。これが写真真ん中の中期版では最初から2セット分が入っていたんです。だから中期は箱が初期より分厚い。で、後期版は中期版と同じ厚さの箱だったので、しめたこの値段で2セット入っているんだな、と思って喜んだら、箱を開けたら1セット分だったのを覚えています。
 まあ、マルチポーズフィギュアなら、2セット入っていることでよりポーズのバリエーションが増えるので、ありがたいことではあります。ヘルメットもMk.Ⅱ、Mk.Ⅱの偽装網つき、Mk.Ⅲと入っていました。もちろん、フィギュアのヘッドは頭までできていて、そこにヘルメットを被るようになっています。特にイギリス軍のヘルメットの場合、効果は絶大。
 このキットには、袖章や階級章のデカールが入っているんですが、初期のものは後のものと基本的に同じものながら、シートへのデカールの配置などが異なっています。もう一つ気づいたことは、初期分はパーツの成形色が白だったこと。後にはよく見るエアフィックスらしいグレーになります。なんだか子供のころ入手できなかったことへのリベンジを、今頃になって果たしたような気がしますね。再版分も、もっと上手になってから作ろうと思いつつ、そのまま置いてあります。

ディエップ戦のチャーチル用デカール比較

2010年06月04日 22時55分07秒 | デカール
 ディエップ上陸作戦に参加したカナダ軍のチャーチル、エシュロンの1/35とペディングハウスの1/72とで、字体などに少し解釈の違いがある、という話をしました。どうも気になるので、『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』の写真を見直してみました。
 この本、H.G.HenryとJ.P.Palludの共著で、本文はH.G.Henryの執筆によるものです。Henryは大学院で特にこのディエップ作戦について研究し、この本の基礎になるデータはその時に書いた論文にあるようです。ドイツ、フランス、カナダ、イギリスのアーカイブから丹念に写真を探し、ディエップ作戦に参加した各車輌それぞれの運命を一つずつ調べた、という労作です。このときの主力はチャーチルのMk.Ⅰ~Ⅲなので、写真もチャーチルが中心です。他にも装甲車や揚陸艦なども写っています。ただ、戦闘直後にドイツの宣伝カメラマンが撮影したものだけに、戦死した兵士もたくさん写っていて、気が重い面もあります。
 さて、ディエップについてはドイツ側がこれ幸いとプロパガンダのネタにしたので、かなりたくさん写真や映像が残っています。この本もそのお陰でできたわけです。しかし、いざデカールの検証のためにこの本を引っ張り出して見ると、やはりそう簡単にチェックできるものではないようです。そりゃそうですよね。模型マニアが自分の模型作りのために博物館の展示車両を各方向からくまなく撮影するのとは違います。ドイツのカメラマンは、前後左右からマークや装備品がよく分かるように、という意識では撮影していません。だから見たい部分が写っている写真がすべてあるわけではなく、必要な情報を探すのはやはりそれなりに大変。
 その点からすると、エシュロンのデカール、よく調べていますね。さすがと言うべきでしょう。で、問題のデカールの字体です。写真をご覧下さい。ニックネーム「ボルスター」のMk.Ⅰです。左上のがエシュロンデカール(1/35)の説明書に描かれたマーク、左下がペディングハウスデカール(1/72)のこの車輌用のデカール、そして右半分が『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』に掲載された同車の写真(一部)です。いかがですか。これで見ると、明らかにエシュロンデカールの字体の方が正しい、ということが分かります。このようにFの字が右上方向に長く伸びているのが正しいんです。さすがはエシュロン。
 ではペディングハウスのが完全に誤りかというと、まあ必ずしもそうは言えないと思います。このデカールはBスコードロンの所属車輌用ですが、それ以外の他の所属車輌、例えばAスコードロンの車輌を見ると、このペディングハウスのデカールと同じ字体が使われています(但し枠は丸ですが…)。むしろBスコードロンの描き方の方が特殊だったのかもしれません。そう思えば、特にミニスケールではそれほど目くじら立てなくてもよさそうです。このまま作っちゃいましょう。

1/35のディエップ戦のチャーチル用デカール その2

2010年06月01日 19時59分04秒 | デカール
 エシュロンのディエップ戦チャーチル用デカール、今度は解説書のMk.ⅠとⅡのページを見てみます。前回のMk.Ⅲが並んでいるページよりも、やや見やすい感じです。前回と今回の説明書でお気づきでしょうか、Bスコードロンの車輌は、いずれもニックネームが「B」で始まるんですね。
 この図でも分かるように、ディエップ当時のMk.Ⅰ/Ⅱは、泥よけなどの考証が必要です。こういう言い方は実際には無いんですが、敢えてここで勝手に名付けるならば、泥よけのついていない初期型、小型の泥よけがついた中期型、大型の泥よけがついた後期型とに分けることができ、ディエップのものはその中期型に相当するわけです。
 さて、この1/35のデカールをPeddinghausの1/72用デカールと比べてみると、早速車輌番号の字体、文字の色、枠の色などに違いがあることに気づきます。ディエップ戦は比較的写真が豊富なのに、やはり解釈によって違いが出るんですね。残っている写真は当然みんな白黒ですから、色の解釈に差が出るのは当然ですが、しかしマーク類については資料があるはずです。おまけに、色だけではなく、字体にもかなり違いがあるんです。面白くなって来た! 資料本を引っ張り出して細かく検証してみたいものです。しかし、検証の結果何か修正点が分かったとしても、はたしてそれを模型に反映するだけの技術があるかどうかは話が別ですけど…(汗)。スキャンしてソフトウエアで修正するなんて、私にはとてもとても。考証は考証、製作は製作。素直にデカールをそのまま使うつもりです。
 私が写真で示したページだけでも、ニックネーム「BACKER」と「BOLSTER」の二輌が両者のデカールに共通であることが分かります。ところがエシュロン1/35の説明書には、「BACKER」がMk.Ⅱであり、「BOLSTER」がMk.Ⅰであることが明記されています。一方Peddinghaus1/72の方にはそうした区別は何も書かれていません。あははは~、いつも申しておりますように、私にとって1/35は1/72を作るときの資料に過ぎないのですよ! エシュロンがなければ、一々丁寧に資料本で確かめねばならないところでした。