みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

フジミのティーガーI 次の一輌

2011年03月30日 00時20分15秒 | AFV(独)
 三輌並行製作のフジミのティーガーI、二輌目にデカールを貼りました。キットで指定されているこの塗装例は最後期型仕様で、第301戦車大隊の所属の車輌です。この部隊は例の無線操縦装薬運搬車「ボルクヴァルト」の運用部隊ですね。フジミのキットではこの車輌を選択する場合に、砲塔右側にボルクヴァルト用のアンテナ基部パーツを取り付けるようになっていますが、『グランドパワー』誌の「ティーガーカラーズ」特集はこのアンテナ基部を取り付けていなかったという説だったので、ここでは取り付けていません。
 さてこのフジミのキット、最後期型の特徴であるマズルブレーキや装填手ハッチがちゃんと別部品で用意されているところは、さすがです。この塗装例はドゥンケルゲルプ単色塗装ですから、単調にならないように気をつけねばなりません。で、問題のデカールですが、そんなに何年も前に買ったのではないのですが、なぜかデカールが劣化していて、水に浸けてから貼ろうとすると、ぽろぽろと破れてしまいます。ただでさえツィメリットコーティングでデコボコが多いので、これは使用をあきらめて他から流用しなければなりません。幸いに、ドラゴンの中期型のデカールが余っていて、おあつらえ向けに番号が「311」だったんです。この塗装例に必要な番号は「113」。切って並べ替えればOK。
 さて、ツィメリットにフィットさせるために、デカールソフターを使います。今回はやや強めだと噂のモデラーズのものを使ってみました。結果は、大変きれいに張り付いてくれました。写真をご覧下さい。

斜光の状態でハイライトを作って撮影してみたんですが、ツィメリットの溝にきれいにフィットしていることがお分かりでしょう。いやあ、こう来なくっちゃ。残念なのは、モデラーズのデカールフィットが現在入手難であること。さて、またテレビチューナーの上で十分乾かしてからトップコート。ウォッシングに細部塗装と進みます。

i-modellersの記事、更新しました。

2011年03月27日 09時49分27秒 | Weblog
 Webマガジン「i-modellers」のミニスケールティーガーIの記事、更新しました。
http://i-modellers.com/
http://i-modellers.com/special2/2s7/page4.html#step3
三輌同時製作という無謀なことをやったのですが、さすがに同時完成というわけにはいかず、前回本ブログで紹介した一輌のみ完成品を提示しています。基本塗装までは三輌並行が便利なのですが、細かい作業はやはり一つずつということになってしまいます。二輌目ももうすぐできますので、これもまたすぐアップします。三輌目は、ちょっと変わった塗装にしようと思っていて、そのため現在、途中で放り出したドラゴンのキットを実験台にしてその塗装のテスト中~。

フジミのティーガーI、新旧作比較

2011年03月23日 23時43分28秒 | AFV(独)
 フジミの1/76ティーガーIなんですが、以前も一輌作ったことがあるんですよ(本ブログのバナー、ネコのミーちゃんの横にあるやつです)。いや、正確に言うと一輌だけではなく、ツィメリットコーティングの方法をいろいろ試すための実験台として作ったものはもうちょっとあるんですが、一応完成したものは一輌、ということで。しかしその一輌も、ツィメリットは施したものの、他は完全にストレート組みで、全工程二~三日で作っちゃったものです。ちょっと比較のために並べてみました。

 右が旧作、左が今回の新作です。旧作のツィメリットは、タミヤパテをMr.薄め液とリターダーで溶いたものを塗りつけ、エッチング鋸の歯で溝を刻んだもの、新作は既に述べたようにヒートペンを使ったものです。旧作はその他のディテールアップは全然行っておりません。
 いや~、自分で言うのも変ですが、全然違いますね。そりゃ、かけた時間が違いますもん。いやもちろん、旧作は二三日で作ったもので、新作は本ブログでさんざん愚痴ったように毎日少しずつしか作れなかったので、すでにひと月以上かかっているわけですが、かかった日数ではなく、のべ作業時間自体が全然違うんです。それにかかった時間以外にも、ちっとは上達したところもあるんですよ。ツィメリットのために剥がしてしまった車体左側面のワイヤーは、旧作では再現を放棄しましたが、新作では細いプラ棒で作り直しました。取っ手やボッシュライトのコードも自作してあります。また履帯を見ると、旧作は起動輪の後ろでがくっと角度がついていますが、新作はなだらかに垂れ下がっています。これは旧作の組み方が悪かったのでして、履帯をしごきつつパーツの繋がり方を意識して作りさえすれば、フジミのキットのポテンシャルが高いということなんです。ドラゴンとは大違い。それから、塗料にしても接着剤にしても各種工具にしても、ここ数年で非常に充実して便利になりましたしね。
 でも正直、ミニスケールの楽しみ方としては、右の旧作のくらいがちょうどいいとも思うんですよ。今度の新作のように手間がかかると、なかなか完成に至りませんし。何年か前までは、ミニスケールは絶対凝らない、ストレート組み、塗装もそこそこ、という考えだったんです。ちょっとした改造は一台一箇所を原則とする、って程度。でも細部にこだわるのもまた楽しくなっちゃって。まあ気楽な作り方と凝った作り方と、気分によって両方やっていけばいいんじゃないかな。
 さて現在三輌並行製作中のフジミのティーガー。残り二輌は基本塗装までできていますから、仕上げはこの新作と同じ程度にはしておこうと思います。それが済んだら今度は気軽な製作の新作も披露するつもりです。

フジミのティーガーI 一輌できました

2011年03月21日 23時15分43秒 | AFV(独)
 ヒートペンツィメリット作戦進行中のフジミ1/76ティーガーIですが、基本塗装が終わってからの細かい仕上げ作業に時間がかかる上に、最近毎日十五分から三十分ずつくらいしか進まないので、おはずかしい限りですが、三輌同時完成はあきらめて、一輌ずつ仕上げることにしました。で、やっとこさ一輌完成~。詳しい製作記事も今書いておりまして、Webマガジン「i-modellers」の方にもうすぐ掲載予定です。本日は「i-modellers」の方に使わなかった写真を一枚だけ公開。と言っても、そんなもったいぶるほどの出来ではありませんが…。
 キットのデカールを使って第505重戦車大隊所属車としました。下ろしパステル粉・ピグメント・ペトロールに油彩絵の具・シャープペンシルなどを使用しています。作品が完成するときの楽しさはスケールの大小とは関係ありませんが、ミニスケールの場合の魅力は何と言っても圧縮感かな。「i-modellers」の記事、しばらくお待ち下さい。

コマンダー・ピングー

2011年03月17日 23時04分22秒 | キャラクター・SF等
 これは何だとお叱りを受けそうですが、後輩の女性から、ピングーの人形の色が剥げ剥げになったので塗り直してもらえないかと頼まれまして。いや、もちろん私が模型マニアだと知っていてのことなんですけど。しかし、素人さんが考えるほど簡単ではなく、元の塗装を一度剥がすべきかどうか、塗料はどの種類を使うか、など考えてから作業に入るんです。剥げている場所は周りと比べて塗幕がない分凹んでいるわけで、どうしたものかというのも気になりますが、もう一つ問題なのは、ピングーの嘴や足の色がなかなか手許にないことです。いやだって、私のところにあるのはみんなミリタリー用の色ばかりです。迷彩色はたくさんあっても、こんなビビッドな橙色は在庫がないんですよ。でもこのためだけに一瓶買ってくるのももったいないし。
 結局、塗装は剥がさずに、クレオスのラッカー系塗料を上塗りすることにしました。割と厚めに筆塗りすれば、塗幕の厚さの差も目立たなくなると思います。特に剥げているのは突起部に当たる嘴や足の先、それと手で持ったときに当たる背中や頭、というところ。まず光沢黒を体に塗ります。これは瓶のままの塗料で大丈夫。次に手持ちの塗料で調色し、元の色に出来るだけ近い橙色を作って、嘴と足に塗ります。それと難しかったのが、目。美少女フィギュアでも同じですが、目が変だと表情に影響します。元々あったアイキャッチがずれていてへんだったので、その辺もついでに修正。最後に缶のクリアをスプレーするのですが、今回はトップコート用クリアではなく、メタルプライマーを使ってみました。本来の使い方ではありませんが、あれは結構塗幕も薄く、綺麗な光沢が出るんです。

 よしよし、やっと出来ました。後輩は、塗り直したピングーは今後触らずにこのまま保存します、と言ってくれました。納品する前に、現在製作中のフジミのティーガーの上に載せてみます。ティーガーの方は、デカールを貼って、つや消しのトップコートをスプレーするところまで来ました。これについてはまた、「i-modellers」の方で報告します。しかし、年度末進行でいろいろ仕事が舞い込み、なかなかティーガーが進みません。

i-modellers「ミニスケールのティーガーI」の記事、更新しました

2011年03月09日 00時42分30秒 | Weblog
webマガジン「i-modellers」の記事「ミニスケールのティーガーI」、なかなか進まなくて恥ずかしいのですが、やっと迷彩塗装を始めたところまで書きました。更新された記事は
http://i-modellers.com/
http://i-modellers.com/special2/2s7/page2.html
こちらをご覧いただけると幸いです。他のライターのみなさんのすばらしい作品も、ぜひご堪能ください。

Partのティーガー用フォトエッチングパーツ

2011年03月07日 23時01分15秒 | AFV(独)
 ここのところまた更新に間が空きました。家にも仕事を持って帰っている上に、i-modellersのミニスケールティーガーの方もやらなければならなかったもので。
 以前、ツィメリットコーティングをエッチングパーツで表現する、というポーランドのPartのアイデア商品を紹介しました。
http://blog.goo.ne.jp/m4-mee/e/d040093d28ace5cd7bfb909f89b0a580
http://blog.goo.ne.jp/m4-mee/e/b5d51c451488b86eb959e4dc8bb1d4a6
これ、塗装直前まで行っていて、またずっと放置していたんです。すみません。というのが、車体や砲塔周辺にきちんとエッチングパーツを貼り付けるというのが意外と大変で、せっかくここまで来たのに塗装で失敗したくない、というので、もうちょっと上手くなってから塗装しようしようと思っている内に、今になってしまったわけです。
 しかし、偶然なのですが、初めての試みだけに、しばらく放置していてよかった面はあるんですよ。二箇所ほどエッチングパーツが自然に剥がれてきた場所があったんです。一応車体の平面や砲塔の曲面に極力エッチングパーツを合わせてから接着するようにはしたんですよ。平面だからって安心はできません。元々のエッチングパーツが反っているかもしれません。砲塔の曲面の場合は、無理矢理押しつけて接着していると、弾性が常にかかっているためいつか剥がれるかもしれません。だからできるだけ接着面の形状に合わせて曲げを調整しておいてから接着するんです。
 しかしやはり、どうしても密着していないところはあるんですね。久しぶりに出してきてみたら、少し剥がれている場所が二箇所あったわけです。今度はしっかりと押しつけて(金属棒でかなり押さえました)、さらさら型の瞬間接着剤を流し込んで固定しました。塗装後に剥がれるよりは、塗装前に剥がれを修正できたのが不幸中の幸いというところ。こういう時にクレオスのグルー・アプリケーターは役に立ちますね。
 そしていよいよ、Mウォッシュで全体をもう一度洗浄した後、メタル部分にメタルプライマーをスプレー。よく乾燥させた後、缶スプレー型のサーフェイサーを薄く吹いてみました。それがこの写真です。サーフェイサ-は極力薄く吹いたので、防盾部分など真鍮の色が見えていますね。これが結構かっこいい。メタルプライマーはしっかりかかっています。メタルプライマーは全く粒子がないさらさらの液体なので、防盾のように主砲が邪魔をする場所でも安心して吹けます。サーフェイサ-のように比較的粒子が粗いものは、こういうところにはあまり吹きたくない。
 エッチング製のツィメリットはどうでしょうか。エッジが影になって、ちょっと車体から浮いているように見えますが、たぶん隙間はないと思います。小さい隙間はさらに瞬間接着剤を流して、光パテで修正します。うんうん、レベルのティーガーもなかなか迫力あるぞ。砲塔が左右非対称になっていない、初期型と後期型が混同されているなど、批判もありますが、ディテールアップの素材としてはやはりレベルしかないと思います。
 エンジングリルカバーのメッシュパーツは、ドラゴンの中期型ティーガーからトレードしました。ドラゴンのティーガーにエッチングパーツなど、もったいない。エンジングリルだけメッシュになっていても、他があまりに不正確だから。このメッシュ部分には、メタルプライマーは大丈夫なのですが、サーフェイサ-はほとんど吹き付けていません。メッシュだとサーフェイサ-は必ず目詰まりしてしまいます。せっかくのエッチングパーツがだいなしになりますから。フジミがすんだら、こっちの塗装もするぞ。ヒートペンで刻んだツィメリットと、エッチングパーツを貼り付けたツィメリット、完成したらどんな仕上がりになるんだろう。

グランドパワー「チャーチル歩兵戦車」

2011年03月02日 23時37分30秒 | 書籍
 頼んでいたお店には届いていたんですが、やっと今日買ってきました。『グランドパワー』誌11年4月号「チャーチル歩兵戦車」特集。初見にての感想は…
 こりゃすげえ。日本語によるチャーチル戦車の目下第一級の資料だと言えます。今まではチャーチルに関する単行本は、大日本絵画の「世界の戦車イラストレイテッド」の『チャーチル歩兵戦車1941‐1951』しかなかったものですからね。あとは、『パンツァー』誌が何回か連載した記事、あれもかなりよかった。でも今度の『グランドパワー』の特集は、それらを上回っています。
 実は、ガリレオ出版の予告記事を見る限りでは、今まで洋書を含む他の本で見たような写真ばかりかなと思ったんです。しかし実物を手にしてみると、他の頁にはかなりの数の写真が掲載されており、未見の写真、あるいは既に見た場面の別アングルとか、かなり参考になります。
 Mk.8の写真って意外と少ないんですよ。この記事にはMk.8の前後左右上面の写真がそれぞれ掲載されており、大変助かります。また、スポンソン側面の空気取り入れ口、初期型の吸入口が下を向いていて泥や埃を吸い込みやすいため、これを上下逆さまに取り付けた応急処置型というのがあるんですが、その写真、私は本書で初めて見ました。他にも参考になる写真はたくさん載っています。
 さきほどの予告記事に見えるように、この特集の一つの目玉はチャーチル戦車のマニュアルから引用した図です。車内の説明図も面白いのですが、各タイプの砲塔やフェンダーや車外装備品の説明は、直接模型製作にめちゃくちゃ役立ちます。しかし、私のように既に複数の洋書を持っていると、このマニュアルはもう何度も見ているものでして。例えば、英国戦車博物館のD・フレッチャー著『Mr. Churchill's Tank』にも載ってますし、東欧の本にも載っていました。しかし、この図が日本の書籍に掲載される価値は非常に高い。ちなみに、このフレッチャー氏、ヒストリーチャンネルの番組に何度も出演していて、youtubeでも彼がチャーチル戦車の前に立って解説している動画を見ることができます。
 肝心の記事本文は、英軍の戦車思想と開発史から説き起こし、各型(マーク)の差異も分かりやすく、まことに結構です。後は、英軍装甲工兵車輌の派生型、いわゆる「ホバーツ・ファニーズ」ですが、これは今後の号に期待しましょう。

 もう一点補足。AFVクラブ(ホビーファン)からチャーチル用レジンパーツ「 チャーチル戦車 アクセサリーセット」が出ていて、砂埃防止用カーテンなんかが入っていましたよね。しかし厳密に言うと、AFVクラブのチャーチルMk.3にこのセットを取り付けても、エルアラメインの時のチャーチルにはならないんですよ。実はこの時点ではフェンダーの形がAFVクラブのキットとはやや違っているんです。で、もしもそのフェンダーを改造するとなると、今までの資料には細かいところまで見える写真がなかなかなかったんです。それがこの『グランドパワー』には、細部が分かる写真が載っているんです。よしっ、AFVクラブのキットを改造するぞっ!