みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

光硬化パテ

2006年06月25日 20時51分21秒 | 工具・材料
工具や材料を選ぶには使った人から情報を聞くのが一番。私も時々、使用レポートを書いてみようと思います。本日は、タミヤの「光硬化パテ」。最初は少々高価だし、ちゃんと固まるのか、どのくらいの時間で固まるのか、不安だったのですが、実際に使ってみると大変使いやすい。気づいた点を列挙してみますと、
・意外に粘度が低く、穴や溝に流れて入ってくれる
硬化前はとろーりとした感じで、レジンパーツの気泡などに素直に流れ込んでくれます。中に気泡が残っても、爪楊枝の先でツンツンすれば大丈夫。また表面はすぐに平らに落ち着いてくれます。
・プラに食いつかない
ただ、とろーりとしている分、平面にこんもり盛り上げるというのは、何度かに分けないとやりにくいかも。それからプラに食いつきませんので、平面の上に盛り上げても取れてしまいます。
・作業時間が十分にとれる
最初は、部屋の明かりでどんどん硬化してしまうのではないかと心配したのですが、そんなことはありません。説明書きによると硬化時間は直射日光で1分、蛍光灯で2分となっています。しかしわざわざ当てた光ではなく、普通に部屋で作業している状態の光では、ただちに硬くなることはありませんでした。もちろんチューブも、神経質にキャップを閉めなければ出口で固まってしまう、なんてことはありません。手元のライトを消して、天井の明かりを手元のライトで影にして、そこにキャップを開いたチューブを置くようにしましたが、特に問題はありませんでした。
・意外と硬い
硬化後たまに表面が粉を吹いた感じになることがありましたが、ティッシュで拭けば問題なし(説明書きには溶剤で拭けと書いてありますが)。後はカッターでさくさく削れるくらい、十分に硬い。私の感触では、プラパテよりも硬く、エポパテよりはもろい感じがしますが、刃の感触はいずれとも異なります。それほど大きな場所でなければ、角を出すような形にカットしても、エッジが欠けたりしません。また硬化後のヒケがないのも助かります。

チャーチル戦車での実際の使用例です。
例えば、ModellTransのチャーチルAVREの砲塔。ペタード砲を装着する穴が少し大きすぎ、深すぎだったので、一度埋めて最適な位置に砲を接着することにしました。穴は2ミリ弱の深さがありますので、念のため何度かに分けて埋めましたが、ベランダに出しておけば1分で次の作業に移れるので、時間的にはとても楽です。穴の水面、というか表面は自然に平らになってくれるので、そこからの作業も楽です。

それから、写真でお見せしているイタレリのMk.IIIの砲塔です。この砲塔は側面のパーツ内側に金型の傷みがあり、パーツ内側の縁が盛り上がっています。このままでは天板がはまってくれません。念のために古いエッシーの白箱のも出してきてみましたが、同じような状態なので、早い段階からこうだったのでしょう。よって天板がはまり込む縁の部分を彫刻刀や平ノミなどで削っておかねばなりません。そうしてやっと天板をはめてみると、どうしても天板と側面板との間に隙間が出来てしまいます。でも内側から削っているので側面が薄くなっており、接着剤やパテを派手に使うとふにゃふにゃになってしまいます。
そこで光硬化パテの出番。天板と側面板との隙間にパテをちょんちょんと点置きしておき、指でなぞってすり込むように溝を埋めます。そして光を当てればはいできあがり。硬化前はとろりとしているので、狭い隙間にも自然に入り込んでくれます。しかも薄くなった側面版を溶かしたりしません。写真手前側、天板と側面との堺の段になった部分、ここに元々ずーっと溝があったとは思えないでしょう? 光硬化パテをすり込むように埋めるだけで、こうなってくれます。ペーパーがけなど全くしていません。後は溶きパテを筆で塗って、溶接跡の感じを出せば十分でしょう。

え? なぜ車長ハッチだけレジンパーツなのかって? Mk.IIIの溶接砲塔とMk.IV以降の鋳造砲塔で、車長ハッチの形状は同じです。当然ModellTransの鋳造砲塔パーツにはイタレリと同じ形状のハッチが付いています。しかしなぜか、ModellTransのハッチの方がイタレリの砲塔にぴったりはまり、逆にイタレリのハッチの方がModellTransの砲塔にぴったりはまってしまいました。形は同じなので、せっかくだから逆に使っちゃったわけです。

チャーチル戦車の巻(その17)

2006年06月17日 00時47分44秒 | AFV(英・チャーチル)
マタドールの改造パーツ(続)

マタドールモデルズの改造パーツについてもう少し。同社のサイトはここです。
http://matadormodels.co.uk/index.htm
この中のここを見ると
http://matadormodels.co.uk/76e/lists.htm
チャーチル関係の画像がいろいろ載っています。
http://matadormodels.co.uk/mat_pics/76E06_AssaultBridgeTrailer.jpg
非戦闘時の運搬は、トレーラー式で後ろに牽引したんですね。
http://matadormodels.co.uk/mat_pics%20mus/0264etc%20Churchill%20AVRE%20IV%20with%202%20bridges.jpg
これで車体後部にどうやって引っかけているのか、分かります。ただし、前後に突撃橋を装着しているのがすごい(本当かどうかわかりませんが)。
http://matadormodels.co.uk/mat_pics/76E07%20Folding%20SBG%20Bridge.jpg
ありました、突撃橋を畳んだ状態。一つ前のブログに載せたマタドールの説明書では、突撃橋が半開きの状態でしたが、この画像では完全に手元まで折りたたんでいます。揚陸艦上ではたぶんこの状態だったのではないでしょうか。
このマタドールのサイトの画像をよく見ると、いろいろ気づきます。まず突撃橋を装備するAVREの砲塔がMk.IIIの溶接タイプだということです。もちろん溶接砲塔にペタード砲を搭載したタイプも存在するので問題はありません。ただマッチボックスのキットはMk.IVの鋳造砲塔ですから、改造キットには鋳造砲塔まで用意されているということなのでしょう。

さらに、カーペット敷設車の画像もあります。
http://matadormodels.co.uk/mat_pics/76E08_CarpetLayer.jpg
http://matadormodels.co.uk/mat_pics/76E09_TwinBobbin.jpg
一枚型のとボビン2個型のと、両方あるんですね。一枚型の方を見ると、ペタード砲用装填ハッチから、ボビンの操作ロッドが伸びています。ここから操作したんですね。いかにもやっつけ仕事ですが、上陸作戦の海岸ではこれで十分使えたんだと思います。ボビン2個型は6ポンド砲装備の溶接砲塔で、さらによく見ると、キャタピラがマッチボックスのキットのものと明らかに異なります。この形、どうもハセガワのMk.Iのキャタピラじゃないんでしょうか?
粗朶束装備車を見ると、
http://matadormodels.co.uk/mat_pics/76E04_WWIIfascine.jpg
これは車体・キャタピラ共に明らかにマッチボックスのキットを使っています。
http://matadormodels.co.uk/mat_pics%20mus/0950%20Churchill%203in%20Gun%20Carrier.jpg
http://matadormodels.co.uk/mat_pics%20mus/Churchill%203in%20Gun%20Carrier%20wreck%20-%201101.jpg
なんとこれは3インチ自走砲型、試作のみで実用化されなかった車輌です。

このようにマタドール社の改造キットはなかなか面白そうなのですが、国内でほとんど売っているところがないのが難点ですね。またチャーチル用改造キットはベースにマッチボックスが指定されているものとエアフィックスが指定されているもの、両方あるので要注意です。

チャーチル戦車の巻(その16)

2006年06月12日 22時07分13秒 | AFV(英・チャーチル)
マタドールの改造パーツ

英国のマタドールというメーカーから、マッチボックスのチャーチルMk.IV AVRE用改造パーツが出ていたのをご存じでしょうか。現在でも通用するものとしては、写真のメタルパーツが挙げられます。何に使うか分かりますか? AVRE架橋戦車用の突撃橋を、中折れ状態にするためのパーツなんですね。写真右の上がマタドールのメタルパーツ、下がマッチボックスのプラパーツです。マッチボックスのキットをストレートに組むと、突撃橋をまっすぐ延ばしてこれから架橋しようとしている状態になりますが、このパーツをキットのものと置き換えると、橋を途中で折り曲げて構えている、戦車の移動中の状態にすることができるんです。写真の左半分の表紙イラストのようになるわけですね。ただキットの説明書きだけではワイヤーの張り方がいまひとつわかりにくいのが困ります。
マタドールからは他にも、マッチボックスのAVREを通常の戦車型にするためのパーツがいくつか出ていたようです。砲塔や車体のパーツを置き換えるんですね。今はエッシーのキットとそれに使う改造パーツ、あるいはミリキャストのフルレジンキットが揃っていますから、特にマッチボックスから改造する必要もないわけですが、まともなチャーチルのキットがマッチボックスしかなかった時代には貴重だったのでしょう。

チャーチル戦車の巻(その15)

2006年06月06日 20時43分58秒 | AFV(英・チャーチル)
チャーチル戦車はModell Transによるイタレリの改造、ハセガワのキットによる各種初期型バリエーション、その後も鋭意進行中です。それに合わせて今まで買い集めたミリキャストのフルレジンキットも、ぼちぼち製作を再開しました。ミリキャストのキットは、特にサブタイプの多い車種の場合に、しばしばパーツの封入間違えがあると言われます。まあ、あれだけタイトル数が多いと、ある程度仕方がありませんよね。
私の場合、タイトルと中身が違っているなどの大きなトラブルには幸い遭遇していません。むしろそういう間違いが起こりやすいことを意識してか、ある程度近いタイプのパーツが全部まとめて入っていることが多いようです。つまり、購入後にキットから必要なパーツを選べば、タイトルとは違うサブタイプを製作することも可能なわけです。例えばチャーチル戦車については砲塔が溶接型と鋳造型、主砲が短砲身と長砲身、のように最初から複数入っているキットが多い。余ったパーツは他に流用できるので、楽しいんですね。
ただ部品の封入ミスより深刻な問題も一部にはありまして… 写真はMk.VIIの後部フェンダーと駆動輪周辺です。天地逆さまに置いてあるので少々見にくいのですが、左のものは正常に注型されたもの、そして右側は成型不良のものです。ひどいでしょ? ほとんど腐乱前、腐乱後、って感じです。ここまでゴム型が傷んだら、出荷するなよな~と思いますよね。クロコダイル(火炎放射型)や近接支援型(つまりMk.VIII)を作ろうと思って、Mk.VIIは二つ買ったのですが、いや二つ買っておいてよかった、よかった。
左のパーツのキャタピラの上につきだしているのは円柱状の湯口で、それ以外にも細かいバリは見えますが、まあ簡単に取り除けそうです。キャタピラ・フェンダー・オイル缶ラック、いずれもきれいに抜けています。一方、右の方はもうぐちゃぐちゃ状態。これって、どうやって整形すればいいの? 回転工具や超音波カッターが活躍しそうです(円柱状湯口は既に切り取ってあります)。工具についてはまたいずれ詳しくレポートします。