みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

超音波カッター買い換えました 03

2014年08月12日 00時03分43秒 | 工具・材料
 新しく届いた超音波カッターZO-41、早速使ってみました。まず切ってみたのが、射出座席の湯口です。現在製作中のMiG-15用のKK-1射出座席。え?まだ製作中なのかって? いろんなパーツを使い、いろんなところにティテールアップを試みるため、数機を平行製作中なんです。
 レジン樹脂製の射出座席は一般に、お尻の下に大きな湯口があります。これを精密鋸などでカットしようとすると、パーツの保持が問題になります。いろんな細かい部品がついている座席本体を、あまり力を入れて握りたくない。でもしっかり保持しないと鋸がまっすぐ切れない。その点、超音波カッターだと、全然力を入れなくても切れますから、パーツの保持も軽く持っていればよいわけです。
 超音波カッター未経験の方に申し上げますが、これは決して大きなかたまりを一刀両断にすぱっと切断するものではありません。ブロック状のものにまっすぐ切り込むと、切り分けた肉の逃げ場がないので、刃が食い込んで進まなくなります。むしろ、鉋がけをするように、薄く削る方が向いています。つまり縦に切るのではなく、横に削って行くんですね。射出座席のお尻の下の湯口も、一度に切ろうとせずに、角を落としながら、平らに削りながら、一枚ずつ皮をむくようにカットしていきます。結局その方が早くてきれいにできます。

 以前のUSW-333と新しいZO-41との差は、パワーだけではなく、その操作性にあります。USW-333は、手元の作動スイッチを押している間だけ超音波振動が作動します。しかし新しいZO-41は、手元スイッチを一度押すと、10分間作動状態になります。しかも、常に超音波振動をしているわけではなく、刃先に対象物が当たった時に自動的にパワーを上げるという親切設計。10分経ったら、或いはハンドピースの温度が上がりすぎたら、自動的に電源がオフになります。しばらく待って作業再開です。
 古いUSW-333では、手元のスイッチを人差し指で押している間だけパワーがオンになっていました。このスイッチが、わりと小さくて押しにくい。不用意に触れてオンになることを防ぐためだと思います。しかし、スイッチを押したままカットの作業をするので、どうしても手に力が入って、刃を対象物に押しつける感じになっていた気がします。人差し指だけ力を入れて、刃全体には力を入れない、ってなかなか難しい。
 ところが新しいZO-41では、スイッチを押し続ける必要がありません。一度押せばしばらくオンの状態。だから、対象物に刃を当てるだけ、あとは振動で自然に切り進む感じ、ことさらに刃を押しつけない、という切り方が意識せずにできるんですね。一度に分厚く切るよりは、薄く二回に分けて切る方が早くてきれいに切れるし、機械に負担をかけない。この機能は正解ですね。
 結局1回10分の作動時間内で、射出座席一個の湯口が十分カットできました。しばらくはレジンパーツの在庫の湯口をあらかじめカットしておく、という作業を、暇を見て薦めておきましょうか。

超音波カッター買い換えました 02

2014年08月11日 10時59分38秒 | 工具・材料
 うまいことお盆前に届きました。まず驚いたのが、発送用の段ボール箱を開けると、通販明細書や別売り替え刃カタログが、トップ画像のようなクリアファイルに入っていたことです。それから、こんな団扇もおまけで入っていました。

これ、本多電子の通販部門関連会社、エコーテックのマスコットキャラクター「キリカ」ちゃんと、お友達の「つむぎ」ちゃんなんだそうです。こちらを参照。Web漫画はこちら
 さらに製品のパッケージ、箱の表はこんな感じ。

箱の右側面には「キリカ」ちゃんたちが。

 へえ、カラフルになったもんですねえ。以前買ったUSW-333の箱は、味も素っ気もない、こんなの

だったんですからね。これつまり、超音波カッターの購買層が模型趣味の世界にも広がった(或いは広げよう)ということの現れなんでしょうね。だから、萌え系のキャラクターを設定して展開しているんだと思います。
 若い方には実感してもらえないと思いますが、我々が若い頃、エアブラシというものはまだまだ高嶺の花でありまして、エアブラシを持っていれば英雄扱いでした。それが、画材店だけではなく、一般の模型店でも扱うようになり、値段も次第に買いやすくなってきて、模型趣味の世界に普及してきました。超音波カッターも、エアブラシのように、これからユーザーが増えて行くのは確かでしょう。もちろん、超音波カッターは精密機器ですから、価格が下がるといっても限度があると思いますが、それでもレジン樹脂を多用する人や、フィギュアなどの原型を作る人などにはきっと便利だと思われます。
 フィギュア原型作製、ということについてひと言。超音波カッターは、硬いもの相手とは限らないんです。フィギュアのキャストに使うシリコンゴム型の加工にも使えるんです。シリコンゴムのような柔らかい素材は、普通のカッターでは刃が対象に沈み込んでしまって力が伝わらず、なかなか切れないものです。それが超音波カッターなら、すーっと、ほとんど刃を当てるだけで切れるんですね。原型だけでシリコン型を作っておいて、流し込みのための湯口の溝を後から切り込む、という使い方もできそうです。その場合は、こういう長刃が活躍しそうです。

超音波カッター買い換えました 01

2014年08月10日 22時57分48秒 | 工具・材料
 長年愛用してきた超音波カッターが急に切れなくなったので、ホーン部と固定具のクリーニングを行ったら復活した、という話をしました。それでまずは大丈夫なんですが、でも固定具やそれを固定するビスは、刃そのものほどではないものの、消耗品です。固定しているだけで消耗するなんて、日頃はあまり気づかないのですが、何しろものが超音波カッターですからね。目に見えないものの凄いヘルツ数で振動しているわけですから、すり減りもしますよね。
 で、調べてみると私が使っていた本多電子のUSW-333は既に現行商品ではなく、また現在の機種の消耗品はこれとは互換性がなくて、使えないようなのですね。今後のことを考えると、このまま使い続けるのにも不安を覚えました。
 それに、大量に買い込んでいるレジンパーツやレジンキット(チャーチル戦車のレジンキットや女の子レジンフィギュアは一体いくつ在庫があるんだ…?)を考えると、実際作る時間があるかどうか分かりませんが、やはり超音波カッターは手元に必要です。と言うか、時間がないからこそ、レジンを簡単に切削できる超音波カッターは私には必需品かも。
 で、さらに調べてみますと、今なら、本多電子の通販部門で、現在手持ちの古い機種を下取りにして、上位機種がお得に買えるらしいんですね。少々お高いものなので、この機会に上位機種に買い換えることにしました。新しいZO-41です。

超音波カッターが切れなくなった!

2014年08月02日 22時35分19秒 | 工具・材料
 愛用している本多電子の超音波カッター、またぞろレジン製射出座席の湯口をカットしようと引っ張り出して来ました。最初はいつものとおり、硬いレジンがまるで豆腐のように切れていました。ところが突然、スイッチを押しても切れなくなってしまいまったんです。超音波の振動がなければ、普通のカッターナイフと同じです。
 スイッチを押すと、パイロットランプは確かに点灯します。しかし超音波カッター特有の、蚊の鳴くような小さな振動音が全然聞こえないんですね。レジンのような硬いものでではなく、紙に当ててもやはり切れません。もちろん、超音波切断につきものの摩擦熱も全く発生しません。
 長年愛用していたのに、ついに故障か~。みなさんご存じのように、レジン樹脂というのは、普通のカッター刃を当ててもギシギシしてなかなか切れないのです。精密ノコを使うにしても、射出座席のようなパーツは座席側にごちゃごちゃ細かいものがついていますから、力を入れて保持する場所がありません。超音波カッターを買ってから、その問題が一挙に解決。作業時間は短くて済むし、正確に切れるし、安全です。レジンが豆腐のように切れる刃物は危険だろうとおっしゃるか? いや、そうでもないんです。万が一刃が指に当たっても、痛いと思った次の瞬間には作動スイッチから指を離してしまいます。そしたらもう刃は切れなくなるんです。指がずぶずぶと切れている間、スイッチを押したままになんて、したくでもできるものではありません。そもそも超音波カッターの作動スイッチは、小さくて結構押しにくい。これは安全のためにわざと押しにくくしているんじゃないかと思います。不用意にオンにならないようにしてあるんでしょう。
 最近なかなか模型を作る時間がないのですが、いつかはこのキットにこのレジンパーツを使おうと、いろいろ買い込んでいます。いつの日かキットに組み入れるその時のために、空いた時間でレジンパーツの湯口だけをぱさぱさと切っておこうと、超音波カッターの出番は結構多いのです。航空機のコクピットに、武装パーツに、ミニスケール戦車にと、まだまだ切りたい湯口はいっぱいあります。ちょうどまた、最近買ったレジンパーツを切り出しておこうと思った矢先に、超音波カッターが切れなくなってしまいました。これは痛いな~。最近はかなり安くなって、模型店等でも扱い始めたとは言え、やはり三万円前後はしてしまいます。修理を依頼するにしても、私のは結構遠くで買ったので、買ったところに相談するのも難しいし。

 もしやと思って、取扱説明書を見直してみました。すると、時々清掃をすること、と書いてあります。超音波カッターの先端部は、刃を固定金具に挟み込み、その固定金具をホーンと呼ばれる本体側の軸穴に差し込み、それをネジで固定するようになっています。その固定金具を一旦取り外し、ホーンの軸穴内部と、固定金具の周囲を清掃するんだそうです。
 そこでネジを外して固定金具を引き抜いてみました。そう言われれば、わずかですが金属粉がこびりついたような汚れがついています。この程度の汚れ(金属表面がこすれたような感じ)が作動に影響するとは思えなかったのですが、とにかく掃除しておくことにしました。家庭用アルコール消毒スプレーの液を綿棒につけ、それでホーンと固定金具をぐりぐりと拭きます。これを何度か繰り返し、最後に乾いた綿棒で磨きました。もちろんアルコール消毒液はわずかにして、本体を濡らさないようにします。
 さて清掃終了。刃を新しいものに交換して、元通り取り付け完了。この時、ネジはきっちりと締めておきます。買ったばかりの頃、刃を交換した際に、ちょっと締め方が甘かったのでしょうか。スイッチ入れたら超音波のすさまじい振動のため、ネジがポンと飛び出してしまいました。

 さていよいよスイッチオン! こいつ…、切れるぞ! 元通り切れるようになりました。心なしか、清掃前より切れ味がよいような気が…。そんなに激しく汚れていたわけではないのに、ちょっと汚れがついていた程度なのに、それでも本体の発振体の振動が刃に伝わるのを邪魔してしまうんですね。恐るべし超音波。逆に言うと、ちゃんと清掃さえしていれば、振動がちゃんと伝わるように最初からチューニングされているということなんでしょう。さーて、またレジンの湯口をじゃんじゃんカットするぞ。

模型プロのプラスチックニッパー その3

2013年09月13日 14時15分16秒 | 工具・材料
 あれから、「模型プロ」ニッパーを使って、パーツの切り出しばかりやっております。ドラゴンの#6653「Allied Force ETO 1944」もプチプチやっています。これはジェネレーション2仕様のキットですから、ガーランドライフルも2パーツに分割されています。このライフル銃を切り出してみました。
 このジェネレーション2のガーランドライフルではスリングの基部がモールドされています。だからトップ画像のように、湯口が左右の突起にはさまれる形になっています。つまり、これを一発で切り離すには、ニッパーの刃をライフル銃と直角の向きに当てなければならないわけです。このような細長い湯口なら、長い面に刃を当てる、つまりライフル銃と平行の向きに刃を当てて切るのが普通ですが、この場合はスリング基部の突起が邪魔になるので、直角に当てざるを得ません。
 で、ライフル銃と直角の方向から刃を当てて切った結果がこれです。

湯口の左右の端が全くめくれたりつぶれたりしていないところにご注目下さい。削るように切れるんですね。で、ランナーから切り離した後、さらに残った湯口に、同じく銃身と直角の向きに刃を当てて切ったところ、このようになりました。



ご覧のとおり、ほとんど目立たないくらいに湯口をカットできました。ほんと、削れるように切れるんです。刃の立ててない受け側が若干残りますが、まあマクロレンズで撮影してこれくらいですから、実際はほとんど目立ちませんし、カッターやキサゲやサンドペーパーでちょちょいと修正するのは楽なものです。
 日頃空いた時間でちょこちょこパーツの切り出しをするのに、非常に効率がよくなります。カッターナイフに持ち替えなくとも、このニッパー一つでかなりのことができるわけですから。レジンパーツの細い部分のバリ取りなんかも安心です。

模型プロのプラスチックニッパー その2

2013年09月03日 00時04分49秒 | 工具・材料
 スリーピークス技研の「模型プロ プラスチックニッパー」、実際使ってみると大変便利です。お茶の間で閑を見て、兵隊フィギュアのパーツや戦車の転輪パーツを切り離しつつ、チャック付き袋に整理する、ってのをやってるんですが、これ一本あれば、単なる湯口のカットだけではなく、湯口切断面のある程度の整形というところまでできそうなんです。
 試しに一つ兵隊のパーツを切ってみました。これはドラゴンの#6653「Allied Force ETO 1944」のアメリカ兵が腰につけているバッグです。ちなみに、「ETO」というのは、「European Theater of Operations」ですかね。

湯口はこのバッグの下側の面にあります。パーツに近い辺りで湯口をカットし、さらに徐々にパーツ近くまでこのニッパーでカットしたのがこの状態です。

矢印の所が湯口の跡です。平らでしょう? びっくりしました。カッターナイフも使わず、ニッパーだけでここまで切れるんですね。別の角度から見るとこんな感じ。

湯口跡の中央には盛り上がった縦長の傷が見えますが、これはニッパーの左右の刃が閉じて合わさった場所ですね。その向かって右側の平らな部分とういのは、まさにカッターの刃がそぎ取った場所です。こんなに平らになるとは思わなかったことです。これなら後は、カッターナイフやキサゲでちょこちょこっと削れば、そのまま塗装できそうです。すげえなあ。
 このニッパーの切れ味を一言で言うと、「削るように切れる」ということになりましょうか。湯口など棒状の部分を真ん中から切断する場合にはそれほど感じませんが、突起状に残った湯口を切り落とそうとすると、カットするというより、そぎ落とす感じになるんです。棒の頭を薄皮一枚ずつそぎ落とす感じ。喩えて言えば、ニッパーの片方の刃が鉋(かんな)になっているみたいなんです。
 スリーピークス技研のブログの本製品紹介記事には、
  片刃仕様となっております。
  刻印面に対し左側が切れ刃、右側が受け刃となります。
  これにより、切断面の白化現象を抑えるはたらきがあります。
とあります。なるほど、ニッパーの左右に刃が立ててあるのではなく、片方が受け、片方が攻め、いや…、その…、片方が刃になっていて切り進むようになっているんですね。確かに切れ味も、片方からナイフで削るような感じがしました。そのつもりで先ほどの切断面を見ると、残った突起の右側にだけ削り取った平面が見え、反対側は殆ど刃の跡がありません。ニッパーの片方が対象物を押さえ、もう片方がそこまで切り込んでくる形になってるんですね。結果的にこれがきれいな切断面を生むんですね。

模型プロのプラスチックニッパー その1

2013年09月01日 09時57分04秒 | 工具・材料
 ニッパーは一つ良いものを持っておくとよいと言いますよね。やっぱり切れ味も、斬った後の切り口も違います。今までは
FUJIYA プロテックニッパ プラスチック用」と、「シリウス The Modelist Tools 細口ニッパー」を愛用していました。FUJIYAのは割と大きいので太めのパーツ用、細かいところはシリウスの細口、と併用しています。FUJIYAは、今は無き秋葉原のホビーステーションスケールモデル店で薦められて買って重宝しています。シリウスのはこの他に「薄刃ニッパー」「エッチングニッパー」「エッチングプライヤー」も用途に応じて使い分けています。それと、「タミヤ クラフトツール 薄刃ニッパー」(ゲートカット用の高いやつ)もなかなかいい。シリウスのものについては、パッケージも製品もそっくりで、シリウスブランドではなく製造元自身のブランドのものを量産点で見かけたことありますので、そちらでも手に入ると思われます。
 ニッパーそんなに持っててどうするんだと言われそうですが、メインの一番使いやすいやつは模型用作業台に常備するとして、職場のデスクの引き出し、お茶の間のテレビ台の引き出しなどに一つずつ置いておいて、時間を見てちょこちょこ細かいパーツの切り出しなどをしてるんですな。戦車の大量の転輪とか、兵隊の装備品とか、切り離してチャック付き整理袋に分別して入れておけば、後で作業するのが楽なんです。で、よい製品の噂があるとつい買ってしまうわけです。
 この度入手したのがスリーピークス技研の「模型プロ プラスチックニッパー」です。行きつけの模型店の店長さんのお薦めの製品。そもそも模型用、湯口カット用のものはいずれも薄刃ですが、この製品も非常にシャープで薄い刃です。

それから刃の背中の柄に対する角度が比較的小さい。つまりネックの部分の曲がりが小さく、柄から比較的直線に近くなっているんですね。これも、ゲートカットの際に保持しやすい。
 最近本格的に模型を作る時間がないので、お茶の間でちょこちょこパーツの切り出しをしてるんですね。兵隊フィギュアの人形本体・武装・装備品を、チャック付き袋に一人ずつまとめて入れて整理して、箱は畳んでおく。これなら5分でも3分でも少しずつできますし、後でちゃんと作製するときにも便利。保管スペースも有効に使える。
 そこでこのプラスチックニッパーを早速使ってみたんですね。そしたら、実に使いやすい。たちまちメインツールに格上げです。本当に、今までのニッパーとは使用感覚が違うんです。ということで、実用レポートは次回。

ホーザンの竹ピンセット

2012年02月19日 00時39分18秒 | 工具・材料
 もう一つ一緒に買ったのが、ホーザンの「竹チップピンセットP-855-B」です。そもそも、ハセガワから竹ピンセットが出るということで、行きつけの模型店に尋ねてみたら、ハセガワのもいいと思うけどホーザンのもとてもいい、との話でした。ホーザンのカタログを見たら、全部竹製のものと、先端のみ竹製で交換可能なものとがありました。面白そうなので、交換可能な「竹チップピンセット」を選んでみたんです。
 こりゃ使いやすい。小さなプラパーツを扱っていると、静電気のためにうまくピンセットからパーツが離れてくれないことが時々あります。位置決めがしにくかったり、離型剤を落として補完のためチャック付き袋に入れる時、うまく袋に入ってくれなかったり。ところが竹製だとそう言う問題が起こらない。
 もう一つ、利点があります。今までの金属製ピンセットの場合、安いものだとパーツを飛ばしてしまいがちですが、これは特に先端部分の剛性が低く、不必要にしなってしまうことが原因のようです。よいものだと細い先端でも剛性が高く、無駄にしならないので、パーツを保持しやすい。ところがこの竹製チップの場合は、竹ならではの弾性が特徴。金属製が剛性を必要としたのと逆ですね。

 これは、フジミの新しいティーガーIのキャタピラを保持したところ。フジミのキャタピラはカーブする部分が1ピースずつばらばらで、ある程度の枚数接着して、半乾きの状態で巻き付け作業をする必要があります。カッティングシートに両面テープを貼って、そこにずらっと並べて連結してもよいのですが、私は数枚ずつを繋いでおいてから巻き付け作業をすることが多いんです。その時にこの竹製だと、数枚分くらいなら安定して保持することができます。竹製でなければならない、という場面を思いつかなかったのですが、実際買ってみると案外使い道が多いような気がしてきました。

ホーザンのピンセット

2012年02月16日 22時39分18秒 | 工具・材料
 以前もちょっと触れましたが、ピンセットもある程度よいものを使う方が、結局パーツを飛ばして腐海に落とし、二度と見つからないという問題を結構回避できます。しかしよいピンセットは、確実にパーツをつまめるだけではなく、ものを曲げたり、接着したパーツの位置調整をしたり、と非常に便利なものです。だから敢えて言おう。ピンセットは工具であると!
 で、とにかくタミヤの精密ピンセットストレートタイプを愛用していたんですが、こないだ行きつけのお店で、工具メーカー「ホーザン」のピンセットを薦められました。まあいくらよくても、タミヤと同じ形状ならもう一つ買う必要はないのですが、ここはさすがに工具メーカーだけあって、いろいろなピンセットが用意されています。その中でも、先がやや平たく、しかも角張っていないタイプを買ってみました。「ステンレス特殊形状ピンセット P-888」というものです。メーカーの解説には「先端がヘラ状でシール(フィルム)はがしに最適なピンセット」と書いてあります。いやしかし、シール剥がしというピンポイントな用途にだけ使う人はいないと思います。これ、つまむ、まげる、支えるなど、いろんな用途に使えて、実に便利です。いやあ、これは買ってよかった、という感じ。
 先端はトップ画像のようになっています。デカール専用のピンセットはクレオスのものを使っています。あれはあれで大変便利ですが、最近お恥ずかしいことにデカールを貼る段階までなかなか行き着かない。そしてデカール専用ピンセットは、曲げるなど他の用途にはやや不便。それに対して、このホーザンのヘラ状ピンセットは、角が落としてある分汎用性があるのでしょう。これは常用の工具になりそうです。

 こちらの画像がタミヤの精密ピンセットです。これも先端まで非常に硬く、不必要な撓り(しなり)がないので、パーツを飛ばすことが少なく、他にも特にプラ棒の加工には重宝しました。一度床に落としたことがあるのですが、先端がとっすと床に刺さったのにはびっくりしましたね。以前はピンセットを何本も持っている必要は感じなかったのですが、このタミヤとホーザンは相補うもので、常に併用することとなりました。フジミのティーガーI初期型のキャタピラ装着にも活躍しています。

ガイアノーツのマイクロセラブレード

2011年12月29日 13時40分08秒 | 工具・材料
 また、最近買った工具のコーナーです(そんなコーナーあったっけ…)。ガイアノーツの新製品「マイクロセラブレード」を買いました。タイトルには「セラミック製精密バリ取りハンドツール」と書いてあります。
http://www.gaianotes.com/products/g-goods_g12.htmlバリ取りと言うより、パーティングライン取りと言うべきかもしれません。絵の部分はデザインナイフと同じもののように見えます。そこに真っ白のセラミック製ブレードが装着してあります。リバーシブルとでも言うべきでしょうか、両端が形の異なる刃になっていて、ひっくり返して使えるようになっています。デザインナイフなら刃になっている辺が直線のものと、ややカーブしているものとを選んで使えるわけです。ぱっと見はプラ板の刃が装着してあるように見えます。

やや斜めから見ても、あまり刃のエッジが目立ちません。これでどんな削れ方をするのかと試してみたら、これがなかなかの優れものでした
 たぶん、兵隊フィギュアのパーティングライン取りに適しているんだろうと思って、まずこれからやってみました。腕や足や胴体の側面のパーティングラインに対して、大変繊細な作業ができます。ただ削れるだけではなく、削った後がなかなか平滑になるんです。削って整形した後サンドペーパーでひと撫でしたみたいになります。また、兵隊フィギュアだと大抵肩章から襟にかけてパーティングラインが通っているものですが、襟を平らにし、肩章の形をきちんと出し、襟と肩章の間をちゃんと彫り込み、という作業がこれ一本できれいにできます。
 似たような作業をする工具としては、以前「キサゲ」を紹介しました。ただ、似てはいても結構使い勝手は違います。セラミックだけに、金型のズレのために段差になっているような場所をガリガリ削るのは不安、と言うか、そもそもそんなにガリガリは削れません。キサゲの方はかなり硬い金属製ですから、段差をバリバリ削って強引に平らにしてしまうことができます。削った後は意外に平滑に仕上がるものですが、しかしさすがにこのセラミックブレードほどにはきれいに仕上がりません。普通のパーティングラインならこのセラミックブレードだけでかなり繊細な作業ができそうです。必要に応じてキサゲとセラミックブレードとを持ち替えれば、フィギュアのパーティングライン処理がとても能率的になりそうです。今まで、イギリス兵を中心にプラキットやレジンフィギュアを買い込んできましたが、資料と見比べるばかりで全然作っていないので、せいぜいこれを活用して作ってやらなければなりません。

 さて、年末年始でしばらくは模型が作れそうにありません。続きは年明けということで。いろいろお世話になった方々、本年もありがとうございました。みなさまよいお年をお迎え下さい。