みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

エッシーのチャーチルMk.III主砲 その1

2008年07月28日 00時51分55秒 | AFV(英・チャーチル)
 またまた何だかよく分からない写真でごめんなさい。チャーチルMk.3の6ポンド砲パーツの製作途中です。四本まとめて製作中。砲口に延ばしランナーを差し込んだ状態です。
 イタレリ(エッシー)の6ポンド砲パーツは、砲身と砲口の2パーツから成っています。砲口の穴を再現するために、先端だけ上下抜きの別部品になっていて、これを砲身の先に接着するようになっているんです。ところが問題は、抜きテーパーのためか、砲口パーツが円錐をカットしたような形、つまり末広がりの形になっていることです。そのためこれをそのまま接着すると、砲口がラッパのように広がってしまうんです。ブランダバス銃じゃあるまいし。おまけに砲口の位置がセンターからずれているし。
 そこで延ばしランナーを少し太めに作って、砲口に埋め込んだんです。流し込み接着剤を使い、溶けたプラがぐにゅっとはみ出すくらいにむぎゅっと押し込んで、さらに後の作業のためにこの状態で十分に乾燥させます。そして延ばしランナーの不要部分をカットした後、パーツの砲口の位置など無視して、砲身と自然に繋がるように砲先端を削ります。デザインナイフであらかた形を整えた後、光パテを薄く塗ってはサンドペーパーに挟んでくるくる回して削る、というのを繰り返します。最後はピンバイスで砲口を開ける。
 そんな手間をかけるくらいなら別売り金属砲身を使え、とおっしゃるかもしれませんが、コストの面からも、意地の面からも、できるだけキットのパーツを生かしてやりたいではありませんか。ちなみにこういう小さいパーツをしっかり乾燥させるためには、テレビチューナーの上や外付けハードディスクの上など、一日中ぽかぽかと暖かい場所に置いておきます。また砲口パーツの接着部分の溝や、パーティングラインのへこみなどを埋めるには、やはり簡単に溝に流れ込んで馴染んでくれる光パテの出番です。

エッシーのチャーチルMk.III砲塔 その4

2008年07月26日 00時25分30秒 | AFV(英・チャーチル)
 別の角度から見てみました。車長ハッチ横の天板の縁、こんなにガタガタになりました。しかし前回同様、こういうところも光パテできれいに埋まります。これがポリパテやラッカーパテだとプラを犯しますので、どうしても砲塔側面に影響してしまいます。光パテなら硬化前にぬぐい取っておけばOK。
 さて、次は難問の主砲です。

エッシーのチャーチルMk.III砲塔 その3

2008年07月25日 00時10分19秒 | AFV(英・チャーチル)
 で、前回に続いて、天板を接着した後の溝に光パテを埋めた状態です。光の反射の加減だか何だか、パテの部分が白っぽく写っていますが、肉眼では全く目立ちません。塗装をすればたぶん問題ないのではないかと思います。天板の頂点と側面の角とのずれも、パテを埋めてしまえばそんなに目立たないでしょう(目立ちませんよね、ね?)。
 この写真では既に砲塔前面装甲板も接着しています。この装甲板も、イタレリ(エッシー)のパーツをそのまま接着したのでは、左右にはみ出すぎるようです。確かに実車のMk.3砲塔の前面装甲板は、砲塔幅より若干左右にはみ出すのですが、でもパーツのままではいくらなんでも出すぎ。そこで少し切り落としてあります。
 この前面装甲板、砲塔パーツと接する内側の面を少し削って調整してやると、砲塔側の突起にパチンとうまくはまってくれます。そうしておかないと、上面に隙間が空きすぎることになるので注意。このくらいの溝なら、キットのパーツが元々意図した溝です。実車写真の装甲板の噛み合わせと比べても、まあこれくらいの溝でOKでしょう。

エッシーのチャーチルMk.III砲塔 その2

2008年07月24日 00時26分55秒 | AFV(英・チャーチル)
 で、前回のように加工した上で、砲塔左右と砲塔天板を接着するとこうなります。天板周囲、側板との角にかなりの隙間が出来ているでしょう? それに天板を構成する六角形の頂点、特に装填手ハッチの横の頂点が、砲塔本体の頂点(角)と微妙にずれてしまうんですね。しかしもうこれは仕方がありません。とにかく天板がはまるよう、前回のように砲塔側面の裏側を削らなければならないのですが、砲塔側面の上辺がガタガタ凸凹の上に薄々なものですから、どうしても隙間が出来てしまいます。また頂点の位置をむりやり合わせると、今度は後部に埋め合わせ不可能な隙間が空いてしまいます。まあこの程度にしておいて、後はパテ埋めするしかありません。

エッシーのチャーチルMk.III砲塔 その1

2008年07月22日 23時29分32秒 | AFV(英・チャーチル)
 これまた何のことか分かりにくい写真で恐縮です。これ、イタレリ(旧エッシー)1/72のチャーチルMk.3の砲塔左側パーツを、裏側(内側)から見たところです。おまけに、同じ物を手前と向こうに二枚重ねてマクロレンズで撮影しています。同じ位置で固定するために手前と向こうにマスキングテープを貼っています。で、何の説明をしたいのかと言うと、どこの金型が傷んでいてどこを削るとまともに砲塔が組めるのか、という話です。
 手前は未加工のパーツ。Mk.3の砲塔は溶接砲塔です。キットでは砲塔左右パーツの上に天板パーツがはまるようになっています。ところがその天板がはまるべき砲塔の溝ががたがたで、天板がうまく乗らないのです。白い矢印の場所を見ると、本来は天板が乗るはずの溝、というか「のりしろ」に、妙に出っ張っているところがあるのが分かると思います。ここが邪魔をして天板がうまくはまらないんですね。
 そしてそれを削って修正したのが、その向こうがわのパーツです。黒い矢印の部分、これくらい削っておけば天板がはまってくれます。でもこんな感じに溝を掘るのはなかなか大変なんです。このような場所がもう二箇所あるんですよ。単にカットするなら簡単ですが、側板を残して彫り込まなければならないんです。でもここをきちんとしておくかどうかで、後の組み上がりが変わってきますので、面倒くさがってはいけません。こういう作業で活躍するのがスクレイパーやチゼル、それにデザインナイフです。
 それにしてもご覧の通り、砲塔側面パーツの上辺が全周にわたってとにかくガタガタでしょう? 天板を乗せる前にクラフトヤスリで平らにしておかねばなりません。イタレリに移ってから金型がかなり傷んでいるのか、と思ってエッシーの古い箱のものを引っ張り出してみましたが、この場所はやはりこの状態でした。最初から金型が破損していたのかな。

ユニモデルのシャーマンM4A3(76)HVSS その5

2008年07月21日 00時12分35秒 | AFV(米)
 さて、76ミリ型砲塔、UM・ドラゴン以外にトランペッターとハセガワもあったな、と思いだして、四つ並べてみました。左から順にハセガワのM4A3E8、トランペッターのM4A3E8、ドラゴンのM4A3(76)、一番右がUMのM4A3(76)です。なんだかずいぶん違いますね。
 一番右のUMは、側面も立っているし、高さも足りない感じです。全体に平べったくて、ちょっとシャーマン「ジャンボ」の砲塔にも似ていますね。一番左のハセガワは、もうなつかしい古典的キット。厨房の頃にシャーマン戦車の完成形だ、と喜んで作った覚えがあります。まあ今のキットと比べては気の毒ですが、側面の末広がりが表現されていませんね。砲塔側面広報のリフティングアイは後でプラ棒で作り直すために切り取ってあります。
 さて問題は、左から二番目のトランペッターと三番目のドラゴンです。いずれも新しいキットだけあって、側面の末広がりもちゃんと表現されています。ところがよくよく見ると、トランペッターの側面左前方の肩、装填手ハッチの前方にへこんだ部分があるんです。ドラゴンではその位置にへこみはありません。おやっ、っと思っていろいろ写真を調べてみました。
 そしたら、そこにへこみが写っている写真がちゃんとあるんですね。例えば『グランドパワー』誌08年7月号「M4シャーマン(4)」の51ページの下段など、それがはっきり見えます。あれえ? 所詮支那のトランペッター、などと思って最初っから期待していませんでしたが、意外とやるじゃん。でもまあ、あながち偏見でもないんですよ。妙なテーパーのついた車体を見れば、ダメだこりゃと思うのが普通ですもんね。
 しかし他の写真を見ていると、へこみが見えない写真もたくさんあるんです。だからドラゴンの砲塔もあながち間違いとは言えない。もしかして、この部分は個体差があるんでしょうか。

ユニモデルのシャーマンM4A3(76)HVSS その4

2008年07月20日 00時22分58秒 | AFV(米)
 UMの76ミリ砲塔、側面の接着面にペーパーがけをし、さらにピストルポート周囲にパテ埋めをした状態です。流し込み接着剤でぐにゅっと圧着したところ、よく乾燥させた後でペーパーがけするときれいに平面になります。東欧のプラはやわらかくて接着剤に溶けやすいからでしょうか。
 ピストルポート周辺もきれいに馴染んでくれました。こういう隙間埋めには、なんと言っても光硬化パテが一番。光で固まるので作業が早い、ということばかり強調されますが、仕上がりに関してもっと重要なのは、粘性が低く隙間に入り込みやすいことと、プラスチックを溶かさないことです。隙間にちょんとパテを乗せておいて、指先もしくはアクリル用シンナーをしみこませたティッシュですっとなでてやれば、きれいに隙間に馴染んでくれます。プラスチックを溶かさないので、はみ出した部分がきれいにぬぐい取れるんですね。ハッチ周辺の盛り上がり方も、パテの量の加減で調整できます。
 ついでに、細い隙間にうまくパテを乗せるには、クレオスのグルーアプリケーターの細い棒が非常に便利。もちろん爪楊枝でもいいんでしょうが、このアプリケーターを使うと作業性が全く違います。瞬間接着剤さえ剥がせる材質、先端にパテを乗せても適度にはじいてくれるためでしょうか、細かいところのパテ乗せや細い隙間への塗り込めがとてもやりやすいんです。

ユニモデルのシャーマンM4A3(76)HVSS その3

2008年07月19日 23時51分01秒 | AFV(米)
 UMの76ミリ砲塔について余談。砲塔左後方のピストルポート(薬莢排出口)のパーツに隙間が空く、という話は一度触れました。砲塔全体が真ん中で上下分割になっていて、ピストルポートのパーツはそこに挟み込むようになっています。ところが砲塔側の切り欠きとピストルポートパーツとの幅が合わず、またピストルポート四隅のアールに合わせて砲塔側の切り欠きを丸く処理するのが難しいため、どうしてもこのくらい隙間が出来てしまいます。まあこれくらいなら後で埋めるのは簡単ですが。
 ついでですから砲塔パーツの上下接着の際、リモネン系接着剤を多めに流し込んで圧着し、ぐにゅっとはみ出させています。どっちみちピストルポートと合わせてペーパーがけしなければなりませんので、あらかじめ圧着しておくに越したことはありません。

ユニモデルのシャーマンM4A3(76)HVSS その2

2008年07月13日 20時24分07秒 | AFV(米)
 次は砲塔の平面形です。左がUM、右がドラゴンです。ごらんのとおりUMの装填手ハッチは、76ミリ砲塔や105ミリ砲塔に見られる小型で一枚型のものです。手元の資料では76ミリ砲塔の装填手ハッチはドラゴンのような観音開きの円形で対空機銃架つきのものが多いのですが、このハッチのタイプの写真も見つかりました。またドラゴンのM4A2(76)W「レッドアーミー」はまさにこのハッチのタイプです。
 『グランドパワー』誌7月号の特集「M4シャーマン(4)」には、76ミリ砲塔の試作型の写真が出ています。この試作型の装填手ハッチは観音開きですが、量産型と違って形は四角です。装填手ハッチもいろいろ工夫されたことが分かります。
 それから、砲塔全体の形状も両者でかなり違います。平面形ももちろんですが、このように上から見ても分かるように、ドラゴンでは下の方の幅が広がっているのに対し、UMでは側面がほぼ垂直です。写真で見てもやはり76ミリ砲塔は下ぶくれの形状が正しいように思います。UMのようなまっすぐのタイプが別にあったとも思えないんですが。
 それにしても、こうして並べてみるとドラゴンのディテールってのは、大したものですね。

ユニモデルのシャーマンM4A3(76)HVSS その1

2008年07月11日 23時33分33秒 | AFV(米)
 ユニモデルのM4A3、76ミリ砲型の砲塔です。部品を見たとき、砲塔が真ん中ですっぱり上下に二分割になっているので、驚きました。多分薬莢排出口(ピストルポート)の部品を別部品にして、これを上下から挟み込む形にしたためだと思います。まあもちろん側面に来る薬莢排出口のディテールを出そうと思えば、このように別部品にするのが早道でしょう。でもその割りには、砲塔側の穴の幅と排出口パーツの幅が全然合わなくて、車体側を削って調整しなければなりませんでした。ドラゴンはこういうところを、お得意のスライド金型にしています。
 ということでドラゴンのM4A3(76)Wの砲塔と並べてみました。ドラゴンの砲塔(写真左)が観音開きの装填手ハッチになっているのに対して、UM(写真右)では小型の装填手ハッチですので、これは初期の76ミリ砲塔だということになるのでしょうか。それに砲塔全体の形も随分違いますね。ドラゴンは76ミリ砲塔独特の下ぶくれ形状が表現されているのに、UMの方は側面が垂直になっています。装填手ハッチの違いに連動して砲塔全体の形状にも二種類あった、ということも聞いたことはありませんので、UMの砲塔形状には疑問が残ります。
 ついでにUMの砲塔パーツの上下合わせはできるだけ合わせ目が目立たないようにしてやりたいので、ご覧のように流し込み接着剤を多めに流して、えいやっと押さえて、接着部分がぶにゅっとはみ出すようにしました。完全に乾燥してから削ればきれいに平らになるはずです。
 ドラゴンの砲塔の薬莢排出口周辺にはスライド金型のパーティングラインがあったので、サンドペーパーで削ってあります。しかし実車の写真を見ると排出口の周辺には少し段が見えるんです。ただキットのままではいかにもパーティングラインそのままという感じですので、一旦削った後でパテなどで表現し直してやる予定です。