みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

1/35のディエップ戦のチャーチル用デカール

2010年05月29日 10時22分51秒 | デカール
 ところで、ディエップ上陸作戦に参加したカナダ軍のチャーチル用と言えば、何と言っても1/35でエシュロンから出ているデカールですね。パート1とパート2、二つ出ているようですが、いずれも精密なリサーチに基づいたすごいデカールセットです。前回紹介したPeddinghausの1/72のデカールは、これに基づいて縮小したものではないと思います。というのは細部の解釈がちょっと違うように思えるからです(もっと詳しくレポートしたいと思っています)。前回のPeddinghausはBスコードロン所属車輌でした。エシュロンのものはパート1がBスコードロンとなっています。
 ただしエシュロンのものはMk.ⅠとMk.Ⅲ両方がセットされています(PeddinghausはMk.Iのみ)。車輌番号やニックネームなどは17輌分が入っていて、その内4輌を選んで作れるようになっています。17輌全部作りたければ、共通部分を自作するしかありませんね。そんな人、いないか…。AFVクラブのキットを17輌も作るのは大変。それにMk.Ⅰはまだ発売されていないし。
 さて、このエシュロンのデカール、説明書がこれなんですよ。どっちゃり、各車輌の説明図が並んでいます。うわー、壮観…。それにしても、丁寧に考証していますね。以前触れた『Dieppe: Through the Lens of the German War Photographer 』も恐らく参考にしているのではないかな。あの本はほとんど一輌ずつ写真が載っていますから。それにしても、ここまで説明図に細かく書き込まれていると、ユーザーが読み取るのが大変です。でも見ていてとても面白いんですよ。

ミニスケールAFV用デカール ディエップ戦のチャーチル

2010年05月27日 12時55分19秒 | デカール
 1/35に比べて数の少ないミニスケールAFV用のデカールですが、さらに英軍車両用となるともっと少ないのが現状です。おまけに、なかなか国内では入手が難しいメーカーが多かったり。で、見かけたら出来るだけ買い込むようにしています。そしたら、先日かなりピンポイントでツボを突く新製品が出ました。ドイツのPeddinghaus Decalの「ディエップ上陸作戦のカナダ陸軍チャーチルMk.I Bスコードロン」です。うわ、すげえピンポイント。Mk.Ⅲとかは入っていなくて、Mk.Iのみ。しかもB中隊。
 ディエップについては、特にドイツ側が撮影した写真がたくさん残っていますので、それこそ車輌一台ずつのマーキングまで確認できます。それを元にデカールを作ってくれたんですね。ディエップ上陸作戦では兵員に耐え難い多数の損害が出た他、車輌は全損という悲惨な結果になっています。参加したチャーチルはMk.ⅠとⅡとⅢ。そしてこのデカールシートは、Mk.Ⅰのみで12輌分。つまり、部隊マーク識別マーク車両番号等、デカールに重複無く12輌分たっぷり入っているんです。
 よし、これは12輌全部作るしかない! ハセガワでもOKですが、厳密に言うとハセガワのMk.Ⅰ/Ⅱのキットは、徒渉ダクトを追加する他に、細部を改造しないと使えません。1/72と1/76を気にしなければ、ミリキャストに使いたいものです。ミリキャストは初期のイギリス本土で訓練していた時期のもの、ディエップの時期のもの、その後の改良点をレトロフィットしたタイプのものとそろっていますからね。
 写真右半分は説明図。あまり詳しい指示はなく、図はこの程度。でもそんな複雑な貼り方ではないので、たぶん分かると思います。チャーチルの資料は手元にありますしね。

SKPの英兵 その2

2010年05月23日 08時00分01秒 | フィギュア(軍事)
 もう一つSKPの英兵。装備品を外してポケットに手を入れて何かによりかかって、リラックスしたポーズです(http://www.skpmodel.eu/skp010.php)。一体成形で、バリも少なく、足の裏の湯口を取ればすぐに塗装に入れそうです。これが姿勢も自然で実にいいんですね。SKPのフィギュアでは最も番号が若いのに、もう完成された感じです。SKPにはもう一つ、ポケットに手を入れた英兵(軍曹)があって(未見)(http://www.skpmodel.eu/skp027.php)、こちらもよさそうですね。軍曹とわざわざ断っているだけあって、袖の階級章もちゃんとモールドされています。
 よくできたレジンフィギュアは、むしろインジェクションキットより作りやすい塗りやすいという場合があります。他のメーカーのレジンフィギュアも順次作りたいと思っています。

 ところで、全然模型を作る暇がないのに、発注していた通販などがまたどっと届いてしまいました。せめてここで紹介することで、せめてもの憂さ晴らしをしたいと思いますので、おつきあい下さい。英軍用のデカールその他です。

SKPの英兵

2010年05月19日 12時20分17秒 | フィギュア(軍事)
 もう一つ、比較的安価だったので一緒に買ったのが、この英軍歩兵です。銃床を下について小銃をまっすぐ立てて、不動の姿勢ほどではありませんが直立した姿勢です。写真ではやや硬い感じがしますが、服のシワやポケットなど自然にできていると思います。装備品は背嚢・雑嚢・水筒・エントレンチングツール・ユニバーサルパウチと至って標準的。但し銃剣は装備していません。それから、Mk.Ⅱスチールヘルメットとベレー帽を選べるようになっています。こういう工夫はありがたい。仮にここでベレーが余っても、他に使えますから。戦車兵などにはベレー帽を被ったものがありますが、歩兵でベレーのものはあまりないので、シーンによっては流用できます。
 頭のパーツ(左上)を見ると分かりますが、これも顔が左右割りなんですね。幸いバリ等は出ていませんので、問題ないとは思います。実際に作るときは銃のスリングは是非追加したいもの。この姿勢だと、スリングがまっすぐ垂れ下がって正面に見えますから、金具等のディテールも少し追加してやりたいところです。また腕には部隊マークなどの徽章がモールドされています。これもそれらしく丁寧に塗り分けなければなりませんが、やはりデカールを使いたいものですよね。英兵用別売り階級章デカールがもっと出ないものかな。

SKPの英軍将校

2010年05月15日 23時59分47秒 | フィギュア(軍事)
 バトルオーダーの英軍将校と言えばもう一つ、チェコのSKPモデルからも出ていました。「British Officer WW II with Binoculars」です。この人も、Mk.Ⅱスチールヘルメットを被って、ピストルホルスターと双眼鏡ケースを装着し、手には双眼鏡と、いかにも前線にあり、という感じです。ホルスターはパーツの形からして、リボルバー用(兼オートマチック)の標準型ですね。ヘルメットのすぐ下に写っている小さなパーツは、予備弾薬入れだと思います。オートマチック用の予備マガジンなら二本入りで真ん中に分かれ目があるのですが、これはそれが見えないので、間違いなくリボルバー用予備弾薬です。
 このSKPのフィギュア、安価な割に出来がよいので気に入っています。とくにいくつかは原型師の自然な造形が光る逸品ですね。ところがこの将校の問題、というか特徴は、右の拡大写真を見てもお分かりのように、顔の真ん中にパーティングラインが走っていること。なんでまたシリコンゴム型をこんな位置で左右割りにしたんだろう。軍服の前の合わせにはそんなパーティングラインは見えないのに。まあインジェクションプラスチックと違って、こうしたバリは手でも簡単にぱりぱりと取れるので、きれいに落とせばそう問題にはならないと思います。
 それにしても、SKPのサイトの作例、それと箱絵にも同じ写真が使われていますが、顔の塗りなどもうちょっと上手にやってくれればいいのに。実物はもっといい男ですよ。それと、英軍の将校フィギュアはかなり高い確率でちょび髭なんですかね。

ホビーショーにおいて!

2010年05月14日 23時50分33秒 | Weblog
 おおおっ? エアフィックスからTSR.2が1/72で再版される!ほおらね、1/72のTSR.2が初版完全限定販売だ、って言ってたけど、絶対そのうち再版される、って言ってたんですよ、私は。
 ん?なんだってええ?「ストラトス・フォー」の1/72スケールTSR.2だとおっ?(http://ga.sbcr.jp/mreport/014884/)エアフィックスもなに考えてんだ? ってことは、デカールも作中仕様? まあいい。TSR.2用のデカールは結構発売されていましたからね。これは買いか?

Resicastの英軍歩兵将校

2010年05月08日 22時04分06秒 | フィギュア(軍事)
 前回のチャーチル戦車新刊書と一緒に買ったフィギュア、レジキャストの英軍歩兵将校です。最近は英軍の歩兵フィギュアもインジェクションで充実してきました。マスケット銃みたいなリーエンフィールドライフルを持っているタミヤの三人組歩兵セットしか、ヨーロッパ戦線の英軍歩兵が手に入らない、という時代はそんなに昔の話ではありませんよね。あれは確かに懐かしい…。いつかは近代的改修を施して作ってやろうと思っているんですよ。小学生の頃以来のリベンジですね。
 そういう意味ではタミヤの英軍歩兵巡回セットの五人組が出たときはうれしかったのですが、今度は歩行姿勢だけで戦闘シーンが作れないのに困りました。その後ドラゴンの英連邦四人セットやノルマンディー六人セット、それに最近になってミニアートやマスターボックスなどからいろいろ出てきて、ドイツ軍一辺倒ではなくなってきたのはありがたいことです。
 さて、それでもさらにまだまだ不足しているのが、英軍将校です。ドイツ将校が、制帽姿からヘルメット姿まで、夏服からコート着用まで、いろいろ揃っているのに比べて、英軍の将校は、インジェクションではほとんどありません。制帽のものも欲しいのですが、ヘルメットを着用して、戦闘装備を身につけた将校は、戦闘シーンのジオラマを作るには必要なものではないのかな。
 で、レジキャストからピストルホルスター・双眼鏡ケース・マップケースを身につけたヘルメット着用の英軍将校が出ていたので、買ってしまいました。左手に地図、右手は前方を指さしています。ここの製品は彫刻もくっきりしていて、たぶん塗装しやすいと思います。あとは、水筒を追加するといいかも。
 ところで右下に写っているのが、印刷された地図です。これを切り取って、さらに畳んで左手に持たせる、ってことになっています。淡い色でカラー印刷されていてきれいなんですが、前線で使用された大戦当時の地図は白黒でもよさそうな気がします。しかしでかい地図ですね。図上演習用じゃなかろうに。もちろん、この一部を切り取って使え、ということだとは思いますが。普通のプリンター用紙が使われていますので、畳むとどうしても厚みが出て、1/35のフィギュアにはかさばってしまうかもしれません。もっと薄い紙に、それらしく書き込んで使う方がよいかも。

チャーチルの新刊書

2010年05月06日 22時22分32秒 | 書籍
 前回紹介したホーネットの英兵ヘッドと一緒に買ったもの、チャーチル戦車の新刊です。Ampersand Publishigの『The Churchill Tank : a visual history of the british army's infantry tank 1941-1945』。チャーチル戦車の専門書は出来るだけ買っておこうとは思っているのですが、写真はどうも似たようなものが多くなってきて、もう十分かなと思っていたところ、ホビーリンクジャパンのサイトをぶらぶら見ていて見つけてしまいました。うーん、どうしようかな~。表紙の写真からして他の本で見た写真だし…。ええい、まあいいや、買っておけ。
 というわけで結局買ってしまったのです。結論から言うと、当たり!でした。確かに、今まで他の本で見た写真がほとんどです。でもこの本のよいところは、A4判の横長で、しかも原則として1ページに写真1枚ということです。つまり、写真が比較的大きい。おまけに、写真の解像度が非常に高い。で、意外なほどに細部がよく分かる。いや~、ドットのぎざぎざ見え見えの写真を掲載しているどこかの国の戦車雑誌は見習ってほしいものです(あ、最近はよくなってるのか…)。
 この表紙の写真にしても、他の本で見たことはあるんですが、でもカラーで、こんなに鮮明なのは初めてです。今までだってよく注意して見れば気づいたはずですが、この本で初めて気づいたのが、このチャーチルMk.Iの車体スポンソン側面の汚れ方です。チャーチルの初期型は履帯がむき出して、マッドガードはついていません。それで泥の中を走行すると、キャタピラについた泥がそのまま上面までくっついて上がり、車体上面でこぼれ落ちる。だから車体側面に上方向から付着・堆積するんですね。牽引ケーブルの上にもどっちゃりつもっています。そして側面にくっついた泥も、明らかに上からたれて落ちてきた形。側面の味方識別用の赤白マークが完全に見えなくなっています。実際の本だとこのあたりがよく観察できるんです。
 中のページはすべて白黒ですが、同様に結構細かいところまで観察できる。各タイプ別に分けて、Mk.Iから順番に配列されています。当たり前と言えば当たり前ですが、各タイプの写真の混乱や間違いは全く見あたりません。いや、チャーチルのサブタイプを間違っている出版物や動画って、結構あるんですよ。リベットの形、ピストルポートの形、外部搭載品用のベルトの形、フラッグケースの形などなど、大変参考になりました。
 著者はDavid Doyleという人。版元のAmpersand Publishigはフロリダの会社。巻頭には、『Mr. Churchill's Tank』の著者でボービントン戦車博物館のDavid Fletcher氏が序文を寄せて、「アメリカの著者、そしてアメリカの出版社からこの本が出てとてもうれしい」ってなことを書いています。
 表紙をよく見ると「Part One: The gun tank, Mk I-VIII」と書いてあります。そこのガンダムな人、ガンタンクだなどと言わないように。もちろん、パート1が通常戦車型、ってことですよね。ってことは、つまりパート2はホバートのファニーズ、工兵特殊車輌ってことですよ! こりゃもう買いです。早くパート2が出ないかな。
 ついでに刊記をよく見ると、この出版社の「Agent in Japan and the Far East」がホビーリンクジャパンだと書いてありますよ。ああ、なるほどね。他ではあまり見かけないわけだ。

Hornetの英兵ヘッド

2010年05月04日 00時41分23秒 | フィギュア(軍事)
 ウルトラキャストに並んで英兵のヘッドを出しているメーカーとしては、ホーネットを忘れてはなりません。いや、今までは別売りヘッドなど我々下々の者にはもったいない、と思っていたのですが、ウルトラキャストを買ってみて、もう一つカモフラージュネットつきスチールヘルメットMk.IIを被った英兵ヘッドが欲しくなって、思い切ってホーネットを買ってみました。私にとってホーネットのヘッドはずっと高嶺の花だったんですよ。いや、価格的にはそれほど高価なわけではありませんが、近所であまり売っていないとういことと、それから何より工作上・塗装上の技術が不足していてホーネットのヘッドなどもったいないと思いまして。
 しかし、特徴的な顔の表現ですね。ドイツ兵でも、汎用ヘッドでも、一目でホーネットだと分かるくらいです。ウルトラキャストと比べて、ヘルメットの縁の下、人間の頭との境目がちゃんと内側に回り込んでいて、ヘルメットの内側の頭当ての一部まで見えているのは、さすがと言うべきです。またアゴ紐をアゴに止めずにヘルメットの縁に引っかけているのもちゃんと表現されています。
 ウルトラキャストが五人とも同じシチュエーションだったのに対して、ホーネットは一人ずつどこか変えてあります。湯口にスタンプされた数字で見て行くと、一番左の1番は、偽装網プラスボロ切れ、アゴ紐をしている。2番は偽装網とアゴ紐は同じですが、口を開けて何か叫んでいる。前歯も見えていますから、塗装する時はそのあたりも表現しなければなりません。次の3番は編み目の細かい偽装網をつけています。おまけに右前方が破れていて、中からヘルメットの縁が見えている。すごい。この当たりはホーネットならではです。4番は偽装網付きで、アゴ紐はヘルメットの縁に引っかけてある。5番は偽装網無し。アゴ紐はヘルメットの縁。目は軽く閉じている感じ。ほんと、この原型を作った人は神様です…。
 ますますもって、このヘッドに似合う胴体や装備品のディテールアップって、どうすればよいのか悩みますね。