みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

AIRESのミグ17用コクピット その3

2009年08月31日 00時57分57秒 | 航空機(露・軍用機)
 このミグ17コクピットセットで気づくことは、操縦桿が入っていないことです。射出座席の後ろに一緒に成形されている棒は、ラダーペダルのバーだということは既に触れました。このバーに、エッチングパーツのフットカバーを取り付けるようになっています。では操縦桿はと言うと、キットのパーツを使うように指示されているんですね。いろいろごちゃごちゃくっついた現用機の操縦桿こそレジンパーツの見せ場だから、大抵のレジンパーツには操縦桿も入っているのですが、キットのパーツを使えってことは、よほどキットの出来がよいのでしょうか。
 ってことで写真の上側が、Hobby Bossのキットのパーツです。うーん、まあまあかな。ただ、レジンパーツが不要だというほどの出来では、明らかにありませんね。一方、写真下側はチェコのSMERのパーツです。こりゃ、ただの棒ですな。これ、どちらも同じレンズで同じ画角で、三脚に固定して撮影しました。だから大きさの比もこの写真のとおりです。ずいぶん長さが違うのが気になります。
 このAIRESのレジンパーツ、元々Hobby Craft用だったものを改修したのか、それともHobby Boss用のものを新たに起こしたのか、という疑問を呈しましたが、これを見ると、元々Hobby Craft用だったとは思えませんね。このパーツの出来では、AIRESがキットの操縦桿パーツを使って下さいとは言わないだろうし、もしもHobby Craft用にレジン製の操縦桿があったのなら、Hobby Boss用でもそれをそのまま使えばよいのであって、元々あった操縦桿をわざわざ省略する必要もありません。

AIRESのミグ17用コクピット その2

2009年08月29日 00時00分38秒 | 航空機(露・軍用機)
 バスタブ型コクピットパーツを見ていて気づくのは、床がかなり斜めになっていることです。前方が高く、後方が低くなっています。写真右がAIRESのレジンパーツ。比較のために右側にHobby Bossのパーツを置いてみました(左側側面は取り付けていません)。これもかなり斜めです。NeOmegaもメーカーサイトの写真で見る限り、前方が少し高くなっているように見えます。この写真には写っていませんが、チェコのSMERのものも、同様に前方が高く後方が低くなっています。
 これだけ各社揃っているということは、実機もコクピットフロアは斜めなんでしょうか。ここに射出座席が載ると、全体としてややリクライニングした状態になるということかな。F-16の考え方を先取りしていたとは思えないのですが…。ちなみにMiG-15については、キットもレジンパーツも、各社フロアは水平です。中国では退役した飛行機がしばしば公園に展示してあって、子供が遊べるようになっているそうです。うちの掲示板の常連さんがあちらの公園でMiG-15のコクピットに乗せてもらった時も、特に床が斜めだった記憶はない、とのことでした。
 ついでに、左のHobby Bossのパーツ、中国製インジェクションキットのくせに、結構細かく出来ていると思いませんか? 通信機などなかなかのものですし、各種ケーブルもちゃんと表現されています。四角く飛び出した箱状の部分など、前方にある小さいハンドルまでちゃんと出来ています。インジェクションキットでこのハンドルがあるのはMiG-15、17を通じてこれだけなのでは? この箱状の部分の上面にはメーターが並んでいるのですが、型抜きの方向の関係でさすがにそこまでは出来ていないようです。
 一方、AIRESのレジンパーツ、それからすればもうちょっと頑張って欲しかった気はします。Hobb Craft用の古いパーツを改修したため、というのは邪推でしょうか。と言っても、AIRESのコクピットで私は十分満足しているんですが。

AIRESのミグ17用コクピット

2009年08月27日 06時02分37秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、先日よりのミグ15の話、まだ続くのですが、ここで先日入手したミグ17用のコクピットパーツの話を。ミグ17用と銘打った1/48のレジン製コクピットは、NeOmegaとAIRESから出ています。他にもあったらご教示を。
 ところが1/48のキットとなると、今まではあまり良いキットに恵まれず、古いところではHobby craftからMiG-17Fが出ていました。しかしこれはサイズやスタイルにかなり難ありで、私はコレクションから外しました。後に出たのがチェコのSMERのMiG-17Fで、これが出た時は相当うれしかったものです。やっとまともなスケールキットが出たわけですから。後になって箱替えでMiG-17Fが再発売され、その時になってやっとバリエーションとしてレーダー装備のMiG-17PF/PFUが発売されました。最近なってHobby Bossから新製品の四種類が出たことは、当ブログでも話題にしました。これも細部に問題はあるのですが、まあ同じ時間をかけて作るなら古いSMERよりも新しいHobby Bossかな、と。
 さて、これらに使うレジン製コクピットですが、NeOmegaのはまだ買っていません。MiG15用のは買い込んでいるのですが。最近手に入れたのが、AIRESのもの。このメーカーのものは品質も安定していて、輸入価格もそう高くなく、安心して使えます。このMiG-17F用のものも、シートベルトなど細かいものはフォトエッチングパーツで、主要パーツはレジン製です。
 写真左のパーツは、ちょっと分かりにくいのですが、いわゆるダッシュボードの部分。立てて置いているので、照準器の頭がこちら側に見えています。写真上方が機首前方です。ダッシュボードの縁、風防に沿ってガラスの曇り止めの空気吹き出し口が見えますね。この下に計器板があり、透明フィルムに印刷された計器類とエッチングパーツを重ねて貼るようになっています。
 真ん中のパーツがコクピット本体。右が射出座席です。射出座席の後ろに見えている棒状のものは、操縦桿ではなく、フットペダルのバーです。操縦桿については後述。
 さて、このAIRESのパーツ、以前見たような気がして探してみたら、ここに載っていました。しかしよく見ると、Hobby craft用と書いてあるんです。ということは、以前Hobby craft用に発売されていたパーツを、最近のHobby Boss用に改修して発売したということなのでしょうか。確かHobby craftは機首の太さが違っていたので、たぶんそのままではHobby Boss用には使えないと思うのですが、以前のHobby craft用のを持っていないので比べようがありません。またこのメーカーサイトの写真を見ても、今回入手したHobby Boss用とは特に違いはないように見えます。
 仮組みしてみるとHobby Bossの機首にぴったり入ります。いやそれどころか、Hobby Bossの機首パーツ内側のコクピット取り付け用突起にまでぴったりはまるんです。ってことは、最初からHobby Bossを念頭に作られたとしか考えられません。それならば、サイトのHobby craft用というのが誤記なのか、それとも同じ製品番号のままHobby Boss用に改修されたのか。ま、いずれにせよいまさら古いキットを作ることもありませんので、Hobby Bossにきちんと合えば問題はありませんけどね。

Model Transのチャーチル架橋型

2009年08月25日 23時51分18秒 | AFV(英・チャーチル)
 クレオスの輸入キット情報の「エアフィックス」のところを見ていたら、9月以降新製品のところに「チャーチル 架橋戦車」が出ていました。あれ? これはたしか模型屋さんに発注お願いしたよな。もうずいぶん前のことだぞ。やっと入ってくるのか。やべえ、Model Transの改造用レジンパーツをまだ使っていないのに、エアの新製品が来ちゃうぞ。まあ、毎度のことながら、早く作っていなかった自分が悪いんですけどね。
 エアフィックスの新製品、これは例によって既存の古いキットに新たに起こしたパーツを加えたものだと思います。シャーマンの地雷処理車「クラブ」やチャーチルの火炎砲車型「クロコダイル」はすでに入荷していますが、たぶんそれと同じコンセプトでしょう。
 エアの古いチャーチルはMk.7なので、クロコダイルならトレーラーやノズルなどのパーツを加えるだけでも問題はないのですが(クロコダイルのベースはMk.7だから)、しかし架橋型は基本的にはMk.3の車体だから、その辺はどうなのでしょうか。橋とアーム類を追加するだけではなく、車体側をMk.3に見せるためにスポンソンの四角いエスケープハッチをオマケで入れてくれる、なんてことを期待したいところです。そうしたことも、入荷したときの楽しみです。
 さて、写真のModel Transの改造パーツ、橋本体とアームという大きなパーツのみ並べてみました。もっと細かいパーツも入っていますが、ここでは撮影していません。使用キットはもちろんイタレリ(エッシー)が指定されています。実車写真からすると、箱絵に描かれた橋側面の三角形の穴が大きいように思えますが、実際のパーツの穴は問題ありません。写真ではバリがたくさん見えていますが、いずれも薄いもので、パーツには影響ありません。
 キットはこの橋を、収納して走行中の状態、まさに架橋するためにアームを上に持ち上げた形、アームを降ろして架橋が完了した状態、いずれに仕上げることもできます。ただ、ここには見えていませんが、細かいパーツが多く、どのアームがどのように組み合わせられるのか、どのパーツがどんな役割をするのか、説明図と実車写真とをよく見比べて、ちゃんと理解してからでないと、組み立てが大変そうです。
 そうだ、そこはやはりエアの新製品を習作にして、勉強しておくのがいいかも。だからエアを買っておく意味はありますよね、うんうん。それにエアは1/76で、Model Transは1/72だから、スケールも違うんだし、両方持っていても悪くはありません。

KMCのディテールアップパーツ その5

2009年08月23日 00時06分09秒 | 航空機(露・軍用機)
 KMCの組み立て説明図(部分)です。23ミリ機関砲二門は前後にややずれた形で装着されます。アンテナのように四本立っているのが機関砲の昇降用のケーブルで、真鍮線を使います。それからパーツ番号9と11が、機関砲パック左右につくアクセスパネルです。よくリサーチされたレジンパーツですね。KMCと言えばマイアミにあるメーカーですが、きっと写真だけではなく博物館やエアショーなどで実物を取材しているのでしょう。
 さてこの図でよく分かると思いますが、このパーツを使った場合、パーツ自体はすばらしいものですが、機体側のベイ、そして地上に置かれているべき取り外したパネル類が含まれていない点で、やや不満が残ります。
 タミヤのパーツの分割線は、必ずしも機関砲ベイの開く部分とは一致しません。タミヤはパネルを開いた状態にすることを全く考えていませんから、それは当然のこと。この写真の一番左のパーツは、タミヤの機体側に接着して機関砲ベイの縁を正しいラインにするためのものです。だからKMCはベイの形状にきちんと配慮はしているってことです。ただ内側ががらんどうになるというだけ。
 それからパネルについてはこの説明図のパーツ9と11で一応十分なのですが、やはり各機関砲の砲口カバー、そして何度も触れているパネルDも入れておいてほしかったな、と思います。地上に置いてあるだけでかっこいいもんね。

KMCのディテールアップパーツ その4

2009年08月21日 00時03分18秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、KMCのディテールセットの中で一番注目すべきはこのパーツです。いずれのパーツも写真右が機首側になるように並べています。真ん中が機関砲機関部の基盤になるパネルで、前回の機関砲やマガジンがこれにくっつきます。その上下に置いているのがアクセスパネルで、基盤の左右にくっつきます。写真右が首脚収納部周辺。
 アクセスパネルは写真では裏側が見えていますが、実に細かく見えていますね。このパーツを使う場合は基本的に機関砲を地面に降ろした状態にするわけですから、パネルのこちらの面が常に見えているわけで、これだけ細かいのはありがたい。砲弾の薬莢の排出口がかなり細かくできているのにご注目。37ミリ機関砲機関部の形状に合わせたパネルのバルジも自然にできています。最初から閉めた状態で作るパーツなら表の膨らみだけあればよいわけですが、開けた状態なら裏側のへこみもちゃんとしていなければならないんです。
 さて問題の首脚収納部周辺。首脚ベイの右舷(写真上側)に37ミリ砲身用の溝が一本、左舷(写真下側)に23ミリ砲身用の溝が二本あるのにご注目下さい。インジェクションキット、レジンパーツを通して、この溝を表現したものはこのKMCを除いて皆無なんですよ。前回までに写真で検証したように、ミグ15の機関砲を整備・給弾のために降ろした場合、砲口カバーを外した後の機体側には砲身を通す溝があります。このKMCのパーツはまさにこの溝を表現しています。実機ではこの溝の上に砲口カバーが装着されて砲身を包み込むわけです。
 さすがはKMCのパーツですが、問題がないわけではありません。この溝の先端は、庭仕事で使う移植ゴテの先端みたいに丸くなっていなければなりませんので、このパーツをキットに組み込むにはこの先を自分で作らなければなりません。また23ミリ機関砲二門の溝はもっと平行に走っていなければならない。こんなに斜めだと二門の砲身がねじれの位置になってしまいます。まあその程度の工作は仕方がありませんね。
 でも、細かく見ていてKMCのパーツのクオリティの高さを改めて認識しました。これ、現在も簡単に入手できるものならよいのですが。

KMCのディテールアップパーツ その3

2009年08月19日 23時33分47秒 | 航空機(露・軍用機)
 KMCの「MiG-15bis Gun Pack for Tamiya Kit」の続きですが、これは機関砲のパーツです。中央に置いてあるのが機関砲弾のマガジン、上が23ミリ機関砲の機関部、下が37ミリ機関砲の機関部と砲身です。23ミリの砲身は、前回の写真にあったプラ棒で作るようになっています。37ミリの砲身には放熱用の溝やマズルブレーキが表現してあります。マズルブレーキについてはピンバイスなどでもうちょっと彫り込むとよいかも。
 それにしてもごっつい機関砲ですね。米軍の機関銃なら結構見慣れていますが、ロシア製のもので、おまけにミグ15やミグ17でしか見かけない機関砲です。しかし嘉手納でテストされている写真や、チェコやポーランドの機体のディテール写真など、意外とたくさん写真はある。写真と見比べてもディテールはこれで十分なのではないかと思います。左下の37ミリ機関砲、下に薬莢排出口の四角い突起が見えています。これが、前に見た外板パネルの突起の排出口につながるんですね。
 さて、機関部と砲身とがまっすぐになるよう接着するのに、やや神経を使いそうです。

KMCのディテールアップパーツ その2

2009年08月18日 21時40分43秒 | 航空機(露・軍用機)
 これがKMCの「MiG-15bis Gun Pack for Tamiya Kit」に入っているパーツです。このメーカーはレジンの抜きが大変にきれい。写真左上にご注目。真鍮製が入っていますが、これは機関砲パックを降ろす際、これをぶら下げているワイヤーとして使います。プラ棒が入っていますが、これは23ミリ機関砲の砲身として使います。砲口はピンバイスで自分で開けなければなりません。37ミリ機関砲の方はレジンパーツが入っています。ちゃんとマズルブレーキも出来ています。23ミリの方は比較的単純な形なので、プラ棒で作れるってことなのでしょう。
 ご注意下さい。このセットには機体側のベイのパーツは入っていないんです。このパーツはタミヤ用。タミヤの機体パーツは元々ベイ部分が開くようにはなっていませんから、当然機体をパネルラインに沿ってカットしなければならない。でもそれだけだと機体側が抜け抜けになって、下からのぞくとコクピットの裏側が見えてしまいます。気になるならプラ板でベイの箱部分を作ってやらねばなりません。

KMCのディテールアップパーツ その1

2009年08月17日 22時38分57秒 | 航空機(露・軍用機)
 機関砲のディテールアップパーツとしては、AIRESのセットに入っているものをすでに紹介しました。もう一つぜひ紹介しておかねばならないパーツがあります。KMCのディテールセット「MiG-15bis Gun Pack for Tamiya Kit」です。
 KMCのミグ15用パーツは他に「MiG-15bis Update Set for Tamiya Kit」というものがあります(後日紹介予定)。これはコクピット以外にもいろいろ入っていて、なかなか好きなセットなのですが、機関砲パーツは含まれていません。機関砲のみ独立させたセットがこれなんですね。

ミグ15 機関砲の発射シーン

2009年08月16日 08時34分33秒 | 航空機(露・軍用機)
 これは、ヒストリーチャンネルの番組からキャプチャーした画像です。三枚並べてみました。おそらく嘉手納で行われたと思われる、亡命機の機関砲試射場面です。さすがに37ミリ機関砲ですから、派手な火炎と発射ガスが出て、周りにはかなり衝撃が来ているようです。それから砲身のブローバックもよく見えました。後坐量は結構大きい。ただし発射速度は遅い。資料によると37ミリ機関砲は400発/分だそうです。ということは毎秒6~7発ですが、映像を見る限りもっと遅く見えます。
 何度も繰り返し言われたことですが、ミグ15が37ミリ一門・23ミリ二門という武装を選択したのは、想定した目標が侵入してくる大型爆撃機だったからで、これが当たればB-29もB-36も無事では済まなかったことでしょう。ところが対戦闘機の空中戦では発射速度の低さは絶対的に不利だったはずです。ただし、問題は発射速度だけではなかったのではないか。37ミリと23ミリという二種類の弾丸を使うわけですから、弾道特性が異なるため弾道が収束しないことも、空中戦では不利だったと思われます。その点F-86セイバーは12.7ミリ機銃ばかり六門ですから、弾道は素直だったはず。しばしば言われるように、セイバーはレーダー照準器を装備していた点でミグより有利でした。しかし、仮にミグ15が同等のレーダー照準器を有していたとしても、弾道がばらついては照準器の性能を生かせなかったのではないかと思いますね。