みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

コミケ同人誌『図説 M1ガーランドバリエーション』

2012年10月28日 13時50分03秒 | 書籍
 八月のことなので、今となってはすっかり遅くなりましたが、やはり紹介しておこうかと思います。八月の夏のコミケのお土産でいただいた同人誌、『図説 M1ガーランド バリエーション』です。全部44ページ、2012年8月12日発行、B5版。これはすごい。著者は乾基(いぬい もと)氏。M1ガーランドライフルの各バリエーションについて、これでもかと細かく解説した本です。
 著者の序文に曰く、「M1ガーランドに多くのバリエーションがあることはあまり知られていません」と。はい、知らなかったことでございます。工場や製造時期の違いでパーツに差があることは素人でも想像はつきますが(何しろ長期間大量に作られている)、どこがどう違うかなど考えたこともありません。さらに著者曰く、「トイガンメーカーが戦後型の、ほぼ同一モデルばかりを製品化し続けていた事がこれに拍車をかけました」。へえ、そうだったんですか。逆に言えばモデルガンはあるタイプを忠実に再現はしていた、ってことで、但しそれは戦後型の一つに過ぎなかったということですね。へええ、知らなかった。

 で、素人の私からすると、解説ページにあるパーツの名前からして、初耳のものばかり。図や写真といっしょでないと、どの部品のことなのかさえ分かりません。ロアーバンド・クリップクラッチ・リアハンドガードクリップ等々。トリガーガードは分かりますが、それにこんなにバリエーションがあるとは。それも削りだしタイプとプレスタイプがあるとのこと。オペレーティングハンドルは、よく言うコッキングレバーと言い換えてもよいのでしょうか。また実物のパーツ写真というのも載っています。著者が非可動実銃をお持ちなのでしょうか。
 序文にさらに曰く、「内部パーツまで含めると収拾がつかなくなる為、主に外見の形状の違いについて掲載しています」、ってそれでこのボリュームですか。内部まで含めたら完全に単行本になってしまいそうです。もちろん外見と言っても、1/35の模型を作るにはここまで詳しい情報は必要ありません。1/16でも要らないんじゃないかな。しかしこの同人誌、読み物としてすごく面白いのです。特にストーリーがあるわけではなく、パーツの解説が続くだけなんですが、なるほど、ここがこうなっているのかと、とても楽しく読めます。製造時期と、実際の戦闘の推移とを重ねながら読んでも面白い。元々模型製作の資料として書かれた本ではありませんから、楽しく読めることが一番ですね。とにかく著者の情熱が伝わってくる本です。またこの本を見ていると、映画を見るときも楽しくなりますよ。「コンバット!」とか、「バンド・オブ・ブラザーズ」とか、あ、あそこを動かしたぞとか、ここをいじっているぞとか。
 この本に対して、もしも模型製作の立場から非常に贅沢な望みを一つだけするならば、M1ライフルのスリング、肩掛けベルトについての解説もあったならいいな、ということでしょうか。例えばドラゴンの米兵キットには、エッチングパーツのスリングが入っていますが、相変わらず説明が不親切で、どのパーツをどこにくぐらせてどこに留めればよいのかなどが分かりづらい。このレベルの詳しい図がもしもあれば、こうしたパーツも組み立てやすくなるのでは。それから銃剣の詳しい付け方も知りたいところです。映画などを見ると、カチリと簡単に装着していますが、それで戦闘に耐え得るほどしっかりと装着するとは、パーツがどうなっているんだろうと気になります。いや、しかしそれは贅沢な望みなのでありまして、本書はこれだけで充分に詳しく面白い読み物なのですから、もう大満足です。

H-Models Decalのミグ15用デカール その2

2012年10月24日 00時00分17秒 | 航空機(露・軍用機)
 このデカール、パート1と2にそれぞれ三機ずつ、計六機分の国籍マークと機番が入っています。共通する国籍マークもちゃんと機数分入っていますから、間違いなく六機作れます。で、面白いのが、パート1の方はトップ画像のように、同じデカールシートが三枚入っていることです。実機の国籍マークは胴体左右と主翼左右下面に描かれます(主翼上面には無し)。だから四つが一機分。デカールは一枚に四つ。それが三枚入っていますので三機分。その一方機番はと言うと、一枚に三機分。それが三枚ありますから、機番は3×3で九機分入っていることになります。同じ機番が三つずつで、二つはダブるわけです。まあ余る数字は他に流用できるからいいんですけど。こういう編集にしたのはコスト軽減のためでしょうか。
 もう一つ気づくのが、北朝鮮の国籍マーク。ええと、これは何と言えばよいのでしょうか。ステンシルテンプレートを機体に当てて、上からスプレーしてマークや字を描くのですが、そのテンプレートの内側の部分が外れてばらばらにならないように、テンプレート全体が一枚の板状に保たれるように、必ずどこかでつながっていますよね。このつながった部分を「ブリッジ」、外枠から独立してブリッジだけでつながっている内側の部分を「アイランド」と言うんだそうです。だから、スプレーで描かれた機体側の文字やマークの方は、ブリッジの部分で必ず途切れているわけです。
 で、その途切れたブリッジ部分の話です。北朝鮮の国籍マークの外縁の同心円部分、このブリッジ部分は、エアロマスターデカールやその他の図面を見ると五ヶ所あって、結果的に円が五つの弧に別れているのですが、このデカールではブリッジが四ヶ所、円全体が四つの弧に別れているんです。はて、どっちが正しいのでしょうか。実機写真ではブリッジが五ヶ所、全体が五つに分かれているものが確認できます。四つというのはなかったように思います。もっともブリッジが五つと言っても、その側の青の円と内側の赤の円で、その位置がずれているものもありますし、またブリッジが全くなくちゃんとつながった円になっているものもあります。北京の革命軍事博物館にある王海の機体は途切れのない円で、外から青・白・赤の三重円になっていました。この辺は、作りたい機体によってはデカールをアレンジしなければなりません。もっとも博物館の展示機なんて後から塗り直しているんでしょうけど。

 それから中国空軍の「八一」マーク。西欧製のデカールは、漢字という物に不慣れなので、八と一がくっついて全体が単なる台形になっていたりと、字形が不正確なものが多いのです。ドラゴンのMiG-15の唯一の価値は、デカールの八一の字形がよいということでしたもんね。さてこのH-モデルズのデカール、ご覧の通り字形はしっかりしています。明朝体特有の、トメの部分の三角形も見えますし、ハライの形もよい。ちゃんとしたフォントや画像を元にしたんでしょうか。

H-Models Decalのミグ15用デカール

2012年10月22日 00時00分13秒 | 航空機(露・軍用機)
 チェコのメーカーH-ModlsからMiG-15用のデカールが出ると予告があったので、どんなものかと思っていたのですが、いよいよ入荷しました。1/72と1/48が両方出ているので、やはりエデュアルドの新製品に合わせたものでしょうか。「Russian Aces to Migs in The Korea War」のパート1と2です。それぞれ三機分。いずれも国籍マークと機番のみで、注意書きの類は全く無し。その点では値段からしてややお買い得感が薄いのですが、しかし中身を見てみるとエアロマスターデカールから出ていた「Korean War Aces」パート1と2とは全く重複がなくて、十分満足できます。特に、共産側のトップエース、ペペリヤーエフの乗機は、エアロマスターが925番機だったのに対し、こちらは325番機で、異なる塗装になっているのは大変うれしい。ちなみに、戦闘で被弾して無事帰投した時の有名な写真は、325番機の方です。
 さて、まあステンシルについては、エアロマスターデカールのMiG-15ステンシルセットを使いましょう、ということで。問題は、中国軍マーキングの場合、注意書きは漢字で「注意安全検査機心」とか書いてあることでして、これはパソコンで自作するしかありませんね。

 ちょっと気になるのが、パート2に入っている中国軍マーキングの機体(写真左上、811番機)。他の機体はみんな北朝鮮のマーク(ロシア人パイロットが北朝鮮塗装の機体で戦った)なんですが、この一機だけ方向舵を赤白に塗って、国籍マークは例の「八一」マークです。で、そのパイロットの名前が「Chizh」。ちょっと変わった綴りですね。中国人かなと思ってうちのサイトの常連の中国語の先生に聞いてみたら、Chizhという綴りは、中国語のローマ字表記としてはあり得ないとのこと。でもロシア人にこんな名前があるんでしょうか。ググってみると「Чиж」(Chizhに相当)という名前があるようですね。念のためOspreyから出ている「Soviet MiG-15 Aces of the Korean War」を見てみたら、Lt I. V. Chizhの名前が出て来ました。最初の戦闘で国連軍のムスタングを撃墜したんだそうです。この本のカラーページにはまさにこのデカールの機体が載っています。で、なぜ中国の八一マークなのかと言うと、1951年になってこの機体が中国空軍に譲渡されたかららしいのですね。ちなみにロシア人パイロットのエース(5機以上撃墜)のリスト52人の中にはこの人の名前はないようです。

MiG-15関連、新製品の予告が

2012年10月20日 23時59分26秒 | 航空機(露・軍用機)
 ホビーサーチを見ていたら、ミリタリーの「予約品」のところに……、あれ?これは何だ? 先日まで1/72のMiG-23シリーズを出していたR.V.Aircraftから「ロールスロイス・ニーンエンジン」と「VK-1 エンジン」が! ニーンはミーティアなどに使われている英国製遠心式ジェットエンジンですが、これはソ連に輸出され、MiG-15の初期に使われました。VK-1 エンジンはそのニーンをソ連が独自に改良したもので、MiG-15も後期型のbisになると使われているのはこちらのエンジンです。そのエンジン二種類が、1/72でR.V.Aircraftから出るってことらしい。なぜ今MiG-15のエンジンが? MiG-15に用いられたニーンエンジンは、以前Airesからも出ていました。
http://www.ipmsusa3.org/reviews/Details/Aircraft/aires_72/72nene.htm
http://www.internethobbies.com/ahm-7164.html
http://www.internethobbies.com/ahm-4037.html
しかも1/72と1/48で。一方、ソ連がニーンエンジンを改良してMiG-15の後期型MiG-15bisに使用したVK-1は確か今までキットがなかったのではないかな。
 と言っても、以前調べたときは、ニーンとVK-1との違いがはっきり分かる写真がなかなか無く、外見はそれほど違わないもののようです。逆にR.V.AircraftのニーンとVK-1を比べてどこが違うのか勉強できるかも。それが1/48のエンジン内蔵キットにどこまで活かせるかは分かりません。
 それからそれから…。エデュアルド・ブラッシンのレジンパーツなのですが、これは何?
http://www.1999.co.jp/10203456
タイトルには「MiG-15 ファゴット イジェクションシート」とありますが、明らかにKK-1射出座席ですね。それから、
http://www.1999.co.jp/10203452
MiG-15ファゴット用具車輪ですよ。え?「適応キット=エデュアルド」と書いてあります。ってことは…
 いよいよエデュアルドの1/72のMiG-15が発売になる、ってことですかぁあ?狂喜乱舞! アナウンスされてから何年経つのでしょうか。ハナンツでもずっと発売予定の表示のままでした。うわー、いよいよか。外形は悪くなかったけどいろいろ問題の多かったHobby Bossも、安くて作りやすいけどサイズに問題のあったエアフィックスも、これで用無しですね。インクジェットプリンター対応無地デカールを使って作ろうと、フォトレタッチソフトで作成中で途中挫折していたMiG-15用自作デカールももう一回挑戦してみようかな。