みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ドラゴンのティーガーI中期型(その4 組み立て説明書の謎)

2006年10月31日 22時18分52秒 | AFV(独)
 ドラゴンの組み立て説明図もなかなか変。写真ばかりなので「ドラゴソ語」こそ「つや消レづラツワ」くらいのものですが、その写真を使った説明図に謎がいっぱい。

・車体後面にとりつけるジャッキの写真が変。私ゃてっきり、ティーガーも連合軍の車輌みたいに折りたたみの担架を装着するのかと思いましたよ。
・初期型みたいに、スコップが操縦席の前に取り付けられている。これも図だけで、キットはそうなっていません。
・砲塔の装填手ハッチが裏表逆についている。ん? でも実際のキットは装填手ハッチは最初から一体成形。試作段階では別パーツだったのかな? 他にもよく見ると砲塔のツィメリットがちょっとワッフルパターンっぽくて、キットの物と違う。防盾の照準器口も開いていて、キットの物と違う。主砲の部品分割位置もキットと違う… ケベックカステンの部品分割もキットの物と違う…

 あれ? これって… 砲塔上面の折れ曲がり線。説明書の写真ではこれがスジボリになっているように見える。砲塔天板前半と後半の境目、ここは天板の角度が変化するだけで、スジボリや溶接跡は無いのが本来です。そうすると… この折れ線を間違ってスジボリにしてしまったキットと言えば…
 そう! フジミの1/76キットです! そうかあ! ドラゴンのやつ、組み立て説明書を作るときに、フジミのキットを加工して写真に使いやがったんだな! そうすると防盾や主砲の形も説明がつく。フジミの装填手ハッチは別部品だから、それを裏返しに付けちゃったに違いない!

 まあまあ、ドラゴンのキットでイライラするよりは、こうして推理を楽しまなくては。参考までに、写真の塗装済みのがフジミの砲塔です(みに・ミーの本体サイトに以前掲載したもの)。天板の線がスジボリになっているのが見えるでしょうか。ドラゴンの説明図写真の正体は、たぶんこれですよ。

ドラゴンのティーガーI中期型(その3 なんじゃこりゃ?)

2006年10月30日 19時54分57秒 | AFV(独)
 もう一つ、困ったミスがありました。これは車体後面のパーツで、右が今組み立てている中期型。左に並べて置いたのが、以前腹を立てて途中で放置している後期型です(だってキャタピラが短かったんだもん)。
 車体後部は中期型と後期型で基本的な違いはないはずなのですが、なぜか中期型には上縁左右に小さな穴が二つずつ… はて? こんなところに付くパーツって、あったっけ? 組み立て説明書にも何も書いてないし、その他資料を見てもこんな位置に取り付けるものはないし… ご覧の通り後期型にはそんな穴は開いていません… 私はドイツ車輌には詳しくないのですが、この位置につくOVMの類ってありましたっけ?

 ん? あれぇ? もしかしてこれって… 初期型のエアフィルターの取り付け穴じゃねえのか? いやもちろん、中期型にエアフィルターのパーツなど入っていませんけど、この穴はその取り付け用なんじゃないだろうか?
 そんな穴、中期型に開けるなよ! 普通のパーツなら埋めれば済むけれど、これ、ツィメリットのパーツだぜ… 後の整形がおおごとじゃねえか! 念のため後期型のパーツの裏を見ると、しっかりめくら穴が用意されている。おいおい、ツィメリットがあるってことは中期型か後期型なんだから、そもそもエアフィルターを取り付ける用意なんか最初から必要ないじゃん。それに少なくともこのキットではここに取り付けるパーツは何もないんだから、穴を貫通させずにおいて欲しかった…

 めんどくせえ… 修正なぞあきらめて、適当にプラ棒で埋めます。フェールマン戦隊にはエアフィルターを外した跡のある車体もあったんだ! ってことで許して!

ドラゴンのティーガーI中期型(その2 また失敗!)

2006年10月29日 22時32分33秒 | AFV(独)
 ドラゴンのキャタピラ、巻き直しました。今度はちゃんと接着できました。しかし圧着するためにキャタピラと車体上部との間にティッシュを詰めておいたら、ご覧の通り必要以上に波打ってしまいました。材質が軟らかいので、どうしても凹んだところに入り込んでしまうんです。前回書いたように、このDSキャタピラは2ピース分くらい長い。両端で2ピース分カットしているので、接着部分がありません。転輪に接する部分で両端をぴったり密着させなければなりません。おまけに駆動輪にも噛み込みにくい。ドラゴンが自慢するほどに、初心者にも簡単に使える夢の素材、ってことは決してありませんぞ。

 それにしてもドラゴンのミニスケールって、作っていて楽しくない。どこかイライラさせるんですね。キャタピラだけではありません。新製品にあるまじき不整合があちこちに。例えば…

・見えないところであらかじめつながっていて、ワンタッチで組み込める転輪。確かにアイデア物ではありますが、装着するとがたがたで転輪がまっすぐそろいません。
・車体上面と車体下部は、相当あちこち削らないとうまくはまりません。
・車体上面は、ケーブルを取り付けるための穴をあらかじめ裏から開けておかなければなりませんが、指定の数以上にめくら穴があってどれを開けたらよいのかわからない(これ、押し出しピン跡のつもりか?)。他にもサイドスカート用など、あるべきところに穴がない箇所がいくつも。
・主砲防盾をそのまま取り付けると下縁が砲塔の縁に当たって、主砲に仰角がかかったまま水平まで下がりません。
・主砲も意外とガタガタでこぼこ。どう調整しても曲がって見えます。
・防盾の照準器口が開いてないし、防盾自体の形状も縁が無くて変。
・車体機銃マウント、よく見ると四角い穴の中にもツィメリットがあります。もちろん機銃パーツを取り付ければ隠れるのですが、たぶん原型を作るときの工程の都合なんでしょうね。
・車体後面の排気管と排気管カバー、このまま取り付けると真ん中のエンジン始動用軸受け部に当たってしまいます。接着用の突起を削って全体を外側に寄せないと取り付け不能。おまけに少し外側に寄せると、今度は別の突起にぶつかる… そもそも排気管の幅が正しくないのかも。排気管カバーがなまじエッチング製なので、調整は初心者には苦しいでしょう。

 ああ、腹立つ~! まあ、これはレベルのティーガーIの塗装練習用くらいに考えて、気楽に作ることにしましょう。せっかく模型作っているのにストレスためるのは、損だもんね。

ドラゴンのティーガーI中期型(失敗!)

2006年10月22日 11時55分01秒 | AFV(独)
 ついでにドラゴンのティーガーIの中期型を作り始めました。ツィメリットコーティングが最初から施されているし、エッチングパーツも入っているし、値段も安いし… でもドラゴンのミニスケールキットに共通の、いざ作り始めるといらいらする、という欠点は相変わらず。車体上部を下部にはめるだけで、相当あちこち調整しなければなりません。さくさくと作業が進まないんですね。それにハッチの形状、主砲防盾の形状などもかなり怪しい…。
 まあそれはそれとして、このキャタピラは失敗してしまいました。まあ聞いてください。ドラゴンのDSキャタピラ、塗装や接着が可能という自慢の素材です。ところが2ちゃんのミニスケールスレなどで、塗装したら劣化してぼろぼろになったとか、ぶつぶつ切れたとか、縮んだとか、悪い噂もあります。またこのティーガー中期型では、巻いてみると若干長すぎるようでした。
 そこで2ピース分ほどカットします。連結はあきらめて、両方の端を1ピースずつ切り取って、両端がぴったり接するようにしておきます。さらに劣化防止のためにあらかじめソフト99「バンパープライマー」を吹き付けておきました。一週間放置して、特に縮んだ様子もないので、そろそろ接着です。
 ところがこのバンパープライマーがくせ者だったようです。接着剤が効かないんです。ラッカーシンナーとコニシの「ボンドGPクリヤー」を併用しましたが、全く接着強度が出ません。ちょっとさわるとすぐに取れるし、この写真を撮った後、キャタピラ上面は弾性で自然に剥がれてしまいました。
 バンパープライマーが無色透明なのでよくわかりませんが、プライマーが接着剤ごとキャタピラから剥がれたのではなく、よく見るとプライマーの表面が接着剤をはじいたようです。いかにこのプライマーが強力か分かりますね。塗料の食いつきはよくなるようですが、接着した後で塗らないといけないんですね。これはたぶんドラゴンのDS素材の責任ではなさそうです。前回ハセガワのチャーチルMk.Iでうまくいったのは、塩ビキャタ対プラ車体だったからなのでしょう。それに接着面にはプライマーを塗りませんでしたし。いや、これは失敗でした。

ATAKのツィメリットパーツ(その3)

2006年10月20日 23時59分39秒 | AFV(独)
 ATAKの、胴体周囲のツィメリット用レジンフィルムです。非常に薄く出来ています。いつも通りカッティングシートの上に載せると下の格子が透けてしまうし、また色が明るいのでコーティングのギザギザが見えません。撮影のために下に真っ黒な紙が敷いてあります。下手に扱うとパリンと折ってしまうのではないかと心配になりますが、レジンのフィルムはかなりしなるので、慎重に取り扱えばフィットはさせやすいと思います。ただエッチング以上に接着が大変…
 ご覧の通り操縦席の前、ギアボックスの天井部分にもツィメリットが用意されています。ここにはコーティングの無い車輌も多いようです。またコーティングがしてあっても、人が踏む場所ですから、かすれている場合も多いそうですね。そうするとそこはレジンの強み。接着さえきちんとしてあれば、後からサンドペーパーで削って、ところどころ摩滅した部分を表現できるかと…。私ゃそんな技術はありませんので、どなたか挑戦してみてください。

ATAKのツィメリットパーツ(その2)

2006年10月17日 20時37分36秒 | AFV(独)
 さて、ATAKのツィメリット付き砲塔です。砲塔の天板はキットのパーツをそのまま使うようになっています。前回紹介したように、この砲塔パーツはレベルのキットのパーツをそのまま使って原型にしています。レジンは硬化後にある程度収縮するという話ですが、ATAKの砲塔にレベルの天板を乗せてみたところ、問題なくぴったりはまりました。
 ご覧のようにATAKのツィメリット、表面の表現が非常によい。所々剥がれたところまで表現されていますし、ドラゴンのツィメリットつきプラパーツが少々溝が深すぎて大袈裟な表現であるのに対し、薄くかつくっきりしていて、すばらしい。むしろはっきり申し上げれば、ドラゴンのツィメリットが単に溝を刻んだだけという感じなのに対して、ATAKはちゃんと装甲板の上に材料を塗ってコテか何かで刻んだような感じになています。この辺りはさすがレジンというところでしょう。インジェクションではどう頑張ってもこうはいきません。
 しかしこれを見ていると憂鬱になりますね。ATAKの原型師はレベルのパーツを使っている、ってことは我々と条件は変わらないわけです。それなのにここまで繊細なコーティングができる。エポキシパテを薄くのばして貼るくらいしか方法は思いつきませんが、どうやったらこんなにきれいにできるんでしょうね。

ATAKのツィメリットパーツ

2006年10月14日 23時56分19秒 | AFV(独)
 前に、エッチングのディテールパーツは別の決定版ツィメリットパーツを使う時のために温存しておく、と書きました。今日はその決定版なるものを紹介したいと思います。ポーランドのATAKの「Zimmerit PzKpfw VI TIGER I Ausf. E for Revell kit」です(チェコのATTACKではありません)。これは有名な英国のミニスケールAFVサイト「On the Way」のレビューでも
 a beautiful set, and in my opinion,
 the best and easiest way to produce a Tiger I with zimmerit
と絶賛されているものです。
http://www.ontheway.org.uk/reviews/Atak/Tiger1zimprev.htm

 さてご覧のように、車体周囲のツィメリットは、非常に薄く形成されたレジンのコーティングを貼り付けるようになっています。これが、めちゃくちゃ薄いのです。一方、砲塔と防盾は丸ごとレジンパーツで置き換えるようになっています。ツィメリットを貼り付けなくてよいので、これは楽に組み立てられそうです。

 このパーツにエデュアルドやPARTのディテール用エッチングパーツを追加すれば、かなりすごいものが出来るに違いありません。ただし、完成はいつになることやら…

 さて、写真をよく見ていただくと、砲塔の内側にパーツの合わせ目があるのにお気づきだと思います。貼り合わせたプラパーツをそのまま型どりしたような… そうです。このATAKのパーツは、レベルのキットのプラパーツをそのまま使い、これにツィメリットを施して型どりの原型にしているんです。べつにそれが悪いという訳ではありません。肝腎なのはパーツとしての出来です。次回は砲塔のパーツをご紹介します。

砲塔ハッチの取っ手

2006年10月13日 21時30分02秒 | AFV(独)
 ついでですから、砲塔の車長ハッチと装填手ハッチに真鍮線で取っ手をつけてみました。後期型では、装填手ハッチを右に寄せて取り付けているものがあるようなので、そうしてみました。車長用ハッチの取っ手はもうちょっと小さい方がよかったと思うのですが、手元に0.3ミリの真鍮線しかなかったので…

 しかしこの細さだと瞬間背着剤の点付けが難しい。ここでは前回紹介した「ボンドGPクリヤー」をラッカーシンナーで溶いて、あらかじめ真鍮線にちょいちょいと付けておきました。
 また真鍮線は両端を直角に曲げた後、片側を少し長めに残して切っています。ハッチ側の穴は両端ではなく、片側だけに開けています。真鍮線の長めの端を穴に差し込み、短い方の端はハッチ側に接地させるわけです。真鍮線の両端を穴に差し込もうとすると、取っ手の幅と穴の間隔をぴったりそろえなければならない。これがなかなか面倒くさい。そこでこの片側差し込み方式を使ったわけです。うまくごまかせているでしょうか。

エンジングリルのネットの接着

2006年10月12日 00時30分31秒 | AFV(独)
 サイドスカートの接着の話が出ましたので、ついでにエンジングリル上面の異物防止ネットの接着について。このエッチングパーツは縁の枠が細く、その内側がさらにメッシュになっているために、瞬間接着剤が使いにくい。毛管現象でメッシュに接着剤が流れ込んでしまいそうです。
 そこで活躍したのが、住友スリーエムの「Scotch 3M 多用途」です。かなりネバネバした接着剤ですので、そのままでは細かいところには使えません。何かパレットのようなものの上に少量出し、ラッカーシンナーで薄めて、それを爪楊枝や針の先で車体側のエンジングリルの縁に点置きします。その後エッチングパーツを置き、位置決めして圧着します。これが意外としっかりとくっつくんです。ご存じのようにこのタイプのボンドは普通、塗布した後2~3分乾かしてから圧着しますよね。だからこの場合も、接着剤を塗った後の作業時間に余裕が取れます。
 「Scotch 3M 多用途」は、ミニスケールファクトリーのレジンキットの説明書で、瞬間接着剤と併用するように推薦されていた汎用接着剤です。こういう用途に適しているということだろうと買ってみたら、確かに便利です。もうひとつよく使っている接着剤が、2ちゃんねるのミニスケスレで紹介されていた、コニシの「ボンドGPクリヤー」です。これは塩ビ製キャタピラの接着に使える、というもので、結構力を入れても取れないくらいにはくっつくようです。

ティーガーIのサイドスカート(その3)

2006年10月11日 21時00分22秒 | AFV(独)
 右側のサイドスカート、こうなっています。なにしろ下がツィメリットのエッチングパーツになっていますから、接着がなかなか面倒。プラパーツ同士なら流し込み接着剤が使えて簡単なんですが、金属相手だとボンド系や瞬間接着剤ということになります。ところがこの場合、ボンド系では接着面が小さい。なにしろ波打たせるくらい薄く削ってますから。またさらさらタイプの瞬間接着剤もここでは使いたくない。せっかくのツィメリットの溝の方に流れ出してしまう恐れがあるからです。テープで仮止めして、裏側(下側)から、デザインナイフの先にゼリー状瞬間を乗せて奧まで差し入れならが、少しずつ固着して行きました。