みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ミニボックスEシリーズあれこれ その2

2008年08月13日 19時44分34秒 | キット評
 エッシーの35(t)の説明図、今度は昨日の裏側です。昨日と同じく、上がハセガワEシリーズ、下がエッシーオリジナルです。今度はさすがに裏焼き、ということあありませんでした。でもよくご覧下さい。35(t)の写真、エンジンルームに広げた対空識別用の旗。エッシーの方には鉤十字がないでしょう?
 さて、これをどう考えればよいでしょう。エッシーオリジナルには鉤十字が無いのに、それを輸入したハセガワが日本語版説明書を作成する際にわざわざ鉤十字を書き加えた、ということが普通考えられるでしょうか? いや、まずそれはないと思われます。ヨーロッパ側の事情で鉤十字が元々消されていたのなら、たぶんそのままにするでしょう。わざと書き込んだりしません。ということは…
 この鉤十字の無いエッシーの説明書は割と後期のもので、当初は鉤十字があった。ハセガワはその初期のものに基づいて日本語版を作った。ところが後になってエッシーが鉤十字のない改訂版を作った。そう考える方が自然です。つまり

○エッシー初期=鉤十字あり
      ↓
○ハセガワEシリーズ=鉤十字あり

       ○エッシー改訂版=鉤十字を削除

ということです。ちなみに私の所持するエッシー版は、縁が赤い箱です。エッシーのミニスケールAFVは、白い箱が割と早い時期で、赤い箱が後の時期のものですよね? つまり私の所持するものは、比較的後の時期のものだ、ってことで辻褄が合います。
 そうすると、昨日写真を挙げた裏焼きになっているページも、エッシーの初期から裏焼きで、それをハセガワが直した可能性もありますが、エッシーの初期もハセガワもちゃんと正しい向きで印刷されており、後のエッシーの改訂版がうっかり裏焼きにした、という可能性も出てきたわけです。
 もうひとつ前の例も思い出してください。「ドイツ野戦砲セット」の塗装図が、エッシーオリジナルは割と詳細な図で、ハセガワが簡略な図になっていた、という話です。これもハセガワが日本語版を作るときにわざわざ簡略化した図を載せた、というよりは、エッシーの初期は割と簡単な図で、ハセガワの日本語版はこれに基づいていて、後になってエッシーが改訂版を作って詳細な図に置き換えた、という可能性が高くなってきました。つまり

○エッシー初期=簡略な図
      ↓
○ハセガワEシリーズ=簡略な図

       ○エッシー改訂版=詳細な図

というわけです。このように見てゆくと、エッシーの発売時期と、ハセガワEシリーズとの微妙なずれが検証できるわけです。あはは、模型作りには直接関係ないのですが、こういう考証は、とっても楽しいんです。私が所持しているエッシー白箱、赤箱、ハセガワEシリーズなど一部に過ぎないので、考証にも限界がありますが、でも今手元で見られる範囲だけでも詳しく見ているといろんなことが分かってきます。