みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

BRACH MODELのセモヴェンテ その4

2010年11月25日 00時06分09秒 | 車輌その他
 レジンキットを買ったらまずパーツの写真を並べて写真を撮っておきます。その後すぐに離型剤落としに浸けて簡単なバリ落としなどを行うので、細かいパーツの紛失などないようチェックするためです。ほんとに、デジカメが普及してこういうことが簡単にできるようになりました。で、セモヴェンテのパーツ、だいたいこんな感じです。パーツ数は割と多い方ですが、車内のパーツも含まれているからだと思います。転輪などは、一つずつではなくユニットごとに分割されているので、不必要に細かいわけではありません。

 さて、いわゆるセモヴェンテとカーロアルマートについて。エッシーの1/72のキットは、中学生の頃に作ったことがあるのですが、その当時からキャタピラの材質が硬くて厚すぎる、おまけに誘導輪の軸が細すぎてキャタピラの弾性に耐えられない、と子供心に苦労しましたね。でも、1/72にしては全体的にかなり細かい彫刻がなされているので、大人になったらこれをきちんと作れるようになりたいと思ったものでした。そういう意味では、他のハセガワEシリーズと同様、とても懐かしいキットですね。
 ところが肝心の大人になっても、他の車輌がプラ製キャタピラに変更されて続々と再版されて行くのに、このセモヴェンテとカーロアルマートだけはちっとも再版されません。イタリア自国の車輌なのに、残念に思っていました。後にレジン製の別売りキャタピラも入手出来たんですが、やはりレジン製は接着が不便なので、キャタピラのように各車輪に馴染ませなければならないものは、作業が難しい。それに一輌分しかないので、セモヴェンテに使おうかカーロアルマートに使おうか、悩んだままそれっきりです。ところで、このキャタピラについては、ちょっとアイデアがあるんです。まだうまく行くかどうか分からないんですが、その内レポートします。

 さて数年前ある模型店で、中古のコーナーにエッシー(ハセガワEシリーズ)のセモヴェンテがあるのを見つけました。セモヴェンテもカーロアルマートもコレクション用・製作用と既に持っていたんですが、そう高価でもなかったので、迷わず購入。ふとレジの側を見ると、箱無し・袋入りの見たことのあるキットが無造作に置かれています。あら?同じエッシーのカーロアルマートではありませんか。レジで店長さんにセモヴェンテを渡しつつ、これってカーロアルマートですか?と尋ねました。腹の中では、これも売り物なら買おう、箱無しだからそう高いことは言うまい、と目論んでいたんですね。そしたら店長さん、そのカーロアルマートもすっと袋に入れてくれます。これはサービスです、とのこと。いやいや、もらっては悪い、買いますよ、と申しましたところ、いやあ、セモヴェンテを買ってくれたお客さんにあげようと思っていて、とのこと。まことにありがたいことでした。
 まあ確かに、箱無し・袋入りというだけではなく、デカールもキャタピラも説明書も無いんですから、かなりの通でないと買えませんし、何より値段もつけづらいんでしょう。しかしおかげさまで大変豊かな気持ちで帰路につくことができました。キャタピラは無くてもいいんですよ。先ほどのアイデアで何とかしますから。

ドラゴンのT-34 その3

2010年11月23日 15時01分08秒 | 車輌その他
 すみません、もう一回ドラゴンのT-34の悪口を。写真は車体後部・円形の変速機点検ハッチです。上は表から見たところ、下は裏側から見たところです。裏側から見ると、車体側の穴の縁が円形ではなく、デコボコしていることが分かりますが、これは表からのねじを受けるねじ穴部分の突起です。実車に忠実な表現でして、ハッチを接着するだけならばこんなデコボコは要らないんですよね。さすがドラゴン、見えないところまで気配りを、なんて思ってはいけません。そこに接着したハッチを表から見て下さい。隙間ができまくり。そもそもハッチの厚みが車体に合わないので、ハッチが車体表面より沈んでしまいます。おまけに、あれこれ削ったのですが、どうしてもハッチが穴の真ん中に来ません。下側の縁が開いてしまいます。不思議だな~。ヒンジのパーツが邪魔をするんでしょうか。しかしヒンジをカットしてしまうとそこが途切れて目立ってしまう。だからってヒンジがそのままだと縁に隙間があく。これを正すにはヒンジがうまくはまるように細かく削った上に、ハッチの径を少しだけ大きくするため、円周に薄皮一枚分だけプラペーパーを巻かねばなりません。
 いちいちそんなこと、やってられるか~! たかがハッチ一枚はめるだけでこの騒ぎかよ! こんなの別パーツにしなくても、彫刻表現でいいんじゃないの? 細かいところといい加減なところのアンバランス、まさにドラゴンです。

BRACH MODELのセモヴェンテ その3

2010年11月20日 23時16分21秒 | 車輌その他
 このキットの好きな点は、エッチングパーツとデカールが入っている点です。エッチングパーツというのはレジンキットにもよくありますが、デカールというの入っていない場合も多い。特にミニスケールのイタリア車輌用デカールは別売りがあまりないので、助かります。
 このエッチングパーツはこの車輌専用というわけではなく、ここでは使わないものも入っているようです。刻印された文字には「Carri Itariani Serie M」と書いてあります。セリエってスポーツでよく見かける単語ですが、ここではイタリア車輌Mシリーズ用、ということでしょう。つまり他のキットにも共通でこのパーツが入っているということです。ってことは、余ったら他にも流用できるぞしめしめ。
 デカールは見る限りでは、フィルムも薄く、発色もよく、印刷のズレもなく、良質なもののようです。但し問題は、塗装図やデカール指示図がないこと。正確を期するには自分でちょっと調べなければなりません。デカールはイタリア陸軍のものと、ドイツ軍の運用したものとが入っています。
 よく見ると画面の下の方に丸めた真鍮線が入っているのが見えますか。これ、車輌前方につけるワイヤーの留め具です。これらのパーツやデカールが、箱の蓋の裏側にご覧のようにテープで止めてありました。傷まないように丁寧に梱包されていますね。

BRACH MODELのセモヴェンテ その2

2010年11月17日 00時00分36秒 | 車輌その他
 あ、このキット、私が始めて入手したというだけで、現在の新製品というわけではありません。以前東京で見た時とは、箱絵や箱の大きさが違うので、中身も改修されている可能性もありますが、私には分かりません。すでに作品を作っておられる方もあって、例えば以前のイタリアコンにタンケッテさんがすばらしい作品を出品されていました。
http://tankette.s83.xrea.com/gallery/semovente7534.htm
でも、人気があるようで、私が購入した翌日にはホビーランドで売り切れになっていました。
 で、大変気に入ったこのキットなのですが、一つ面白いことが。写真をご覧下さい。上半分がキットの箱絵の写真、下半分はここから引用した写真です。ね?裏焼きでしょう? キットの箱絵を最初に見て、操縦手用バイザーの位置が左右逆なので、あれ?と思ったんですよ。しかし、この車種だけ操縦手の位置を逆にするということは普通考えられないし、そもそも箱の中のパーツを出してみたら、ちゃんと他のセモヴェンテと同様左側になってるし。結局ネットで同じ写真を見つけたので、この箱絵が裏焼きであることが確認できました。他に、ガリレオ出版のイタリア軍車輌写真集でも確認しましたし、またここここにも、ドイツ軍が運用した車輌の写真がたくさん載っています。擱坐した本車を盾にして迫撃砲を構えているイギリス兵の写真は結構有名ですよね。普通はイギリス軍の装備の資料として使われる写真ですが、本車の様子もよく分かります。

BRACH MODELのセモヴェンテ、キタ~

2010年11月14日 23時05分24秒 | 車輌その他
 運命の女性と出会った瞬間には理屈抜きにビビッとくると言いますが、来ました、来ました、イタリアBRACH MODELのミニスケールレジンキット! 大阪のホビーランドの最新入荷リストにこれを見たとき、ピキーンと来ました!(ニュータイプかい?)
 このメーカーの名前は知っていましたが、ミニスケールレジンキットの実物はまだ見たことなかったんです。ホビーランドさんのブログを見ると、ミニスケールは今回初入荷だとか。作る暇もないのに、これを見て無性に欲しくなりました。何だか出来がよさそうな予感。
 メーカーのサイトは、ここ。現在トップページに挙がっている1/35の新製品「ソミュア MCG 軽多連装ロケット」も、ものすごい。これをフルレジンで作るんですよ。小型車輌なのにすごい迫力です。そして、ミニスケールの製品カタログは、こちら。おお~、イタリア車輌がずらりと並んでいるんではないの。うわー、カーロアルマート M 15/42が待機中! これも入荷が待ち遠しい。
 で、結局、定番のセモヴェンテ「M42 75/18」と、長砲身の「M42 75/34」とを注文しました。ホビーランドから昨日荷物が届き、ワクテカで開けてみると…。いやもう、大好き、こういうキット。一見してこれは作りたい、これはいける、と直感しました。部品を見ているだけで、メーカーが模型というものを愛しているのが分かる感じがします。ファーストエアのM13/40は持っていてまだ作っていないのですが(なんだかもったいなくて)、それと比べればややバリが多く、それにまだ内袋も開けていないので部品精度は分からないのですが、箱を開けて眺めているだけで、やっぱりなんだか好き。最初は部品の多さに目を奪われるけど、作っているとだんだん腹が立ってくるどこかのメーカーとは大違い。
 今、模型を作る時間があまりないのですが、まず長砲身の方から離型剤落としのお風呂に入れてあげましょうかね。

業務連絡~、業務連絡~。
 あの~、これ、垂直装甲ですよね? だめ? 漢(オトコ)じゃない? でも、セモヴェンテの部隊はイタリア軍の中では頑張ってる方なんだけどな~。

ドラゴンのT-34 その2

2010年11月12日 22時33分34秒 | 車輌その他
 ドラゴン1/72のT-34/76の続きです。やはりこの時期のドラゴンのミニスケールキットは、バランス感覚が崩れているというのか、有り体に言えば何考えているのか分からないというのか、妙に細かいところと異常に大雑把なところが同居しているように思えます。
 写真は、六角型砲塔の天板。矢印をつけたパーツは、ペリスコープのカバーです。天板と一体成形になっているペリスコープに被せるようになっているのですが、何もこんなところまで別部品にしなくても、と思いますよね。上半分の写真は、ペリスコープカバーをペリスコープの側に置いた状態です。そしてそれをペリスコープに被せると、下半分の写真のようになります。もう一方のペリスコープにも同じようにカバーを被せます。
 そのカバー自体が、なにしろ1/72ですからめちゃんこ小さい。湯口を綺麗にカットするのが大変。しかもペリスコープに被せると、基部のボルトの頭とぶつかってご覧のように少し浮いてしまうので、さらにカバーの下面を削って調整しなければならない。またそういう作業をするには、パーツを保持する場所がなくて困る。
 ミニスケールで、カバーの中からペリスコープちゃんと覗いているような立体表現が必要なんですかね。いや、そりゃ立体的表現の方がよりよいに決まっていますが、しかしこれ以外の場所で手を抜いていたり部品精度が悪かったりしたら、ここだけ細かくてもあまり意味がない気もします。こういうところにアンバランスを感じるんですよね。しかも苦労して組み立ててみたら、肝心のWee Friendsのフィギュアがハッチに入らない…。だったら最初から初期型砲塔にしておけばよかった…。

ドラゴンのT-34 その1

2010年11月11日 23時57分53秒 | 車輌その他
 ドラゴンの悪口のためにブログを書くわけではないんですが、買い込んでいた在庫整理で気軽に作っていると、やはり腹が立ってくるわけで。いや、最近のドラゴンミニスケールは結構よくなっていると思います。それはまた追ってレポートするとして、現在は在庫整理中。
 ドラゴンのT-34/76初期型です。この初期型砲塔は割と好きなので、昔1/35の負けっ人(マケット)でも作ったことがあります。ミニスケールではドラゴンとUMから出ていますが、これが両方とも一癖ある代物。UMは、うーん、どう処理しようかと迷ったまま幾年月。とりあえずドラゴンを片付けましょう。
 まず砲塔から。実物同様、前部装甲板が一枚板を丸く曲げた形になっていますが、これが組みにくい。砲塔側面前方と合わせると、かなり隙間が空きます。また天板と砲塔本体との間にも隙間ができます。しかし擦り合わせようとするとそれぞれが干渉するので、なかなかうまくいきません。まあ、力業でこれくらいに組んでおいて、あとは光パテで何となく埋めることとします。
 元々これを作り始めたのは、みにすけ屋殿が原型を製作されたWee Friendsのロシア戦車兵フィギュアを載せたいがためだったんです。一応このフィギュア用展示台としては、六角砲塔のT-34を作り始めたのですが、ハッチが小さくてこのフィギュアは立てられないことが判明。そこで、この初期型砲塔に変更。この大型ハッチなら何とか二人立てられるのではと思いまして。
 でも問題は、この続きで述べますが、車体側も大変作りにくいこと。適当なところで手を打てばよいのでしょうが、どうも腹が立つ。どうしましょう、あくまでフィギュアの展示台だから、車体は作らずに、この砲塔だけをうまくディスプレイできないかな、と考えています。

新東宝映画「第二次世界大戦」

2010年11月04日 00時12分09秒 | 映画
 これはいままでほとんど知られていなかったことですが、実はM3グラント戦車には左右対称の鏡像型が作られていたんです。写真をご覧下さい。下半分は我々が見慣れた、車体右側スポンソンに75ミリ砲を装備したタイプですが、上半分は同様のスポンソンが明らかに車体左側に付いていますね。
 M3リーとグラントとの違いは、その砲塔にあることはよく知られています。英軍が無線機を搭載するスペースを有する大型砲塔を望んだため、再設計された大型砲塔を載せたのがグラントです。ところが英軍がリーに抱いた不満はそれだけではなかったのです。75ミリ砲が車体の片側にしかないことも、同時に問題とされました。要するに、車体の右方向は射撃できるのに、左方向になると射角が極端に制限されるのです。そこで英軍では、75ミリ砲を反対の左側に装備した鏡像タイプを並行して生産することとなりました。つまり、一個小隊に右タイプと左タイプを半数ずつ配備し、それらがお互いに死角をカバーし合いながら連係して行動するよう訓練することにしたわけです。ちなみに、75ミリ砲が反対側に移った分、砲塔は車体の右寄りになりました。

って、嘘ですよ~、嘘!

 この写真、実は以前ヒストリーチャンネルで放送された新東宝映画「第二次世界大戰」のシーンなんです。ドキュメンタリー映画でして、製作当時の日本の風景も交えながら、第二次大戦を回顧する形で、記録フィルムを組み合わせつつ、北アフリカから始まって欧州戦線を概観する形になっています。
 ふんふんなるほど、まあよくまとまっているわい、とぼんやり長めながら……ん?今のはなんだ? 目にとまったのは、見慣れたグラントとは反対の位置に75ミリ砲を装備した変わり種グラントだったんです。ありゃ?そんなタイプはあるはずがないんだが?
 で、しばらく映画を見ていて、やっと理由が分かりました。これドキュメンタリーと言いながら、映画全体が演劇タッチになっているんですね。特に北アフリカの砂漠戦の映像では、広々とした砂漠を背景に車輌が走り回るので、特に英独の車種を知っていなければ、どちらが英軍でどちらがドイツ軍なのか、見ている人によく分かりません。
 そこでこの映画、役柄で進行方向をそろえたんです。つまり、ドイツ軍の車輌はすべて画面の左から右へ進むように、反対に英軍の車輌はすべて画面の右側から左側へ進むように、元の記録フィルムを必要に応じて無理矢理反転して使用して、いかにも右と左から両軍の車輌が激突するように演出したんですね。
 だからこのグラントの映像も、全体として英軍の戦車部隊が右から左へ動くように、裏焼きした状態にされちゃったんです。この写真はちょうど車輌が前を向いたところを選びましたが、その前後ではグラントは画面右から左へ進軍して行きます。ドイツ軍はその逆。他の戦車なら、よく見ないと裏焼きされていることに気づきませんが(例えば車体機銃の位置など)、グラントだけは左右裏焼きがめちゃくちゃ目立った、というわけです。写真下半分のように、戦闘が終わった後の、しかも画面奥から手前へまっすぐ走ってくる場面では、特に裏焼きはしていないんですね。あー、びっくりした。

 この映画、企画製作はすべて日本の新東宝が手がけていますが、テロップに「この映画に使用せる外国の場面は英国陸軍省の好意により資料として提供されたものであります」とあります。ただ、裏焼きしたのが英陸軍省なのか新東宝なのかは分かりません。制作年もどこにも書いてなかったのですが、中に「先ごろ板門店で休戦協定が結ばれた」と出て来ますので、1950年代半ばの作品でしょう。おお、これだな。
http://movie.walkerplus.com/person/109848/
「1954/2/1公開」とあるから、間違いありません。
 ついでに、ヒストリーチャンネルはお約束で番組の最初に「作品のオリジナリティを尊重して公開当時のまま放送いたします」と注意書きをつけています。あはは、違ぇねえ! 裏焼きのグラントもそのまま放映しているんですからねえ。

Webマガジン『i-modellers』創刊!

2010年11月02日 22時21分04秒 | Weblog
 このたび、模型を愛する仲間のWebマガジン『i-modellers』が創刊の運びとなりました。
http://i-modellers.com/index.html
本ブログにもしばしばコメントを下さるお友達の根生さんを中心に、様々な分野を得意とする仲間が集まった、楽しいマガジンです。
 で、実はわたくし不肖「みに・ミー」も、ミニスケールもの担当として参加しているんです。ただ、ここのところ模型を作る時間が全然なくて、創刊号には全く名前が出て来ませんが…。次回は是非。次号の予告を見ると、特集テーマは「垂直装甲は漢(オトコ)の装甲」。垂直装甲? 今作りかけのフジミティーガーツィメリットつきかあ? しかしティーガーばかりというのも寂しい、とすれば…。垂直装甲って何がありますかね。ただ垂直なだけではなく、勇ましいやつ。KV-Ⅱ?レオパルトⅡA4? それとも隠し球のあれで行くかな?いやあれは女々しいし…

 まだ生まれたてのマガジンですが、創刊メンバーのおかげですでにこの充実度です。みなさんぜひブックマークに加えて、ご愛読・応援のほどよろしくお願いいたします。