みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ツポレフTu-104の巻(その2)

2006年11月23日 19時33分25秒 | 航空機(旅客機)
 さて、アランゲルのTu-104の中身です。開けてびっくり。ごらんのとおり、「え?」という出来です。胴体にも翼にも、モールドらしきものがほとんどありません。これはモールドではなく、単なるデコボコだ… 動翼部分は凸線で表現されていますが、これもダルい。主翼上面のバルジや整流板も、なんだかおざなり。左右胴体を合わせてみると、胴体断面形が丸くなく、なんだか上下に少し尖っている。機首や機尾の側面形もあまりよくない。
 さらに、スタンド付きで飛行状態のみ。降着装置は最初からついていません。部品数は非常に少ない。操縦席と航法士席のみ、質の悪い透明部品が入っています。当然組み立て説明書は、あっさりしたものがぴらっと一枚。こりゃあ何十年も前の、半分オモチャのロシア製プラモを思い出させるぞ。一つ言わせてもらいたいのですが…
 これで四千円かよ!

 せめてもの救いは、デカールの印刷が良好なことです。フィルムが白っぽくてやや厚いかな、という感じはしますが。まあ、デカールを使うところまで行き着くかどうか分かりませんけどね。胴体表面に、ヒケとは違う、なにか凹凸があるんですよ…。
 まあ、これで腹を立ててはいけません。評価の高いキットを機嫌良く作るのも模型趣味ですが、さあどんなキットが出てくるかなと、シュリンクパックを開くドキドキも模型趣味ですから。

 でも、これではブログの収まりがつきません。ついでですから次回から、Tu-104の他のメーカーのキットもいくつか紹介することにします。

ツポレフTu-104の巻(その1)

2006年11月19日 20時02分11秒 | 航空機(旅客機)
 みに・ミーでは、ごくたまには飛行機も作ります。古い時代の旅客機なども、現代の飛行機と違ってレトロな魅力があるので好きなんです。政治体制はともかくとして、旧ソ連の1950~60年代のエアロフロートの旅客機は、スタイルといい塗装といい、独特の雰囲気があって模型的にも見栄えがする。特にTu-104は子供の頃に図鑑で見て、機首に航法士席のガラス窓がある旅客機なんて面白いな、と思っていました。
 実機については、たとえばここ。
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/tu-104.htm
へえ、コードネームは「キャメル」なんですね。Tu-16「バジャー」爆撃機を元に作られたソ連最初のジェット旅客機です。機首の航法士窓や、主翼付け根のエンジンなど、元の爆撃機そのままです。Wikipediaによると、
http://ja.wikipedia.org/wiki/Tu-104_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
世界で二番目に営業運行されたジェット旅客機だそうです。では、世界初の営業運行ジェット旅客機はといえば、デハビランド・コメットDH106ですね。民間機のコメットを元にして哨戒機のBAE ニムロッドができたのとちょうど逆に、バジャー爆撃機を元にして民用機のキャメルができたわけです。
 写真はアランゲルの箱絵です。どこにもスケール表示がないんですが、バウマンのサイトによると1/110のようです。次はこのキットの驚愕のレポートです。

チャーチル用のフォトエッチング製キャタピラ

2006年11月12日 21時08分18秒 | AFV(英・チャーチル)
 さて、しばらくティーガーIの話をしていましたので、ひさびさにチャーチル戦車に戻りましょう。最近入手した、チャーチル戦車用のキャタピラです。
 OKB Grigorov というブルガリアのメーカー。
http://www.okbgrigorov.com/
ここからは、おびただしい数のフォトエッチングパーツが発売されています。通常の車輌用ディテールアップパーツ以外にも、キャタピラ、車輪、増加装甲板、ジオラマ用の門扉やフェンス、家具、歩兵銃・サブマシンガンなどの銃、剣や槍やまさかりなどの古代兵器、などなど…、非常に多くのミニスケール用エッチングパーツがあります。銃のエッチングというのは、ちょうど干し魚の開きのようになっていて、折り曲げて裏表を接着するというものです。これなら両面にモールドが来るわけですね。M16にカラシニコフにガリルにH&Kにリー・エンフィールドに… それはまだしも、エッチングで1/72のピストルなんて…
 キャタピラだって、III号/IV号のキャタピラだけでも幅の違い・滑り止めの違いで何種類も出ています。36センチ履帯と40センチ履帯、1/72の見た目でどれだけ違うと言うのやら… さらにヴィンターケッテンつきまであります。
 中でも一番の変わり種がウオークマン! 本体とヘッドフォンがセットになってます。1/72のウオークマンなんて人形に装着するも大変だけど、そもそもどんな場面に使うんだ? 他にも1/72用の眼鏡まで! すげ~
 まあ一方では非常に実用的な物もあって、エレールの1/72のソミュアS-35用のキャタピラなんて重宝します。エレールのソミュアは全体の出来は悪くないものの、キャタピラだけが硬くて厚くて似てなくて…。これをエッチングで置きかえるようになっているわけです。これはいつかレポートしたいと思っています。

 さて写真はチャーチル用のキャタピラです。何カ所か隙間が空いていますが、材質が割と軟らかいので、購入時には取れてしまっていました。でも袋の中から断片を回収しましたから、実際は接着してしまえば大丈夫。細く突き出ている部分は180度折り曲げて、キャタピラ表側の突起になります。

 チャーチルに使われたキャタピラには、重量型・軽量型・マンガン型の三種類があります。重量型は初期のMk.IやIIに使われたもの、軽量型はMk.III以降に使われたもの、マンガン型はMk.VIIの系列に使われたものです。ただし軽量型とマンガン型は外見ほとんど変わりません。また、重量型は単純に初期型というわけでもなく、AVREに装着された例もあるようですから、ある程度目的によって使い分けたのかもしれません。ミニスケールの模型で言うと、ハセガワのMk.I/IIのキャタピラが重量型、エッシー/イタレリのMk.IIIのキャタピラが軽量型です。形状はかなり異なります。このOKB Grigorovのエッチングパーツは軽量型ですね。

 さて、このエッチング製キャタピラ、彫刻はすばらしいのですが、はて、どのように使いましょうか。エッシー/イタレリのキャタピラは、そのままでも十分見栄えがするものですから、わざわざ置きかえることもありません。それにキットどおりに組み立てるなら、上半分はトラックカバーで覆われていて、どうせ見えませんし。もしもトラックカバー無しの状態(AVREには時々見られます)に改造するならば、使用効果は大きいでしょう。

はて? なぜ買ってたのかな?(フジミのティーガーII二種)

2006年11月05日 18時16分25秒 | AFV(独)
 フジミのティーガーIIのヘンシェル砲塔型には二種類あるのをご存じでしょう。
  World Armor Series WA-1「ドイツ陸軍6号II型重戦車 キングタイガ-」
  Special World Armor SWA-14「キングタイガーヘンシェル型」
です。前者はフジミオリジナルの1/76シリーズ第一作目、後者は元々ニットーのキットで、これにフジミがプラ製連結キャタピラをセットしたものです。
 最近あまりの在庫の多さに少し整理しようと、新金型の別製品が出てしまっている古いキットをチェックしていたら、段ボールの奧の方からこのフジミのティーガーIIが両方出てきました。いずれも2~30年前の懐かしい製品ですが、これを買ったのはそれほど前ではありません。記憶では、確かにレベルのティーガーIIが発売される少し前でした。旧ニットーならプラキャタピラですからまだしもですが、はて?古いフジミのまでなぜ買っていたのかな?
 思い出しました。旧ニットーの車体に、古いフジミの砲塔を乗せようと思っていたのです。写真左が古いフジミの砲塔、右が旧ニットーの砲塔です。ニットーのものは下の縁が妙な角度で内側に切り欠かれていて、明らかに不自然です。古いフジミはさすがに時代物で、キャタピラは分厚く硬く、車体にも省略が多いのですが、砲塔の形状だけはニットーに勝っているのです。それでいいとこ取りで組み合わせようと思っていて、そこにレベルが発売されたために放置になってしまっていたわけです。
 レベルのティーガーII用のディテールアップパーツもいろいろ揃ってきました。これを使ってそろそろレベルに着工する予定です。でもせっかくの懐かしいキットですから、このフジミもそんなに凝らずに二個イチで完成させてやろうと思います。

ドラゴンのティーガーI中期型(その5 ケーブル取り付けました)

2006年11月03日 11時48分38秒 | AFV(独)
 車体上面の牽引ケーブルを取り付けました。このキットをお持ちの方はご存じのように、ケーブル部分は前半がプラで、後半が金属線で出来ています。これならケーブルの実感もアップ、自然に曲げることもできます… と、うまくいけばいいのですが、そこはドラゴン、そう簡単にはいきません。だって、プラパーツと金属線で、ケーブルの太さが全然違うんですよ。おまけにプラパーツの端に接着面が全然ない。裏側がそれらしく凹んでいますが、あまりに浅く、こんなに太い金属ケーブルをそこで接着したら、全体が浮いてしまいます。

 そこで金属ケーブルの端を斜めに切断、尖った端をプラパーツの下に潜り込ませる形で瞬間接着剤で固着しました。それでもまっすぐにつながっていませんけど、太さが違うものはそもそも仕方がない。本格的にやるなら全部金属ケーブルで作り直すことになりそうです。この値段帯のキットでティーガーI、と言えばハイレベルユーザーだけではなく、気楽に作ってみようという初心者も対象にしているはずですが、こんなことでいいんでしょうかね?

 え?エンジンルーム上面の異物防止メッシュが付いていない、って? はい。ドラゴンに凝るのも癪なので、ここのエッチングパーツはレベルに流用したんです。あしからず。